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外交とはなにか? TBS NEWS23 星浩キャスターの報じた、日韓合意破棄から考える

2018-01-10 17:25:43 | 10代20代30代
●TBSNEWS23星浩さんが

「政権が変われば国際合意が破棄されるのはよくあること。TPPも そう。文大統領に日本は大人の対応を」

と報じたのを聞いて、びっくりした。

外交とはなんだろう?

そんなに国と国とのしのぎを削った合意を覆すことは、軽くできるものなのか?

過去何度も慰安婦問題は、蒸し返えあされ、そのたびに両国民の心情が悪化した。


日韓が本当に助け合える仲間になるためには、

日韓ののどに刺さった「この歴史のとげ」を、誰かが抜かなければならない。

「お互い、これから何百年も、良き隣人として歩もう」という

高い理念を高らかに宣言し、舵を切れるひとはいるのか?

いる。政治のリーダーたちだ。

お互いが、国内保守派からの激しい批判を承知の上で、智慧と知見を集め未来のための妥協を行った。

それが日韓合意だ。

パククネ元大統領と安倍首相を、僕は評価する。その一点で。


パククネは牢獄につながれることを予知したのかもしれない。

それでもことを前に進めたのは、なぜか? 

二国間の懸案を解決した延長上にしかない、未来を信じたからなのではないか?

まさにお互いの命を賭けた合意だ。

●外交の本質とはなにか?

その歴史を見ると、

カール・フォン・クラウゼヴィッツは
有名な『戦争論』において「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である」とし、戦争を外交の一種とみなした。

しかし第二次世界大戦によって世界中が大きな損害を被り、
国際連合の設立や
国際協調主義、
軍事力行使禁止の原則などを打ちたて、
外交権は内閣へ移り、
選挙を通じた民主的統制に基づく「外交」へと変化した。

戦争の手段から、話し合いの手段へと。

◎今の「外交の本質」は、話し合いで物事を決めてゆくための、唯一無二の「平和的手段」だ。

二国間で国益がぶつかり、奪い合う事柄も、お互いが前向きな答えを摺合せ、解決する、それが今の外交。

「外交」による合意が未来を切り開く。核やミサイルではない。

外交努力により

長年のいさかいの元を合意により解消し、
7割の慰安婦たちが自分の晩年を実りあるものとし
お金を受け取った。

この合意で誰が責められようか?

外交とは…二国間の知恵の結晶である。



●ゆえに30年間はその内容が非公開とされるのが、国際間の常識。

韓国の「外交文書公開に関する規則」にも、次のように決められている。

外交文書は30年間非公開にし、その後、外交文書公開審議会の審査を経て、

一般に公開することができるように規定されている。

星氏はそのことを知らないかのように、軽く文氏の2年目の合意機密暴露や合意破棄に理解を示す。



また星氏はTPPと同様に、慰安婦合意も覆せると言っているが、TPPはまだ合意もしていないものだ。

TPPは二国間で頭を痛めていた、長年の歴史が絡む懸案マターでもない。

TPPと比べて、二国間の未来へのリスタートに待ったをかける、文大統領の軽さに理解を示せという星氏。

その軽さに絶句した…



●また、星氏はボードを示し、

文大統領が、

A 国内世論
B 日本との合意

に挟まれて、やむ負えずとった対応であると、文氏の心情を忖度していた。

ええ~?
文大統領は「日韓合意破棄」を訴えて選挙を当選した。
ならば支持団体の突き上げに対して、ただ自分の言ったことに責任をとらされただけだろう?
文氏の例にもれず、不用意な発言は身を滅ぼす要因となることは多いのだ。自分が原因を作ったに過ぎない。

一方、星さんは
国内では安倍氏に対する忖度にしつこいまでに批判するのに、
文氏に対してだけはなぜがその胸の内を優しく忖度する不思議。



●かれらは韓国と日本の、歴史問題を乗り越えて、友情をはぐくんでいく歴史的分岐点を見たくないのか?

僕は学生だったころから世界を放浪し、アジアを旅行して、面白いと思う話し相手は韓国人がなぜか多かった。
20代のころ、日本で仲良くなった韓国人留学生を尋ね、何度も韓国にあそびに行った。

あの時の楽しかった思い出は忘れない。

かの地で見た学生運動も、教会の雑魚寝も、怒鳴る牧師も、漢江での自炊も、ナンデムーン付近の夜市も、荒い運転で突っ込む韓国人特有の特攻精神も懐かしく、今となっては幻のようだ。

日韓の友好関係はほんとうはもっと伸ばせると思う。特に今なら日本に多くの韓国人たちが来てくれている。


ああ…文氏のせいで、生理的に韓国嫌いになった日本人が、どっと増えた気がする。

文氏は生来、ロマンチストなのだそうだ。

しかし現実を見ないその発言は軽く、その責任は重い。





池坊氏の、白鳳の張り手容認に、モノイイ…公平性について考える

2018-01-09 19:34:35 | 10代20代30代


白鵬の相撲を巡っては、張り手やかち上げ、ダメ押しなどに批判が集まっているが、

評議員会議長の池坊氏は

「張り手っていうルールがあるんでしょ。
それがいけないのなら、協会が(張り手を)禁止って言えばいい。(
ルールが)ある以上は『張り手した』と、ガーガー(批判を)言わないで。
理事会で取り上げてほしいです。(
モンゴル人は)狩猟民族だからね。
勝ってもダメ押ししないと殺されちゃう。
良い悪いは別にして、DNAかもしれないわ」

と白鳳の張り手を容認。

○その根拠は「張り手がルールにあるので、それを力士が使うのは公平」
というもの。ビートたけしも同じ意見。

●それって本当に公平なの?

白鳳より下位の力士が

白鳳に対して、張り手をぶちかますシーンはほとんど見ないぞ。

●もしやったら?→かわいがりが待っている。。

出稽古と称して相手方の部屋に白鳳がやってくる

「稽古をつけてやろう」と声を掛ければ、

そこからは密室の中で、合法的にかわいがりの暴力教室だ。


下位の力士が、横綱に自由に張り手できないって不文律だから目には見えない。

いけの坊さん、それでも公平と言えるのか?

●張り手は異質な技です。

投げ技や押し出しとは違う、格闘技の業だ。

張り手は、ボクシングで言う「フック」

顎をひねることができれば、相手を脳震盪させるわざだ。

張り手一発で、ノックアウトできる危険性がある。

ボクシングなら、手でブロックできるが、相撲はノーガードだよ?!

白鳳の怪力にフックされまくりなら、土俵でたほうがまし。


ああ…中学校時代の悪に

殴り返せない悲しい過去を想い出した。

本当に面白い小説とは? フェルディナント・フォン・シーラッハの 『犯罪』 東京創元社

2018-01-04 14:38:11 | 10代20代30代
お正月にほんとうに面白い小説を読みたいんだがと問われたら

迷わず、フェルディナント・フォン・シーラッハの『犯罪』東京創元社を勧めます。


『犯罪』は、1篇が20ページ前後の短い短篇が11作収録されている連作短篇集です。

すぐに読めます。

物語の語り手はすべて「私」という弁護士で、彼が関わった刑事事件を扱っています。

実際作者のシーラッハさんは、もともと刑事事件専門の高名な弁護士で、

彼がかつて関わった多くの事件が『犯罪』のもとになっています。

犯罪を通して人生が描かれることにしびれます。

おもしろかったのは次の作品です。

「フェーナー氏」
高名な医者として、長年人々から信頼されて来たフェーナー。イングリットと出会ったのは24歳、まだうぶな時でした。

3歳年上のぽっちゃりした田舎風の美人イングリットの性的奔放さに惹かれて結婚したフェーナー。
イングリットは何かにつけてヒステリックになっていって。
離婚はしない。愛されていないことに気付いても。じぶんの誓いをかたくなに守る人はいるよね。
自分の不器用さが鏡のように映っている気がして怖かった。




「ハリネズミ」
犯罪者一家に育ったカリム。当然カリムも犯罪者になるだろうと思われていましたが、ひそかに勉強を重ね、株などでまっとうな利益を得るようになりました。周りはみな麻薬売買で儲けたと思っています。

ある時、兄ワリドが質屋の強盗容疑で捕まってしまいました。ハリネズミは狐に100回戦って1回しか勝てない。その武器を使う。みんな自分が嘘の証言をすると思っている、だからこそ兄の刑務所暮らしは阻止できるはずだと思ったカリムは、起死回生の一手がめちゃおもしろい。


「幸運」
故郷で兄を殺され、兵士たちに輪姦されたイリーナはドイツに亡命し、生きていくためにやむをえず娼婦になります。やがてカレという男と一緒に暮らし始めました。お互いに過去については語りません。

ある時、胸に痛みを感じた客がサービス中に死んでしまいました。途方に暮れて外出したイリーナ。一方、死体を発見したカレはイリーナが殺してしまったと思い込み死体を解体して埋めることにした。イリーネを守るために死体を解体し、埋めることにしたカレ。

愛のための犯罪があることに、しばし言葉を失うほど感動した。


「正当防衛」
見るからに悪党面のレンツベルガーとベックは、駅のホームで真面目そうな男を見つけ、ナイフをちらつかせてからかい始めました。ところが揉みあう内に二人ともナイフで刺されて死んでしまったのです。

取り調べが始まりますが、男は何も喋りません。指紋は登録されておらず、身分証明書も不所持。奇妙なのは、衣服にメーカー表示がないこと。靴下や下着までも。必死で男の正体を探ろうとします。プロの殺し屋を雇い、正当防衛として保釈させる裏人物も現実にいるのだろうね。法律の限界と法律の枠を超えて生きるワルもいる。

「エチオピアの男」
捨て子で、辛くみじめな人生を送って来たミハルカは、銀行強盗で手にした大金を抱えエチオピアへと渡りました。コーヒー農園で熱病にかかってしまったのですが、看病してくれたアヤナと恋に落ちます。

二人の間には子供も生まれ、幸せな人生を送っていたのですが、やがてミハルカは銀行強盗の罪でドイツに送還されてしまいました。家族の元に戻りたいと思うミハルカは、お金が無くまた同じ銀行強盗をしてしまう。

しかし、同じ立場なら同じことをあなたもしませんか?と問われる。僕ら普通の人も、何らかの拍子に犯罪を犯す可能性を感じてしまう。ミハルカを助けるためにアフリカからお医者さんがかけつけ証言に立つ場面に涙した。


落語はシュールな世界感があるって、初めて知った

2018-01-03 15:12:58 | 10代20代30代
NHKで年始に落語の特集をまとめてやってました

イケメンの俳優の東出さんによる

「落語ディーパー!〜東出・一之輔の噺(はなし)のはなし」

僕は初めて知りました


落語があんなに面白いとは…


特に「あたま山」のシュールさに

感動しました。

話の筋は…

春は花見の季節。
周りはみな趣向をこらして、桜の下でのみ放題食い放題のドンチャン騒ぎをやらかすのが常だが、
ここに登場のケチ兵衛という男、名前通りのしみったれ。
そんなことに一文も使えないというので、朝から晩までのまず食わずで、ただ花をぼんやり見ながらさまよい歩いているだけ。
しかし、さすがに腹が減ってきた。
地べたをひょいと見ると、ちょうど遅咲きの桜がもうサクランボになって落ちているのに気づき、
「こりゃ、いいものを見つけた」と、泥の付いているのもかまわず、一粒残さずむさぼり食った。
翌朝。どういうわけか頭がひどく痛んできて、はて、おかしいと思っているうちに、昨日泥の付いたサクランボを食ったものだから、頭の上に桜の木の芽が吹いた。
さあ大変なことになったと、女房に芽をハサミで切らせたが、時すでに遅く、幹がにょきにょきっと伸び出し、みるみる太くなって、気がついた時は周りが七、八尺もある桜の大木に成長。
さあ、これが世間の大評判になる。
野次馬が大勢押しかけて、ケチ兵衛の頭の上で花見をやらかす。
茶店を出す奴があると思うと、酔っぱらってすべり落ち、耳のところにハシゴを掛けて登ってくる奴もいる。
しまいには、頭の隅に穴を開けて、火を燃やして酒の燗をするのも出てくる始末。
さすがにケチ兵衛、閉口して、「いっそ花を散らしてしまえ」というので、ひとふり頭を振ったからたまらない。
頭の上の連中、一人残らず転がり落ちた。
これから毎年毎年、頭の上で花が咲くたびに、こんな騒ぎを起こされた日にはかなわないと、ケチ兵衛、町中の人を頼んで、桜の木をエンヤラヤのドッコイと引っこ抜いた。
ところが、あまり根が深く張っていたため、後にぽっかりと大きな穴が開き、表で夕立ちに逢うと、その穴に満々と水がたまる。よせばいいのに、この水で行水すれば湯銭が浮くとばかりに、そのままためておいたのがたたって、だんだんこれが腐ってきて、ボウフラがわく、鮒がわく、鯰がわく、鰻がわく、鯉がわく……。とうとう、今度は頭の池に養魚場ができあがった。
こうなると、釣り師がどっと押しよせ、ケチ兵衛の鼻の穴に針を引っかけるかと思えば、釣り舟まで出て、芸者を連れてのめや歌えの大騒ぎ。
ケチ兵衛、つくづくイヤになり、こんな苦労をするよりは、いっそ一思いに死んでしまおうと、南無阿弥陀仏と唱えて、自分の頭の池にドボーン。









とっても楽しく噺家が身振り手振りでストーリーをはねさせてゆくのです。

あれは映像化しない方がいい。

落語はショートショートや短編小説よりも

噺家の料理の仕方で、映像的に見せられるけど、

ハッキリ映像化してしまうアニメや映画と比べると、落語はまだ想像の世界で遊べる。

だから、シュールすぎるネタは、落語でやるのがちょうどよい。

ここに300年続く落語の存在意義の断片を感じ取りました。

歌舞伎も落語も江戸時代の下世話なニュースを下敷きにしている。

新作が古典となっただけ。だから若手の噺家や歌舞伎役者は新作にチャレンジしているのだそうだ。

400年続く歌舞伎もそうですが、

落語の300年の伝統はだてではないね。

骨董がじんせいを楽しくさせる   キセキの和家具と活版印刷用ハンコ

2018-01-02 12:25:22 | 人生
昨年、ある洋館が入札された。

マンション業者より高い値段をつけた県外の人がその洋館を落札し、ほっとした。

大正時代の洋館はドイツ様式でステンドグラスや建具が夢のように美しい…

購入者はその建物を生かすという。

文化が一つ守られた。



昨年、大正時代の洋椅子を手に入れた。

木材は貴重なミズナラ。

古いヨーロッパ調のデザインだが、

彫り込まれたデザインが丸い唐草文様であることから、和家具であることは隠せない。

椅子に貼ってある布はボロボロ。

張り替えるには

いくらかかるのかなあ…

知り合いの家具屋さんに相談したところ、

椅子の張り替え職人のお爺さんがひとりご存命とのこと。

「あの爺さんが死んだら、もうアンティーク家具を再生するのはむづかしいよ」

バネが死んでないので、張替えを依頼した。




深緑のビロードみたいな布をいぶし銀のピンでとめられて椅子は戻ってきた。

2つで3万円だった。


仕入れ+張替え費用は、新品を買うより安い。


大正~昭和初期にかけてのヨーロッパ風和家具は、絶対買いだと思う。

理由はこうだ。


●幕末から明治時代

1材質…ケヤキやヒノキ、クリなど、硬くて重い木材が中心。

2色の仕上げ…暗めの箪笥類が多い。

3デザイン…日本独特のデザインで重厚感や金具が素晴らしい。


●和家具の頂点=大正から昭和初期

1材質…ナラ(オーク)が使われることが多い。

2色…色味が明るい。明るい茶色のオークの家具であれば、
   現代の生活にあいやすく、テーブルや椅子、ソファなどの洋風家具ともマッチする。
   
3デザイン…大正期になると一気に「ヨーロッパテイスト」な家具が増え、装飾性に富んで華やかになります。
      和洋がベストにマッチし、世界で一番お洒落だと思う。唯一無二。

      ○大正昭和初期の和家具のデザインが素敵なのは、なぜだろう?
      きっとそのころは日本の職人さんたちが、明治にヨーロッパの家具のデザインに驚き、大正期にそれを見よう見まねで吸収し、消化し、日本の技術・風土にマッチするにっぽんオリジナルなものを編み出した時期ではないだろうか?ヨーロッパにはないデザインが面白い。一点一点丁寧に作っており、直せば100年以上楽に持つ。代々受け継いで行けるクオリティーだと思う。

      でも昭和に初期を過ぎると一点主義の丁寧なヨーロッパテイストな和家具は消える。きっと作り方のハウツーや工具が入ってきて、職人の工房から工場へ、少量生産から工場大量生産へと移るようになったのだろう。だから急激にデザインの面白さが失われたのだと思う。


●昭和家具

     昭和になるとアメリカの影響も受け始めて、材質はベニアなど様々なものが使われ、全体的にカワイイのが特徴。チープ。




   ○話題は変わるが、年賀状を送られてあわてて買いに行ったら、裏が真っ白なものしか残っていなくって焦った人もいるでしょう。私はそんなとき活版印刷時代のハンコを使って、送ります。日の丸のハンコとかかわいいのがありますよ。活版のハンコも今集めておくとよいと思います。そろそろ田舎の街の印刷屋さんも消えそうですから…

 イオンより強力な、通販のアマゾンが日本の田舎の小店舗を、骨董品に変えてゆくでしょう…僕たちは消えゆく家具やハンコを楽しみながら集められる過渡期に立っている。
 別の角度で見ると、人生を面白くする機会でもあります。2018はあなたの生活を骨董で豊かにしましょう…