小動物の分野では心臓疾患に関しては今後高齢化とともに癌と並び重要な疾患になることは間違いありません。
アニコム損害保険株式会社は、契約している犬の循環器疾患の発症率を発表していまして、
■循環器疾患の年齢別罹患率
犬の循環器疾患の発症率を年齢別に集計したところ、3歳では1.1%であるのに対し、6歳で4.1%、8歳では8.1%と年齢と共に発症率も上昇していることがわかった。特に、4歳から5歳にかけては有意に上昇が見られたため、愛犬が5歳を過
ぎたら注意をする必要がある。
■循環器疾患の犬種別罹患率
契約頭数の多い上位16犬種をさらに詳しく調査したところ、罹患率が高かったのは「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」15.3%、「ポメラニアン」5.9%、「マルチー
ズ」5.3%、「シー・ズー」3.8%、「ヨークシャー・テリア」3.8% だった。
もっとも罹患率の高い犬種であるキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルでは2歳から3歳にかけて有意に罹患率が上昇しており、他の犬種と比較して早期に発症することがわかった。
以上抜粋しましたが、これで10歳以上の小型犬となればかなりの犬が心臓病を有することになります。
しかし、実際病気に気づかず、寿命をまっとうすることなく死亡する例もあると思います。
予防のために早期発見が大切なのですが、心臓病が不顕性のうちから発見するのは従来は難しかったのですが、最近は「バイオマーカー」で早期に発見が可能になってきたようです。
まだ、獣医領域では一般的ではありませんが、心臓病のモニターには有効であることがわかってきました。
バイオマーカーとは特定の組織から産生され、循環血液中で検出できる物質のことで、現在でも腎機能や肝細胞機能の評価に応用されているが、特異性が低い。
その点心臓における
(1)ナトリウム利尿ペプチド
(2)心筋トロポニン
はかなり有用な情報を提供してくれるそうです。
ナトリウム利尿ペプチドのBタイプナトリウム利尿ペプチドの不活性型(NT-proBNP)
はその有用性が多数論文で発表されている。
NT-proBNPのカットオフ値210pmol/Lの場合の心疾患あるいは心不全の予測で陽性的中率は94%、陰性的中率で77%とされている。
これはスクリーニング検査に有用であり、レントゲン検査、心エコー検査の補助ともなる。
心筋トロポニンは心筋損傷で検出できる。ヒトの救急医療において急性冠動脈症候群では必須の検査になっているそうです。
心疾患は重篤になってからではコントロールが厳しくなるので、今後動物医療での普及が望まれますね。
ちなみに、日本では
酪農大で
「犬心疾患マーカーとしての心筋トロポニンIの特異性 」
某製薬メーカー
「犬脳性ナトリウム利尿ペプチド(犬BNP)の高感度迅速ELISAキットの開発」
という論文が2008年に相次いで発表されています。
今日は結構マニアックだったか・・・・・・
アニコム損害保険株式会社は、契約している犬の循環器疾患の発症率を発表していまして、
■循環器疾患の年齢別罹患率
犬の循環器疾患の発症率を年齢別に集計したところ、3歳では1.1%であるのに対し、6歳で4.1%、8歳では8.1%と年齢と共に発症率も上昇していることがわかった。特に、4歳から5歳にかけては有意に上昇が見られたため、愛犬が5歳を過
ぎたら注意をする必要がある。
■循環器疾患の犬種別罹患率
契約頭数の多い上位16犬種をさらに詳しく調査したところ、罹患率が高かったのは「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」15.3%、「ポメラニアン」5.9%、「マルチー
ズ」5.3%、「シー・ズー」3.8%、「ヨークシャー・テリア」3.8% だった。
もっとも罹患率の高い犬種であるキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルでは2歳から3歳にかけて有意に罹患率が上昇しており、他の犬種と比較して早期に発症することがわかった。
以上抜粋しましたが、これで10歳以上の小型犬となればかなりの犬が心臓病を有することになります。
しかし、実際病気に気づかず、寿命をまっとうすることなく死亡する例もあると思います。
予防のために早期発見が大切なのですが、心臓病が不顕性のうちから発見するのは従来は難しかったのですが、最近は「バイオマーカー」で早期に発見が可能になってきたようです。
まだ、獣医領域では一般的ではありませんが、心臓病のモニターには有効であることがわかってきました。
バイオマーカーとは特定の組織から産生され、循環血液中で検出できる物質のことで、現在でも腎機能や肝細胞機能の評価に応用されているが、特異性が低い。
その点心臓における
(1)ナトリウム利尿ペプチド
(2)心筋トロポニン
はかなり有用な情報を提供してくれるそうです。
ナトリウム利尿ペプチドのBタイプナトリウム利尿ペプチドの不活性型(NT-proBNP)
はその有用性が多数論文で発表されている。
NT-proBNPのカットオフ値210pmol/Lの場合の心疾患あるいは心不全の予測で陽性的中率は94%、陰性的中率で77%とされている。
これはスクリーニング検査に有用であり、レントゲン検査、心エコー検査の補助ともなる。
心筋トロポニンは心筋損傷で検出できる。ヒトの救急医療において急性冠動脈症候群では必須の検査になっているそうです。
心疾患は重篤になってからではコントロールが厳しくなるので、今後動物医療での普及が望まれますね。
ちなみに、日本では
酪農大で
「犬心疾患マーカーとしての心筋トロポニンIの特異性 」
某製薬メーカー
「犬脳性ナトリウム利尿ペプチド(犬BNP)の高感度迅速ELISAキットの開発」
という論文が2008年に相次いで発表されています。
今日は結構マニアックだったか・・・・・・