ふらんす座への招待

俳句をあそぼう

句会レポート

2015-12-30 23:39:32 | ふらんす座

  みなさん、あけましておめでとうございます
  今年も何とぞ

12月27日(日)

 参加者   たかし、喜哉、突波、ジロー、還水、鈴鹿、草径、エリザベス、究、
       白水、ゆりこ(通信参加)

互選句
その時を心得て待つ寒椿             たかし
招きつつ遠ざかりゆく雪娘            
猿泣くや峪峰越ゆる雪女郎
終着駅はだれかの始発駅雪夜           喜哉
ってなわけでオデン屋にシケ込んでゐる
雪おんな襦袢の下の温湿布
御手やはらかにと雪おんなの情事
帰れない二人となりて聖夜の星
眼鏡に眼鏡映りゐてレノンの忌          突波
口で脱ぐ手袋こころ決めてより
柚子坊の離ればなれに育ちけり
雪女郎名前を問ふてしまひけり
生きていていいのと手袋の片方          ジロー
いもうとを背負ふゆぐれ雪蛍
雪女郎そろり手の出る換金口
水洟の音のさびしき電話口
ディケンズの背表紙見上ぐ十二月
行く年をみーんな悩んで火垂るの忌        還水
ニュ-ロンが停電したる聖夜かな         
内職のはかどるほどに夜寒かな
年の瀬や食い余したるシュトーレン
サーカスの網くるくると冬を降ろす        鈴鹿
「了解」の返信メールおしつまる
わさび田にわさびはなくて雪の空
手話の指言葉を持てりクリスマス         草径
潜水の捜査に混じる鴨の群
軽トラの破れ去る音年の暮
私はねだめかもと言ふ雪女郎           エリ
雪女郎夜討ち朝駆け脈を診る
数の子のすじ引く未練大晦日
カマボコはお魚かと問へた今昔
町娘立ち去り後には雪女郎
大根の汁をも喰らふ雪女郎            究
婚活に敗れて負けてクリスマス
数へ日や悔いは背中に立つといふ         白水
処女であることの哀しさ雪の精
原節子深雪のように清潔だ
夢の恋燃えてひらくやインパオス
屋根の上降り積む雪やアン・ドゥ・トロワ
年の暮消防車たちピッカッピカ          ゆりこ
雪女郎出るに出られぬぽかぽかや
どきっとしたギギギピーピー冬の鳥
室の花夫恋ひシチュー煮えるころ         ゆみこ
  

句会レポート

2015-12-06 16:31:19 | ふらんす座
11月29日(日)

 参加者-たかし、喜哉、突波、ジロー、還水、白水、草径、ゆりこ


九份から見た基隆港
冬の日の夕暮れ
基隆が日本の軍港だった時代を重ねて見ている。

互選句
誰彼に首振る虎や神農祭           たかし
朝時雨桜並木の濡落葉
身辺に病む人多し十一月
この冬の初めて寒し今朝の星
浜で啜る生牡蠣は北風の味          喜哉
ノーベル賞級と褒められ狸汁
ご縁さまざま寄せ鍋に集う夜は
冬落暉只水鳥ノ啼声立チヌ
牡蠣船に灯点し頃の来たりけり
牡蠣啜る牡蠣殻色の夜にゐる         突波
仕事場に私信の届く一葉忌
磨り硝子奥に生活の灯や夜寒
シャンソンのビネガーを添へ小振り牡蠣
子の描く大きな耳よ冬銀河          ジロー
空しさに耐えるもちから落葉踏む
牡蠣殻や踏めば中也の音がする
シャッターに貼り紙白し冬の暮
冬の日の昨日のやうに生きる今日
牡蠣焼く娘軍手で隠す笑顔かな        還水
木の葉踏むピアノ協奏曲二番
大根を包む新聞テロの二字
冬ざれや十円で観る大砂丘
旅の宿裏に墓地あり日の短か
鯛焼を君にあげたいエリザベス        白水
牡蠣鍋やメルキオールも呼んで来い
石棺の木乃伊に手向けよ冬薔薇
鯛焼や碧き眼の夫やさしくて
すれ違ふ人間模様鴎かな
修験者の残す足痕朴落葉           草径
叡山の法灯にこそ冬満月
法灯の芯の虚空や寒修行
荒神に火箸を納め十一月
生牡蠣にケチャップのせてパリの夜      ゆりこ
ででむしの殻忘られて秋の行く
クラス会新米手みやげ米屋の子