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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

無職転生 II 〜異世界行ったら本気だす〜 第17話 『兄貴の気持ち』 感想: そうか「無職転生」ってゼロ年代過ぎて気持ち悪いんだ。

2024-05-06 11:46:01 | 無職転生
いやー、なんか、こういう面倒な話、なろうではいらないんだけどなぁ、と終始思って見てた。

この作品が苦手な理由がよくわかった。

なんかゼロ年代の、だーまえ、とかがやってた、家族愛とか、引きこもりの解消とか、とにかくメンヘラな人間を内面から更生していくための物語療法みたいなつくりなんだな。

それがどうにも気持ち悪い。

あー、だから、この作品自体が、なんかマインドコントロール的なカルト臭がつきまとっている。

まぁ、無職のひきこもりのニートが転生して人生やり直して、ついでに前世の問題点と向き合う「贖罪の旅」っていうんだから、そりゃ軽く宗教っぽくもなる。

なんだったら、今、転生した先が、いわゆる異世界ではなく、天国にいくか地獄にいくかの分かれ目の「煉獄」である、といわれれば、あぁ、そうか、とも思うし。

ただ、そういう設定があからさまに透けて見えるのが、気持ち悪いんだろうなぁ。

いや、ルーデウスの性癖が気持ち悪いってのもあるのだけど、それ以上にやっぱり、この物語全体が醸し出すマインドコントロール臭が生理的に嫌なんだな。

まぁ、やってることは、旧作のときのエヴァンゲリオンと大差ない。

文字通りオタクが日陰者だったころで、物語として自分を慰めてくれるものが欲しがられた時代の遺物。

今どきはそんな中身は求められていないから、そりゃこの作品が忌避されるはずだよね。

その意味では、作画や音響に力を入れればいれるほど、この作品の宗教的側面に引き込むための策略に思えてきて、ますますまともに見れなくなる。

なんか新興宗教の勧誘映画みたいなテイスト、といえばよいか。

要するに、気持ちよく、頭を空っぽにして物語に没入して楽しむことができない。

多分、ゼロ年代のうちにアニメ化していたら、そこそこヒットしていたのかもしれないけれど、今はむしろ、こうしたテイストは、初見の人に警戒心しか抱かせないと思う。

そういう意味で、時期を逸していた、ということだろうね。

むりやりの家族愛の押しつけ、兄弟愛の押しつけ、とか、見ていてホントに、どこの政府広報だよ、と思うくらい。

ということで、この作品は、軽い宗教勧誘動画だったってことだった。

そりゃ、気持ち悪いわけだよ。

いろいろと、時代の反面教師のような作品。

そういう意味では完全に逆風の中にあるんだろうな。


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