根津から地下鉄に乗って、門前仲町まで行くと富岡八幡宮が有ります。
ここ富岡八幡宮は堀田善衞の『方丈記私記』で有名な所です。
昭和二十年三月十日の東京大空襲の後、十八日に昭和天皇が焼け跡を
視察する場面に堀田善衞が偶然、出会ったというのです。堀田は懇意に
していた女性の安否を確かめるために、この辺りを歩いていたそうです。
富岡八幡宮の境内に「昭和天皇 御野立所」という記念碑が有りました。
富岡八幡宮から二十分ほど歩いた所に須崎遊郭がありました。現在は
その遊郭への入り口「須崎橋」にプレートだけが保存されています。
もしかして、堀田善衞が安否を確かめに行った女性は遊郭の人だった
というのは穿ち過ぎでしょうか?