オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

”ハーレム・ブルース” ~フィ二アス・ニューボーンJr~

2017-09-26 22:53:59 | ジャズ
 今回は、前回の続きというか、同一セッションから後でアルバム化された”ハーレム・ブルース”についてお話します。これも学生時代、一時、嵌っていました。

 ■1)これが、日本で最初に発売された経緯
 これは、’75年の発売時に、本LPのライナーノーツを、コンテンポラリーレコードの社長のレスター・ケーニッヒ自身が書いていて、その中で説明している文章を引用します。
 ”この”ハーレム・ブルース”と題されたアルバムは、どの一曲もこれまで外に出したことのない、完全な未発表作品であり全世界に先駆けて、特に日本のジャズ・ファンのために発表を先行するレコードであるということだ。
 この未発表セッションを、私の倉庫から見つけ出してきてアルバム化したイキサツや録音当時の模様について、これから書くことの一部は私が先にスイングジャーナル誌に寄稿した文章と、重複せざるを得ないことを予めおことわりしておくが、私がアメリカのジャズ・ファン、いや世界中のジャズ・ファンを差し置いて、日本の皆さんに何にも先駆けて聴いていただきたいという理由はお世辞抜きに、日本のジャズ・ファンは世界一のジャズ・ファンだという事実を知っているからなのだ。日本に居る私の幾人かの友人、日本へ渡ったことのあるミュージシャン達から、口伝えにしか聞いてはいなくとも、私の制作したアルバムに対する反応を海の彼方で聞くしかなくとも、その熱心で、真剣な鑑賞ぶりは手に取るように判っている。
 そんな良質なジャズ・ファンに、まずこのアルバムを聴いて貰えるということは、プロデューサーである私にとっても、プレイヤーであるフィ二アス・ニューボーンJrにとっても、誠に喜ばしい、有意義なことと考えているのだ。”

 ケーニッヒの日本のジャズ・ファンに対する評価というか世界一とまで言ってくれる心に、大学時代 心の底から嬉しくなったのを思い出す。
 尚、日本側ではキングレコードの岡山ディレクターの尽力により、本アルバムが我が国で世界初で日の目をみることになったことを付記しておきます。

 ■2)”ハーレム・ブルース” が誕生した経緯とその選曲について (2つのアルバムの曲順・録音の様子・サイドメン人選等は昨日アップ分参照)
 これについても、ライナーノーツに、ケーニッヒが書いているのを端折って引用させて頂く。
 ”ハーレム・ブルースのセッションが行われたのは、’69年2月12日と13日の2日間で、場所は私のLAのスタジオ。サイドメンは、ベースのレイ・ブラウンとエルビン・ジョーンズのドラムスである。
 こう書くだけで、フィ二アスの熱心なファンなら、このセッションは、先に私が”プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥー・ラブ”(邦タイトル<ブラック・コーヒー>)として発売されたアルバムと同じセッションだと気がつくかもしれない。実に、両者は同じセッションなのだが、両者の間には一曲のダブりもない。このセッションを企画した時に、予め2、3枚のアルバムを作るつもりで、録音時間も十分にとり、曲数も多く採っているのだ。更に、最初からそのつもりなので、このセッションから、出来の良いものばかりを”プリーズ・センド・ミー・ー”に選んでしまって、残りはクズばかりという、所謂”残りテープ”ではない。この事は、このアルバムに一曲でも針を下ろしてみれば明らかになる筈である。”

 ■3)”ハーレム・ブルース”
 前回載せたリストで言うと、全23作の15番目の作品。表は、

 いいですね。SJゴールドディスクのシールも付いています。ついでに裏も、

 ”プリーズ・センド・ミー・ー”の表の写真のモノクロ版です。 ”プリーズ・センド・ミー・ー”は少し構えたところがあるが、”ハーレム・ブルース”は、アフター・アワーズ的な乗りの曲が多く、こちらの方が良く聴きます。

 ■4)”ハーレム・ブルース”の各曲
 残念ながら、各曲の紹介は、ライナーノーツにはありません。まあ、社長であるケーニッヒにそんなことをさせてはいけません。簡単に感想を記載します。

A-1.ハーレム・ブルース (フィ二アスのオリジナルですが、’58のビリー・グラマーのカントリーの代表作”GOTTA TRAVEL ON ”を元歌にしたアドリブ曲のように思います。)
 イントロから彼特有の力強いタッチでブギウギ風のテーマを弾く。いかにも、教会のゴスペル風の、天使にラブソング、に出て来るようなフィーリングを感じる。ゴツゴツだけど、ハッピー。きっと、フィ二アスも子供の頃は、ゴスペルの流れる教会へ行ったんだろうなと思わせる曲。和音のカッコ良さ、最後のバーンもお約束的だが、カッコいい。

A-2. スウィート・アンド・ラヴリー
 こういうバラードも、実は超絶テクだけではなく、彼は上手い。心に深く突き刺さるフレーズを重ねて聴くものに迫ってくる。色を重ねて、深い味わいを出す。エルビンのバックのブラシが小気味良く踊る。ドラムとポリリズムを対比させながら。

A-3. リトル・ガール・ブルー
 これと、B-2がお気に入り。ゆったりとしたゴージャスなバラード。華麗で繊細でセンシティブなアドリブ、リラックスした中にも余裕綽綽のフレーズを弾く。色んなカラーでキラキラ輝くアドリブの数々、ゆっくり、また、さりげなく。レイのベースが渋いです。超絶テクだけがフィ二アスではないと判るナンバー。

B-1. レイズ・アイディア (レイ・ブラウンのオリジナル)
 名手3人が渾然一体となったインタープレイ。アグレッシブなテーマをアドリブしていくフィ二アスに対して、バックも対等にバトルしていく。まさにインタープレイ。フィ二アスも楽しくて仕方がないという感じで乗っている。

B-2. ステラ・バイ・スターライト
 これが一番好きかな。ソロ・イントロの導入部から独特の崩し方、美しいだけではなく、力強さと絶妙の味がある。超絶のソロプレイ、この部分だけでも十分。途中、エルビンのドラム、レイのベースも、絶頂期の二人なので、入った瞬間に、ゾクッとする。また、解れる。フィ二アスのアドリブアイデアは多彩で、決めるところでのリズムセクションの寄り添い方も絶妙。

B-3. テンダリー
 珍しく、ベースの重厚なソロからスタート。非常にパワフルで、歌心溢れる長めのアドリブ。途中からフィ二アスが華麗なアドリブで加わり、曲はアグレッシブに変化する。重厚なレイのベースに支えられて、フィ二アスは自由に飛翔する。

B-4. クッキン・アット・ザ・コンチネンタル
 速いテーマでスタートする。エルビンが、シンバルを強調したドラムワークを見せ、レイは堅実にそれに応える。その中をフィ二アスが疾走する。

 ■5)You Tube
 今は、 A-2.とB-3.以外は、上がっています。

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プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥー・ラブ ~フィニアス・ニューボーンJr~

2017-09-25 22:13:10 | ジャズ
 今回は、フィニアス・ニューボーンJrの中後半の作品になります、”プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥー・ラブ”を紹介します。

 ■1)”プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥー・ラブ” のできる迄の状況
 これは、今まで何度も説明していますので、今回は簡単に記載します。
 フィニアスは、’56年にデビューLP”ヒア・イズ・フィニアス”を録音した後、RCAやルーレットにLPを残した。コンテンポラリーレコードの社長のレスター・ケーニッヒは、’61年にフィニアスに会い、彼のピアノが気に入って契約し、ハワード・マギーの2作にサイドメンとして起用した後、’61年10月に”ア・ワールド・オブ・ピアノ”を、コンテンポラリーの第一作として録音した。第二作は、’62年の”グレート・ジャズ・ピアノ”で第三作はザ・ニューボーン・タッチになる。
 彼は’64年にザ・ニューボーン・タッチを録音した以降精神病院への入退院を繰り返し、ケーニッヒとの友情はその後も続き、’69年にフィニアスが精神的にも立ち直ったのを見届け、’69年2月についにその頃は、幻のピアニストと思われていたフィニアスの久方ぶりのレコーディングを実現させ、本作を吹き込んだ。彼のアルバムのリストは、下記。全23作中、14番目。


 ■2)”プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥー・ラブ”のジャケット
 まず、LPの表は、

 精悍で凛々しい顔つきです。帯には、副題でーブラックコーヒーーが載っていますね。ケーニッヒ自身は、”ハーレム・ブルース”のライナーノーツで邦タイトル<ブラック・コーヒー>と書いています。裏もついでに

 レイと、エルビンも写っています。’77年に大学のレコードショップセブンで購入していますので4回生時代ですね。この頃フィニアスに夢中で集中的にフィニアスのLPを集めています。

 ■3)本作のレコーディングの状況 ~本作の野口久光氏のライナーノーツを参照し、加筆~
 吹込みが行われたのは、’59年2月12日13日の2日、LP記載に名エンジニア”ロイ・デュナン”の名は無く、何と社長のケーニッヒ自身がレコーディング・ディレクターを務めたようであるが、音質の良さ、トリオのバランスは、最新録音のものに少しも負けない素晴らしい音である。
 フィ二アスは、スタジオに入るや、自由に弾きまくり15曲がテープに収められた。内8曲が、本LP”プリーズ・センド・ミー・サムワン・ツー・ラブ”に収められ、残りの7曲は’75年になって日本向けに”ハーレム・ブルース”(SJゴールドディスク)としてLP化された。
 フィニアスのようなピアニストのLPには録音の良し悪しが非常に大切だが、彼の”コンテンポラリー”に吹き込んだ他のLP同様これは最上のモノといってよく、このLPの価値を一段と高めている。

 ■4)ケーニッヒの本LP吹き込み時の回想 ~ハーレム・ブルースのケーニッヒ自身のライナーノーツ('75年時点)を引用~
 ”録音日を2日用意した。
 バックに誰を使おうと考えたが、病み上がりの彼のことなので、彼の立場を十分に理解し、細心の注意と最高の技術で、彼に余計な負担をかけさせないですむようなプレイのできる人、こういう条件で、まずベースにはレイ・ブラウンを決めた。彼ならまず問題はない。当時でも、今でも最高のベーシストであり、どんなタイプのミージシャンのバックにも、最高のバッキングを果たすことの出来るプレイヤーだからだ。
 そして、ドラマーはと考えていたら、丁度その時にロスにエルビン・ジョーンズが来ているのを思い出した。何日か前に、エルビンにバディ・コレットのセッションに付き合ってくれないかと誘うと、きわめて好意的にOKの返事をくれたていたので急遽フィニアスのセッションにも加わってもらうことにした。
 この二人なら強力無比なリズム・コンビが出来上がるに違いない、こう思うと私は録音の当日が待ち遠しくてならなかった。
’69年の2月12日のAM11;30、録音は一切打ち合わせ無しに、きわめてスポンテーニアスに始められた。というより、フィニアスがスタジオに現れて、一方的にピアノを弾き始めたことからスタートした、という方が良いだろう。
 この日、スタジオに現れたフィニアスは、それまでの長い入院生活からやっと開放され、ずっと夢見続けていたピアノ(私のスタジオにあるのはスタンウェイの6フィートのコンサート用だ)を眼の前に見て、すっかり興奮してしまったのだ。もう彼の頭の中には、ピアノのことしかないようで次から次へと鍵盤の上に指を走らせる、これを、レイとエルビンがぴったりとフォローしてゆく、こんな風に始まった。
 初日のレコーディングは、2セッションで夕方の5時半まで、2日目は、1セッションで午前10時から、午後の1時まで、この間に我々は15曲のチューンを採り終えたのだが、そのオーダーは下記。
録音は終始フィニアスのペースで行われたのであるが、私に言わせればピアノに対して欲求不満に置かれていた、彼の頭の中の何者かが、このセッションで一気に爆発し、その思いのたけを全てピアノに叩き込んだ、そんな感じの凄じいプレイぶりだったと記憶している。これは、今回のアルバム化にあたって、マスターテープをあらためて聴いてみて、その感をよりいっそう深めたものだ。
 このレコーディングの後、フィニアスは再び彼の持病に陥ってしまい、思うような活躍ができずに今日に至っているが、状態の良いときに彼に会ったり、電話で話をするにつけ、一日も早く、あの華麗でスリルに富んだピアノ・プレイが、”完全に健康な状態”で聴くことのできる日を、私としても待ち焦がれているのが現状である。

 ■5)”プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥー・ラブ”の録音オーダー
 第一日 2月12日  AM11:30-PM5:30

○1.スイート・アンド・ラブリー
2.ステイ・オン・イット
3.ブラック・コーヒー
4.ヒーズ・ア・リアル・ゴーン・ガイ
○5.テンダリー
6.ラフ・ライディン
○7.クッキン・アット・ザ・コンチネンタル
8.ブレントウッド・ブルース
9.リトル・ナイルス
○10.ステラ・バイ・スターライト

第二日 2月13日  AM10:00-PM1:00

○11.レイズ・アイデア
12.プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラブ
○13.ハーレム・ブルース
14.カム・サムディ
○15.リトル・ガール・ブルー

○:ハーレム・ブルースに収録

プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラブは以下。
234689、12、14

 ■6)”プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥー・ラブ”の曲目
 本LPのライナー・ノーツの野口久光さんの解説を最初に””内に記載し、私の感想もその後に記載。

A-1. Please Send Me Someone To Love (パーシー・メイフィールドの’49年の作詞・作曲)
 ”曲は、32小節型式で書かれているが音列、メロディーにブルース的なところのある曲で、フィ二アスのプレイは、スロウ・バラード・テンポでブルース風に歌い上げている。クリアーな一音・一音の美しさが録音の良さと相まって遺憾なく生きている。華麗なテキニックが駆使されているのだが決して派手がましくなく、知的で渋い光を放っている。ベースとドラムスの控えめなサポートも申し分ない。”

 とにかく、有り余るテクを隠して、只管唄うフィ二アスを聴いてください。ブルースフィーリングたっぷりのバラードです。彼特有の力強いタッチが堪能できる。

A-2. Rough Ridin' (エラ・フィッツジェラルドとハンク・ジョーンズとビル・テニソンの合作のスインギーで明るい曲で、その時伴奏はレイ・ブラウンが指揮するオケで、ピアノがハンクだった)
 ”フィ二アスは、ミディアム・アップテンポでメロディックに歌い、ブロック・コードが多用される。ここでも驚異的なテクニックが駆使されているのだが、それがテクニックの誇示にならず、音楽的に昇華されており、軽快な小品とはいえ、気品を感じさせるのは流石である。”
 
 軽快なイントロより、繰り返しのテーマ・フレーズが楽しい。そこからのアドリブの入り方が素晴らしい。アイデアが止め処なく湧いてくる。とんでもないテクを持っているが、それを思わせないさらりとした表現が粋である。

A-3. Come Sunday (D・エリントンが、’43年カーネギー・ホール・コンサートで初演した大作戯曲”ブラック・ブラウン・アンド・ペイジ”の中で歌曲として歌われた一種の賛美歌で、後々歌曲としてよく歌われている。)
 ”フィ二アスは、まずエリントンの原曲に忠実に単独ソロで演奏、第二コーラスでベース、ドラムスを伴って美しいヴァリエーションを繰り広げる。全体にフィ二アスはエリントンへの敬意を込め、曲の持つムードを大切にしている。”

 イントロは、スローなセンチメンタルなテーマから。繊細で哀愁のあるアドリブを切切と弾く。ほぼソロでスタートしリズムが知らない内に入る。玉を転がすようなフレーズが美しい。バラードもフィ二アスは素晴らしい。心にしみます。エンディングはしめやかに。バックのシンバルワークが光る。

A-4. Brentwood Blues (フィ二アスのオリジナル・ブルースで6分を超える長い演奏)
 ”レイのベースとエルビンのベース?による控えめなイントロからフィ二アスのソロ・テーマとなりコードを強調したプレイで形をかえたヴァリエーションが繰り広げられる。中間にレイのベース・ソロを挟んで三者による力強いグルーヴィーなぷれいで演奏は更に盛り上がっていく。フィ二アスの演奏には構成力と気品、風格があり、この6分は全く長さを感じさせない。”

 この曲が一番お気に入り。レイのイントロから直ぐにピアノがついてくる。ブルースフィーリングに溢れたメロディがやってくる。途中、盛り上がるところでのエルビンのシンバルのサポートもいいし、レイは、渋いが重厚なリズムを刻む。これぞ、ブルース、身体が自然に揺れてくる。レイのソロも入ってくるが、チェンバースとは又違ったあっさりとしたソロ。ピアノに戻って、またキラキラプレイを決めて終わる。エルビンの纏わりが少しうざいが。

B-1. He's A Real Gone Guy (ルイジアナ州出身の女性黒人シンガー”ピアースト・ネリー・ラッチャー”が’47年に作詞作曲、自ら歌ってミリオン・セラーとなったノヴェルティ・ソング。ラッチャーがニューヨークのカフェ・ソサエティに出演した時の人気は大変なものだった)
 ”ラテン・フレイバーのエルビンのイントロからフィ二アスは原曲のメロディを残して軽快に歌い、通俗的な曲をいつの間にかジャズ・ナンバーにしてしまう。”

 フィ二アスは、本当に止め処ないアドリブが出てくる。また、速いフレーズをいとも簡単に弾きまくる。スイング感もバリ\バリ。しばしの、ドラムソロもあり、これがまた凄い。そりゃー、エルビンの絶頂期である。また、ピアノに戻ってテーマをやって力強いストロークを披露してエンド。

B-2. Black Coffee (ソニー・パーク(作曲)とフランシス・ウェブスター(作詞)が、’48年に合作した粋な小唄で、サラ・ボーンが”ミュージクラフト”に吹き込んで評判となり、続いて、エラや、ペギー・リーの吹き込みも評判になったお馴染みの曲)
 ”フィ二アスは、バラード・プレイの素材として取り上げ、これをスケールの大きい一つのピアノ曲のような演奏に仕上げている。Brentwood Bluesに次ぐ長い演奏で、6分を超えるが、このアルバム中、白眉の名演と言えよう。”

 この曲を聴くと、何故か中本マリの同曲を思い出します。少し気だるく、少し悲しい。フィ二アスは、ガンガーンとゴリゴリのスタート。スローなテーマがゴージャスに迫る。これは、ゴージャスの一言で〆よう。エンディングも凝ってます。

B-3. Little Niles (’55年に異色のピアニスト”ランディ・ウエストン”が書き、リバーサイドに吹き込み、アルバムタイトルとしたエキゾティックな旋律を持ったジャズ・ワルツ小曲で、ランディが愛児ナイルスに贈って書いたもの。)
 ”中近東の民族音楽的なそのメロディの美しさがフィ二アスによって、さらに印象的なものになっている。”

 シンバルとベースのイントロ。ピアノテーマが静かに入ってくる。リズムとピアノが渾然一体。エルビンのシンバルとドラムが効果的になっている。その中をフィ二アスのアドリブがジグザグに這っていく。時に煌びやかな色々を発し、時に幻想的になりながら、切ないアバンギャルドなメロディを綴る。最後のガーンもお約束だがカッコいい。

B-4. Stay On It (’47年にディジー・ガレスビーのビッグ・バンドが吹き込んでいるスインギーなバップナンバーで、作曲者は何とカウント・ベイシーと、タッド・ダメロンという珍しいコンビ。)
 ”スインギーなレイとエルビンのバック・ビートに乗ってフィ二アスは奔放なアドリブを展開している。”
 
 力強いピアノのイントロから、快活なテーマが始まる。アドリブに入ると実に楽しそう。エルビンのジャン・ジャンに乗って自由に弾きまくる。超絶テクの片鱗も少し出しつつ溢れ出るアイデアのアドリブが展開される。

 
 ■7)【バラード好きの私の感想】
 フィ二アスをはじめ、天才は、バラードでも力強い。ソニー・ロリンズのど太いブローでのバラード(*1)然り、コルトレーンの切れた強いトーンのバラード(*2)然り。

 (*1)サキソフォン・コロッサスの”恋を知らない貴方”や、ワークタイムの”ゼア・アー・サッチ・シングス”とか
 (*2)コルトレーン(1stアルバム)の”コートに菫を”や、ソウル・トレインの”アイ・ウォント・ツ-・トーク・アバウト・ユー”とか

 ■8)You Tube
 フル・アルバムで上がっています。
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ONKYO TW3001 特性評価

2017-09-24 09:42:36 | オーディオ
 今回は、9/21にONKYO TW3001を紹介した最後に、入手したのでざっくり特性を測ったと記載しましたので、その話です。

 ■1)入手したONKYO TW3001
 これは、下記です。ブラックフェイスがカッコいい!

後は、

 スピーカー端子もピカピカです。

 ■2)測定風景
 これは、下記。単体評価は、このようにニアーフィールドで、マイク距離は10cmです。

 620Aと繋いだ時は、下記のように2405Hの左に置きました。位置は、2405Hの前後位置と同じ22cmでタイムアラインは未。

 マイク距離&高さは100cmですので、TW3001とは15度くらい角度が上下に付いているので20KHz辺りは指向性で落ちます。

 ■3)測定データ ~単体ニアーフィールド評価~
 これは、2)の最初の写真の状況で採ったものです。

 1.は、TW3001単体で直結で素の特性です。2KHz~20KHzまで6KHzに若干ピークがありますが、ほぼフラットのFFTです。2.はパスコン2μF(Dayton)を付けた時のインパルス応答のオシロですが、これは、詳細評価したいので、0.5msと時間軸を広げていますが、鋭いピークで理論通り+スタートです。ドーム型ダイヤフラムですので、そうなるんでしょう。前後に付帯波があるのが若干気になります。直結時は、前の付帯波はほとんど無くなります。3.は、直結時のインパルス応答のFFTです。これも1.とほぼ同じです。2.はそれにパスコン2μFを付けた時のインパルス応答のFFTです。パスコンが上手く利いて6KHz辺りから低域が落ちていきます。パスコンは、1μFも見ましたが、6Khz付近から上がハイ上がり傾向になるので、フラットな2μFがよさそうです。

 ■4)測定データ ~620Aと繋いだ時のファーフィールド評価~
これは、以下。TWは、パスコン2μFで直結、2405Hは、パスコン1.5μFでATTは、5.2db掛けた。

 上段が、TW3001で、下段がリファレンスの2405Hで、左がサインスイープのFFT,右はインパルス応答のFFTです。5.を見ると、低域に対し、高域が20db程度低いですが、20KHzでも低下しつつレベルが維持されているのでサインスイープはこんなもんです。というか余り重視しません。聴感に近いというか原信号に近いリファレンス評価が出来るのは、インパルス応答のFFTですが、6.では、ほぼフラットで完璧です。下段の2405Hですが、TW3001に比べると、10KHzを中心とした高域がTWよりは少し高めですがこれもほぼ完璧です。この程度の差は、どちらが好きかというレベルの差と思います。TWの方は、20KHzを超えてもレベルがなだらかに低下していきますが、2405Hはストンと落ちますので高域端はTWの方が延びていると言えます。これはカタログデータ通りです。

 ■5)TW3001を右側に付けての試聴
 これで、少し聴いてみました。傳さんが言っていたように、アタックは凄い。名機2405Hを凌ぎます。しかし、硬質とも傳サンが言っていたように、シンバルがジュラルミンで出来ているような、チーンという音に近い感じになる。2405Hは、もう少しジャーンに近い。これも好みの世界になります。まず、ウィ・スリーを聴いてみましたが、ロイのドラムスが丁度右にあったのですが、チーンという音に近いシンバルが良いですね。生に近いのはどちらなのかな?それと高音だけでなく、雰囲気というか世界が少し広がるような気がします。これは言葉では表し難いのですが、その場の空気を再現できているというような感じでしょうか。それとスネアドラムやブラシが乾燥したカリフォルニアの空気の中で鳴っているような乾いた音に聴こえる。打音に強い。
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サウンド・ドライバーのPCによる差 結論修正版

2017-09-23 00:17:53 | オーディオ
 前回、9/21に上げた時は、ドライバーのVerが新しい方が良いと結論しましたが、後3台のPCを測定した所、どうもドライバーのVerではなく、PCメーカーに差があるようなデータが出てきました。今回はその話です。また、前回はサインスイープデータに高調波を出していませんでしたが、今回は高調波(1KHzに対する)を出しました。

 ■1)前回データへの高調波の追加
 これは、以下。方法は、測定系の評価ですので、一番適していると思うループバック法です。

①②は、レッツノートで、③④は、DELLのPCです。左側が、サインスイープのFFTで、右側がインパルス応答のFFTで、今回は、サインスイープに緑の線で瞬時波を記録して1KHzの基本波の時の高調波を加えました。これを見れば、レッツノートは、高調波がほとんど無いのに対し、DELLでは、3次、5次、9次が-50db前後出ています。インパルス応答から判断して17KHz付近からの低下も、レッツノートは無いのに対し、DELLはあります。
 注)DELLのみ縦軸のレンジをー100dbにしてしまったので、③でバックグラウンドノイズが消えていますが、レンジを他と同様ー120dbにすれば、出てきます。尚、今年の6月以前は、主にDELLでオーディオ評価をしていました。DELLは、オーディオデバイスを抜き差ししても内臓マイクがある関係でか、WSやWGが立ち下ることがない(CF-S10は止まってしまうのでWSやWGの再立ち上げが必要)という使いやすさがあります。

 ■2)NEC Versa Proと hp Probook 4540Sのデータ
 これも以下です。

 ⑤⑥が、NEC製のVersa Proで、⑦⑧は、hp製Probookのデータで、左側が、サインスイープのFFTで、右側がインパルス応答のFFTです。インパルス応答から判断して17KHz付近からの低下については、NECもhpも見られます。高調波については、NECもhpも-50db前後で見られますが、NECの方が、高次が出ていますが、hpはNECと比べると少ない。尚、⑧からhpは、リニアリティが保てていないと言う問題があります。

 ■3)NEC Lavie LS150FS6Wのデータ
 これも以下。

 これも、両方17KHz付近からの低下があります。高調波も上のhpレベルで出ています。Lavieは、WG・WSのフレームが通常青ですが、緑になります。

 ■4)考察
 以上より、現時点では以下と結論します。

 ①17KHz付近からの出力低下の原因:インパルス応答から判断して、PCメーカーにより差がある。低下が少ない順に

  パナソニック>NEC=DELL>hp(リニアリティがそもそも無い)

  となる。

 ②PCメーカーにより差が出る原因:これは、ドライバーソフトについては、パナも、NECもDELLもRealtecであり、NECではパナより新しいVerでも低下しているので、ドライバーソフトについては原因ではない。とすると、残りはハードということになるので、サウンドカードが各メーカーにより、その周波数的なリニアリティに性能差があると考えられる。

 ③ドライバーソフトについて:hpの4540Sについては、高域だけではなく、全周波数でリニアリティがおかしくなっている。これは、IDTのサウンドドライバーが原因なのか、サウンドカードがおかしいのかは判らない。

 ④高調波について:これについても、上記のPCの中ではレッツノートが最も少ない。優秀な順番は以下。

 パナソニック(-80db)>DELL(-50~ー60db)>hp(-55db>NEC(-50db)

  となる。 いや~、レッツノート買っておいて良かった!測定系で歪を出したり17KHzから上が低下していたら話にならない。買ったお店のO様に感謝。サウンドの良いPCを探していると言ったら、1時間位レクチャーしてくれて、その結果レッツノートにしたんです。
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ONKYO TW3001

2017-09-21 22:10:17 | オーディオ
今回は、9/13にアップした2405H のインパルス応答の極性のところで、2405Hに変えることの意義のあるのは、ONKYO TW3001位ですと挙げたツイータについてです。

 ■1)ONKYO TW3001
 以下、オーディオ・シェアリングから引用・加筆します。
 ”数多くのユニットで構成されているオンキョーのSCEPTERグループ・システムスピーカーの最高音を受持つ製品として開発されたのが、このTW3001で、同社のトップモデル4ウェイ大型フロア型SCEPTER500(1978年頃58万円(1台))にも採用されているユニットだ。ホーン開口径はφ45mmと小さく、スーパートゥイーターらしい外観をもっている。ダイアフラムはジュラルミン軽金属製で、磁気回路はφ30×20mmのアルニコ系マグネットを使った内磁型構造で14、000ガウスの磁束密度を得ている。
 スペックは、下記。
 ■インピーダンス:8Ω■最大入力20W■再生周波数帯域:5k~35kHz■出力音圧レベル:98dB/W/m■磁密:14500Gauss■AlNiCo磁石■外形寸法:W80×H80×D107mm■重量:1.08kg■価格24,000円

 ■2)ONKYO TW3001に関する雑誌記事 ’78年2月のラジオ技術
 先ずは、音特を載せていたラジオ技術は、下記。ツイータのトップで登場。

 2KHzから音圧データがありますが、左上を見ると真正面だと、ほぼ5KHzから20KHzまで98dbでフラットです。30度の斜めになりますと、20KHzで6dbダウン、60度の角度なら20dbダウンするという指向性があります。下段のグラフは高調波歪ですが、2ndは普通ですが、聴感に影響する3rdが非常に小さく、JBL2402と同レベルで、6.5万円のテク二クス10TH1000より若干低いです。因みに、テクニクスのデータを下記しますが、音圧の指向性に注目。ありえない位30度、60度がフラットです。でも、リーフ型は、スコーカがホーンの場合は繋がらないから結局ホーンツイータに戻したと言う人もいます。リボン型もそういうケースがあるようです。


 ■3)ONKYO TW3001に関する雑誌記事 ’79年1月の”無線と実験”
  ツイータのトップで登場。上記ラジオ技術でもトップでしたが、当時のこのユニットの立ち位置が判ります。
 これは、当時の高級ツイータを比較試聴していました。評価順に、TW3001(2.4万円),コーラルH-100(3.2万円),ALTEC 3000(26800円)H、JBL2405(3.7万円)、エレクトロボイス T35(20200円)です。TW3001の記事を□で囲んでいます。

 注目すべきは、たたく音のアタックが一番はっきり決まるタイプで実に鮮明な音でしたという傳さんのコメントです。シンバル系のアタックのエネルギー感がはっきり出てどちらかといえば硬質な部類に入る音質とも傳さんは言っています。詳細は見て下さい。次は2405の記事です。2405Hが出る前ですが、2405でも参考になります。

 ここで注目すべきは、傳さんのコメントで、”アタックは決まっている方ですよ。オンキョーTW3001を一番とすると、2番という感じです。”ということで、TW3001がアタックが一番という評価です。アタックにはやはり一番なんだ。

 ■4)TW3001を入手したい
 実は、9/13に2405Hのインパルス応答の極性をアップした時に、最後に2405Hに変えるとしたらTW3001しかないと書いたが、その直後に、ネットを見ていたら、ヤフオクで半年に1回しか出なかったTW3001が中古店の広告に1個でしたが、出ていました。これは何かの運命だと勝手に思いました。勿論ポチッタのは言うまでもありません。近々特性を測って、アップする予定です。現状の2405Hは、5dbのアッテネーターを付けて、100dB/W/m の音圧で使っていますが、TW3001は、98dB/W/m ですので、アッテネーターが不要で音を汚す抵抗が省けるというメリットがあります。しかし2db足りないが、まあこれは聴いてみてからですね。

 □5)ダイヤフラムは、ドーム状か?
 これは、カットモデルの写真が以下のURLにあった。
http://www.niji.or.jp/home/k-nisi/scepter500.html
 この写真から、ジュラルミンのダイヤフラムは、ドーム型と思われる。
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