家庭連合の解散の件で、宗教法人法81条の「法令に違反」に、民法不法行為(709条)が含まれるか、って論点があります。
オウム高裁判例は「含まない」的に判示したのに、今の東京地裁は、過料決定で、「含む」と言っています。
この場合、「他の宗教法人も不法行為で解散させられる」ってリスクよりも、私は、法曹として、「公法と私法の峻別がなくなっちゃう」ってインパクト(リスク)の方が大きいと考えています。
例えば、今の東京地裁の「法令には民法を含む」って論理を敷衍すると、以下の「法令」に民法も含むってことになります。
これは私には違和感があります。特に冒頭の、個人情報保護法の解釈が、、、
法曹のみなさん、いかがでしょうか。
■ 個人情報保護法 第33条2項 (開示)
2 個人情報取扱事業者は、前項の規定による請求を受けたときは、本人に対し、同項の規定により当該本人が請求した方法(当該方法による開示に多額の費用を要する場合その他の当該方法による開示が困難である場合にあっては、書面の交付による方法)により、遅滞なく、当該保有個人データを開示しなければならない。ただし、開示することにより次の各号のいずれかに該当する場合は、その全部又は一部を開示しないことができる。
一 本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合
二 当該個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合
三 他の法令に違反することとなる場合
■ 地方自治法 第2条
⑯ 地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。なお、市町村及び特別区は、当該都道府県の条例に違反してその事務を処理してはならない。
⑰ 前項の規定に違反して行つた地方公共団体の行為は、これを無効とする。
■ 同法 第14条1項
普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。
■ 行政手続法 第36条の3
何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁又は当該行政指導をする権限を有する行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。
2 前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
一 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 法令に違反する事実の内容
三 当該処分又は行政指導の内容
四 当該処分又は行政指導の根拠となる法令の条項
五 当該処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由
六 その他参考となる事項
■ 出入国管理法 第5条(上陸の拒否)
次の各号のいずれかに該当する外国人は、本邦に上陸することができない。
一~三 (略)
四 日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者。ただし、政治犯罪により刑に処せられた者は、この限りでない。
五 麻薬、大麻、あへん、覚醒剤又は向精神薬の取締りに関する日本国又は日本国以外の国の法令に違反して刑に処せられたことのある者
■ 都市計画法 第61条(認可等の基準)
国土交通大臣又は都道府県知事は、申請手続が法令に違反せず、かつ、申請に係る事業が次の各号に該当するときは、第五十九条の認可又は承認をすることができる。
一 事業の内容が都市計画に適合し、かつ、事業施行期間が適切であること。
二 事業の施行に関して行政機関の免許、許可、認可等の処分を必要とする場合においては、これらの処分があつたこと又はこれらの処分がされることが確実であること。