飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

X-SPORTの秘密 2

2011-07-26 19:36:31 | ハーネス(HG harness)

前回では、今までのハーネスは、ランディング時体を起こそうとすると、結果的に重心位置がメインライン取り付け部より上方に移動しようとするため、重いものを上にあげるのと同じように、起きあがりを悪くしてしまっていることをご説明しました。

それでは、起きあがりが良いハーネスを作るにはどうすればよいか?

その一つの答えとして、重心位置が、メインライン取り付け部よりも上に行かないようにすればよい。という答えを導き出すことが出来ます。

そして、それを実現するため、レッグストラップの取り付け位置に注目したのです。

006 この図を見てください。

レッグストラップはメインラインよりも少し前に取り付けられた状態を表していますが、このようにすると、レッグストラップに体重が加わることにより、ハーネスが折れ曲がるのです。

そして、その結果折れ曲がりの分だけ人間の位置は下方に移動し、同時に重心位置も下方に移動するのです。

その結果、メインラインの取り付け位置よりも重心位置は下になり、簡単に体を起こすことが出来るハーネスになるのです。

分かってしまえば理論はとても簡単なのですが、実はこの事実は弊社以外のメーカーは、まだどこも気づいていないのです。

極めて簡単な理論で、格段に良いハーネスが作れるのですから、早く他のメーカーもこれを採用してほしいと考えております。

そして、その理論を一番最初に提唱してくださった平林氏には、深く感謝しなければならないと思います。

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X-SPORTの秘密

2011-07-19 19:53:26 | ハーネス(HG harness)

004 今回は、弊社の作るハーネス「X-SPORT」が、なぜ、上級ハーネスでありながら初級ハーネスよりも扱いやすい(起きやすい)ハーネスになったかを、なるべくわかりやすくご説明いたします。

まず、上図を見てください。

これは一般的なハーネスについて、そのメインラインの位置、重心位置、そしてレッグストラップの取り付け位置について書いた概略図です。

普通のハーネスは、レッグストラップはメインラインの位置に取り付けられています。

この理由はハーネス製作が効率的に行えるからです。

そして、人間の重心位置は、このメインラインの位置より通常前にとられています。

これは、空中でのピッチの安定性を保つためです。

もし、メインラインと重心位置が同じ位置にあると、ハーネスは空中で不安定になってしまいますが、完全一本吊りハーネスの場合、重心位置とメインラインの位置を同じにしながらも、ロープの摩擦力でピッチの安定を保つ仕掛になっています。

さて、上図ハーネスでスタンディングポジションをとるとどのようなことが起こるでしょうか?

005 体が起きると、もともと重心位置はメインラインよりも前にとられていたため、この図のようにメインラインの取り付け部よりも上の位置に重心位置が来てしまう結果になってしまいます。

ちょっと考えてみてください。

メインラインの取り付け位置よりも重心が上になるということは、それだけ起きあがるときに力が必要ということになりませんか?

これは、重いものを上にあげることと同じであり、起きあがりが悪くて当たり前なのです。

X-SPORTはこの問題を、実に簡単な方法で解決してしまったハーネスなのです。

そして、その方法が大成功したおかげで、本来ならばもっとも起きられないと言われていた「三分割フレームハーネス」でありながら、どの初級ハーネスよりも起きられる、どのメーカーも作りえなかったハーネスになったのです。

そして、その方法とは何か?

それについては次回ご説明いたします。

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ファスナーが噛まない方法

2011-07-11 19:57:36 | ハーネス(HG harness)

Cimg1104 ハーネスのファスナーが服に噛んでしまうのが何とかならないか?

そんなクレームに対処すべく、私はたくさんの試作品を試してみました。

そして、それらはことごとく失敗‥。

しかし、あるとき「これならば」と思い、試してみたのが上の写真の物です。

ファスナースライダーにプレートを付けて、スライダーと服の間をさえぎるようにしています。

「これならばいけるぞ!」。そう思い試してみたのですが、しかし、これでも結果はやっぱり100パーセント防止には至らなかったのです‥。

Cimg1105 結局ファスナーへ服が噛みこんでしまうことに、最も効果があったのは、ハーネスをいじるのではなく、服の方に写真のような「足パッツン」を履いてみる方法でした。

この方法はほぼ100パーセントファスナーに服が噛みこむことを防止してくれます。

同様の物は、古い靴下などを加工しても代用できます。

ファスナーがもし開かなかったら、ランディングがとても危険になりますので、皆さんも同様の工夫をするようにお薦めいたします。

話変わって、相変わらず女房はブログに夢中ですが、意外とアクセスが多くなってきております。

時間がありましたら、「車中パグ」で検索してやってください。

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夏はグライダーの調子が変わる?

2011-07-03 20:31:15 | ハング(hangglider)

突然変な題で始まってしまいましたが、実は、夏になって気温が変わると、ハンググライダーは結構その調子が変わってきます。

これは主に「アルミの熱膨張」が原因と思われます。

更にセールの材料となっているポリエステルは、温度が上がると収縮する性質があります。

この結果、フレームは伸びてセールを張り、セールも縮む方向にあるため、気温が上がると一般にグライダーのコントロールは固くなります。

敏感にグライダーのコントロール性を感じることができる方は、春先等の一番高度が上がるころに、低空でのコントロール性と、上空で気温が下がった時のコントロール性に違いがあることを、既に感じているのではないでしょうか?

このように、気温によってハンググライダーは操縦性に変化が現れるため、今まで決まっていたはずの「チューニング」にも変化が出てくるため、注意した方が良いと私は思います。

「今まで調子よかったはずなのに、夏になってなんだかおかしくなったな?」なんて感じられている方がもしいらっしゃったら、それは気温の変化に伴うグライダーの変化である可能性も高いです。

以前私が体験したことですが、オーストラリアのメーカーのグライダーを、日本で夏に飛ばしてみたら、セールが張りすぎてコントロールが困難なグライダーになっていました。

しかし、このときオーストラリアは冬‥。

オーストラリアの気温では特に問題は出ていなかったんでしょうね。

案の定、このグライダーのスパーを5ミリほどカットしてみたら、問題のないグライダーになりました。

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