オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

2405のタイムアライメント評価2~ウイーン・フィル・N.Y.C.

2018-01-01 19:54:11 | タイムアライメント
明けましておめでとうございます。前回は、2405のタイムアライメント評価1として、4マトリックスのインパルス応答によるタイムアライメント結果を載せました。今回は、そのデータからどういうセッティングに決めたかの話です。

 ■1)最終結果のまとめ
 これは以下になります。尚、評価は、マイクを聴取位置に置いての、WaveGene.のサインスイープのFFTで行いました。

 上段は、左側の620Aについてで、①は個体B、②は個体Aです。下段は同様右側の620Aについてで、③は個体B、④は、個体Aです。相性があるようで、②では特に個体Aがハイ落ち気味ですが、個体Aでも④はハイ落ちが少ないので、①と④の条件を採用しました。つまり、右側は個体A,左側は個体Bを採用したわけです。

 ■2)このセッティングの状況
 これは写真のようなセッティングになります。

 ■3)オール・アルニコについて
 アルニコマグネットのスピーカーが他のマグネット(フェライトやネオジム)を使ったスピーカーより音が良いということが言われる(これは異論(最適化後は同じとか、音色の差がある等)もあるようなのですが)こともあるので、オール・アルニコ化してみたいと長年思っていました。これについて少し調べてみました。判りやすく説明しているのが、以下URLです。
 http://blog.goo.ne.jp/parc-audio/e/201e4b136af18900c0ddbb905a3a26f3
 ここでアルニコの特徴を記載されているので少し引用させて頂くと、(マグネットについて 5)の章では、少し加筆もしてますが、
 3)アルニコマグネット
 長所
*特性的に内磁型に向いており、音質的にも最も評価が高い。
 私見ではありますが、経験的には同じ内磁型でもネオジムよりも音質的に良いと思います。
*低温、高温ともに温度特性は非常に優れており、精度を要求される測定器等にも使用される。
*内磁型を使うことでフェライトよりも外径を抑えることができ、ウーファー等での背面のエアーフロー処理に有利。
 (これについては、内磁型でのネオジムも同じ)
*機械強度が強く、取り扱いが楽。
*大きな着磁パワーを必要としないので、小型の着磁機でも簡単に着磁が可能。

 短所
*パワー減磁に弱く、パーミアンスを高くする必要がある。⇒ハイパワーの長期間使用で減磁する。減磁後の対策は、再着磁がある。
*大型のものは使用例が激減していることもあり、以前にも増して高コストとなっており、
 磁気回路全体としてはネオジム以上に高価なマグネットである。

 他のマグネットについても解説されているので、興味ある方は訪問してみて下さい。また以下のURL(マグネットについて 2)では、断面図を用いて、内磁型のアルニコの場合は、アンプから見た時ボイスコイルのインダクタンスがボイスコイルの位置によってあまり変化しないということを上手に説明しています。コイルのインダクタンスはそのコア材の透磁率に比例し、ボイスコイルのインダクタンスもその芯材にあたるボイス内部の部材の影響を大きく受けます。ここでポール材の鉄はリコイル比透磁率が高く影響が大きいのですが、アルニコは鉄に比べれば圧倒的に小さく(鉄が5000に対し、アルニコ3.6、ネオジム/フェライト~1.05)、影響は非常に少ないのです。上記URLの図を見れば明らかですが、アルニコの場合は、内磁型でボイスコイルが動いても横切る鉄の面積はほぼ一定で小さいですが、フェライトのような外磁型は、ボイスコイルの中に鉄があるためボイスコイルが動く時に横切る鉄の面積が変動する(ボイスコイルが上がった時にアルニコと同じになる)ためインダクタンスが変動します。つまり動作点が一定しないふらふらした状態になる、これはアンプから見ると非常にいやらしい負荷となるということです。その他に、内磁型は磁気漏洩が無いためネットワーク等への影響が無い、エアーフローに有利等の外的影響も指摘されていますが、本質的にはインダクタンスの変動が少ないことが音質に効いていると思います。ネオジムでも内磁型の場合は、インダクタンス変動はアルニコと同じですが音色が違うという意見もあります。
 http://blog.goo.ne.jp/parc-audio/e/5bfd93d7eabb7cf6f6af99e2433889ec?fm=entry_awp

 ■4)アルニコの音がよい理由2
 以下URLに、アルニコが音がよい理由として、フェライトのようなセラミックは電気を通さず、アルニコは金属で電気を通すということがあがっています。マグネットが金属ならば、ボイスコイルに電流が流れたときに逆起電力がショートされます。マグネットがセラミックだと、同様の状態において逆起電力はショートされません。そしてこの逆起電力によって、ボイスコイルの入った空隙磁界が変動してしまうのです。その際のポイントは、「緩慢にショートしてやる」ことだそうです。

 https://www.phileweb.com/interview/article/201602/03/341_5.html

 ■5)JBLの磁石の変遷
 JBLの説明でもアルニコにまつわる変遷が以下URLで載っています。’70年代後半から、アルニコの原料であるコバルトの入手が難しくなり、その代用素材として注目されたのがフェライトですが、歪みの問題がありこれをクリアーする為にSFG磁気回路を開発。’88年には新しいマグネット素材、ネオジムを高音用ドライバーに使用します。しかし高温に弱い弱点を持ち、発熱の大きなウーハーへの使用は不可能とされていたがボイスコイル冷却機構等でマグネットの温度上昇を食い止めることで世界で初めてこのネオジムをウーファーの磁気回路に使用することに成功。そして、2001年には再びアルニコに注目。アルニコマグネット特有の躍動的なサウンドを現代に呼び覚ますために、大入力時の減磁というアルニコの欠点を克服する斬新な磁気回路を完成させ、フラッグシップ機Project K2 S9800に搭載した。やっぱり、JBLもアルニコは音が躍動的と思っているんだ。

 http://jbl.harman-japan.co.jp/about/tech.php?id=3

 ■6)2405のタイムアライメント後の試聴
 まだ、それほど聴いていませんが、2405Hの場合よりより雑味が無くなったと言う感じです。不要な音が一切出ないような気がします。2405Hでも演奏者がそこに現れるような存在感の音が再現されていましたが、2405ではそれに更に2405Hでは感じた余韻のような雑味すら無くなったような感じです。オール・アルニコ化の意義はありました。
 今、ウイーン・フィルのニュー・イヤー・コンサートをNHK教育で見ていますが、2231A+620A+2405で聴いています。最初のシーンは、
 ”ジプシー男爵から入場行進曲”です。リッカルド・ムーティが指揮をスタート
 ”マリアのワルツ”から”ウィリアム・テル・ギャロップ”では、ホールの豊かな響き、またトライアングルの音も凄くリアルに収録されています。ムーティも頑張っています。
 プレ番組で、このホールは、人が入っていないときは高橋克典さんの声も割に大きく反響しているが、人が満員になると反響が減って丁度良い具合の響きになると解説していましたが、今聴いていると残響が少なく録音状況は素晴らしいです。"美しく青きドナウ" の前の曲のシンバルやバスドラもリアルです。不思議なのは拍手を除いてライブ特有の観客のノイズが全く無いことです。観客のレベルも高いが、録音技術も優秀。観客の中に日本人の方々も結構見受けられますね。また、バレーは夏場に収録するんですね、知らなかった。どうりで、画面が初夏の雰囲気でしたね。
 来年の指揮は、クリスティアン・ティーレマンだそうです。
 

コメント
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