テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

ネタバレ備忘録 ~「ブルージャスミン」

2015-09-28 | コメディ
 現在のストーリーに過去の話を挿入して語られる「ブルージャスミン」。
 ツイッターにも書いたように最後の過去エピソードは衝撃的で、いわばどんでん返しのような効果があり、悲惨な結末も納得せざるを得ない方向に導いていくのですが、そのエピソードも含めて少し前の部分からネタ晴らししようと思います。

 受付をしていた歯科医院でドクターからセクハラまがいの求愛を受けて飛び出したジャスミンは、パソコン教室で知り合った女性から気晴らしにとパーティに誘われる。ジンジャーも一緒に行ったパーティでジャスミンはドワイトに会い、お互いに配偶者に死別した身であると知り、ジャスミンがインテリア・デザイナーと自己紹介した所で、ドワイトも新居を買ったばかりだからとコーディネートを依頼し、二人は急接近することになる。
 ジャスミンにとっては願ってもない玉の輿。ベッドインも上手くいって、ドワイトの両親にも気に入られて、ついにプロポーズを獲得する。
 リングを買いに寄った宝石店のウィンドウの前。二人で並んで見ていると、後ろから「ジャスミン」と呼びかける声がする。

 振り返ると、そこにいたのはオーギーだった。ジンジャーの元夫。オーギーは例の20万ドルの宝くじの賞金を起業に使おうと思っていたのに、ハルとジャスミンの投資話に乗せられて全て失った事を未だに恨んでいた。
 ジャスミンの元夫が自殺した事、二人には子供がいた事、ジャスミンは本当はジャネットだという事、二人の会話を聞きながらドワイトは、今までジャスミンが嘘をついていたことに気が付き、二人は喧嘩別れする。

 オーギーからダニーがオークランドの楽器店で働いている事を聞いたジャスミンはダニーを訪ねる。
 ハルが逮捕された後に家を出ようとするダニーを、せめて大学は出なさいと引き留めようとしたジャスミンだったが、あれっきり音信不通になっていたのだ。久しぶりに会ったダニーは髭面で、既に結婚もしているようだった。一時期薬物に溺れたこともあったが、今の奥さんに救われたとダニーは言った。そして、父親には幻滅したが、ジャスミンの事は恨んだと言った。
 どういうことか。
 前半で、ハルが拘置所の中で自殺した事は語られていたが、ここではハルが逮捕された切っ掛けが明らかになる。
 要するに夫婦喧嘩の果てに、ジャスミンがFBIにチクったのだ。友達からハルの浮気を教えられ、前から疑っていたが、改めて問い質したら、あろうことかハルはジャスミンと離婚して、現在浮気中の十代の女の子と結婚するつもりだと言うのだ。いや、浮気じゃない、今度は真剣なんだと。
 ヒステリックに泣きわめくジャスミンを残して、しばらくホテルに居るから落ち着いたら話し合おうとハルは言ってたのに・・・。

 ドワイトにプロポーズされたと言った手前、いつまでもジンジャーのアパートに居るわけにもいかず、ジャスミンは近くにいる事が分かったダニーを頼ろうと思ったのだ。
 万事休す。
 ジンジャーのアパートに戻ったジャスミンは、チリとよりを戻したジンジャーにいつものように説教をし、今度ばかりはジンジャーも言い返す。成り行き上、玉の輿が上手くいったように話しながらシャワーを浴びるジャスミン。
 「今日、ここを出て行くわ」

 ラストシーンは、濡れた髪も乾かさないままで街をふらつくジャスミンの姿。一人の女性が新聞を読んでいるベンチに腰掛け、独り言を呟き始める。誰にともなくダニーに逢ったことを話したり、ドワイトとの結婚式の準備の話かと思えば今度はハルの浮気を怒ってみたり・・。
 隣の女性はそぉっと立ち去って行く。
 ジャスミンの頭の中にはハルと行った避暑地で聴いたこの曲(↓)が流れていたようです。





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