理想と現実

昔、友人と登山をしたときのこと
最初は元気いっぱいできゃっきゃっとおしゃべりしながら登っていたが
途中から体力を削られて、だんだんだんだん無口になり
ついには完全に無言になって登っていた。
そんな私を見かねて、「休憩しよう」となったとき
「私はだめな人間だわ・・・。
映画で見たら
アメリカ人は厳しい状況下でも、いや厳しい状況下でこそ
ユーモアを欠かさず、
ジョークを飛ばして自分や周囲を鼓舞しているというのに・・・
私はしんどくなると、ジョークの１つも言えない・・・。」
と落ち込む私に、友人は言った。
「八平、元気だせ！おまえはアメリカ人じゃねえっ！」
「それもそうね、私日本人。」と納得した。

最近、樹木希林さんにどっぷりはまって、憧れている。
彼女は何事も俯瞰してみていて
老いや病気でさえも、おもしろがっている節があった。
これよ！これだわ！道化魂よ！
チャップリンも「あなたが本当に笑うためには、あなたの痛みを取って、
それで遊べるようにならなければなりません」って言ってたもんね！
と思っていたある日のこと。久々の腹痛に襲われた。
今だわ！チャンスよ！樹木希林さんのようにこの痛みを俯瞰するのよ！
・・・・・・・・・数秒後
無理無理無理無理無理無理無理～！！
トイレにて神に祈った。
「もう悪いことしないんで、助けてください」と。
お祈りするのは腹痛のときだけ。
神様も「あいつまたトイレから祈ってやがる」と思われているだろう。
私が神様なら、そんな人の祈り、叶えたくないなと思った。

この2つのエピソードから思ったこと。
理想はあるけど、現実の自分って想像以上にしょぼいんだなってこと。
そんなしょぼい自分をおもしろがって、仲良くやっていこうと思う。


うっかり八平