石関芋平さんの「日月宙」に二十句掲載していただきました。
「飲食譚」
浄土にもカレー香るや涅槃西風
ぬる燗のぬるりと馴染む春の月
蕗の薹苦みの滲むまでを噛む
白魚の胃の府のトーテンタンツかな
無残やな絵金の春のどろめ汁
柏餅剥けば赤子の尻となり
暴力のごとくバナナの皮を剥く
汗拭ふまにまに札幌スープカレー
熟柿剥くナイフの指をぬめらせて
天高し地球はアップルパイの午後
マスカット剥けば地球の秋となり
蜜を溜め白き歯を待つ林檎かな
名月や畳鰯の縁焦がす
柚子一片ほどの奢りや澄まし汁
鄙びたる氷柱折り入れロック酒
鰤大根煮汁にアラを解体す
スーパーで購ふ〆の寒仕込み
生き死には生き死にとしておでん酒
一段と啜る音させ晦日蕎麦
去年ふたり今年はひとり晦日蕎麦
「飲食譚」
浄土にもカレー香るや涅槃西風
ぬる燗のぬるりと馴染む春の月
蕗の薹苦みの滲むまでを噛む
白魚の胃の府のトーテンタンツかな
無残やな絵金の春のどろめ汁
柏餅剥けば赤子の尻となり
暴力のごとくバナナの皮を剥く
汗拭ふまにまに札幌スープカレー
熟柿剥くナイフの指をぬめらせて
天高し地球はアップルパイの午後
マスカット剥けば地球の秋となり
蜜を溜め白き歯を待つ林檎かな
名月や畳鰯の縁焦がす
柚子一片ほどの奢りや澄まし汁
鄙びたる氷柱折り入れロック酒
鰤大根煮汁にアラを解体す
スーパーで購ふ〆の寒仕込み
生き死には生き死にとしておでん酒
一段と啜る音させ晦日蕎麦
去年ふたり今年はひとり晦日蕎麦