いわき市・子年生まれの”オヤジ”

草莽崛起
日本人よ、歴史を取り戻せ!

首相を目指す石破茂氏に意外な「応援団」 国民民主党など野党勢がエール、“敵の敵”は味方?

2018年08月16日 06時34分59秒 | 社会・政治
 自民党の石破茂元幹事長(61)が10日、9月の党総裁選への立候補を正式に表明した。安倍晋三首相(総裁、63)との対決姿勢を鮮明にした石破氏だが、党所属国会議員の支持は広がりを欠いている。そんな劣勢の石破氏には、意外な「応援団」がいる。国民民主党の議員を中心とした民主党出身者がエールを送っているのだ。首相への批判的な言動が賛同を集めているとみられ、熱烈な「石破ファン」も多い。

 「自民党が『不自由民主党』になっている。石破先生が活発な議論を展開してもらえれば、日本の政界が活性化するきっかけにもなるのではないか」

 国民民主党の玉木雄一郎共同代表(49)は7月24日の記者会見でこう述べ、石破氏への待望論を唱えた。同党の大塚耕平共同代表(58)も7月26日の記者会見で「安倍政権が民主主義を劣化させている。石破氏には頑張っていただきたい」と支持を“表明”した。他党のトップ争いに口を出すのはいかがなものかと思うが、それほど安倍政権への鬱憤がたまっているということだろう。

 衆院会派「無所属の会」の大串博志幹事長(52)は、石破氏の名こそ挙げなかったが、7月24日のブログにこう投稿した。

 「安倍政権が継続することは日本のためにベストだとは思わない。どのような形でも取って代わろうという動きが出てきてほしい」

 国民民主党の中堅議員も「オレは石破さん推しだ。理由は簡単だ。安倍首相のことが嫌いだからだ」と漏らす。


野党支持層ではトップ

 石破氏に期待を寄せるのは、野党の国会議員だけではない。世論調査をみると、野党支持層における石破氏の人気は、連続3選を目指す安倍首相に比べて圧倒的に高い。

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が7月21、22両日に行った合同世論調査で、次期自民党総裁にふさわしい人物を聞くと、立憲民主党支持層の38・5%、国民民主党支持層の37・5%、共産党支持層の31%が石破氏を挙げた。

 安倍首相を望む声は立憲民主党支持層でわずか0・9%。国民民主、共産両党の支持層にいたっては、それぞれ0%だった。

 石破氏は総裁選の看板に「正直、公正」を掲げ、森友学園や加計学園をめぐる問題への政府の対応を批判している。安倍首相が提案した憲法9条に自衛隊を明記する改正案や、消費税率10%への引き上げによる増収分の使途変更方針などにも苦言を呈してきた。こうした姿勢が野党支持層の留飲を下げる結果につながっているようだ。

 石破氏の側近は「安倍首相と異なり、石破氏は国会論戦で野党をバカにしたような態度をとらないからではないか」と野党議員の石破氏人気の理由を分析した。

 石破氏は、安倍首相の民主党出身者への対応に批判的だ。5月7日のBSフジ番組で「(安倍首相は)『民主党時代はどうだったのか』との話をすぐ出すが、前より良かったからいいということにはならない」と述べた。野党勢力にとっては立場をおもんばかられた形だ。


蓮舫氏「心から応援」

 石破氏は自民党が野党だった時代、国会論戦で先陣を切って民主党政権に対峙(たいじ)し、政権交代を牽引(けんいん)した立役者でもある。旧民主党勢にとって仇敵(きゅうてき)のはずだが、安倍政権批判の代弁者としての役割を超えて、民主党出身者の石破氏への敬愛の念は深い。

 「私、石破氏を心から応援しています。がんばっていただきたい…」

 平成26年10月7日の参院予算委員会で、地方創生担当相だった石破氏に対しこう述べたのは当時民主党に所属していた蓮舫・現立憲民主党副代表(50)だ。商店街活性化策をめぐる議論で発せられた唐突なラブコールに議場はどよめき、蓮舫氏は照れた。

 蓮舫氏に限らず、立憲民主党の議員からは「議員宿舎の食堂で早朝から書籍を読むなど鍛錬を欠かさない姿は立派だ」との声が漏れる。同党の議員が自民党議員を持ち上げる発言は極めて珍しい。

 国民民主党の原口一博元総務相(59)や渡辺周元防衛副大臣(56)らも民進党時代、石破氏の知見を頼り安全保障分野をめぐる夜の会合を定期的に開いていた。今も石破氏率いる石破派(水月会、20人)のメンバーは月に1回程度、旧民主党出身者と「中立・中道の立場から政治を議論する」(関係者)との会合を開いているという。


肝心の自民支持層支持は低迷>

 7月の産経・FNN合同世論調査で、石破氏は肝心の自民党支持層の支持が16・9%にとどまり、49・1%の安倍首相の3分の1にすぎなかった。

 どんなに野党からの人気が高くとも、自民党総裁選はいわずもがな、自民党員と所属国会議員が有権者だ。

 「わが党は政権党であり、(総裁選は)首相を選ぶ選挙だ。他党の支持の方であっても、無党派の方であっても理解をいただく努力をしたい」

 石破氏は10日の出馬表明記者会見でこう強調した。野党支持層を含めた自身の人気を自民党員の投票動向に影響させたい意向がにじんだが、石破氏の苦しい立ち位置を象徴する言葉でもあった。
 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿