陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

東京電力が果たすべき賠償金の大枠推計値が公表された

2011-10-03 19:54:19 | Weblog
 今日は、山形県の朝日岳と月山で初冠雪が見られた。平地でも、早朝は8℃と涼しさを通り越して、寒さに震え上がった。浴衣や夏の衣類を整理して、長袖シャツなどを準備する。これからは益々秋も深まり、豊かな味覚の季節を迎えると思うと、少し嬉しい気分だ。

 福島第一原発事故により、東京電力が賠償しなければならない推定額が政府・第三者調査委員会から公表された。

東電、原発事故賠償金額は4兆5402億円と推計=調査委
2011年 10月 3日 18:32 JST

 [東京 3日 ロイター] 東京電力(9501.T)の経営実態を調査してきた政府の第三者委員会の「東京電力に関する経営・財務調査委員会」(委員長・下河辺和彦弁護士)は3日、調査報告書の内容を発表した。

 福島第1原子力発電所の事故で東電が負担する賠償金額は4兆5402億円と試算。また、原発の早期再稼働と電気料金の値上げがない場合は、今後10年間で8兆6000億円もの巨額の資金負担が生じるとの予想を示した。

 今後、東電は9月に設立された「原子力損害賠償支援機構」の支援を受けて賠償金支払いにあたるが、資金支援を受けるため東電は機構とともに「特別事業計画」を策定する。同報告書は特別事業計画策定に向けた「たたき台」となるが、下河辺委員長は記者会見で「報告書に盛り込まれているリストラ、資産売却が最低限、実現されれば原子力損害賠償支援機構法にある政府からの資金(支援)については大きな道筋が前向きにつくだろう」と述べた。

 調査委は今後10年間で2兆5455億円のコスト削減が可能とした。内訳は、1)調達改革によって10年間で8254億円、2)人件費削減によって10年間で1兆0454億円、3)その他経費削減で6747億円としている。報告書では、東電が今後3年間で連結ベースの従業員数(11年度当初で5万4000人)の約14%当たる約7400人を削減する方向で検討していると明らかにした。

 報告書では今後、電気料金の値上げがなく原発再稼働がなければ今後10年間に約8兆6000億円の資金不足が発生する一方、早期に原発を再稼働し電気料金を10%値上げすれば同不足額は7500億円に止まるとした。下河辺委員長は「柏崎刈羽など再稼働することが可能性として十分見込める原発が数基ある。10年間全く原発が稼働しなかった場合にファクトとしてどうなるかを示しているが、委員会として原発の再稼働問題の評価は入れていない」と説明した。
 
 4兆5402億円の賠償費用の内訳は、1)事故収束までの期間に要した賠償額として初年度分で1兆0246億円、2年度目分以降で年間8972億円、2)財物価値の喪失や風評被害など「一過性」の損害で2兆6184億円としている。東電が福島第1原発の1─4号機の廃炉費用約6100億円について、4700億円の費用拡大リスクがあるとして、廃炉費用合計で1兆0817億円を見込む。

 また、報告書は東電は金融機関に対し「金利減免や債権放棄は要請しない」という内容を記載した文書を送付していたといたことも明らかにした。報告書は「2011年3月末で実態連結純資産が1兆2922億円と試算され東電が資産超過の状態であることからすると、金融機関に債権放棄や債務の株式化を要請することは困難」と指摘している。
 (ロイターニュース、浜田健太郎)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23453520111003


 これから2年間の賠償額だけで4兆5000億円が推定され、更に4基の原子炉の廃炉費用で約1兆円が掛かる見込みだ。実際は、それを上回るコストを要するであろう。更に今後10年間で8兆6000億円の費用が掛かると予想されては、最早企業の形態を保つことは出来ないだろう。

 私は、東京電力が被災者へ当面の賠償支払いを行った後は、法的整理を行って、国民、取り分け福島県民に謝罪するのが当たり前と思う。経営責任を預かった取締役以上の役員は、10年前に遡(さかのぼ)り、私財を全て提供し誠意を示すべきだ。東電株主は、大金を失うが、連帯責任を免れることは出来ない。

 その後、東電は暫らく公的な管理運営とし、贅肉を全て取り除きながら、他電力会社の原発も国家管理するように考えたら良い。

 下記のような第三者委員会の提言は甘過ぎると考える。

東電、10年でコスト2.4兆円削減へ=公的管理への移行促す―第三者委報告書
時事通信 9月30日(金)0時28分配信

 東京電力福島第1原発事故の賠償金支払いに向け、経営状況を調べる第三者委員会(委員長・下河辺和彦弁護士)の報告書全容が29日、判明した。人件費などの圧縮により2020年度までの10年間で2兆4000億円強のコストを削減。原子力損害賠償支援機構による資本注入を可能とする新株発行枠の拡大にも言及し、東電に公的管理への移行を促す。

 人件費削減では、希望退職の募集や新規採用抑制で社員を減らすほか、年金についても運用利回りを現役社員は1.5%(従来2%)、OBは2.25%(同最大5.5%)に引き下げる方向で、組合らと交渉を進める。

 資産売却では総額6300億円を確保。内訳は不動産2000億円、有価証券3000億円にグループ企業46社売却で1300億円を捻出する。

 賠償規模は初年度3兆6000億円に上ると想定。その後は被災者の避難生活が1年延びるごとに年9000億円を支払う。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110930-00000005-jij-bus_all
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