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《本記事のポイント》
・オバマ大統領がシカゴで退任演説
・トランプ次期大統領はオバマ氏の政策の多くを廃止する
・トランプ革命でアメリカは繁栄する
今月20日に2期8年の任期を終えて退任するオバマ米大統領が、シカゴで退任演説を行いました。
10日夜(日本時間11日午前)に行われたオバマ氏の演説の要旨は以下の通りです。
・「米国は(移民など)新参者によって弱まることはなかった。彼らは米国の教義を受け入れ、それを強化している」と、多様性や相違を超えて結束することの重要性を強調。
・「民主主義は、当然視した時に脅かされる」と、民主主義の維持に取り組むことを促した。
・医療保険制度改革(オバマケア)を実現したことにも言及し、「2千万人の市民が医療保険の権利を得た」と、その成果を強調。
・「失業率は10年ぶりの低い水準に近い」と、リーマン・ショック(2008年)後の景気回復に成功したことを挙げた。ただし、「上位1%の人がより多くの富や所得を得る一方、あまりに多くの家族が置き去りになっている」と、格差是正は道半ばとの認識。
・キューバとの国交回復に加え、「1発も発砲することなく、イランの核兵器開発を停止させた」と語り、軍事的な手段ではなく、外交努力によって問題解決をしたと胸を張った。
◎トランプ「オバマの遺産の多くを廃止」
一方、20日からアメリカ大統領に就任するドナルド・トランプ氏は、選挙期間中からオバマ氏とほぼ真逆の政策を掲げていました。トランプ政権で大統領報道官に就くショーン・スパイサー氏は、トランプ氏が就任初日に、オバマ氏の政策の多くを「廃止する」と明かしました。その対象は「経済成長や雇用創出」に悪影響を与えた政策です。
トランプ氏は、アメリカをどんな国にしようとしているのでしょうか。政策ごとに見ていきましょう。
【社会福祉】オバマケアを一部撤廃
オバマ氏が任期中に最大の精力を注いだオバマケア(医療保険改革)を、トランプ氏は即時撤廃すべきだと主張しています。オバマケアの加入は義務ではないため、健康な人や高所得者の人は加入せず、貧しい人だけが加入するので、国と保険会社が赤字になる仕組みになっています。
【税制】大幅な減税
格差是正を重視するオバマ氏は、富裕層が保有する株式などの資産課税を大幅に強化する方針を打ち出しました。一方、トランプ氏は大幅な減税を打ち出しています。同政策が実行されたら、アメリカが事実上、シンガポール並みのタックス・ヘイブン(租税回避地)になり、海外への資産流出を止められるかもしれません。
【貿易】TPPから離脱
オバマ政権が推進した環太平洋経済連携協定(TPP)について、トランプ氏は就任初日に「離脱を(他の参加国に)通告する」と明言。オバマ政権はTPPによって中国の覇権を押し留めようと考えていましたが、トランプ氏は、アメリカを再び強くし、二国間貿易で関税をかける方が抑止力になるという考えです。
【国防】「世界の警察官」に返り咲く
オバマ氏は、アメリカの「世界の警察官」としての役割を放棄する発言をしました。その後、南シナ海では中国が暴走し、北朝鮮も核実験を加速するなど、アジアの安全保障が脅かされます。トランプ氏は、「世界が思慮分別をわきまえる」までは、米国は核能力を大幅に強化する必要があると主張しています。
【対中国】 中国には強固な対立姿勢
オバマ氏は、就任後から中国寄りの政策を行い、中国を発展させ、軍事的な拡大を許しました。しかし、中国からに輸入品に高関税をかける貿易戦争を仕掛けようとしているトランプ政権では、貿易・通商政策と安全保障・外交政策を担当する閣僚には、対中強硬派が名を連ねています。
◎思想の違い(1)「強いアメリカ」に対する考え方
オバマ氏は「世界の警察官」であることなど、「強いアメリカ」を否定。中国や北朝鮮などの軍事拡張に対しても、対話で解決をしようとする姿勢を見せ、しばしば「弱腰だ」と批判されていました。
一方、トランプ氏は大幅な軍拡を進めます。アメリカの敵を徹底的に叩くことで有名なジェームズ・マティス氏を国防長官に据えたことも、彼の決意を表しています。
◎思想の違い(2)「繁栄」に対する考え方
平等主義が強いオバマ氏は、社会福祉政策を充実させ、幸福な中間層をたくさんつくろうとしました。また、格差是正のために、富裕層のお金を貧困層に配る政策を主張。弱者救済の思いが強いのは、彼が宗教的な人格であることを表していますが、世界最強国のトップとしては、力不足という面もあります。
一方、自らがアメリカン・ドリームの体現者であるトランプ氏は、額に汗して勤勉に働き、豊かになることに価値を感じ、「努力をしようがしまいが、結果が同じ世界は、国民を堕落させ、国家を衰退させる」という考え方を強く持っているとみられています。国全体が社会主義的な風潮に流れていく中で、「繁栄の大国」であるアメリカが、世界に対して責任を果たせなくなることに危機感を抱いているのではないでしょうか。
大統領選前にトランプ氏の当選を見抜いていた大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『繁栄への決断』のあとがきで、日本に対して次のように述べています。
「私の考えは、オバマ—ヒラリー型のリベラリズムを排して、トランプ革命に合わせて舵を切れということである。それが今後三百年の繁栄を実現させるだろう」
トランプ新政権がいかにアメリカの政治を変えていくのか、目が離せません。(小林真由美)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『トランプ新大統領で世界はこう動く』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1767
幸福の科学出版 『繁栄への決断 〜「トランプ革命」と日本の「新しい選択」』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785
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