葡萄舎だより

海峡の街・下関の、葡萄舎の住人・洒人 (しゃじん) が身の周りの些事片々を書き綴ります。
本人は日記のつもりです。

下関発電所

2007年03月08日 16時08分05秒 | 日記 ・ 雑記録
下関という街は、かつて大陸進出が盛んだった頃は西日本を代表する街だった。
しかし、関門鉄道トンネルの開通は下関駅の地位をを単なる通過駅に低下させ、
関門国道トンネルは下関の市街を見ずに海底に潜る。
捕鯨禁止の国際風潮は捕鯨基地としての機能を衰退させ、
造船業が低迷することで重工業都市と呼べなくなった。
都市銀行は撤収し、関門取引所や第四港湾は九州へ移転した。
盛者必衰とはいうけれど、歯止めのない転落振りには目を覆うしかない。

昨日の新聞報道では、中国電力が県内2ヶ所の火力発電所を休廃止するらしい。
下松発電所を廃止し、長府にある下関発電所は休止だという。
下関発電所は永年にわたって排水温度のデータを捏造し、
それがばれて実際には既に休止状態だったのが、正式発表となったのだ。
県内2ヶ所の発電所を休廃止しても、電力需要はまかなえるらしいから、
それなら、多くの反対がある上関の原発建設になぜ固執するのか。

そんなことよりも、下関発電所の休止は、即、我が家業に大打撃となる。
それでなくても、長府にある2つの造船所が倒産して我が家業は減収した。
発電所の追い討ちは痛い。 実に痛い。
我が家業が傾けば、夜毎、スーパードライの喉越しを楽しみ、ワインの海を漂い、
焼酎に酔いしれる生活は夢となる。
年に一度、十日間の旅に出るなど、夢のまた夢となる。
如露亦如電応作如是観、諸行無常かぁ。

下関地方気象台は下関の桜(ソメイヨシノ)の開花を3月29日と発表した。
昨年より4日遅い。
桜といえば、高杉晋作が挙兵した功山寺での独酌が毎年の私の習しだが、
行く末を案じながら飲む、今年の <カステッロ・ディ・アマのロゼ> に、
今までのような美味しさを感じるだろうか。
などと言いながら、飲み始めたらすっかり陽気になってしまうから情けない。
功山寺の境内でワイングラスを傾けていると、毎年、知らない方と仲良くなる。
今年はどんな方とお会いできるのだろうか?

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