話の扉

一級建築士 野積基子所長のブログ

2020-05-25 17:09:33 | 今月の本
とても面白い本を読みました。

実質 ノンフィクションがいい
迫力満点!!
1985年 東京都庁コンペの実録です。
この本は磯崎新さんの観点で描かれています。
ご存知の方が多いと思いますが、
都庁コンペの最終当選案は
あの大御所建築家「丹下健三」です。
既に故人です(1913~2005)

まあ なにしろ
磯崎新さんは丹下の弟子です。
この世界弟子だとか恩師だとかは
全然関係なく猛烈なバトル
戦いが繰り広げられます。

作家の平松剛さんが関係者への丹念に取材されていて
文章もリアルで面白く描かれていて
思わずうなずくことばかりでした。

この時期ちょうど
手書き図からCAD図の出はじめの頃です。
この指名コンペは当時の主だった
設計事務所9社に依頼されました。

コンペ応募案の本まで購入して
当時のバトルの激しさを読み取りました。

上段 左が磯崎事務所案

磯崎新さん以外は全部超高層案です。

磯崎事務所は
この提出図を全部を
リトグラフにして提出しています。
まるで絵画ですね。

どちらも300ページ 500ページの大作本で
どっしり読み応え満タンでした。(^_-)-☆

先日磯崎さんは
伊香保のハラミュージアムで
88才のお祝いとプリツカー賞(建築のノーベル賞)のお祝いがありました。
この建物は私は最高傑作と思います。
多分、ご本人も数多い自作でもお気に入りだと思います。

昔、数十年前
群馬県立近代美術館の講演で拝見しました。
建築家の鏡のようにまぶしく見えてことを
思い出しました。

今後のご健康とご活躍をお祈りいたします。

追伸
結局磯崎事務所案は落選でしたが
この数年後羽田へ向かうお台場付近?
この磯崎案によく似た建物が建ちました。
フジテレビ本社です。
この建物の設計は丹下事務所です。
すごいでしょ?! この世界!! (>_<)
 










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