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2024年 見たい天体現象「突発出現が期待される流星群」☆彡

2024年01月07日 | 「見たい天体現象」
2024年の見たい天体現象シリーズ第6弾は「突発出現が期待される流星群」です。

↑ おうし座を貫くふたご座流星群  2022年12月14日23時52分撮影 NIKON D810A f28mm ISO1600 F2.8 8sec

 2024年の満月は1月~6月が下旬に、7月以降は中旬が満月になるので、10月オリオン座群、11月しし座群、12月ふたご座群が月明かりの影響を受けます。そのためメジャー群で条件が「最良」となるのは8月ペルセ群、9月ペルセε群、おうし座南群の3つですが、条件が「最良」のマイナー流星群や「突発出現」予報が出ている流星群があるのでご紹介しま~す。

(注:下記の流星群は天文年鑑「2024年の流星」等を参考にしてありますが、あくまでも晴れスター的独自選考なので全てを網羅したものではありません。)

エントリーナンバー1番
・ともざ座π群(マイナー流星群)4月23日 21時(HR=1、月齢14、条件:最悪)
*南半球での観測だが母天体(26P/グリッグ・シェレラップ周期彗星)の近日点通過直前・直後に当たる1977年・1982年に突発出現があったため、2023年12月25日に近日点を通過した直後となる2024年は活動状況に変化があるのではと期待されている。流星速度が18km/sの超低速流星が出現するか注目したいところだが月齢14であることと仙台では放射点(赤経110° 赤緯-45° )が日没30分後に沈むので観望は難しい。

エントリーナンバー2番
・みずがめ座η群(メジャー流星群)5月6日 06時(HR=15、月齢27、条件:最良)
*2024年は12年周期の活動期に当たるため出現数が多くなるのではと期待されている。5月8日が新月のため条件は最良、5月3日14時~17時台にダストトレイルと接近する予報が出ていることとみずがめ座η群のピークは高原状であることからゴールデンウイーク期間中は注目したいところだ。極大日の5月6日01時~03時に母天体である1P/ハレー彗星のかけらが秒速66kmの高速で地球に降り注ぐすばらしい星景が見られることを期待したい。

エントリーナンバー3番
・こと座η群(マイナー流星群)5月10日未明(HR=5、月齢2、条件:最良)
*こと座η群は出現数がHR=3で突発出現が観測されたこともないマイナー流星群だが、明るい流星が多く火球クラスも期待できるため条件「最良」の2024年は注目したい。母天体(C/1983H1 アイラス・荒貴・オルコック彗星)が1983年5月に0.0312AUまで地球に接近した時の観測で公転周期は959年、核の大きさは1P/Halleyに匹敵する16.0×7.1×7.0km、長さ200,000kmのダスト・トレイルが核の前後に伸びていることが確認されている。極大日時は5月10日13時、輻射点が天頂に位置する10日未明は要注目だ。

エントリーナンバー4番
・きりん座群(突発出現群)5月24日02時台(HR=突発出現のため不明、月齢16、条件:最悪)
*5月24日が満月なので条件としては最悪だが母天体(209P/LINER周期彗星)より生成・放出したダストトレイルが5月23日03時台から24日02時台にかけて接近する予報が出ているので注目したい。とくに1979年・1984年回帰時のダストトレイルが接近する24日02時台は複数の研究者が予報を出しているので期待が持てる。月明かりはあるが2023年に引き続いて天の北極からゆっくりと流れるまぼろしのきりん座群を目撃する千載一遇のチャンスなので観望する価値は十分にある。

エントリーナンバー5番
・ペルセウス座群(三大流星群) 8月12日23時(HR=60、月齢8、条件:良)
*2024年の極大日8月12日は上弦前日だが月が沈む22時以降は条件が「最良」となるので大いに期待したい。12日の13~20時台には母天体(109P/スイフト・タットル周期彗星)が1300年以上前の回帰時に生成・放出したダストトレイルと接近する予報が出ているので月明かりはあるが日没後の東空にも注目したい。2021年の極大後に現れた突発出現に相当する日時は2024年では8月13日11時台になる。ペルセ群は極大後に明るい流星が増加する傾向があるので13日夕刻から14日未明の活動にも注意が必要だ。

エントリーナンバー6番
・9月ペルセウス座ε群(メジャー流星群)9月9日夜半~未明(HR=7、月齢6、条件:最良)
*9月ペルセウス座ε群は8月ペルセ群と似た性質の高速流星(64km/s)だが輻射点は8月ペルセ群とはやや離れたアルゴルβ星付近となっている。出現数はHR=7程度と多くはないが2008年と2013年に継続時間が4時間と短時間ではあったがZHR30程度の出現があった。2024年は月明かりのない絶好の条件なので9日夜から10未明にかけて明るい火球を含むHR=7~10の出現数に達するのではと期待されている。

エントリーナンバー7番
・10月りゅう座群(メジャー流星群)10月8日22時(HR=3、月齢5、条件:良)
*来年3月に母天体(21P/ジャコビニ・チンナー周期彗星)が回帰するので前年となる2024年は出現状況に変化があるか確認しておきたいところだ。19世紀半ばに回帰した際に生成・放出されたダストトレイルと10月8日15時台に接近する予報が出ているので日没直後の西空にも注目したい。

エントリーナンバー8番
・しし座群(メジャー流星群)11月17日21時(HR=15、月齢16、条件:最悪)
*極大日が満月の翌日なので期待できることは何も無いが、母天体(55P/テンペル・タットル周期彗星)の回帰が7年後と近づいてきたので規模の大きい火球が出現することを期待したい。極大は17日21時だが15日01時台と20日08時~09時台にダストトレイルとの接近予報がでているので15日と20日の未明にも注目したい。

エントリーナンバー9番
・ほうおう座群(突発出現群)11月17日22時台(HR=?、月齢16、条件:最悪)
*うお座との境界に近いくじら座西部を活動域とする突発出現群であるが2024年は母天体(289P/ブランペイン周期彗星)のダストトレイルと接近する予報が複数あるので注目したい。日本で観測できるダストトレイルとの接近は11月17日22時台(1861年に生成・放出されたダストトレイル)だが、しし座群とほぼ同時刻なので月明かりはあるが合わせて観望したいところだ。

 以上、来年ぜひ見てみたい流星群の紹介でした。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ich)
2024-01-07 03:39:16
晴れスターさん
 今年の流星群は、ペルセ群一択ですね。気がかりは天気と法事関係ですが。あとは月の巡りの良いまたはダストトレイル予報のある流星群です。5月に泉ヶ岳で星を見ていたとき、「今日は流星が多いなぁ」と思っていたらポン・ウィンネッケ群の突発出現だったことがあるので要注意です!
今年のペルセ群は? (晴れスタ-)
2024-01-07 17:34:59
ichさん
 こんばんは~、ポン・ウィンネッケ群の突発を偶然目撃したとはスゴイですね。これぞ文字通りの突発出現ですね!
 2024年は流星群としてはハズレ年なのでせめてペルセ群は快星の夜空で見られるといいのですが、気象庁のエルニーニョ監視速報(12月11日更新)をみると「エルニーニョ現象が続く可能性と平常の状態になる可能性が同程度である(50%)」のようです。とりあえず「エルニーニョ現象が続く可能性が高い」ではないので曇り空の多い冷夏はなさそうですね。

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