ヒスタミン H2受容体拮抗剤シメチジン(タガメット)について書いたことがありません。ざっと論文検索をかけても肯定否定的結果含めさまざまな癌で抗癌作用についての論文が数多くあり、日本の最近の研究報告が相当に多いです。検索はcimetidine→PubMed
シメチジンは驚くべき抗癌薬である。しかし、それを発見したSmith Kleinは、シメチジンの特許が切れてからは貝のように口を閉ざし、以降研究を行わなかった。
1979年Lancet誌 シメチジンの抗癌作用が初めて示唆された。肺癌患者2名において胃薬として処方された。1人の患者は頚部に転移した扁平上皮癌(転移肺癌)であった。1,200mg/日を服用後すぐに転移は退縮した。その後も1日600mg服用し続けたところ、1年後、腫瘍は検知できなくなった。2人目の患者は非小細胞肺癌の脳転移で1日600mg服用を始めた直後から、原発肺癌が縮小、脳転移は手術で切除、1年後には肺腫瘍も検知できなくなった。
(1982年までに、シメチジンがサプレッサーT細胞を阻害して、癌を殺すリンパ球の放出を助けることが解明された。)
1982年Lancet誌 肺や肝臓など複数内臓に転移したかなり進行したメラノーマ患者4人:若い1人は重い胃の不調を訴えてシメチジン1,000mgを服用、すぐにたくさんあった腫瘍が退縮し、2週間後に仕事に行けるまでになった。他の3人も1,000mgのシメチジンを処方された。2人は劇的な退縮が見られ、1人は効果なく死亡した。これらすべての患者のサプレッサーT細胞を調べたところ、全員シメチジンによって減少していた。これら4人はクマリン(ワーファリン)を服用していた。(*ワーファリンとシメチジンによる相互作用ー抗凝固剤とシメチジンによる乳癌細胞の結着阻害2003PMID:12740651
1983年NEJM誌(vol.308)インターフェロン治療が無効であった6人の患者がシメチジンを服用2人が完全奏効、1人が部分奏効、1人が安定、2人は無効。
1994年Lancet誌12月31日号 オーストラリア シメチジンが手術時7日間のみ投与された患者の3年後の生存率は93%、処方なしの群は59%であった。
大腸癌の領域でシメチジンの重要性は大きい。手術中にはサプレッサーT細胞が激増して免疫抑制が顕著になる。手術によって血中癌細胞は体中にばら撒かれると見られる。
シメチジンはサプレッサーT細胞の抑制のほかに抗癌作用を有する。上記研究では、癌細胞を殺すリンパ球が腫瘍に侵入する割合はシメチジン服用患者では63%、対照患者では24%であった。
1995年Lancet誌7月8日号 日本の報告。大腸癌手術2週間後、5FU投与患者のうち半数に7日間シメチジン800mgを1年間処方。生存率は【直腸癌】シメチジン投与100%:投与なし53%、【結腸癌】シメチジン投与96.3%:投与なし68%。
シメチジンは乳癌を育むプロラクチンを誘導する傾向があるため、乳癌患者には不向きである。その場合はプロラクチンを阻害する方法が必要である。
Bromocriptine-プロラクチンを阻害する。1981年Lancet誌
Aminoglutethimide エストロゲンとプロラクチンの産生を止める。1978年Lancet誌など
(以上、2000年以前の資料/Townsend Letter(2007)参考に抜粋。)
2002年BJC誌 日本 シメチジンは、シアリル‐ルイスX抗原とシアリル‐ルイスA抗原の発現が高い患者の生存率を向上させる 抄録、
薬剤相互作用 イレッサ、スプリセル、タモキシフェン
シメチジンは驚くべき抗癌薬である。しかし、それを発見したSmith Kleinは、シメチジンの特許が切れてからは貝のように口を閉ざし、以降研究を行わなかった。
1979年Lancet誌 シメチジンの抗癌作用が初めて示唆された。肺癌患者2名において胃薬として処方された。1人の患者は頚部に転移した扁平上皮癌(転移肺癌)であった。1,200mg/日を服用後すぐに転移は退縮した。その後も1日600mg服用し続けたところ、1年後、腫瘍は検知できなくなった。2人目の患者は非小細胞肺癌の脳転移で1日600mg服用を始めた直後から、原発肺癌が縮小、脳転移は手術で切除、1年後には肺腫瘍も検知できなくなった。
(1982年までに、シメチジンがサプレッサーT細胞を阻害して、癌を殺すリンパ球の放出を助けることが解明された。)
1982年Lancet誌 肺や肝臓など複数内臓に転移したかなり進行したメラノーマ患者4人:若い1人は重い胃の不調を訴えてシメチジン1,000mgを服用、すぐにたくさんあった腫瘍が退縮し、2週間後に仕事に行けるまでになった。他の3人も1,000mgのシメチジンを処方された。2人は劇的な退縮が見られ、1人は効果なく死亡した。これらすべての患者のサプレッサーT細胞を調べたところ、全員シメチジンによって減少していた。これら4人はクマリン(ワーファリン)を服用していた。(*ワーファリンとシメチジンによる相互作用ー抗凝固剤とシメチジンによる乳癌細胞の結着阻害2003PMID:12740651
1983年NEJM誌(vol.308)インターフェロン治療が無効であった6人の患者がシメチジンを服用2人が完全奏効、1人が部分奏効、1人が安定、2人は無効。
1994年Lancet誌12月31日号 オーストラリア シメチジンが手術時7日間のみ投与された患者の3年後の生存率は93%、処方なしの群は59%であった。
大腸癌の領域でシメチジンの重要性は大きい。手術中にはサプレッサーT細胞が激増して免疫抑制が顕著になる。手術によって血中癌細胞は体中にばら撒かれると見られる。
シメチジンはサプレッサーT細胞の抑制のほかに抗癌作用を有する。上記研究では、癌細胞を殺すリンパ球が腫瘍に侵入する割合はシメチジン服用患者では63%、対照患者では24%であった。
1995年Lancet誌7月8日号 日本の報告。大腸癌手術2週間後、5FU投与患者のうち半数に7日間シメチジン800mgを1年間処方。生存率は【直腸癌】シメチジン投与100%:投与なし53%、【結腸癌】シメチジン投与96.3%:投与なし68%。
シメチジンは乳癌を育むプロラクチンを誘導する傾向があるため、乳癌患者には不向きである。その場合はプロラクチンを阻害する方法が必要である。
Bromocriptine-プロラクチンを阻害する。1981年Lancet誌
Aminoglutethimide エストロゲンとプロラクチンの産生を止める。1978年Lancet誌など
(以上、2000年以前の資料/Townsend Letter(2007)参考に抜粋。)
2002年BJC誌 日本 シメチジンは、シアリル‐ルイスX抗原とシアリル‐ルイスA抗原の発現が高い患者の生存率を向上させる 抄録、
薬剤相互作用 イレッサ、スプリセル、タモキシフェン
特許切れでブレイクしたといえば、CoQ10とかですね。昔はノイキノンという名前で、副作用のない強心薬として使われていました。
他にも胃薬では有望なのが沢山ありますよ。くだらないから秘密ですけど。笑
日本はお薬を出すのが大好きだったんですよね、昔から。
それで、悪い副作用のない製品が重宝がられる傾向があった。
で、良い副作用を調べていくと案外使えるじゃん!というのが結構発見されるんですよ。
例えば花粉症の薬で「ケタス」ってのがありますが、これは元々は脳血管疾患のときのめまいの薬として開発され発売されていましたね。
>特許切れの薬品は研究費が激減してしまうから、こういう事になっちゃうのが残念ですよね。
製薬企業が発売してくれないですしー
今、ビッグファーマ読んでます。思った以上に手ごわいです。
>他にも胃薬では有望なのが沢山ありますよ。くだらないから秘密ですけど
苦笑
>日本はお薬を出すのが大好きだったんですよね、昔から。それで、悪い副作用のない製品が重宝がられる傾向があった。
薬漬けも悪いことばかりではなかったわけですね。
シメチジン、免疫関連他、いぼ?、血管新生を阻害とか、etcさまざまありました。
「組織修復をはやめる」とか、
「血行を良くする」とか、
「抗炎症作用がある」物質、
そういう物質で副作用の無いものを、過去に発売してきたのです。それを色々な病気に適応があると治験をして。
ところが、アンチエイジングとか、発癌のコントロールには、炎症のコントロール、血流のコントロール、修復というのがキーワードになるのです。
ですからね、過去の薬の中には宝が沢山眠っていると、そういうことです。
特許切れのシメチジンに日本の研究が案外多いっていうのは理由があるかもしれません。
日本の先生たちって製薬会社主導でなくて、ポケットマネーみたいなちょびっとの研究費で地道に研究している人が結構多いです。
それを日本人の美徳にしないで、もっと文部科学省が保護しなくちゃいけないんですよね。
特許切れが、あまりに極端な扱いをされるのは残念です。
日本の場合、新薬の治験はかなり難しかったでしょうから、こうした薬の研究が頻繁に行われたのかな、という予測はつきました。
ポケットマネーは気の毒ですね。(~~;
私は
平成15年2月に虫垂癌切除
平成18年3月肺転移を切除
6か月間だけ化学療法
転移癌切除より1日当たり
タガメット200mg2錠
バイアスピリン100mg1錠を現在も服用中です。
現在58歳ですが、CT・大腸カメラなど検査でも再発はみとめられません。