みにちゅあほうろうき

カレー大好きてらださん
ガチ風味のミニチュアゲームブログ

シングルアーミーシンドローム(mixi再録)

2010-09-22 11:38:33 | 雑文、ネタ、放浪日記
 またmixiからの再録です~、手抜き乙!

 Bell of Lost Soulsのコラムから意訳したものをこちらに再録します。
 俗に言うGW病の話ですね(笑)

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◆◆ SAS(シングルアーミーシンドローム) ◆◆

 Monoarmiosis(モノアミオシス)とは慢性のウォーゲーム病の一つで通称SAS『シングルアーミーシンドローム』として知られています。放置するとゲーマー(ゲーミングスキル?)の成長を阻害します。
我々は例外無くSASを発症している誰かと知り合いです、それは親戚のおじさんや友人、サークルの新人さんかも知れません。この病気の兆候はしばしば現れますが、最初にGWゲーを購入した直後に発症する事例がほとんどです。このタイミングで発症する事がSASの最も恐ろしい点で、SASは発症者の関心や心理的傾向を文字通り食い尽くしてしまいます。
SASは数多くの形態や要素を持つため誤解されやすくSASとしての発見が難しい場合もあります
 SASの最も一般的な形態は、Smurfanomia(エスマーファンノミア)で、この病気は退役軍人や若い40kプレーヤーに襲いかかります。
発症すると、3+セーヴィングを持たないアーミーをプレイすることを頑なに拒むようになります。 SASのこの形態が発症する原因は WDC(Wargaming Disease Control)によって特定されました。WDCの画期的な研究によって、ゲームズワークショップがスペースマリーンを若年層向けに特化し、幼児でも楽に始められるように簡単で、かつかなりの強さが保証されたアーミーとしてブランド化してしまったのがこの病状の原因の一つだと解明されました。
つまりGWのマーケティングがあまりに過度だったため、若いプレイヤーに「安全で強いSM以外にもプレイすべきアーミーが存在するのだ」という概念を理解させるのが非常に困難になったのです。
こういう問題を引き起こすほどに過度なマーケティング戦略でしたが、こういう状況になるを当のGWが望んでいたかどうかは未だに謎です。しかしエスマーファノミアの犠牲者の大半を占める退役軍人の場合、原因は異なっています。
任期を終えた彼らは家に帰った事で、口やかましい親類達に平穏を乱されたり、何もすることがない退屈な時間に直面する事になります。彼らは、まるでそれらから逃避するようにWarhammer 40kをプレイします、『男の隠れ家』的な場所としてミニチュアゲームを求めているのです。
彼らはすぐに特殊部隊のようなマリーン達の台詞とストーリーに惹きつけられてしまいます、それは彼らが好む名誉、過酷な任務、英雄行為に満ちています。スペマリから発せられるメッセージは彼らにとって母親の手に抱かれた赤子の気分や独立記念日の誇らしい気持ちを思い出させます。マリーンの心理ルールや能力値での信頼性は、特殊部隊の気分を味わえ、少ないモデル数はペイントの苦労を軽減し、戦車を使用する事はかつての誇らしい兵役時代を思い出させるものです。そうしてぬるま湯につかっていた彼らは他のアーミーに手を出した時、ヒットロールやセーヴィングで3+より困難な厳しいダイスロールを強いられる事に愕然とするのです・・・!

 SASの一般的な形態で次に多いのはHordeosis(ホーデオシス)です。 主な症状は戦場により大量のモデルを並べたいという不健康な願望を抱き続ける事です。 IGやティラニッドプレーヤーは最も影響されやすいと言えるでしょう。 しばしばゴーントボックス1箱から始まる彼の心に灯った小さな灯火は500p程度のモデルを焼いただけでは収まらず、すぐに野火のように大きくなり次から次にボックスを焼き尽くしていきます。患者の暴走は某スクルージ・マクダック氏のようにティラニッドミニチュアが詰まったバイオマスで泳ぎ出すまで止まらないでしょう。
 ホーデオシスが発症すると患者は大抵2種類の最期を迎えます。末期患者の症例として、このような巨大なアーミーを塗装するという厳しい試練に耐えたのはいいものの、精神的に非常に参ってしまった患者は別の軍隊を決して買わないと誓い、頑なに他のアーミーをプレイしようとしなくなるのです。
もう一方の症例は最初の症例よりかなり危険な結果を患者にもたらします、こちらの患者は更に新たな物量アーミーを買い始めてしまうのです。患者は最初のアーミーを完成させる前に新たな物量アーミーを買い足し続けます。そして物量アーミーをひと通り買い終わると、今度は普通のアーミーのモデルを物量アーミーと同じレベルの量で買おうとします・・・!
 手遅れになるまで察知されないホーデオシスの派生型はBitomisis(ビッツオミシス)です。
 これはしばしばオークプレイヤーを苦しめます。
 患者は自分のモデルに多くのビッツを貼り付け始め、しばしばグリーンスタッフの上にウェポンビッツがささってるようなモデルでさえ作ってしまいます。
 この形態の問題な点は、患者がモデリングに全ての時間を費やしてしまう事です。患者はゲームをプレイする時間さえ犠牲にしてモデリングに熱中します。

 ・・・・・・

 シングルアーミーシンドロームは最初、一つのアーミーだけしか購入せず、死ぬまでそれを遊ぶプレイヤーがかかる病気だと思われていましたが2001年のタウのリリースで火がついたガンライニーミアの発見がSASに対する理解を大きく広げました。

 ガンライニーミアはアーミーを変えて遊んでいるプレイヤーにもSASの亜種が発症している事を我々に証明してみせました。一例を上げるとタウプレイヤーはタウからサウザンドサンズまでリリースされた各アーミーをタウと同じようなシュートアーミーとして制作しタウと同じようにプレイすべきと考えてそれを実践せずにはいられませんでした。
 このように我々のSASに関する知識は日に日に広がっています。ほぼ毎日のように新しいSASの形態が生まれているのです。

Codexcreepius(コーデックスクリーピアス):
 新コーデックスの最も壊れた(尖った)要素をプレイする事だけを楽しむ形態。

Mechivitius(メッキヴィティアス):
 大量のヴィークルを求める形態。

Meltamania(メルタマニア):
 大量のメルタウェポンを求める形態。

Fantasysuperiorosis(ファンタジースペリオロシス):
 40Kを戦術的でない馬鹿ゲーだと言う間違った認識に囚われ、頑なに40Kをプレイしない形態。

 これらを見てわかるようにSASの脅威は広範囲に及んでいます。 一般的には、完治する事はないのですが、ほとんどの慢性病のように対処をする事は可能です。 地元のWDCに問い合わせればあなた特有のSASを制御する方法が見つかるでしょう。

 あなたにはSASと思われる症例がありますか、またSAS持ちの友人を知っていますか?
 そうだとすれば、それはどんな形態ですか? またそのSASと戦う最も効果的な方法は何でしょう。



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 自分・・・合併症が出まくってる末期患者ですが何か(・3・)

 Hordeosis
 Codexcreepius
 Gunlineemia
 Bikevitius
 Plasmania
 Rerollsuperiorosis

あなたはニンジャ? それとも・・・(mixi日記再録

2010-09-18 14:10:22 | 雑文、ネタ、放浪日記

 以下は2009年12月19日のBoLS記事 ブシドー・レッドパンダ氏投稿のコラムの意訳です。
 Mixi上で紹介したものですが、見てない人もいると思うし、あともう一度自分で確認の意味を込めて再録って感じです。

 ~~
ゲームショップに集う多くのプレイヤーを見ながら、わたしはプレイヤー個々人のスタイルの根本には5つの基本スタイルがあると感じた。




①:ニンジャ

 ニンジャは暗殺術の達人だ。ニンジャのプレイスキルは敵を殺すという目的のためだけに存在する。
 彼らのアーミー作成は「敵を殺す」という目的のためだけに考えられたもので、組立やペイントといったモデリング要素でさえ、この目的に沿ったものであるらしい。
 彼らは対戦相手に対して常に小さなアドバンテージを取ろうとしている。そのためには気ままに全てのルールをねじ曲げようとさえする。
 ニンジャは全てのタイプのアーミーを使いこなしており毎週使うアーミーを変える事を好む。退屈しのぎのため、または相手を油断させるため、または自らの卓越した技術を信じるが故に、トレードなどで得た新アーミーを使うのである。
 彼らは自らの所有アーミーの中でもっとも強力な要素を選択し効果的でない方法を切り捨てる。ニンジャにとって「エキサイティングなバトル」という経過は何の意味も持たない、彼らは「敵を倒したという結果」にこだわり、それを栄誉と感じるのである。
 ニンジャは完成された暗殺術を持つが、そのスタイルは同じような趣向を持つグループとしか適合しないだろう。

②:サムライ

 サムライの技術は他の追随を許さない物だが、戦いにおいて彼らが全力を出す事は滅多にない。
 肥大した自尊心のせいか、とるに足らない敵を1人を倒すために自らが所有する奥義の全てを晒すべきではないという驕りともとれる厳格な信念をサムライ達はもっている。
 彼らは相手のアーミーを見るとすぐに、敵軍と自軍の戦力を比較検討し「勝利」という職務を遂行するためにどれぐらいの技を出すか判断する。
 もっともこの慢心が原因でサムライは勝利を逃す事も多いのだが・・・
 サムライはまた特定のアーミーについて技術を磨き、その道を極める事でも知られている。常に勝利までの道筋を考えている彼らにとって相手の編制云々は大して彼らの障害にはならない。
 サムライは意外とニンジャに近い存在である。彼らはニンジャと同じように対戦相手に小さなアドバンテージをとれるほどルールに詳しいがルールを曲解する事は彼らの厳格なる主義に反するためなかなかそれを実行できないでいる。
 そしてニンジャと同様にサムライもトーナメント方式以外の野試合をあまり面白い物とは感じていないだろう。 

③:ローニン

 ローニンとは主君のいないサムライ、信念の無いサムライである。
 元々からして志の無い単なるローニンのプレイヤーが多いのだが、数人はかつては偉大なプレイヤーだったらしい・・・あるものは長い間ゲームから離れたため、またあるものは彼のアーミーが流行の最先端から外れたため、自ら進むべき道を見失ってしまっているのだ。
 ローニン達はサムライやニンジャの双方と似た趣向を持つが、どちらにも分類できない者達だ。彼ら自身は強いサムライを目指しているのだがより楽なニンジャ側の手段を選ばないスタイルに流れてしまう事が多い。
 大体の場合、彼らは微妙な均衡で保たれたスリリングなバトル内容を好むようである。
 
④:モンク

 モンクはゲームのもつ全ての要素を楽しもうとしている。
 彼は敵を抹殺する事だけでなくゲームの中にある「美しさ」を追求し自らを高める事を望んでいる。
 モンクは真の戦闘職とは言いがたいが、彼らはどんな相手に対しても自身の美学を貫く事ができるだろう。
 モンクは特定の技術習得につまづいても、執着したり極めるまで努力したりはしない。彼らはプレイスタイルや情景モデルや小技についての持ちネタのレパートリーをどんどん新しいものに変えていきたいと考えている。
 モンクの強さは盤面に出ないものであり、モンクはバトルの内容やゲームの結果よりもゲームそのものに魅力と価値を感じている事が多い。

⑤:アーティスト

 アーティストはゲームのプレイよりも、ゲームする環境の方にストイックにこだわっているものだ。
 彼らは会場ではだらだらと暇を潰しているかそもそもその場にいない事が多い。
 彼らの持つアーミーを美しく仕上げる技術は戦士職からは引く手あまたの人気を誇っている。アーティストは戦士達の集まりの中に身を置きつつも、血塗れの戦場からは遠ざかる事を選んだ者達だ。
 彼らは戦闘で感じるスリルよりもゲームやモデルの持つ「美しさ」に熱狂しているのである。彼らはゲーマーコミュニティの中でも特権階級的扱いを受ける事が多い。

 ~~


 以下はコメント欄での自分の発言から抜粋です。

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 ⑥番目の分類
◆ドワーフ◆
 彼らはドワーフのもつ全ての保守的・堅実路線的要素を偏愛している。
 彼は敵を抹殺する事だけでなくドワーフの髭にある「美しさ」を追求 ~中略~ ドワーフはバトルの内容やゲームの結果よりもドワーフそのものに魅力と価値を感じている事が多い。

 ブシドーレッドパンダ氏も基本スタイルを5つに大別しているだけで細かいのは自分のブログで話し合おうぜ、的な事でまとめていますので意外とすんなり当てはまらない人が多いと思います。

 これはそもそもトーナメント指向の強いプレイヤーが多い海外で成立する五分類なので・・・野試合フリープレイがメインの日本だと③と④で事足りてしまいそうです。

 自分は間違いなくニンジャ、サムライ、ローニンのどれかですがニンジャが一番近いんですかね・・・ニンジャとサムライの部分は皮肉たっぷりに書いてあるので耳が痛かったですよ、ホントに。

 乱暴な分類のようで結構うまい事プレイヤーの生態を捉えているコラムだと思いました。
 あとこれは日本語に直訳すると原文のニュアンスが伝わりにくい文章で、正確な意味を伝えるには思ったより大胆な加筆が必要でした。翻訳は難しいですね。



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 こんな感じです・・・これ見てもよくわかると思うんですが、やっぱトーナメントがたくさん開かれている欧米では考え方、捉え方が随分違うと思うのですよ。
 格ゲーでいうと闘劇でしょうね、あんな感じのイベントが中心に据えてあるからこそ、ゲーセンでの対戦が盛り上がるんだと思います。

つかいわけ

2010-09-15 18:16:20 | 雑文、ネタ、放浪日記
実を言いますと、このgooブログ、本当に使いにくいんですよ・・・
 記事を編集する時の手間が、かかることかかること・・・長文書いた時にレスポンス悪いとかホント致命的・・・半端なブログサービスです。
 画像貼るのも一苦労なんで気軽に更新できねー、って感じなんですよ。
 消すのも勿体無いんで、ミニチュアゲーム関連の記事オンリー、という感じで変わらず続けようと思います。


 ・・・で、もうひとつブログ作りました。
みにちゅあほうろうき分家(仮



 上記の分家ではだらだら、それこそ本当に日記とか書いてmixiと連動させようかとか考えています・・・基本的になるべく毎日更新の予定。本当、適当な事とか書きます。
 ミニチュアゲームとは関係ない話題とか、ゲームとかアニメとかの感想とか妙な妄想とかがたっぷり出てくると思います。まあ興味のある人だけどうぞ、って感じです。
 分家で書いたエントリは草稿って感じで、ちゃんとした形でこっちに転載という流れでもいいかな・・・

フルペイントの功罪

2010-09-13 09:14:48 | 雑文、ネタ、放浪日記
 『コレクション+ペイント+ゲーム=ウォーハンマー』という勝利の方程式だかなんだかよくわからないGWJの宣伝文句がありました。三拍子揃った新しいホビー、という文句が後に続くのですが正直痛々しかったです。

何と言いますか、最近の日本の若者達に『ペイント』を楽しむという概念があまり無いので『ペイント』という言葉がぐるぐる空回りしちゃっているのです。これが痛々しさの原因。



◆ 模型をとりまく環境 ◆

 はい、こっから模型というホビーについての個人史観です、もろに余談なので別に読まなくてもいいです。

 タミヤとバンダイがデザイン的にも工業製品的に見ても素晴らしいプラモデルを大量に販売していて、家電量販店の模型コーナーにも模型用の工具や材料がこれでもかというぐらい並べられています。
 ただよく見るとガンプラは既にランナーの成型色が塗装するべき見本の色に近付けてありますし、ボールペンのような筆記具感覚のガンダムマーカーを使う事が推奨されています。墨入れをしてモールド部分を強調、ツヤ消しスプレーを吹くだけで設定画に近いモビルスーツが完成します。
 デカールの性能もとても素晴らしく、金属の部分には本当に金属部品を使ったり、チューブなどにゴム素材を使ったり・・・とにかく徹底的にいわゆる古式ゆかしい『筆塗り塗装』をする、という行程が省略されています。
 終いにはPC上でデザインした自作したデカールを貼り付けるという荒技までやってのけたり、ハンドピースで黒い塗料をぼかすように吹き付けて巨大感を演出するMAX塗りが流行してみたり・・・これは徹底的に『筆塗りペイント』を拒否しようとしているのだと自分は考えています。
 ガンプラ世代ですらこの有様なのですから、その下の若い世代はもっとすごい事になっています。ついには接着剤不要、パーティングライン落とす作業は不要、ニッパー無くても組み立てOK・・・これって物凄い『過保護』だと思うのですが・・・皆さんはどう思われますか。もうプラモ=ガンプラになっている世代からすると生まれた時からプラモは『過保護』状態だったわけです。
 これはバンダイプラモ事業部が子供達を塗装から遠ざけてしまったのではなくて、既にもう当時の子供達がプラモを塗装するという行為を放棄していた事に対するバンダイプラモ事業部なりの企業努力です。

 本当に子供達を塗装から遠ざけた一番の戦犯は某ホビージャパンやモデルグラフィックスのようなホビー雑誌です。
 当時、ミリタリーモデル上がりの熟練したプロモデラーはミリタリーモデル市場の停滞を打破できずに困っていました。そこで新たに爆誕したガンダムというアニメロボットのプラモデルに食いつきました。彼らはAFV塗装のノウハウを活かしてめちゃくちゃカッコイイ作例をバンバン出して、その作り方を紹介する記事を書きました。
 リアル仕上げなアニメロボット・・・これは本当に凄い出来事でした、エポックメイキングです。

 しかし、これが問題だったのは彼らの造形技術、塗装技術が高過ぎてハイレベル過ぎたものだから子供達は完全に自信喪失してしまいました。子供達にとっては作例レベルのガンプラというのは「手の届かない雲の上の存在」でした。「自分でペイントしてもあんなに格好良くならない」とあきらめムードになってしまったわけです。
 模型は自分で作って塗装して楽しむものから、他人が作った美麗な作品を観賞するもの・・・もしくは稼働ギミックをいじって遊ぶもの・・・
 昔はクラスで一番かっこよく模型が作れる子が尊敬されたもんですが、模型雑誌の作例が子供達の手からプラモの楽しみを奪い取り、芸術作品にしてしまいました。こんな感じで「自分で作る」から「かっこいい完成品を観賞する」というパラダイムシフトが起きてしまったのです。

 もうロボダッチとかタマゴローとか軍艦島とかには戻れません。
 このあたりから子供達の目がだんだんと肥えていき、近年のフィギュア萌えオタ、塗装済み完成品コレクターの増加という現象の土台が完成します。

 そういえば、世はアイドル全盛期・・・この辺でマクロスが放映されたような気がします。ミンメイアタックが効き過ぎちゃってゼントラさん達がこぞってアイドルオタになっちゃって銃を捨てた話ですが、これ・・・冷静に考えるとあんまり笑えません、まるで現在の模型業界を暗示しているようじゃないですか。あんなエロかわいい美少女フィギュアは自分で造れない、これは買うものだと割り切ったモデラーがデザインナイフと筆を捨てちゃういう流れと、武器を捨て戦闘をやめたゼントラーディー軍の兵士達・・・

 ミンメイアタックだけじゃなくてゲーム関係からの攻撃もありました。カセットビジョン、ファミコンが立て続けに発売され、もう少し時間が進むとセガmk2やスーパーファミコンなんかも出ちゃったりしてビデオゲーム市場が大変な活況になって子供達からプラモを塗装する時間を奪っていきます。
 そして同じ玩具業界からの攻撃も、もちろんあります。子供達の興味の対象はそれからゾイドのような動く模型や、あまり塗装を必要としない気軽に楽しめるSDガンダムのようなディフォルメ系模型に移ります。また鑑賞作品として考える層向けに出されたデュアルモデル、ハイコンプリートモデル、のような精巧な完成品へと興味が移っていき、近年の超合金魂やfigma、MSiA、リボルテックなんかの塗装不要な玩具の土台がこの辺で出来あがります。

 そんな中でしぶとく生き残った選ばれし勇者達は自ら作り上げる芸術作品としてのプラモデルを追求していきました。行き着いた先がボークスのモーターヘッドですね、完成させてる人は尊敬されます。しかし・・・ここでもまた筆塗り『ペイント』は推奨されていません

 実はモーターヘッドは筆塗りが下手でも根気よくスプレーワークを繰り返せば超絶格好良く仕上がるんです。


◆ 失われた文化:筆塗り ◆

 プロモデラーの作例がもたらしたのは、模型に対して正当な評価を下せる審美眼の育成とペイント作業の放棄、という事になります。ガンプラの製造技術は進歩していき、子供達にも格好良いものが作れるように、と素組みするだけで色を塗る必要がない模型が完成したのです。
 これは『筆塗り塗装』派から見ると発売元から大変なネガティブキャンペーンはられたようなものですが、ガンプラ的にはモデラーや子供達以外も気軽に購入できるため、間口が広がって売上げを伸ばしました。おかげでガンプラは未だに新作が発表されるロングランシリーズになったのです。




 まあ、こんな具合に日本の子供達や今のオタク世代は決定的に筆塗りを体験する機会がなかったわけです。
 そんな人達に向かって『コレクション+ペイント・・・』なんて言ってもただ面倒くさいだけなんです。自分で塗るという行程が如何に新規参入者を阻む障壁となっているのを認識できていないからこそ『ペイント』をウォーハンマーの魅力の三要素として紹介できたのだろうと思います。正直言ってこのキャッチフレーズは逆効果だったと思います、考えた奴誰だ・・・?
 
 タミヤミリタリーモデル世代からバンダイガンプラ世代に移った時に世代間断裂が起きて筆塗りという概念が失われた技術となり、格好良い模型は買う物というパラダイムシフトが起こっているわけですから、今の若者がウォーハンマーをやるためにアーミーを自作する、という行為は『大学入試センター試験を受けて有名大学の足切りを食らわないぐらいに点を取る』・・・程度には一大事なんです。
 我々のように既にミニチュアゲーマーとしてどっぷりハマりこんでいる人間は、自分が苦労した経緯を忘れて、そんな無茶を新規参入者に要求して『ミニチュアゲーム面白いよ、やろうよ』と勧誘しているのです・・・その辺をまずちゃんと理解しないといけません。
 ウォーハンマーで本格的にタミヤセメントや瞬間接着剤に触れるという人がいるぐらいですから・・・彼らには踏み出す勇気、背中を押してくれる風が必要なのです。


◆ 本音と建前 ◆

 ここからが本題です。
 ・・・みなさんが所属するコミュニティーにはモデリングに関する暗黙のルールみたいなものがあると思います。
 それは『ミニチュアをペイントしない内からゲームに投入しても良いものかどうか』という事です。
 この話題は危険な要素を多く含む話題なので、できうる事なら避けて通りたい話題なんですがどうも新規さんが増えない理由とかを考えるとどうしてもこれに行きついてしまうので記事にしておこうと思います。

 そりゃー、フルペイントが良いに越した事はありません。
 しかも凝ったペイントであればあるほど、ゲームボードは華やぎ、ミニチュアゲームの最大の特徴である「駒がそこに実在している立体物」というヴィジュアル的な長所を存分に堪能できる事でしょう。
 でもこれは建前です、タテマエ。虚飾なんです。

 本音。実際のところホンネとしてはミニチュアゲームを『対戦ゲーム』として楽しんでいる層がミニチュアゲームを引っ張り、ミニチュアゲームは彼らに支えられているのです。

 彼らはミニチュアの売上げで貢献し、普段の例会においても発売されたばかりの新ユニットをガンガン使ってゲーム内容が停滞しないようにプレイレベルを引き上げる牽引役を担っているのです。
 彼らは往々にしてペイントする時間を犠牲にしてミニチュアゲームを楽しもうとしています。こういう『ペイントを重要視しない』層はある意味ではミニチュアゲームとは相容れない存在であると思う人もいると思います。
 未塗装派、黒サフ派と言われる存在に眉をひそめる人も多いと思います。
 しかし、彼らを取り込まない限りはミニチュアゲーム人口の増加はあり得ません。
 それはミニチュアゲームがバリバリ遊ばれている海外を見れば明らかです。


◆ その笑顔の理由を考える ◆

 海外の動画を何本か見てもらうとわかるのですが、ペイント率はほぼ100%なのに、もうペイントのレベルとしてはすんげー無茶苦茶です、丁寧に格好よく塗ってる人の対戦動画なんてほとんど見かけません。これは模型的に目が肥えた日本人からすると酷い出来の作例なので『これならいっそ塗らない方が良い』というぐらいのレベルも存在します、こんなのを動画で全世界に配信するというのは日本人モデラーの脳ではちょっと考えられない蛮行でしょう。

 でも彼らは非常に楽しそうにゲームを遊んでいます、本当に楽しそうなんです。
 日本人は落第点をとって恥をかくぐらいなら最初からテストを受けずに白紙で答案を出す、みたいな逃避をやりがちです。でもそれは何か大切な物を見失っていると自分は考えています。
 芸術作品的には駄目駄目でもいいから自分のペイントした駒で遊ぶと、とても楽しいのです。

 はい、何を言いたいかわかった人もいるかと思います・・・要するにですね、アーミーブックやコーデックスに載っているかっこいい作例って言うのは、プラモを自分で作るという楽しい工作文化を子供達から奪ったプロモデラーの作例と一緒なんですよ。
 ですからあんな超絶作例に惑わされずに格好悪くてもいいからどんどん自分で塗って使って遊べばいいんです。自分で作るのが楽しいんです。カッコイイミニチュアを使うのが楽しいわけじゃないんですよ。


◆ 自分で塗装する自信が無い人へのメッセージ ◆

 フルペイントじゃない奴とは対戦したくねえな、とか厳しい事を言う人はファシストです、ミニチュアファシスト。地球の引力に魂を引かれている古い考えの人なんです。でもファシストの人達はすんごい努力してます、物凄い労力を払って他の趣味を犠牲にして自分のアーミーを製作しています。彼らはいわば教典の教えに誠実だった殉教者です、尊敬に値する人達ですから素直に尊敬して上げてください、ツンデレ美少女だと思って萌えてやってください・・・でもあなたが望まないのであれば、彼らの言う事に耳を傾けて彼らと同じようにならなくても良いのです。フルペイントが最高なのは当たり前です、ミニチュアゲームの建前としてはフルペイントであるべきなのです。
 でも、彼らとあなたは違うのだから彼らのように振舞わなくても良いのです。彼らは愚直に建前を守り、何年もかかって理想を成し遂げました。
 そうです、何年もかかっているんですよ。

 そんな数少ない選ばれし者である彼らには対戦相手が必要なのです、それがあなたです。

 イベント会場には誰もあなたのミニチュアに点数を付けて評価する人なんでいないんです。人にはそれぞれ向き不向きがあるのですから個人差が出て当然なんです、ペイントコンテストでもないのに他人にゲームの駒の出来不出来についてあれこれ言われる筋合いなんて本当は無いのです。

 そんな事もわからずに対戦相手のミニチュアに点数を付ける蛮行が某所で続いています。それが如何に無礼な行為であるか、GW公式のトーナメントは建前を大事にするあまり本質を見失っているとしか思えません。Cool Mini or Notのような批評を前提として投稿サイトで同じ趣味を持つ人達が楽しめばいいだけなのです。

 ガンプラはゲームの駒として使えないのでバンダイが技術力を注ぎこんで『ペイント不要』という過保護な方向へ進化させて生き延びました。
 しかしミニチュアゲームメーカーがそういう進化を遂げるためには、あと10年ぐらいは必要なんじゃないかと思います・・・だから我々はまだまだペイントを続けなければいけません。ペイントはミニチュアゲーマーにとって永遠の課題なのです。

 ミニチュアゲーマーはゲーマーでありながらモデラーとしての技量を求められています。両立している人は稀有な存在であり、尊敬に値するフリークであると思いますが、全員がそうでなくとも良いのです。
 スプレーにドライブラシとインクウォッシュだけで済ませた塗装でもいいじゃないですか。なんか一色でも色がついてベースデコレートやってりゃそれでいいんですよ。

 『ペイント』は苦行ではないのです。

 アーミーを完成させた喜びというのは何にも勝ります。
 だから『ペイント』をしましょう、少しずつでも良いのです。
 1~2年間ぐらい黒いスプレー吹いただけで放置しても構わないのです、気が向いた時にやりましょう。もうそれこそ10年ぐらいかけてペイントしたって構わないのです。

 自分が皆さんに贈る言葉は一つです。

『enjoy!』

 これだけです。




◆ 我々はどうすれば? ◆

 ズバリ。
 未塗装アーミーとフルペイントアーミーが一緒に遊んでいる場面を新規さんに見せる事です。未塗装アーミーも、フルペイントアーミーもゲームボード上では等価値だという事を示す必要があるのです。
 アーミーに貴賎なし、です。

 あるベテランの話ですが、彼は塗ってないミニチュアで楽しそうに遊んでいる人をイベント会場で見かけてとても勇気づけられてミニチュアゲームを本格的に始めたそうです。もし、全員がフルペイント状態だった場合、彼はもしかしたら『自分には無理だ』とあきらめていたかも知れません。
 最終的にはフルペイントにする、という建前も大事ですが、そういう価値観を押し付けずに未塗装も許容する心構えが必要です。
 そして未塗装ミニチュアだけで遊んでいるのはよくありません。新規さん達が先ず心惹かれるのはカッコイイミニチュアがずらりと並んでいる光景なのですから。お手本としてのフルペイントアーミーが例会の会場には必要なのです。


 かくいう自分の話ですが、ネットで作例を見たり、アーミーブックに載っている美麗なミニチュア群を見て自分の塗ったものと比べてそのレベルの違いに愕然としていました。『こりゃー、自分には無理だ、やめよう・・・』と真剣に悩んだものです。しかし、ある日旅行先のイエローサブマリンに立ち寄った時、ショーケースに飾ってあったムラだらけの小汚い塗装を施されたミニチュアを見ました・・・自分が初めて他人が塗ったミニチュアを見た瞬間でした。『ああ、これ・・・自分と同じぐらいのレベルだ・・・それでもちゃんとベースデコレートまでして完成させてる・・・下手でもいいから完成させるって大事なんだなぁ』とすごく勇気づけられました。
 その日から頑張って途中で投げ出していた最初のスケイヴンユニットを完成させました。今見ると恥ずかしいぐらいショボいんですが、当時は最高だと思って誇らしげだったのを良く覚えています。

もしも・・・美麗ペイント、フルペイントという価値観だけに縛られていたのであれば、先の話に出てきたベテランさんや自分はミニチュアゲームの世界に踏み込む前にやめていたと思います。

 極端な言い方をすると、我々の遊んでいる姿を見て、彼らはこの世界に足を踏み入れるかどうかを決めるのです。
 新規さんが増えないのは我々にも責任があるという事を忘れないようにしましょう。

 愚痴ばかりこぼしていないで、我々の遊んでいるゲームの『楽しさ』を外に伝える努力をしましょう・・・! なんていうか一番愚痴っぽい事言ってる自分には言われたくないでしょうけどね(苦笑)
 
楽しそうだなぁ、と思われたら勝ちなんですよ!


◆ おまけの愚痴 ◆

 愚痴ばかりこぼしていないで、とか言っていきなりこれで申し訳ないんですが・・・
 自分が昔から気に入らない事があります、何度噛みついても訳のわからない言葉で煙に巻かれて要望を受け入れてくれません。それはGWJのサイトで取り扱われる画像です。顔だしOk趣味人の作り笑顔とか別に見なくていいんです。なんで肝心のアーミーの画像が写されていないのでしょうか。
 格ゲーで言うなら、誰もウメハラダイゴやヌキ、マゴやときどについて、プレイヤー本人達の顔を見たいわけじゃないんです、彼らの使うリュウやゴウキのスーパープレイが見たいんです。

 趣味人が時に楽しみ、時に悩みながら作った成果物を発表する事が、それを見た新規参入者がミニチュアゲームの世界へ飛び込む勇気に繋がるのです、背中を押す風になるのです。

 たとえばそれがショボい塗装でもいいんです。同じようなレベルで悩んでいるかつてのわたしのような人がそれを見たら『あっ、これでもいいのか、僕の下手クソなミニチュアでも公式で取り上げられてもらえるんだ』と勇気づけられるのではないでしょうか。

 人の笑顔を見せるのは大事な事です、しかし、肝心のミニチュアが小さ過ぎて画像からは何が何だか判別できないのでは本末転倒ではないでしょうか。

 GWJのホームページはかつてのわたしや、とあるベテランさんのような、自分に自信が持てない人達の気持ちを全くわかっていません。悪い意味でミニチュアファシスト的なページです、彼らはもう少し色々な人の気持ちを考えてページを作るべきです。

 そういう点ではRmanさんのミニチュア愛に溢れた画像投稿サイトはとても優れていると思います。なんというか長い間続けた、という事そのものに価値がありますよね。
 あそこでいろいろな作例を見たり、色んな人が自分のペースで塗装やコンバージョンを楽しんでいる生の姿を見られるから、モチベーションが維持できている、という人もいる事でしょう。 
 そういう場所があるから、我々が未塗装ミニチュアを撮影したイベント画像を堂々とブログに貼り付けたり出来るわけです(笑) ありがとうございます(・・・ちょw オマエも塗れよw というツッコミは無しで)

流血島で遊ぶには・・・?

2010-09-10 21:02:58 | ファンタジーバトル
 何かおかしいぞ? 

 海外版の流血島、Island of Bloodを買ってる欧米の人達、というのはどういう人が多いのでしょうか。そしてGWはどういう人にこのセットを買ってもらいたいのでしょうか。
 それが垣間見える出来事があります。


 アイランドオブブラッドの内容物で遊ぶ際に便利なリファレンスシート、PDFでダウンロードできるようになりました(下をクリックしてね)

 リファレンスシートのページ
 



 自分は別に気にもとめなかったのですが、ざんじさんがツイッターで『スターターなのにユニットのデータが不足していて単独で遊べないw』という指摘をされていて、それで初めて『ああ、これって別に新規の客向けに作ったボックスじゃないんだ・・・!』という事に気付きました。

 日本語版環境のようにPDFでアーミーブックまでダウンロードできる異常な状態ではない普通の国では、アーミーブックを買うまでスケイヴン戦力の事が良くわからないので、ランクボーナスでLd値が上がりません・・・となると基本スペックの低いLd値のままで戦わなければいけません・・・こんなのスタボーンでもすぐ逃げるじゃないですか・・・!
 しかもスケイヴンマジックの事がわからないからレベル1ウィザード扱いでウォーロックエンジニアーを使用しなければならないし・・・

 各モデルの能力値は154p以降に書いてあると思うのでそこは何とかなると思うのですが・・・それでもやっぱり単独のボックスゲームとして成立しないのはちょっと問題があると思います。
 これが地方のデパートの玩具売り場とかに置いてあると考えてみてください・・・この不備はさすがに痛いと思いますがどうでしょうか。


 セット付属の小冊子をよく見ると詳しい事が知りたいならアーミーブック買え、的な事が書いてありますが・・・さすがにミニゲームのリプレイはきっちり載せておくべきだったような気がします、いくら拡張が前提のゲームとはいえ・・・
 どうも自分にはこのスターターが40KプレイヤーにFBをやってもらいたいがために作ったセットのように思えてきます。


 試しにリファレンスシートに書いてあるミニチュアのポイントを計算してみました。

◆スケイヴン 634ポイント

120p クランラット20体:スピア、シールド、フルコマンド
110p クランラット20体:シールド、フルコマンド
65p ポイズンウィンドモーター
70p ワープファイアスロワー
88p ラットオウガ2体+パックマスター
73p ウォーロックエンジニアー:レベル1ウィザード、ピストル(何故かハルバード装備?)
108p ウォーロード:ハルバード、タリスマンオブプロテクション


◆ハイエルフ 953ポイント

191p プリンス:ランス、アーマーオブフォーチュン
200p グリフォン
115p メイジ:チャネリングスタッフ
155p ローザンシーガード:シールド、フルコマンド
180p ソードマスターオブホエス:フルコマンド
112p エリリオンリーヴァー:ハービンジャー、スピア、ボウ


 ものすごく不平等な気がするのですが気のせいでしょうか(苦笑)

 しかもハイエルフは基本ルールである編制ルールに違反しています。グリフォンに騎乗しているため、ロード枠で391pも使っている計算になります、これはアーミーのポイントの41%に当たります。

 アイランドオブブラッドには、セットのミニチュアを使って基本ルールを覚えさせよう、というこれまでのスターターセットに見られた初心者、新規参入者へのアプローチがありません。
 代わりにアイランドオブブラッドには派手なモンスターや40Kには無い要素であるウィザードが入っています・・・邪推に過ぎませんが、これって40Kプレイヤーへのアプローチなんじゃないでしょうか。

 そんな事を考えさせられました。


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 更新ネタを譲っていただいたざんじさん、ありがとうございました~。