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エルトゥールル号遭難事件〜真心とは?

2018年08月29日 | 日記

真心とは「他人のために尽くそうとする 純粋な気持ち。偽り・飾り・私利私欲のない誠意。」を意味しますが、トルコと日本には、まさしく そんな真心を感じさせるエピソードが残っています。

現在のトルコ・・当時のオスマン帝国軍艦 エルトゥールル号の遭難事件は1890年に起こりました。紀伊大島に連なる岩礁に激突し、座礁したエルトゥールル号は、機関部へ浸水して水蒸気爆発を起こし沈没。600名以上が海へ投げ出されたのですが、これを知った 現在の和歌山県 串本町の人々は 総出で救助と生存者の介抱へあたったとされています。

けれど 当時の住民の皆さんは、台風により出漁できず、食料の蓄えもわずか! という状況。とても彼らを介護できる環境ではありませんでした。にも関わらず、浴衣などの衣類や卵・サツマイモ。それに非常用の鶏すら供出するなど、生存者たちの救護に誠心誠意努めたそうです。

その結果、お寺や学校・灯台などに収容された69名が命を取り留めたわけで、その後、ドイツの軍艦で負傷者は設備の整った神戸の病院へ搬送。翌年 生存者は、日本海軍の軍艦2隻によって オスマン帝国の首都・イスタンブールまで送り届けられたとのことですが・・それでお話は終わりではないのですね。

1985年のイラン・イラク戦争で イラクのフセイン大統領が期限付き無差別攻撃を予告。各国は期限までに イラン在住の国民を軍用機や旅客機で救出したものの、日本だけは『自衛隊機の海外派遣不可の原則』により これを断念。さらに JALも「航行の安全が保証されないなら臨時便は出さない」と宣言したものですから、これにより日本は 在イラン邦人を救出できない状況へ陥ってしまいます。

そこで 日本大使がトルコ大使へ この窮状を訴えると「ただちに本国から救援機を派遣させましょう。トルコ人なら誰もが エルトゥールル号の遭難の際に受けた恩義を知っています。」との返答・・即時、対応していただき、トルコ政府は 救援のための旅客機を増やして 215名の日本人はこれに分乗。その結果、全員トルコ経由で 無事 日本へ帰国できた! という次第です。

最近は この二つの物語は、愛知県の学校入試問題になったり、自由社と育鵬社が出版する中学校の教科書にも記載されてるらしいのですが、このような美しい物語を語り継ぐためにも、これを題材にした映画『海難1890』は、是非とも全国の小中高授業の一環として上映してほしいものの一つと言えます。