句会レポート

６月４日（日）

　　　参加者　　たかし、喜哉、突波、ジロー、草径、究、ゆり子、霄、佳代

互選句
　町内にたった一つの燕の巣　　　　　　　　　　　たかし
　鳩の来て順番待ちの水飲み場
　この夏の燕の数少なかり
　
　はじかれてやさぐれてゐるネギボウズ　　　　　　喜哉
　　　　　　　　　　　特選　　　草径
　　　　　　　　　　　入選　　　究、霄
　鏡中に落武者の俺髪洗う
　　　　　　　　　　　入選　　　草径、霄、佳代
　髪洗う青春が流されてゆく
　　　　　　　　　　　入選　　　草径
　サマースーツきちんとケンタッキーチキン
　　　　　　　　　　　入選　　　突波
　五月去りゆくキューピーに小さき羽
　　　　　　　　　　　入選　　　ジロー

　向き合うてそれぞれの息初蛍　　　　　　　　　　突波
　　　　　　　　　　　特選　　　ゆり子
　　　　　　　　　　　入選　　　喜哉
　掬ひとる水は掌の色更衣
　　　　　　　　　　　特選　　　ジロー
　大沢君蚊取り線香買ってきて
　髪洗う私娼は時間通り去る

　紫陽花や私服姿の違ふ顔　　　　　　　　　　　　ジロ―
　　　　　　　　　　　特選　　　突波
　桔梗や墓までもってゆく秘密
　　　　　　　　　　　入選　　　喜哉、草径、霄
　梅雨晴間そろりそろりと出前持
　髪洗ふぐるぐるまはる過去未来
　綻びを繕ふやうに燕来る

　土佐の旅箸は皿鉢の初鰹　　　　　　　　　　　　草径
　　　　　　　　　　　特選　　　究、佳代、
　　　　　　　　　　　入選　　　突波
　温泉の街に刻を戻しぬ洗ひ髪
　　　　　　　　　　　入選　　　喜哉、ジロー、究
　麦秋や五百羅漢に彩を持つ
　　　　　　　　　　　入選　　　ゆり子、佳代
　海原に消えてしまひぬ夏遍路
　海賊の武器の重さを握る汗

　ふつふつと涙隠して髪洗う　　　　　　　　　　　究
　　　　　　　　　　　特選　　　霄
　紫陽花に雨が降って来まるくなる
　　　　　　　　　　　入選　　　ジロー
　久しぶりジャズを聞く外夏の夜

　懸命ののちの一つや髪洗う　　　　　　　　　　　ゆり子　　　　　　
　　　　　　　　　　　特選　　　喜哉
　草刈るや飛ぶや這うもの出にけり
　　　　　　　　　　　入選　　　霄
　赤子かなてふてふ花にしがみつき

　髪洗うオレと息子に妻笑う　　　　　　　　　　　霄
　　　　　　　　　　　入選　　　ゆり子
　人の言う普通より広き青田かな
　
　初鰹波にのりのりやってくる　　　　　　　　　　佳代
　　　　　　　　　　　入選　　　のり子
　懐かしき人の笑顔と苺狩り
　時忘るベンチに座り若葉風