うまれきて淡雪ふるしかなかりけり
枝垂柳旅に出でよと靡きをり
白梅や庚申塔の古き文字
ひこばえや不幸の始めの浅緑
刑場跡碑に桜蘂降る夜の音
花エリカブロンテ何処の丘で見し
生き死にと破れてゆくや紙風船
雛壇より十二単の糸電話
幽界へ手毬転がる春の宵
透明なピエロの楽隊風光る
長閑さや香具師の口上終るまで
春眠や何故か去りにし奴ばかり
錦鯉をみなのをひれ春の雪
沈丁の香り溢るる肺ひとつ
リラ冷えやドアベル鳴らす喫茶店
緋躑躅の香の薄きかな日照り雨
藤棚に小糠雨降る三輪車
女生徒の自転車銀杏の花落ちる
げんげ田にまず玉子焼箸と箸
土筆摘む土手に川沿ふゆるゆると
光りだす夜光時計や白木蓮
蔦若葉古き洋館古きまま
叱られて東西南北葱坊主
猫柳銀の陽射しに染まりけり
旧道の古刹は暗し桃の花
春田一枚の領土を誇る鴉かな
恋猫に決意ありけり俄か雨
エイリアンの子供のごとき木の芽かな
春眠の土葬の村の土偶となる
剥出しに焼場の煙突春野かな
枝垂柳旅に出でよと靡きをり
白梅や庚申塔の古き文字
ひこばえや不幸の始めの浅緑
刑場跡碑に桜蘂降る夜の音
花エリカブロンテ何処の丘で見し
生き死にと破れてゆくや紙風船
雛壇より十二単の糸電話
幽界へ手毬転がる春の宵
透明なピエロの楽隊風光る
長閑さや香具師の口上終るまで
春眠や何故か去りにし奴ばかり
錦鯉をみなのをひれ春の雪
沈丁の香り溢るる肺ひとつ
リラ冷えやドアベル鳴らす喫茶店
緋躑躅の香の薄きかな日照り雨
藤棚に小糠雨降る三輪車
女生徒の自転車銀杏の花落ちる
げんげ田にまず玉子焼箸と箸
土筆摘む土手に川沿ふゆるゆると
光りだす夜光時計や白木蓮
蔦若葉古き洋館古きまま
叱られて東西南北葱坊主
猫柳銀の陽射しに染まりけり
旧道の古刹は暗し桃の花
春田一枚の領土を誇る鴉かな
恋猫に決意ありけり俄か雨
エイリアンの子供のごとき木の芽かな
春眠の土葬の村の土偶となる
剥出しに焼場の煙突春野かな