飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

軽井沢町バス転落事故に関し、ちょっと違う意見…。

2016-01-23 17:05:59 | うんちく・小ネタ(absurd story)
痛ましいとしか言いようのない軽井沢町で起きたバス転落事故…。

将来ある大勢の若者が被害を受けた同事故が起きてしまったことは、本当に残念で仕方ありません。

この事故に関し、今はバス運営会社の責任が問われていますが、実は私は少し違う考えを持っています。

と、言いますのは、事故現場の道路は私は以前よりよく走っている道路で、そこを走るたびに道路の構造に危険があるのでは?と感じ

ていたからです。




実は事故現場道路、見た目よりも下り勾配がきついという落とし穴を持っています。

これ、なぜ下り勾配がきついことがドライバーに分かりにくいかというと…。

まず、碓氷バイパスは曲がりくねった上り坂ですが、道そのものは走りやすく、結構スピードが出せます。

だいたいここを通るときは、スピードが出せるためどの車もフルパワーを出して登っているのではないでしょうか?

碓井バイパスはちょっと珍しいくらいスピードが出せる峠道なのです。

ドライバーは誰しもこの峠道を登るうちにスピードが速いことに目が慣れてしまうのです。

そして、峠を登り切り、軽井沢町へと入るのですが、ここでスピードが速いことに気づかず下り坂へと突入するのです。

しかも、下りに入ってもその急こう配になかなか気づかないのです。

ここからが本題の「なぜ下り勾配にドライバーが気付かないか?」ということですが…。

一つはずっと上り坂を長時間登ってきていたため、道路の勾配の感覚がマヒしていることがあると思います。

次に、下り勾配に入ってからは坂の勾配が分かるような垂直な建築物が全くなく、あるのは斜めに伸びたブナ林だけなので、下り勾配

の感覚がつきにくいのです。


そのため、私はここの現場を通るときは、いつも次のような運転をしていました。


まず、スピードが速いまま峠を超えて下り坂に入ります。

この時ギアは5速です。

そして、下っていくのですが、坂の下り勾配が上記の理由で分かりづらいため、スピードがどんどんついてしまい慌ててシフトダウン

をしてエンジンブレーキを効かせようとします。


この操作をしないと、スピードがついたまま峠を超えて、さらに、思いもよらない下り勾配でさらに速度が速くなった車体を、フット

ブレーキに頼って減速しようとしてもフェード現象(ブレーキの能力を超えた効かせ方をしようとして、ブキ

ーキが加熱。結果ブレーキが効かなくなる現象)になってしまうからです。


シフトダウンによるエンジンブレーキで、車体はようやく減速に入りますが、実はそれでも結構早いスピードでカーブに進入すること

になります。



ここで、昨日ニュースで聞いて驚いたのですが…。

事故車はオーバーレブ、つまり、エンジンの過回転を防止するために、低いギアへのシフトダウンを抑止するシステムが備わっていた

そうです。


もし、このシステムが作動していたのであれば、フットブレーキではフェード現象になるのは当たり前であり、ギアがニュートラルに

入っていたことも頷けるのです…。


ひょっとしたら、このシステムがなかったら、結果は大きく違っていた可能性も否定できないように思えます。

更に悪いことに運転者は大型車の運転に慣れていなかったと聞きます。

そして、ちょっと疑問に思うのですが運転者はこの道を走り慣れていたのでしょうか?

事故の状況を客観的にみると、まるでこの道を初めて走った時のような事故の起こし方に、私は思えてならないのです…。


ここで、私なりにどうすればあの痛ましい事故が起きなかったのか考えてみたのですが…。

まず、峠を超えて下りに入りだしたところで、車のスピードが実感できるように、よくカーブの手前で減速を促すように引かれている

あのラインを、下りに入ってから最初のカーブまでずっと引いていれば、事故の抑止になるのでは?と思います。


あのラインが引かれていれば、ドライバーは反射的に「この先には危険がある!」と考えて減速すると思います。

二つ目に車、道路の特徴をよく理解したドライバーの起用があります。

まだはっきりとはわかりませんが、今回の事故は、ドライバーがいろいろなことに慣れていなかった可能性が高いように思えます。

三つ目は、車の最終的な危険回避にかかわるようなシステム、今回はオーバーレブ防止のシフトダウン抑止システムですが、このような最終的

な危険回避に効いてくるシステムは、十分検討した上で採用しなければならないのではないか?と感じます。

昔、小牧空港で中華航空の旅客機が「GO AROUNDモード」に設定していたことをパイロットが忘れ、操縦が思い通りにならないことでパニック

に入り飛行機が墜落した事故がありました。

これなども、技術者の浅知恵で余計な制御システムを作ってしまったがための事故だったと記憶しています。


とにもかくにも…。

今後二度とこのような痛ましい事故を繰り返さないように、真剣に考えて行く必要があると私には思えます。



コメント (2)
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人力飛行機の新しい翼構造の提案!

2016-01-16 12:08:29 | 自作飛行機(homebuild airplane )
今回は、人力飛行機の翼の桁の構造に関し新しい提案がありますのでお伝えいたします。

現在の人力飛行機の翼の桁構造は、ほぼ100パーセントがカーボンのパイプを使用しています。




カーボンのパイプが使用される理由は、手に入る構造材の中でもそれが最も軽くて強度が高いからなんですが…。

実はパイプ構造って、材料力学的には効率の悪いものだということをご存知でしょうか?

パイプに曲げの力が加わると、その上部は圧縮、下部は引っ張りの力に耐えようとするのですが、横の面の部分があまり強度を保つ上

で役目を果たしていないのです。


そのため、人力飛行機を作るチームによっては、上下にたくさんのカーボンを積層して、効率よく軽くて強い桁にする工夫をしたりし

ますが、その形状がパイプである限りやはり効率は落ちてしまいます。



それではどのような構造が望ましいのか…。

下図をご覧ください。



これは角材の強度を比較したものですが、左のように横に寝かしたものより、右の縦に置いたものの方が強度が高くなります。


更に、この縦に置かれた角材も、真ん中で切ってもっと上下の距離が稼げるようにして板で挟んでやると、更に大きな力に耐えることができま

す。



上図の右側の構造が、軽くて強度を強くするには好都合な構造のため、飛行機の翼はこの形式を基本としています。




これは、模型飛行機や小型の飛行機の典型的な翼構造なのですが…。


もっと効率の良い翼の構造を考えると、上下に分かれた桁を更に押しつぶして「板」のようにすれば、もっと軽くて強度のある翼が作れるので

す。



この構造を外皮構造或いはシェル構造などと呼んだりしています。

この外皮構造の一つとして、旅客機などでは外板にたくさんの縦通材を通したマルチストリンガ構造が用いられたり、戦闘

機などの薄い翼では、同じく厚い外板の上下を構造材一つで直接つないでしまう厚板外板多桁構造にしたりして、出来るだけ軽

くて強度の高い翼になるよう工夫されているのですが…。

当然、人力飛行機もこの外皮構造による翼にした方が効率の良いものにすることが出来ます。

が…。

現実的にそれを行おうとしても、手間とお金がとてもかかってしまうのです。


しかし…。

これ、やり方によっては容易に出来る可能性があるのでは?と思ったのです。

そのやり方とは…。



上の写真でご紹介したものは、ハンググライダーの固定翼のスタンダードといえるドイツはA-I-R社で量産されている「ATOS」のカーボン製の

桁(Dボックス)なのですが、この部材が外皮構造にひょっとしたら使えるのでは?と、私は思っているのです。

このATOSのDボックス。そのままでは前縁部分の半径が大きすぎて、層流翼(揚抗比の大きな翼)を用いる人力飛行機には使え

ませんが、実は製造上の理由で上の写真の赤線で示された3ツのピースをそれぞれで成形し、それを組み合わせてDボックスを形成し

ています。


つまり…。

Dボックスになる前の板も量産されているわけであり…。

このカーボン製の板が、人力飛行機の外皮構造に使えるのでは?と思うのです…。

ATOSは量産機であり、これらのカーボン製の部材も当然量産されていて、それなりの安いコストで入手可能と思われます。

もちろん、全体の接合や、翼のつなぎ目の問題もありますが、工夫していけば今までのカーボンパイプに頼る人力飛行機の翼構造よりも良い

ものが出来るかもしれません…。

今回はそんなことをちょっとお伝えしたかったので、このブログを書いてみました。



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