堀江メールを武器に、功名のチャンスとばかり小泉自民党に挑んだ永田氏だった。ところがその武器たるやまがい物で、返り血を浴びるどころか自爆をするはめになってしまったのだった。
この件は16日から始まったが、1週間以上武器(メール)の真贋をめぐってメディアが多くの時間を使った。事が始まった時は官邸に激震が走ったそうだが、翌日地検特捜部が異例の「捜査にはそれは含まれていない」と談話を出し、自供していないホリエモンの弁護団にも「それはない」といわせた。さすが自民党は、政府権力である。
わたしが武部幹事長の記者会見のことを、22日(水)党首討論の前にコラムに書いたが、永田氏の追及が始まった直後の激震が走っていた時の記者会見であった。武部幹事長がうろたえた感じをかもし出していたのは、そういった状況下であったことが分かった。
贋作メールのために、永田氏軽薄さにとどまらず、その後真実があるかのように吹聴してきた民主党そのもののが、政党としての信頼を大きく失うことになった。政党幹部の政治的稚拙さに、野党第1党の民主党がこの程度で、日本の政治は大丈夫かなという思いもよぎる。
贋作メールの騒動で、小泉型政治下で起きている重大なほころび(耐震偽造、暴政施設庁の庁挙げての談合、ライブドア、BSEの4点セット、他にもイラク撤退などもある)が問題になるはずの国会が、何もできなかったばかりか事が稚拙のため、威信を大きく失うことになった。自民党にしてみれば、押し寄せてくる嵐が吹く前に自爆によって消滅したようなものだ。嵐の消滅だけでなく、問題が解明されないまま、そのものが清算されたような流れになってしまった。
もともと永田氏の失態は、すばやく民主党が対応すれば、国会運営上の問題として処理されていくものだ。ところが何も不正をしていない民主党が、今や国民にきびしい目が向けられる展開になった。
これも小泉劇場型国会のワンシーであり、小泉と自民党は役者としての力を備えているが、その劇場で功名をあせった永田氏が役者として軽薄すぎたのであった。永田氏はもうこの種の国会での発言が任せられないばかりか、議員としての資質が問われるだろう。
ホイエモンと自民党
贋作メールであるが、内容のホリエモンと自民党の関係は、応援した候補者がその後失態を演じたにとどまらない、本来は重大事である。ライブドアは事件を知るにつけ、IT企業ではなく企業買収会社であり、それも53億もの粉飾決算を象徴的に、大きな企業犯罪のうえに成り立っていたのである。そこに至ったのは、株式分割に象徴的なように、この間の小泉・竹中改革の規制緩和を利用したのであった。
「時価総額世界一」などとう砂上の楼閣に、22万人とも言われる株主をはじめ、多くの人を惑わした詐欺的行為である。それに日本の最高権力である自民党幹事長、総裁、竹中がお墨付きさえ与えてしまっていたのである。これは一企業の大型犯罪にとどまらない、小泉劇場型政治の重大問題なのである。
ホリエモンは、広島カープ買収に武部氏を介して、ナベツネ、奥田日本経団連会長に仲介を依頼したとのことだ。こんな厚顔で荒唐無稽ことをやり、自己財産数百億を持っているとも言われている人間を、いまだに若手実業家という幻想を抱いている人もいる。
田原総一郎のように、1度持ち上げてしまったので、眼力のなさをらけだしたくないのでいまだに、若手起業家の芽を摘むなといっている。ホリエモンは、近鉄球団買収で世間に売り込み、選手会の2リーグセ制維持の支えになった局面もあったが、わたしはそのころブログをある期間読んで、怪しさを感じたのだった。
振り返るとホリエモンを相手にした人は、失礼ながら守旧派の象徴のような人で、ホリエモンを引き立て幻想を振りまく役を演じさせられたのではないだろうか。プロ野球の際のナベツネ、ニッポン放送買収の際の日枝、選挙の際の亀井静香である。
若い人は、これらの人が年輪を重ねてその世界の重鎮であるということには、関心を持てないのである。これらの人を持ち上げるわけではないが、ビジアルを消費していく多くの人には、人間の深さまで立ち入って見る教養がかけているのかもしれない。
*ホリエモンについては、05-8-20「ホリエモンは、選挙をも儲けの手段にする」、06-1-17「毎度お騒がせのホリエモン、今度は・・・」とコラムに書いている。
*14:50ぐらいから始まった、永田氏の謝罪会見を見た。メールを真性と認めるに至らなかったといいつつ、いまだにそれにすがって抜け出していない。政治家であれば武部氏と二男に謝罪をすることでけりをつけるだろうとおもったが、そうはしなかった。ホリエモンと自民党・武部氏との疑念があるのであれば謝罪をしつつ、水面下で調査をすればよいだろうに。
何回も頭を深々と下げても、だれに対して何を謝罪しているか分からないものだった。この謝罪が、永田氏が新たに攻撃される火種をつくったようなものだ。武部氏は、ホリエモンを持ち上げた映像が何回もテレビ映し出されているうっぷんがたまでいるはずだ。それを払いのけて、自己の心のバランスをとる材料を提供したようなものだ。こんなレベルの政治はみっともない。永田氏の正義と実直さではなく、世間知らずのおボチャマぶりだけが印象に残ってしまった。
この件は16日から始まったが、1週間以上武器(メール)の真贋をめぐってメディアが多くの時間を使った。事が始まった時は官邸に激震が走ったそうだが、翌日地検特捜部が異例の「捜査にはそれは含まれていない」と談話を出し、自供していないホリエモンの弁護団にも「それはない」といわせた。さすが自民党は、政府権力である。
わたしが武部幹事長の記者会見のことを、22日(水)党首討論の前にコラムに書いたが、永田氏の追及が始まった直後の激震が走っていた時の記者会見であった。武部幹事長がうろたえた感じをかもし出していたのは、そういった状況下であったことが分かった。
贋作メールのために、永田氏軽薄さにとどまらず、その後真実があるかのように吹聴してきた民主党そのもののが、政党としての信頼を大きく失うことになった。政党幹部の政治的稚拙さに、野党第1党の民主党がこの程度で、日本の政治は大丈夫かなという思いもよぎる。
贋作メールの騒動で、小泉型政治下で起きている重大なほころび(耐震偽造、暴政施設庁の庁挙げての談合、ライブドア、BSEの4点セット、他にもイラク撤退などもある)が問題になるはずの国会が、何もできなかったばかりか事が稚拙のため、威信を大きく失うことになった。自民党にしてみれば、押し寄せてくる嵐が吹く前に自爆によって消滅したようなものだ。嵐の消滅だけでなく、問題が解明されないまま、そのものが清算されたような流れになってしまった。
もともと永田氏の失態は、すばやく民主党が対応すれば、国会運営上の問題として処理されていくものだ。ところが何も不正をしていない民主党が、今や国民にきびしい目が向けられる展開になった。
これも小泉劇場型国会のワンシーであり、小泉と自民党は役者としての力を備えているが、その劇場で功名をあせった永田氏が役者として軽薄すぎたのであった。永田氏はもうこの種の国会での発言が任せられないばかりか、議員としての資質が問われるだろう。
ホイエモンと自民党
贋作メールであるが、内容のホリエモンと自民党の関係は、応援した候補者がその後失態を演じたにとどまらない、本来は重大事である。ライブドアは事件を知るにつけ、IT企業ではなく企業買収会社であり、それも53億もの粉飾決算を象徴的に、大きな企業犯罪のうえに成り立っていたのである。そこに至ったのは、株式分割に象徴的なように、この間の小泉・竹中改革の規制緩和を利用したのであった。
「時価総額世界一」などとう砂上の楼閣に、22万人とも言われる株主をはじめ、多くの人を惑わした詐欺的行為である。それに日本の最高権力である自民党幹事長、総裁、竹中がお墨付きさえ与えてしまっていたのである。これは一企業の大型犯罪にとどまらない、小泉劇場型政治の重大問題なのである。
ホリエモンは、広島カープ買収に武部氏を介して、ナベツネ、奥田日本経団連会長に仲介を依頼したとのことだ。こんな厚顔で荒唐無稽ことをやり、自己財産数百億を持っているとも言われている人間を、いまだに若手実業家という幻想を抱いている人もいる。
田原総一郎のように、1度持ち上げてしまったので、眼力のなさをらけだしたくないのでいまだに、若手起業家の芽を摘むなといっている。ホリエモンは、近鉄球団買収で世間に売り込み、選手会の2リーグセ制維持の支えになった局面もあったが、わたしはそのころブログをある期間読んで、怪しさを感じたのだった。
振り返るとホリエモンを相手にした人は、失礼ながら守旧派の象徴のような人で、ホリエモンを引き立て幻想を振りまく役を演じさせられたのではないだろうか。プロ野球の際のナベツネ、ニッポン放送買収の際の日枝、選挙の際の亀井静香である。
若い人は、これらの人が年輪を重ねてその世界の重鎮であるということには、関心を持てないのである。これらの人を持ち上げるわけではないが、ビジアルを消費していく多くの人には、人間の深さまで立ち入って見る教養がかけているのかもしれない。
*ホリエモンについては、05-8-20「ホリエモンは、選挙をも儲けの手段にする」、06-1-17「毎度お騒がせのホリエモン、今度は・・・」とコラムに書いている。
*14:50ぐらいから始まった、永田氏の謝罪会見を見た。メールを真性と認めるに至らなかったといいつつ、いまだにそれにすがって抜け出していない。政治家であれば武部氏と二男に謝罪をすることでけりをつけるだろうとおもったが、そうはしなかった。ホリエモンと自民党・武部氏との疑念があるのであれば謝罪をしつつ、水面下で調査をすればよいだろうに。
何回も頭を深々と下げても、だれに対して何を謝罪しているか分からないものだった。この謝罪が、永田氏が新たに攻撃される火種をつくったようなものだ。武部氏は、ホリエモンを持ち上げた映像が何回もテレビ映し出されているうっぷんがたまでいるはずだ。それを払いのけて、自己の心のバランスをとる材料を提供したようなものだ。こんなレベルの政治はみっともない。永田氏の正義と実直さではなく、世間知らずのおボチャマぶりだけが印象に残ってしまった。