Garbanzo blog

政治経済と音楽のブログ。
Garbanzoってのはひよこ豆のことです。

インドにも遅れる日本

2010-10-01 18:11:46 | 社会
いろいろやっていて一ヶ月ちかく更新をさぼってしまった。
新しい記事がなくてがっかりした方には申し訳ない。
今月からまたなんとか頑張って更新していきたい。

今回は
Public Key(Blogosにも登録されている)にて取り上げられている、
インドでのバイオメトリクスを用いたデータベース化について考えてみたいと思う。

過去にもこのニュースは
Iza!などで取り上げられていたが、
インドの着実な経済発展への段取りはなかなかに羨ましい。(それでも問題は山積だが)
web全盛時代にID化がなされない事は、行政コストを格段に嵩上げする不合理な現実だ。
インドの動きは時代に沿った自然なものと言える。

これを受けてかどうかは不明だが、どうやら日本でもID化の動きがあるようだ。
Public keyの記事にも書かれているように2013年までにはID導入を目指すという。

日経の記事によると構築コストは6100億だが、これは問題になるような金額ではない。
ID化をするという事は恒常的な行政コストの引き下げに繋がるからだ。
定額給付金では2兆円のバラマキを行うのに800億かかったが、
ID化によってデータベースが作られるようになるとこういったコストはほぼ0で済む。
また、ピンポイントで所得の足りない家計に補助金を出せるので、
そもそも定額給付金のような「山火事が起きたから日本中にヘリコプターで放水」
みたいな荒っぽいバラマキ自体しなくて済むようになる。

池田信夫氏がVoiceの記事で語っているように、
日本は諸外国と比較しても税金が軽い割に非常に重税感が強い。
その理由は「輸出が不調だから農業にばらまく」といったような
GDPの総量しか見ない場当たり的なバラマキが過去数十年に渡って横行してきたからだ。
北欧諸国は日本よりも遥かに税が重いが税制がクリアな為に重税感は少ない。

システムが老朽化して役に立たなくなっているというのに、
それを無視して現行の体制を維持しながら変革しようというのは虫が良すぎる。
それは幹が腐っているのに葉が美しくないからと言って接ぎ木をするようなものだ。

話を戻そう。以前にも述べたがID化によってベーシックインカムを始めとする
効率的な社会保障を提供出来るようになると、厚生労働省は不要になる。
そこまでドラスティックに組織を潰さずとも、ID化によって可能になる政策によって
年金を全てリセット出来るだけでも、数兆円は軽く出てくる。
厚生労働省全体の予算はどんなに少なく見積もっても年間20兆円を越えており、
予算の配分から見て最も効率の良い改革は社会保障費なのは自明の事実だ。

即効性が重要なら、各国と農業FTA締結すれば農水省を潰せるので、
そこから2兆ひねりだせば良い。こちらの方が衝撃も少なく円高も生かせ、
やろうと思えばゼロコストで行える手っ取り早い方法だ。
最悪、意味の解らない子供手当てをストップするだけでもよい。

ID化はそれ自体だけでは効果は少ないが、それによって成せる行政の幅と効率は格段に上がる。
よって6100億円など雀の涙に過ぎない。いずれにせよID化しない将来のコストは、
IDする将来のコストとは比較にならないほど巨大である。
しない理由は存在しない。