オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

オーディオ評価ソフト 雑感 シェルビー・リン ”ジャスト・ア・リトル・ラビング”

2017-01-19 12:04:36 | 評価ソフト
今回は、評価ソフトについて、お話してみたいと思います。

 ■1)ちょっとブレーク
 その前に、横道にそれますが、ブレーク。
 昨日、いつものように、私の部屋で、音楽を聴いていました。その時に聴いていたのは、このブログでも、ビル・エバンスの思い出の項で紹介したワルツ・フォー・デビィでした。
 その時に、知り合いのMさんから携帯に電話が掛かってきました。
Mさん:”あ、今ジャズ喫茶かなんかですか?”
私:”いや、今私の部屋で、音楽を聴いているんです。”
Mさん:”そうなんですか。てっきり、ジャズ喫茶かどこかに聞えました。”

 結構、ライブ録音なので、勘違いするのも頷けます。
Mさんには、その時、このブログを始めたことも伝えましたので、次回ご覧になった時は、”ニヤッと”笑うはずです。

 聴いていたのは、ワルツ・フォー・デビィでしたが、これは、1961年6月25日のヴィレッジ・バンガードというクラブでのライブ録音です。なのでグラスの当たる音とか、拍手やお客の笑い声なども入っていてライブ感が満喫できます。
 59年にエヴァンスはドラマーのポール・モチアンとベーシストのスコット・ラファロをメンバーに迎え、歴史に残るピアノトリオ(ファーストトリオ)を結成するが、この時は、結成3年目にあたりトリオ絶好調のインタープレイが聴ける。
 ベースが好きな方は、マイ・ロマンスと、最後のマイルストーンズをお聞きになれば、ミンガス張りのラファロのスインギーなベースを楽しむことができます。私は、表題曲も好きですが、1曲目のマイ・フーリッシュ・ハートが、よくリリカルと言われますが、内省的・叙情的で好きです。ピアノで贖罪の苦悩を心に秘めて詩を書いている、彼はピアノで詩を描く詩人、そんな感じです。クラッシク関係者も、彼のヴィレッジ・バンガードのライブによく見られたというのも頷けます。

  ■2)スピーカー評価ソフトの導入経緯・当初のバグ
 では、本題に入ります。
 ブログ初日にも、紹介したように、スピーカーを評価するソフトとして私は、最初(2013年頃)にefu様のWG(発信)/WS(受信・スペアナ)を使っていました。
当初は、古いXPのPC(NEC)に入れて、評価していましたが、ある時、確認用に、ループバックでマイク&スピーカー以外のシステム全体の確認をしていたんですが、普通フラットになるのに、その日は、なぜか、周波数が上がっていくと単調減少するような特性に変化していました。
 マイクで、スピーカーの音圧を採っても、同様単調減少していきます。PCか、WG・WSのどちらかが、バグったのかなと思って、PCを再起動してもだめです。これが、時をおいて、2回起こりました。
 結局は、WG・WSを入れなおして直りました。
 もっとも、PCをXP⇒Windows7のPCに変えてからは、起きていませんので、XPとの相性が悪いのかもしれません。

 ■3)スピーカー評価ソフト間の差1~低域と高域の音圧差~
 4331Aの改善は、ツイーターである2405Hの追加を中心にやっていましたが、WG/WSで、F得がフラットになるのと、聴感の両方で確認していましたが、評価していく内にWG/WSで、フラットにすると、女性ボーカルがきつく聴こえることに気か付きました。

 例えば下のような状態が、その状態です。

 ①②が、WG/WSで採った時の状態で、低域と高域で、ほぼフラットですが詳細に見ると約5db位下がってると見ました。③は、My Speakerで採った左右両方の出力で、これでは、低域と高域で、ほぼフラットですが詳細に見ると約3db位高域が上がってると見ました。この状態では女性ボーカルがきつく聴こえます。

 どちらが正しいとか言う気はないですが、差はあります。聴感に合せて、高域を司るツイーター2405Hのアッテネータを上げていったのが、下記です。①~③は、WG/WSのデータで、アッテネータを0⇒4⇒5dbと上げています。④~⑥は、My Speakerのデータで、0db⇒4db⇒5dbと上げています。
 
 アッテネーターが0dbで比較しますと、WG・WSは、低域に対し高域が5db下っているのに対して、My Speakerは、逆に4db上がっていますが、アッテネーターが4dbのときは、WG・WSは、8db下っているのに対して、My Speakerは、0db、アッテネーターが5dbではWG・WSは、11db下っているのに対して、My Speakerは、0dbと見れます。聴感上では、アッテネーターが0dbでは、女性ボーカルがきつく聴こえますが、アッテネーターが5dbでは、長時間女性ボーカルを聴いても、きつく感じないばかりか、非常にナチュラルな音場になっており世界が広がったような素晴らしい眺望をみているような音になります。(尚、90Hz付近のディップは、以前紹介したルームアコースティック対策前のためです。)

⇒【結論】私の聴感上、自然な音になるのは、私の測定系を用いてMy Speakerの高調波歪みのメニューでフラットな状態である。この時、WG/WSでは、11db位は、低域に対して、高域が下る状態である。この結論は、別途2/22にアップした改訂版で、高調波歪み以外のメニューにする旨、Ver.Upしました。

 ■4)女性ボーカル評価用アルバム
 この時、評価に用いたのは、女性ボーカルは、シェルビー・リンで、アルバムは、”ジャスト・ア・リトル・ラビング”です。父親はアルコール中毒、彼女が17歳のとき、目の前で父親が母親を射殺、父親もその銃で自殺、悲劇的な少女時代を送った。何か、ビル・エバンスと同じような境遇を感じます。2001年のグラミーを取ったようですが、そんな事より、こう言う壮絶な運命に苛まれた人の音楽は、私のソウルを揺さぶります。

  ”ジャスト・ア・リトル・ラビング”で、私が好きなのは、”ザ・ルック・オブ・ラブ”です。『007 カジノロワイヤル』に使われたB/バカラックの名曲でメジャーなのにマイナーコードを使っていて、”キュン”とさせる。ドラマチックでストーリー性が感じられ、どこかアンニュイ。また、表題曲は、オーディオチェックに最適な、個々の楽器が浮き出て、モニター的な聴き方に対応できます。喜び悲しみを散々経験しつくした大人の女性のヴォーカルです。尚、You Yubeで、2曲とも聴くことができます。

 ■5)スピーカー評価ソフト間の差2~低域端での音圧差~
 もう一つの差は、最初のF特のデータを見て頂きたいのですが、左端が20Hzの低域端ですが、その値が、WG/WSは周波数が上昇してもフラットになっていますが、My Speakerの方は、30Hzの所より単調に落ちて、10db位20Hz値が落ちています。フラットと、10db低下の差があります。縦軸が、WG/WSに比べ、My Speakerの方は半分になっている(WSでもレンジは半分に出来ますが、MY SPEAKERのようにオートオフセットが利いてないのでオフセット調整が必要)ので、変化が大きく出るのは判るのですが、フラットと、-10dbでは全く違います。この辺りは、JBLの無饗室データが、20Hzでは、40Hzより10db落ちているので、My Speakerがそれを忠実に再現している、又は分解能が高い、と考えることもできますが、正しい理解かどうかは判りません。WG/WSで、20Hzでー10dbを実現することもできますが、それをするには、マイクをスピーカーの近くに置く必要があります。My Speakerの方は、そんなことはする必要が無く、普通の聴取位置でー10dbを実現することができます。ですので、私は、F特でのラフな評価や、左右区別する評価とか、シングルパルス(トーンバストとも呼びます)評価では、WG/WS、F特の詳細評価や、最終確認でMy Speakerを使います。My Speakerは、F特以外でも、残響特性や高調波歪やインピーダンスを採る場合に便利というメリットもあります。
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