みっかぼうず。

ものぐさ&ぐ~たら三日坊主の、ドラマ・映画・本のオボエガキ&おりおりの記録。

今日の映画 『神様のカルテ』

2011-09-08 14:24:26 | 映画
原作は既読。
映画化キャストを知ってから読んだけれど、
原作の雰囲気は損なわれず。
ただ、ちょっとイメージが違うんじゃないかな~と思っていたのが
一止@櫻井翔と安曇さん@加賀まりこ。
でも、映画を「映画版」として見ると、
この二人は見事にはまっていた。

特に安曇さん。
原作の「癒しの人」というより、夫の思い出とともに
一人で凛と生きている映画版。
そういう女性が、命の終わりを告げられて、
「ひとり」をおそれ、「神様のカルテ」を書いてくれた
医師を捜し求める。
たとえ命は救えなくても、最期まで彼女の傍ら寄り添ってくれたのが、
一止であり、妻・榛名@宮崎あおいを含めた病棟のスタッフだった。

この映画の設定に、原作よりも若く、強い印象の加賀さんは
ピッタリだと思う。
榛名が、彼女の故郷の写真を見せてあげるのも
一瞬でも生きていてよかったと思えるから、
写真をとっているのだという台詞に呼応しているようで
とてもよかったと思う。

華やかな『嵐』とは思えない、
小柄で、頼りなげで(なで肩!)淡々とした櫻井くんの
どこがそんなにはまっていたかというと、彼の瞳。
大きいけれど、あまり動かない、暗くはないけれど輝きのない、
でも向き合う者をじっと見詰めている瞳。
葛藤や悲しみ苦しみを感じながらも、表にほとんど出せない
(泣かなくなったのではなく、いつも涙をながさずに泣いている、
という榛名の台詞があり)
無力感を抱え、激務に疲れた医師・一止の目だと思った。
学士@岡田義徳の門出に思いのたけをぶつけた時と、
ひとつの山を越えたエンドロールでは、
輝きが違っているように見えた。
(加賀さんの黒目がちの瞳も、怖いくらい存在感があった。)

これだけは小説では味わえない、一番すごいと思ったのは
安曇さんの手紙が読まれる時に流れる
テーマ曲ピアノソロ。
CMでも音楽番組でも、かなり耳なじみになっていたが、
これほどすてきな曲だとは。
オーケストラバージョンよりも、絶対ソロ。
これほどピアノの響きが美しいものだとは…
あらためて感激した。
やっぱり辻井さんの演奏は、只者ではない。
安住さんの手紙のナレーションも胸に迫るし、
ピアノの響きにもひたりたいしで、ホント困った。
あの場面を大きな画面で見られただけでもう、
この映画を映画館で見てよかった!と思う

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。