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再発GBM(多形性膠芽腫)のCCI-779とIL13-PE38QQR

2005-08-07 | 脳腫瘍
2005年ASCOで発表されたメイヨークリニックとNCCTG(the North Central Cancer Treatment Group)の開発したCCI-779(temsirolimus)は、副作用が少なく、試験に参加した再発GBMのうち36%もの患者で腫瘍反応が画像確認された。CCI-779は、腫瘍細胞だけをターゲットに、腫瘍成長を抑えるスマートドラッグである。GBMは、最も悪性度の高い脳腫瘍だが、再発GBM患者のうち36%もの患者が寛解に至ったのは注目すべき結果であり、研究者らはさらに解析し、その薬に奏効しやすい患者に共通の特徴を発見した。ターゲット分子に密接な関連のある腫瘍蛋白p70s6キナーゼの活性化である。これによって、この薬に奏効する患者をスクリーニングすることが可能になる。  Mayo Clinic(Rochester)PMID: 15998902 第Ⅱ相試験によって、乳癌、マントルリンパ腫においての結果も発表。現在腎細胞癌ファストトラック指定。

NeoPharm社のIL13-PE38QQR (cintredekin besudotox) も同じく再発GBMに第Ⅲ相臨床試験中(PRECICE)である。IL13-PE38QQRは腫瘍ターゲット分子(IL13)と細胞殺傷性を持つ薬剤(PE38)の2重構造となっている。IL13受容体は正常脳細胞にはほとんど見られず、GBM細胞にのみ働きかけることが可能である。IL13-PE38QQRは、腫瘍のIL13受容体にしっかりと結合し、IL13をPE38に付着させ腫瘍細胞を殺す。正常細胞にはIL13がないためダメージを受けない。PRECICEではGliadel『海外癌医療情報リファレンス-Gliadel』との比較試験が続行中であり2005年後半に結果が報告される。 NeoPharm社サイトより


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