風の族の祝祭

詩歌の森のなかで、風に吹かれて、詩や短歌や俳句の世界に遊んでいたい。
著作権は石原明に所属します。

短歌⑩ イマージュの首飾り③

2007-11-26 21:07:21 | 短歌
母殺しの夢に相応しメヌエツト口笛月光神聖廻廊


漆黒の死屍覆う蠅群れの夢より今朝も甦る夢


壮年にして死にし息子(イエス) 抱けずに老残の母(マリア) ジユウニシト怨め


月讀はなどて男神か仮面割りオルフエとともに黄泉を巡らん


月光の蒼き沈黙対峙する恋もあらずやオフエリアの柩


少年に変化(へんげ)のシルビー・バルタンと女に化して愛は青き血


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Runaway

2007-11-23 23:17:58 | 1960's YouTube
思い出しついでに
Eydie Gorme の Blame It On The Bossa Nova(1963)
「恋はボサノバ」

http://www.youtube.com/watch?v=4DncRBXm-Oo


John Leyton の Lonely Citty 「霧の中のロンリー・シティ」

http://www.youtube.com/watch?v=AW9-7jz1A_8

Del Shannon - Runaway (1965)
ここまでくると誰も知らない世界に。

http://www.youtube.com/watch?v=R3EBIztAdEM
http://www.youtube.com/watch?v=R3EBIztAdEM

Sonny James の Running Bear

ここまでくるとほんとに誰も知らないかもね。
「悲しきインディアン」
森山加代子がコピーしていたような気が。

http://www.youtube.com/watch?v=y5OdQ4PtevY


HELEN SHAPIRO の YOU DON'T KNOW 「悲しき片思い」

http://www.youtube.com/watch?v=5I2cG-ed6hw


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Lovers Concerto

2007-11-21 00:32:03 | 1960's YouTube
YouTube の続きです。

Lenne & The Lee Kings の STOP THE MUSIC
大したことないのに何故か引っかかる歌ってありますよね。歌詞もつまらないけど何故かうらぶれた感じが。

http://www.youtube.com/watch?v=XPkvNQ7NnCw

The Toys - Lovers Concerto (1965)
原曲はバッハのメヌエット。あの頃バッハがはやっていた。プレイバッハ。この歌は DIANA ROSS AND THE SUPREMES と SARAH VAUGHAN がコピーしていた。実はこっちのほうか゛いい。THE TOYS は私も忘れていた。私は DIANA ROSS AND THE SUPREMES 版が好きなのだが YouYube で見つからなかった。

http://www.youtube.com/watch?v=HbgcByDgjn4

THE SUPREMES 版がありました。

http://www.youtube.com/watch?v=I0uY1z0wi0s

こちらは SARAH VAUGHAN 版。

http://www.youtube.com/watch?v=t5kJWZYfIgA


Peggy Lee の Johnny Guitar。
ちょっとテネシーワルツ的なアンニュイの雰囲気です。
http://www.youtube.com/watch?v=NTknbBSuDcU

ということで
Patti Page の Tennessee Waltz。 

http://www.youtube.com/watch?v=-l2jF6XePz4

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短歌⑨ イマージュの首飾り②

2007-11-20 23:27:09 | 短歌
青空にアンモナイトが逃げ出して先駆け告ぐるダリの行進


魑魅と云わん魍魎とや云わん首吊りの長き舌端地霊の愛撫




エリーゼのために秘かに余波寄せてココア人肌紫紺の曙


青列車発汗雨滴秘め事のごとくに廃都を滑り出しゆく
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I Can Never Go Home Any More

2007-11-16 22:19:06 | 1960's YouTube
前回に続いて YOUTUBE から。

FRANCE GALL の POUPEE DE CIRE, POUPEE DE SON
は当時日本では弘田三枝子がコピーしていた。
「ホーントノ恋ナンテ歌ノナッカッダッケッヨ。。。」

http://www.youtube.com/watch?v=8OHJEm2IwLw
http://www.youtube.com/watch?v=oGGviSJ4Ilw

WILMA GOICH の IN UN FIORE
「花のささやき」

http://www.youtube.com/watch?v=JUYflSsPYl8


GIGLIOLA CINQUETTI の NON HO L'ETA
「この胸のときめきを」

http://www.youtube.com/watch?v=PtbW7zYmYfM


LITTLE EVA の THE LOCOMOTION
どちらかと言うと SYLVIE VARTAN はコピーだからこちらかなあ。
日本では伊東ゆかりがコピーしていたなあ。

http://www.youtube.com/watch?v=wyTn4xNsyvg


LITTLE PEGGY MARCH の I WILL FOLLOW HIM
1968年。この歌を聞くと条件反射的に HM の詩「風の断片」を想い出す。フーテン達と新宿の青春。
東大阪の下宿で分厚い封筒を開けて原稿を読んだときの感動は今でも鮮明な記憶だ。

http://www.youtube.com/watch?v=T_6Tjxqhgt4
http://www.youtube.com/watch?v=MlzarnEKYVs

THE RONETTES の BE MY BABY

http://www.youtube.com/watch?v=8-0upHlWfQ4

DIANA ROSS AND THE SUPREMES の LOVE CHILD
シュープリームス時代のダイアナ・ロスはあまり評価が高くないが私は好きである。

http://www.youtube.com/watch?v=ax6FA340D7A

STOP IN THE NAME OF LOVE
http://www.youtube.com/watch?v=S_PKqgzSXAM

BABY LOVE
http://www.youtube.com/watch?v=23UkIkwy5ZM

Shangri Las の I Can Never Go Home Any More (1965)
あまりにもマイナーで誰も知らないかも。
https://www.youtube.com/watch?v=dYdr-MslXkw

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短歌⑧ イマージュの首飾り

2007-11-16 21:25:45 | 短歌
三月の兎血濡れて「死の舞踏」自動鍵盤音叉の狂気


夢渡る赤錆鉄橋墜死して薔薇挿す巫女の人体模型


アニス酒の白濁変化(へんげ)バタイユの至高の死より溢れる精液


爆殺の屍のごとき青春の破砕硝子の廃墟の十字架(クロス)



世界一小さき海に卵割の非情に割れて心はふたつ

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短歌⑦ インカ

2007-11-14 21:37:02 | 短歌
血管のみ残せし木乃伊の空洞のインカの廃墟水銀の空


頭骨に井戸の形に闇穿ち神域覗くインカは呪術


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短歌⑥ 善光寺他

2007-11-13 22:23:33 | 短歌
暗黒は虚無(うつろ)のごとくにふうわりと戒壇巡りの白骨の群れ


暗闇に逢う希みなく踏み出せば闇は狐の肌に変化す


黒という色などありえぬ闇というしかありえぬ万華鏡の死


トレビの泉に似合わぬ水子観音の羞恥の姿態に硬貨の賛辞


読経の空に刻むは誰が憎悪流雲のごとき真白な憎悪


仏像は滅亡民たちの悲嘆吸いかくもなまめく微笑の鎮座


ヒンズーの神はいつしか仏と化し化外の山の依り代妖し





《思い立って長野の善光寺と戸隠神社に行って来た。》

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Sylvie Vartan

2007-11-08 23:22:50 | 1960's YouTube
Sylvie Vartan を最初に観たのは『アイドルを捜せ』という当時のアイドル映画だった。当時学校で「映画鑑賞」という行事があって(肝心の映画は何だったのか忘れてしまったが)偶然予告編で観てしまったのだ。
その時の印象は圧倒的でそれこそ動くフランス人形であった。

最近 Braxelles のブログで YouTube を観る癖がついて Sylvie Vartan の映像をまとめて見た。

デビュー作の La Plus Belle Pour Aller Danser を観ているとなんとも不思議な気分になった。

http://www.youtube.com/watch?v=B2g9FUrFmj4


いったい彼女は女なのだろうか。いわゆる色気と言うものが無いのだ。とは言え男でもないし。まさに作られた人形のようだ。
とは言え Irresistiblement を久しぶりに聴いて思わずハモッテしまった。

http://www.youtube.com/watch?v=77Act9BxxYE
http://www.youtube.com/watch?v=77Act9BxxYE
ところで Le Locomotion の映像でなんとも言えないものを観た。

http://www.youtube.com/watch?v=xEPvb1vHIiw

これって一体何なんだ。
別に嫌いではないが。
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うたかたの日々① 根府川の海とカンナと

2007-11-07 22:18:28 | うたかたの日々
先週の日曜にふと思い立って根府川の海を見に行った。
根府川の海は実際に見る前から印象に残っていた。それは茨木のり子の詩を読んだことに始まる。四十年程前に角川文庫が十巻以上の近現代詩のアンソロジーを出したときに出会った。


根府川の海

            茨木のり子

根府川
東海道の小駅
赤いカンナの咲いている駅

たつぷり栄養のある
大きな花の向うに
いつもまつさおな海がひろがつていた

中尉との恋の話をきかされながら
友と二人こゝを通ったことがあつた

あふれるような青春を
リュックにつめこみ
動員令をポケツトにゆられていつたこともある

燃えさかる東京をあとに
ネーブルの花の白かつたふるさとへ
たどりつくときも
あなたは在つた

丈高いカンナの花よ
おだやかな相模の海よ

沖に光る波のひとひら
あゝそんなかゞやきに似た十代の歳月
風船のように消えた
無知で純粋で徒労だつた歳月
うしなわれたたつた一つの海賊箱

ほつそりと
蒼く
国をだきしめて
眉をあげていた
菜ツパ服時代の小さいあたしを
根府川の海よ
忘れはしないだろう?

女の年輪をましながら
ふたゝび私は通過する
あれから八年
ひたすらに不敵なこゝろを育て

海よ

あなたのように
あらぬ方を眺めながら……



赤いカンナと海の見える駅のイメージはずっと残った。そして最近東海道線で根府川の駅を何度も通過していた。その度にこの駅でいつか降りて実際にカンナと海を見たいと思っていた。四十年たってやっと実際のカンナと海を見た。

イメージのままの駅であった。東海道本線に無人駅があることにも何故か感動した。

ついでだが私の好きな茨木のり子の詩をもう一つ掲載することにする。



わたしが一番きれいだったとき

                茨木のり子


わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした

わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達が沢山死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落してしまった 

わたしが一番きれいだったとき
だれもやさしい贈物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差だけを残し皆発っていった

わたしが一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗色に光った

わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた

わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった

わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった

だから決めた できれば長生きすることに
年取ってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように
              ね




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