酒と畑に戯れるオヤジな私

酒を飲み、土を耕し、人と語り、日々に感動しながら楽しく生きるブログ

「一期二会」

2006年12月18日 | コミュニケーション
先週に続いてのA県での研修会でした

タイトルは間違いではありません



朝の新幹線の窓 富士市からの富士山です

なにか前途の幸運を予感させます


内容は前回と同じですが 対象の職員さん方が異なります。

今回の受講者のひとり T市からみえた管理職Mさんの話が印象的でした

彼の担当は「公共用地の買収」です

26年間に渡って買収に応じなかった 地権者Nさんを説得されたそうです

上司からの要求は 交渉期間6ヶ月が限度でした

その間 行った交渉は29回

5~6回目までは 土地買収交渉の話は一切しません


7回目くらいだったでしょうか 逆に相手がニヤリとしながら買収の話を持ち出してきました

それでもMさんは内容の核心について おくびにも口にしませんでした

いつもと変わらぬ世間話に終始しました


「いやぁ Mさんには参ったなぁ」

地権者のNさんが 実に嬉しそうな表情で語り始めたのが 交渉開始から5ヶ月と16日目のことだったそうです

「は なんでしょうか?」いぶかる課長のMさんです

「いや なに これがね。。」 いつも脇に座っている奥さんを見やりました

「自分のことを まともに扱ってくれたのは 課長さんが初めてだというんだよ」


いつも主人の横で 話を聞いていた奥さん

実は Nさんの後妻さんだったのです

年齢の差が30歳以上あります 

縁があっての結婚でしたが 近所の目は冷たいものがありました

その奥さんに対して M課長はいつも顔・目を合わせて話をしていました

目配りの割合も 主人7 奥さんには3くらいだったようです

近所では 無視に近い扱いをされ続けてきた奥さんです

挨拶をしても そっぽを向かれ続けていたそうです

Mさんの会話中のアイコンタクトがよほど嬉しかったに違いありません

「これにも薦められてね 契約に応じることにしたよ」


Mさんは 手柄話を威張るでもなく淡々と話してくれました

これがコミュニケーションの実践です 話には相手がある  その相手の人格を認める

もちろんNさんが説得に応じたのは M課長の熱意 人柄によるものが大だったことでしょう

いい話を聞くことができました



そして この研修のあと 実に嬉しくも びっくりすることが待っていました



昨年と同様に 研修担当の方々との懇親会

手羽焼きの店「Yちゃん」で開かれました

なんと この懇親会に 前回の受講者の方々男女4人が参加していただけたのです


左からT市のNさん うれしそうな私 ご担当のIさん 昨年も参加していただいたMAさん

県職員のKさん K市の新婚さんHさん 県職員のNさん ご担当の変わらず清楚なOさんでした

これは 長い講師経験のなかでも初めてのことです

4人の職員さんが中心になって 研修同期会を立ち上げるそうです

コミュニケーション研修を 教室だけでなく仕事をはじめ 一般社会のなかで機能させていただけるようです

これほど講師冥利につきることはありません

今後 都合がつけば「私的な参加」を約束させていただきました


人好きな方の多い土地柄とはいっても 一期一会が 二会にも三会にもなる可能性を示唆してくれた 嬉しい研修会でした


そして コミュニケーション研修の成果が このような実践の場にまで高められたのは 研修担当の方々のご尽力の賜物です

みなさまに 心からお礼を申し上げます




次回は 若き日の信長像が迎えてくれた 岐阜城見学の記です