教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

平和を嫌う主人公

2014-04-17 23:04:22 | オタネタ全般
棺姫のチャイカ。
このアニメ、タイトルだけでもテンプレなラノベ臭がする。

まあそこはそこ。
導入部分はたとえテンプレだとしても、それを使いこなせてこそのラノベである。

ラノベの世界は案外狭い。
意識して読者の期待しそうなものを書こうとすればするほどテンプレ化が促進してしまうというある種の自己矛盾の世界でもあり、達人となればなるほど自分で自分の墓となる穴を深く掘ってしまいがちだ。

逆にいえば、新しいテンプレを発明できたものは、ひょっとしたら
「俺がいちばん最初に使い始めたんだもんねー」
と悦にひたる権利を得るかもしれない。

ところで実はだな。
ここへきて、意外にこれまでありそうになかった新しいテンプレが発生しそうな気配である。

それは・・・

平和を望まない戦闘バカの主人公だ。



「主人公は正義の味方であって、平和を望む良い子が平和のためにしかたなく戦う立ち位置であるべきだ」
・・・それがテンプレの世界である。

そしてその対極として
「敵は悪党であって、戦闘バカであって、平和を嫌い、いまの平和な世の中に順応できなかった落伍者であるべきだ」
・・・それが上記テンプレの世界の対偶である。

ところがどっこい「棺姫のチャイカ」はそれに当てはまらない。

「主人公」は銭のために領主様の家にコソ泥に入るような悪党であって、ほんとうに戦闘しかできないが戦闘時だけは腕が立つホンモノの戦闘バカであって、戦乱の世に戻ってほしいとホンキで祈るほど平和が嫌いで、姉に養ってもらうニートだというほどにまで落ちぶれている。

対して、「敵」はいまの平和な社会の維持に貢献するホンモノの正義の味方であって、アタマはガチガチに固そうだが本当に平和を望む良い子にも見え、少なくとも平和のためにしかたなく戦っているように見える。

こういうのがもしあったとしても、主人公はたいがい自らの美学に基づいて行動するかっこいい系のダークヒーローとして描かれるものだ。
ところがどっこいこの作品、なぜかラノベのテンプレである「うだつの上がらなそうな性格に特徴という特徴のない若者」として描かれている。

ふつうだったら組合わせようのないこのテンプレの組み合わせ。
これはこれでおもしそうだと思わないか?



第2話まで見たところからの判断だが・・・

実は正義の味方っぽい敵さんは間違った作戦行動に出ている最中で、
その良かれと思ってやった行動によって世界が滅亡しかかり、
いつの間にやら主人公一味がかかわってしまい、
最終話でなんか知らんけどデカいボスキャラを倒したら平和になりましたとさ。
めでたしめでたし。

・・・になりかねないような危惧を感じるが。

そこはこの作者、テンプレ使いとしての腕前を拝見といたしましょうか。