オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

LP2020の修理

2017-03-26 17:48:04 | オーディオ
 今回は、今日LP-2020A+を修理しましたので、その話をします。本当は、LP2024A+を修理したいところですが、故障しているLSIのTA2024が現状手に入りません。実は、D級アンプは、4台持っています。

 手前右のLP2024A+が石が壊れていて、3台LP2020A+を持っている内の1台(左奥)も石が壊れています。今回は、ヤフーオークションを見ていたら、TA2020のコリア品が1000円で出ていましたので大阪のO様から購入して、昨日以下が着いて、今日それを交換したのでそれを説明します。O様に感謝です。

 先ずは、昨日届いた、TA2020です。壊れたのも、コリア製です。でも、やっぱりオリジナルの米国製の方が気持ちはうれしいかもです。尚、おまけとして、D級アンプの基板3個(PAM8403です。アマゾンでも売ってます。)も頂きました。本当にいい人です。

 これも暇なときに、1個作って見ます。3W+3Wですが、そこそこの音が出るとのこと。2cm角の基板ですので、色んな物に組み込めますね。

 ■1)故障した、LP2020と交換用のTA2020
 では、修理に移ります。壊れた石を外したものと、袋入りの新しいTA2020です。

 白い櫛型のヒートシンクの手前にあったTA2020をニッパーでリードを切って、外したところです。焼けたのは、下の写真で、ヒートシンクの右側に黒い焦げが見えますが、その辺りです。

 基板外の右にぶちぎったリードの、壊れたTA2020があります。LP2020A+は、焼けた時はパンパンと音が出て煙も出て1週間位は屋外に出して臭いを消しました。LP2024A+の場合は、音は出ましたが、煙も臭いも出ませんでした。

 ■2)LP2020の修理
 次は、基板に残っているリードを、半田ごてで抜き取ります。その後、0.8mmΦのドリルでリードの入る穴の半田を穴あけします。半田を吸い取るより効率的です。1mmΦの方が、後でリードを入れ易いと思うので良いかなと思いますが、スペックでは0.8mmです。

 穴が全部のリード分開いたら、購入したTA2020を入れます。これが中々上手く入らないので、1mmΦの方が楽だった。

 上は、TA2020を入れたところです。良く見ますと、基板の左側に1.5cmΦの丸が書いてあり、本来ここには、電源平滑用の電界コンがあるはずで、他の3台にはあります。これには、製造時の入れ忘れで電界コンが付いていないですが、ちゃんと音は出ます。QCパスというシールは、中華品の場合は、あまり意味はありません。LとRも逆になっていますが、その程度では中華圏では品質上大したことではないのでしょう。おおらかです。日本橋で、2000μF位の電界コンを買ってきて後で付けます。ついでに、60Hz以下で使う為に低音落ち対策のコンデンサ(入力カップリング用等)容量増加改造が最低限必要なので100μFのOSコンを買って、入力カップリングに追加します。挿入したTA2020のリードを基板に半田付けして修理は終了です。
 ■3)修理後の確認
 ポイントは、4ヵ所は、半田付けしない穴があるので、それを間違えないことです。修理後に、電源を入れてみたのが、下記です。

 ちゃんと、青いLEDが点灯して、音も出ました。完了です。尚、故障時は、LP-2024A+もLP2020A+もこの青いLEDが点滅しました。
 ■4)古いTA2020と、新規購入したTA2020の差
 これは、1点ありました。それは、下記です。

 熱伝導のためと思われる型名表示の裏面処理が、古いのは、右の銅でしたが、新しいのは、左で錫かアルミです。韓国生産中に原価低減したんですかね。
 ヤフオクを今覗いてみたら、O様がまたTA2020を出しています。在庫がまだあるのですね。実は、TA2024が本当は欲しいのですが、O様に問い合わせた結果、中華系のマーケットでは売っているようです。

 ■5)LP202*の故障原因
 2台壊れてから、調べてみたら、LP202*系のアンプは、昔懐かしいBTL接続のパワーアンプを使っている(12Vで最大パワーを得る為)ので、当然ペアの片方のアンプが、電源のーとかにタッチしたら、貫通電流(勿論、CMOSのではなく、負荷をショートした為の)が流れてシャントした方の片側のアンプが焼けます。BTLだと判っていれば、もう少し慎重にSP端子の接続をやっていたのですが、後の祭りです。ですから、プリアンプに使っているオペアンプまでは壊れなかったということですね。LP2024A+も同じモード(マルチアンプ実験中のSPの端子側での別アナログアンプ側SP端子線とのショート)で、石が壊れましたので、TA2024を交換したら直ると思いますが、TA2024を、もし手に入れたとしても、TA2020の交換に比べ、アライメント(リードピッチが、TA2020の1オーダー近く小さい)や半田付けした後の18リードの一括半田除去が難しいという懸念があります。(TA2020の32-pin SSIP(リードが千鳥配置なのでZIPと思うが、データシートではSIP?) パッケージのピン配置は、0.1インチ(TYP.)の千鳥配置、TA2024の36-pin Power SOP パッケージのピン配置は、0.65mmピッチ(BSC.)0.22mmスペースの平行配置なので、ピッチ比較でTA2020は、約4倍の緩さ)

 ■6)D級アンプとは?
 デジタルアンプというのは、音楽信号を一旦0,1のデジタル信号に変換するか又はデジタル信号源から再度アナログに戻すという定義とすると、D級アンプは、純然としたデジタルアンプとは言いにくい。先に紹介した棚瀬さんは、スイッチングアンプと言っていますが、その通りです。原理は、他のブログでの説明を引用します。先ずは、原理を示すブロックダイヤグラムは、下記です。

 解説も引用します。
 ”20Hz~20kHzのオーディオ信号を数百kHz(上図の場合500kHz)の搬送波 (実際は三角波)でパルス幅変調(PWM)します。PWM変調波をMOS FETでスイッチング駆動したあとLC回路による 低域通過フィルター(LPF)で元のオーディオ信号成分を取り出します。FETは単にON-OFF動作しかしないため 最大出力電力は電源電圧の大きさによって決定されます。
Tripath社のカタログによると、TA2020-020デジタルアンプICでは搬送波の周波数はオーディオ信号の周波数により 100kHz~1MHzの間を変動させる、いわゆる「スペクトラム拡散」技術を応用して出力に漏出する搬送波レベルを抑圧 しているそうです。因みにオーディオ信号なしの状態で漏洩搬送波の周波数を測定したら約800kHzでした。”
 この説明から判るように、世間がそう言っているので私もそれに合わせてデジアンと最初は言っていたが、D級というのが今の所、一番すんなりするのかと思います。或いは、スイッチングアンプですね。引用の著者さんは、パルスアンプとでも言うのかなと言っておられますが、それでも正しいですね。もう少し、長くていいなら、パルス幅変調アンプと言うこともできます。またキャリアは、三角波ですが、結構高い周波数を使うんですね。更に固定ではなく、変動させるとは、変動の原理(「スペクトラム拡散」技術)とはどうなっているんでしょうか?詳しい方がおられたら教えてください。最大出力電力は電源電圧の大きさによって決定されますということなので、12V電源(主に車用途から発生した為)ですので、負荷インピーダンスを下限の4Ωまで下げて電流が確保できれば拡大は出来ますが、ACアダプターが入手可能な範囲(5A)での現実的な所では20W+20Wもきついと思われます。
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高音タイムアライメントのアッテネーター有無の影響評価

2017-03-25 09:19:52 | オーディオ
 前回の結論で、1回目と3回目の6cmの差は、アッテナーターの有無であると推定したので、それが正しいのか実験してみました。

 ■1)アッテネーターを外した場合のタイムアライメント評価(トーンバースト法)
 昨日採った結果を下に示します。評価周波数は、オーバーラップの下限の5KHzで、L側のスピーカーです。

 ①は、620Aのバッフル面から14cm、順に②19cm、③20cm、④21cm、⑤22cm、⑥23cm、⑦26cm(ATT有りでのタイムアライメントの採れた位置)、⑧27cm、⑨30cmです。5KHzの波長が、6.8cmですので、その間隔でピーク或いはディップが来るはずです。ここで見ると、③の20cmと、⑦の26cmでピークが来ているのがそれです。
 ③と⑦を詳細に比較しますと、③の方が、P-Pが若干大きいですし、1stパルスに続く、2ndパルスが無いのに対し、⑦の方は、P-Pが若干小さくて2ndパルスが少しですが見られます。従って、タイムアライメントの採れた距離は、③の20cmと結論しました。

 【結論】
 前回、タイムアライメント距離が、1回目で20cm、3回目で26cmとなったのは、ATT有無での差と推定したが、今回実験でそれが確認できた。


 尚、23cmでは、丁度2つのパルスが180度の位相分の時間差で合成されているような波高値の低い波形となっており、その180度離れた距離の20cmと26cmでP-Pが大きくなっているのは理論通りである。また、①の14cmでは、③のタイムアライメント位置から360度時間差が有るので、2パルスに分離しているのが判ります。

 あらためて、ATT有りの前回の評価結果を再度載せますが、これは26cmがP-Pが最大に成っています。
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タイムアライメント 高音 ~再改定~

2017-03-23 19:58:13 | オーディオ
 今回は、タイムアライメント 高音を、1/13(データは、2016.7/1~3)に書いて、その改定を、1/22(データは、1/22)に書いたが、1/22のデータを良く見てみると、2016.7/1~3の1回目データとP-P強度を比べてみて、2回目は、1回目の1/2レベルと低いことに気付き、1波長分手前の位置での2次ピークを間違えて捕まえたと判断した。従って、今回は、1回目と同じレベル(オシロのMAX4に対して、少なくともP-Pで3以上)になる位置を、大きく振って傾向を掴んで再改定としてお話します。

 ■1)実験条件
 チャンデバでは、ゲインは0dbでかけていません。また、低音用のデジアンが故障してしまったので、チャンデバも不使用で当面620A+2405Hのみで実験します。アンプのヴォリュームは、Vr=9時の位置で、PCのサウンドボードのヴォリュームもVr=100%で、これは、1回目、2回目、今回3回目も同じです。620Aは垂れ流しで、2405Hは、1次の1.5μFのパスコンのみですので、5KHz~9KHzまで2つのスピーカーがオーバーラップしていますので、評価周波数は、5KHzから9Khzの間にしました。

 ■2)L(左)側のスピーカー620A+2405Hの距離を変えた結果
 これは、下記の8KHzのトーンバースト波形のデータをご覧ください。

 ①が2405Hの引っ込み距離が、20cmで、順に、②22cm、③24cm(半波長分の時間ずれで合成されたことが良く判る)、④25cm、⑤26cm、⑥28cmと続きます。⑥の右にNoなしですが、27cmの波形も載せます。グラフを書くまでもなく、26cmが、1回目と同じくらいのオシロのMAX4に対し、3レベルのP-P強度になっているので、ここがタイムアライメントの採れたところです。波形も綺麗なシングルパルスの形です。
 尚、今回P-P強度が高くなっている関係で、2ms後にセカンダリーのパルスが出ています。横軸は、0.6ms/DIVですので、3.4DIV×0.6=2msくらいで距離に直すと、70cm位ですので、反射波が70cmの経路差で到達していて無響室なら出ないと思います。どの壁かは?ですが、オーディオラックかもしれません。

 ■3)L(左)側のスピーカー620A+2405Hのタイムアライメントの取れた距離で周波数を変えた結果
 これは、下記に示します。タイムアライメントの取れた距離は、26cmですので、26cmのデータです。

 ⑦は、5KHz、⑧は、6KHz、⑨は、7KHz、で全て綺麗なシングルパルスです。⑩は、620Aのみの波形ですが、ほぼ1/2のP-P強度ですので、妥当です。⑪は、L側のサイン波のF特で、所謂40万の法則にほぼ合致(高音が少し低下気味ではあるが)しています。⑫は、両スピーカーのサイン波形と高調波歪みです。これは今まで採った中で、一番歪みが低いと思います。タイムアライメントが正しく採れたら、本来のユニットが低歪みならその実力が出るのかもしれませんね。高調波歪みは、+40db表示ですので、100Hzから10KHzまで、-50dbの歪みです。100Hz以下はピークがありますが、それ以上はほぼ、0.3%なら非常に良いと思います。

 ■4)R(右)側のスピーカー620A+2405Hの距離を変えた結果
 これも以下のデータをご覧ください。周波数は、オーバーラップの下限の5KHzです。

 ①から距離を、24cm、②25cm、③26cm、④27cm、⑤28cm、⑥29cm、⑥の右は30cmのデータです。R側でも、24cmや29cmは、波形が崩れており、半波長近く時間差を持った2つの波が合成されていることが伺われます。また、R側も、26cmでP-P強度が最大となっており、ここでタイムアライメントが採れていることが判ります。

 ■5)R(右)側のスピーカー620A+2405Hのタイムアライメントの取れた距離で周波数を変えた結果
 これも、下記に示します。タイムアライメントの取れた距離は、26cmですので、26cmのデータです。

 ⑦は、5KHz、⑧は、6KHz、⑨は、7KHz、で全て綺麗なシングルパルスです。⑩は、620Aのみの波形ですが、ほぼ1/2のP-P強度ですので、妥当です。⑪は、L側のサイン波のF特で、所謂40万の法則にほぼ合致(高音が少し低下気味ではあるが)しています。⑫は、両スピーカーのピンクノイズ波形ですが、⑪とほぼ同じ形です。

 ■6)今の状態
 以下に、写真を載せますが、結構奥に引っ込んでます。これで良いのかなという感じもしますが、暫くは620A+2405Hで、26cmで聴きます。60Hz以下用のデジアンは3/8に壊れてしまったので、これは、札幌市のマニアの方の13項目にも渡る改造品ですので、直したいと思っていますが、TA2024という石が死んでいる(オペアンプ2個も死んでるかも)ので、少しむつかしいです。トライパス(現在は会社は存在しない)のTA2024を探していますが、中々見つからないのと、見つかったとしても、36-pin PSOP チップを一旦半田(高融点Pbフリー半田で昔の半田よりやり難い)を剥がして、代替チップをアライメントして半田付けする気力がでるか、技量があるか(一旦半田で片側18本のリードを全部濡らしてから、垂直に立てて半田を流し取るのは経験が必要)要検討です。


 ■7)1回目と2回目と3回目の差の原因
 1回目は、2016年7月1~3日実験で、タイムアライメント結果は、20cmで、条件は下記
 ・チャンデバ不使用(購入前)、620A+2405H(1.5μFパスコン、アッテネーター(ATT)無し)
 2回目は2017年1月22日実験で、タイムアライメント結果は、20cmで、条件は下記
 ・チャンデバ使用、2231A+620A+2405H(1.5μFパスコン、ATT:5.2db有り)
 3回目は、2017年3月23日実験で、タイムアライメント結果は、26cmで、条件は下記
 ・チャンデバ不使用、620A+2405H(1.5μFパスコン、ATT:5.2db有り)
⇒2回目は、オシロの出力で見て、P-P強度が~1/2と低く、これはセカンダリーのピークと推定し、タイムアライメントが正確に取れていなかったと推測するので除外。

 【結論】
 1回目と3回目の6cmの差は、アッテナーターの有無であると推定する。追記:翌24日に実験で確認して、アッテネーター無しで、20cmでタイムアライメントが採れた。


PS.昨日京都の実家に墓参りしに行きましたが、その時に、以前JBL4331Aを改造するとしたら、スコーカーとして候補に挙げたパイオニアのPE-20を1台持って帰りました。その内、特性を測るつもりです。






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ケニー・ドーハム ~静かなるケニー~

2017-03-17 11:27:52 | ジャズ
 今回は、私の大好きな、ケニー・ドーハム ~静かなるケニー~についてお話します。
 ■1)アバウト・ケニー・ドーハム
 先ずは、ケニー・ドーハム についてウィッキペディアから紹介。
 ”ケニー・ドーハム(Kenny Dorham, 1924年8月30日 - 1972年12月5日)はテキサス州フェアフィールド出身のジャズ・トランペット奏者。ビバップを代表するトランペッターの一人。本名:McKinley Howard Dorham。
 ビリー・エクスタインやディジー・ガレスピー、ライオネル・ハンプトン、マーサー・エリントンのビッグ・バンドやチャーリー・パーカーのクインテットで活躍。アート・ブレイキーが形成するジャズ・メッセンジャーの一人としても知られる。セロニアス・モンクやソニー・ロリンズのサイドマンとしても録音に参加し、1956年に死去したクリフォード・ブラウンの後継としてマックス・ローチのクインテットに加わる。

 サイドマンの仕事の傍ら、ジャズ・プロフィッツを含む自身のグループを持つ。ジャズ・プロフィッツの演奏はブルー・ノートの1956年のアルバム"Round About Midnight at the Cafe Bohemia."で聞くことができる。その前年の1955年にはアフロ・キューバン・ジャズの金字塔"Afro-Cuban"を発表。1959年にプレスティッジから"Quiet Kenny"を発表。前者を『動』のケニーだと表現するのに対して、後者を『静』のケニーと表現する者が多い。

1963年に26歳のテナー・サックス奏者ジョー・ヘンダーソンを加え、"Una Mas"を録音。両者は仲がよく、ヘンダーソンのアルバム"Our Thing"や"In'n'Out"等にドーハムが参加している。1960年代始めにブラジルに赴いた。1960年代に頻繁に録音しており、ブルーノートやプレスティッジで聞くことができる。リーダーとしての他、ヘンダーソン、ジャッキー・マクリーン、シダー・ウォルトン、ミルト・ジャクソンのサイドマンとしてみられる。腎臓病を患い、1972年に死去。(合掌)”
 満48歳というのは、若い。惜しくもジャズジャイアンツと呼ばれることがない原因の一つは若すぎる死もあるなかなと思います。

 ■2)ケニー・ドーハム と私
 私が、ケニー・ドーハムを知ったのは、大学生の頃”静かなるケニー”の”狂おしい夢”を聴いたときでした。これには、ノックアウトされました。アメリカより日本での評価が高い理由の一つとして、”静かなるケニー”は、SJのゴールドディスクにもなっており、”静”のケニーが禅や侘びさびの文化を持つ日本人の抒情性に訴えるからかもしれませんね。しかし上の紹介にもあるように、『動』のケニーも中々捨てたものではありません。上には書いていませんが、 '54年にソニーロリンズと2管を組んだ、”ムービン・アウト”のケニーは火の出るような熱いケニーの早いパッセージを聴く事ができ、これが、”同じケニーなの?”と驚いたものですが、このプレイはご機嫌です。私が大ファンであるロリンズのアルバムで最も好きなアルバムの一つになります。まだパーカーの影も少し残っていますが、モダンさと技量においてこの時期のロリンズは向うところ敵無しです。

 これと同じロリンズとの2管で'57年5月の” Jazz Contrasts ”がありますが、'54年の”ムービン・アウト”の方が、若い頃の恐れを知らない神の宿ったようなロリンズが聴けるし、ケニーもそのロリンズにインスパイアーされたのか、いつもより熱い演奏をしています。動のケニーが本当のケニーだという人も偶にいますが、私は、動のケニーも静のケニーも大好きです。

 ■3)ケニー・ドーハム ~静かなるケニー~
 私の所有のアルバムは、下記です。 
 LPの”マタドール”もマクリーンとの2管が聴ける素晴らしいLPです。リー・モーガンの”CANDY"もそうですが、やはり私はワンホーンの”静かなるケニー”が好きです。”静かなるケニー”はLPもあったはずですが、何回かの引越しでどこかに行ってしまいました。このアルバムは、シックで上質な”静のケニー”が聴けるので大好きです。マイルスのところで、ケニス・タインナンが言うところのDUENDEの世界を持っており、と説明したが、ケニーはある意味マイルスと同等かそれ以上にDUENDEを理解していたと思う。このアルバムは、秋の夜長、寂しく1人になりたい時、そんな時に聴きたいアルバムです。目を閉じて静かに癒されたい人には、ぴったりの1枚かな。

 ■4)~静かなるケニー~の各曲紹介 録音年:1959.11.13
 録音場所:ニュージャージーにて録音
 パーソネル:トミー・フラナガン(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)
 【キャッチコピー】
 美しい音色と哀愁に満ちたフレーズで多くのファンを持つケニー・ドーハム不朽の名作。トミー・フラナガン・トリオをバックに、代表的オリジナル<蓮の花>や<アローン・トゥゲザー>の詩情をワン・ホーンで切々と歌い上げる。特に日本人に愛されたプレスティッジ(ニュー・ジャズ)の大人気盤。

 私が、このアルバムで一番好きなのは、6曲面の”狂おしい夢”で、その次は7曲目の”オールド・フォークス”です。これは、よくライブでお客さんからリクエストがかかったというお客受けの良かった曲です。勿論、有名なマイ・アイディアルや、蓮の花も大好きです。


1. 蓮の花 (ドーハムオリジナル)4:38
 ドーハムのイントロでスタート。軽快なフレーズを繰り出すドーハム。淡々としたクワイエットなムードであるが、芯に熱いものが一貫して感じられる。ドーハムは、実は熱いハートを持っている。続くは、トミフラ、これもスムージーなアドリブを繰り出す。最後は、ドーハムと短いドラムの交換が入って、テーマで終わる。

2. マイ・アイディアル 5:05
 アンニュイなムードでスローテンポのテーマから入る。この気だるいムードが、この曲にはぴったり。人をリラックスさせる癒しのトーンである。この心の琴線に触れるトーンが時々聴きたくなる。いつ帰っても、暖かく迎えてくれる大切な家族、そんなムードが漂う。

3. ブルー・フライデイ(ドーハムオリジナル)8:47
 ドーハムのテーマでスタート。ミディアムスローのアドリブが淡々と続くが飽きさせない。アーバンアトモスフィアー、それも夜の静粛の中に一人取り残されたか、早朝の人気の無いシーンを思い起こさせる。続くトミフラ・チェンバースも好調なアドリブソロを続け、最後はドーハムの癒しのテーマで終わる。

4. アローン・トゥゲザー 3:11
 お馴染みのメロディを彼らしい落ち着いたフレーズにして淡々と歌い上げる。短いが心にしみるバラード。

5. ブルー・スプリング・シャッフル(ドーハムオリジナル) 7:37
 ドーハムのテーマでスタート。アドリブは、ドーハム⇒トミフラに移るが、アイデア豊かに歌い上げる。その後、ドーハム⇒チェンバースに移るが、いぶし銀のウイットに富んだアドリブが聴けるが、ドーハムが寄り添う。ドーハムに戻って、ドラムのリズムを貰って、最後はコミカルなエンディングで〆る。

6. アイ・ハド・ザ・クレイジェスト・ドリーム(狂おしい夢) 4:39
 これが聴きたくて、このアルバムを入手した。リラックスした中にも雄弁にクワイエットに歌手のように歌うドーハムのアドリブが最高。大学時代は何十回も聴いたが、もう少し長尺でも良かった。トミフラのアドリブも、このアルバムで一番の乗りであり、流れるような華麗でゴージャスなアドリブラインは、聴き物。名演奏と思う。ドーハムのフレーズは、人を優しく包み込むような、そんな優しさに溢れているので大好きです。

7. オールド・フォークス 5:13
 静かなテーマメロディでスタート。クワイエットでジェントルなアドリブをしばしお楽しみください。リラックスして、癒されること間違いなし。トミフラのアドリブも真珠の輝きを思わせる美しいトーンで繋ぐ。チェンバースのソロも深い情感をもって粛々と唄い、ドーハムに戻ってモデラートなリピートありの粋なテーマで〆る。ドーハムは、よく客からこの曲をリクエストされたと言う事で、この曲のオーソリティです。

8. マック・ザ・ナイフ 3:06
 ロリンズの名盤サキコロでの、”モリタート” としての方が有名だが、原曲はこの”マック・ザ・ナイフ”である。ロリンズは、テナーのど太いトーンのアドリブで滔々と唄い上げるが、ドーハムは、軽妙で力を抜いたリラックス100%のアドリブである。これはこれで良いのである。できれば、この二人で、トレーンとのテナーマッドネス風にこのリズムセクションで、この曲をやって欲しかったというのは私だけの思いでしょうか?この曲で最も人気を博したのがサッチモだったということで、ドーハムのプレイはサッチモに影響されているということです。


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2405Hのみ3次フィルターを付けた場合のタイムアライメント評価

2017-03-16 12:10:30 | オーディオ
 今回は、3/10の記事の最後に書いた、2405Hのみ3次のF特がディップもなく、1次とほぼ同等に見えるのと、4KHz、6KHz、8KHzで同じようにトーンバースト波形が潰れていて、位相ずれも一定に見えますので、もしタイムアライメントをやり直すとしたら、上のみ3次ということで、2405Hのみ3次フィルターを付けた場合のタイムアライメントについてお話します。

 ■1)2405Hのみ3次フィルターを付けた場合のタイムアライメント評価
 先ずは、データを下記ご覧下さい。もし、右側の波形が見えない場合は、下のバーをスライドして下さい。トーンバーストの周波数は、クロスの9KHzに近い8KHzとしました。

 ①は、20cm奥に2405Hを置いた今の状態で3次フィルターを2405Hのみに付けた場合のF特です。②以降は、2405Hの620Aバッフル面からの距離を変化させた場合で、②が20cm、順番に③が22cm、④は、23cm、⑤は、23.5cm、⑥は、26cmのトーンバーストデータです。尚、これ以外の距離でも、波形確認はしています。これを眺めていると、①の20cmや⑥の26cmでは、2つのシングルパルスの波が時間遅れで、ほぼ1波長分の遅れで合成されているように見えます。この中間がタイムアラインができていそうですので、そこを0.5cm刻みで見たところ、⑤の23.5cmが理想的なシングルパルスの波と成っているので、ここがタイムアライメントの取れた距離としました。

 ■2)タイムアライメントが取れた位置でのトーンバースト波形の周波数依存とF特
 次に、タイムアライメントが取れた23.5cmでのトーンバースト波形の周波数依存とF特を見てみたのが、以下のデータです。

 ⑦は、8KHz、⑧は、6KHz、⑨は、5KHzで、⑩は、23.5cmの3次フィルター(上のみ)でのF特ですが、2231Aは不使用です。⑦~⑨は非常に綺麗な単独サイン波になっており、1次フィルターのみ付けた現状(1/22アップ分②参照)より寧ろ今回の3次の方が波形は綺麗になっています。またF特もフラットに近い形で綺麗に604-8Gと合成されているのが、⑩より判ります。この波形を見ていますと2405Hのみ3次フィルター追加も聴感を評価する価値のあるネットワークと思います。厳密に言うと、3次は位相歪みが乗っているはずですが、このトーンバースト波形は美しいです。

 この23.5cmの状態では、2405Hのケースの後ろは620Aのバッフル面から28cm位です。604-8Gの奥行きが28.3cmですので、両ユニットのお尻がほぼ同じ位置にあることになります。感覚的には凄くリーズナブルな距離です。

 この状態で、暫く聴いてみるかも知れません。
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