あそこに誰かが生きている。 How goes it with you?

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旅の記憶。

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そして、
今後の話。

小さな旅(3)

2016-12-23 23:11:00 | Travel (Okinawa)




高速船のデッキからは

神秘的な慶良間諸島の島々を

遠望することができる。


昨日は友人とその友達で

飲んでいたのだけれど、

その友達の勧めから

慶良間諸島の阿嘉島に

行くことになった。


当初の予定では

沖縄諸島に位置する

久米島に行こうとしていたのだけれど、

久米島より友達が話す阿嘉島に

魅力を感じてしまい、

久米島は次の機会にして

阿嘉島に行くことにした。


行くことを決めると

アルコールが入ったこともあり、

テンションが上がってそのまま朝まで

友達共々飲み明かしてしまい、

案の定午前中の便には乗れず、

午後の便で向かうこととなった。


出航は友人の実家から近い

泊港からで、阿嘉島までは

高速船で約40分程度。


2~30分波に揺られていると

幾つかの小さな島々が見えてきて、

その光景には映画ジュラシックパークの

オープニングを彷彿させるかのような

壮大さが含まれている。


男子なら心躍ること

間違いなしの光景だ。


高速船は島と島の間を縫いながら

阿嘉島の小さな港に近付いてゆく。


船着き場には幾人かの人たちが待っており、

みんな宿泊施設の関係者だろうと推測できた。


高速船は無事に着き、

船を下りると予約していた民宿の

名前が入ったプラカードを持った

男性を見つけて近寄った。


男性は50代ぐらいの痩せ形で、

笑った時にしっかりと

日焼けをした顔から覗かせる

白い歯が特徴的だった。


その男性が運転する民宿の

白いワンボックスカーに乗り、

民宿まで細い道を通りながら向かう。


乗車時間は5分も掛からず、

これなら歩きでもいいのにな~

と思ったりもする。


民宿は宿泊場所と食堂が

別棟にあり、二階にある宿泊部屋は

畳6畳のシンプルな部屋だった。


窓からは青い海が展望でき、

そのロケーションは部屋の

シンプルさとはかけ離れている。


荷物を置き、

一通り説明を聞き終えると、

手ブラで散歩に行くことにした。


民宿から1分もかからない場所に

前浜ビーチが広がり、

珊瑚礁の破片が綺麗に広がった

浜辺を歩くことに多少の戸惑いを

感じながらもゆっくりと歩いた。





珊瑚礁の擦れる音が

心地よく感じる。


浜辺から防波堤に上がると、

狭い路地に入った。

両脇には赤瓦の特徴的な民家や

神社が立ち並び、そのどれもが

僕を現実から遠ざける。




路地を抜け、

先ほどの船着き場に出てからは

海岸線を歩いた。


15分ほど歩くと岩場に囲まれた

ビーチがあり、何気なく岩を登ると

その下に釣り人がいたので写真を

撮ってもらった。











つづく

小さな旅(2.5)

2016-12-20 00:34:07 | Travel (Okinawa)





ただ街を歩いている。


知らない街の空気や

雰囲気というものは

ただ歩いているだけでも

どこかのテーマパーク程に

心が躍るものだ。


海辺、高架下、裏路地・・・・


どの場所も

非日常を演出してくれる。



1時間程歩くと

汗でTシャツが体に纏わりつき始め、

そのころには二日酔いも

すっかり無くなっていた。


途中、コンビニで

ボディタオルを購入し、

歩きながら全身の汗を拭きとる。


その後も

休憩を挿みながら歩いていると

人通りが多い道へと出た。


アジア系の旅行客が多いことも

あるので観光地だと感じたが、

そこが国際通りと気づいたのは

少し後のことで、

知らず知らずに横道に逸れて

薄暗い路地へと入っていくと

小さな古本屋を見つけたので

入ってみることにした。


畳二畳ほどの店内は

半分が新しい系の本で

残りの半分が沖縄を題材にした本が

並べられている。


沖縄を題材にした本は

歴史系しか読んだことがなかったので

絵本や俳句、民謡などの本を

読むのは楽しく、多少の驚きがあった。


30分ほど立ち読みしていると

畳二畳分しかない店内で長居していることに

若干の罪悪感が出てきたので、

直感で二冊を決めて買うことにした。






後々読んでみたら、

この二冊ともかなり面白くて、

沖縄という風土が

何となく伝わってくるし、

ユーモアに溢れていて

読んでいて飽きがこない。



古本屋を出てからも

路地の散策は続き、

魚屋や八百屋などでは

沖縄県らしい色とりどりの

食材が並んでいて、

見ているだけで

食欲がそそわれる。


そういえば今日は何も食べてないと

気づいたのが丁度その時で、

時間を見てみると友人と

待ち合わせの時間まで約一時間ほど

ということもあり、

ここは我慢して友人との

待ち合わせ場所に向かうことにした。



路地は夕食の材料を買いに来た

人達で賑わいが増してきている。










つづく














小さな旅(2)

2016-12-17 00:02:14 | Travel (Okinawa)



目覚めると自分が

どこにいるのかという問題を

考える時間が必要だった。


軽い頭痛が僕を襲う。


天井板の木目が何故か

気になってしまい、

少しの間眺めていると

自分の現状が徐々に分かってきた。



昨日、首里城を後にし、

近場をぶらぶらと散策してから

待ち合わせの美栄橋駅に行き、

何年ぶりかの友人と再会を果たした。


友人は幾分か太った感じがしたものの、

沖縄人特有の彫りの深い顔は

数年経っても変わりなく、

その無邪気な笑い方が場を和ませる。


僕らは再会の喜びのまま、

近場の居酒屋に入り、

会わなかった時間を埋めるように

お互いの話を交互に繰り返した。


数年という年月はそう端的に

まとめられるものではなく、

長い話を肴に酒を何杯も頼み、

胃に流し込んでいった。


それでも話は尽きず、

二件目、三件目と梯子をして・・・

と、ここまでは何となく覚えている。


その後どうしたのだろう?


考えながら、

喉の渇きがあったので

とりあえず上体を起こしてみると、

隣の部屋のソファーに腰掛ける中年の

男性が目に入ってきた。


その瞬間、記憶が戻った。


ここは友人の実家で、

ソファーの男性は友人の親父さんだ。


即座に立ち上がり

昨晩の非礼を謝ると、

にっこりと友人と同じ笑顔を返された。


その後、シャワーを借りて

目を完全に冷ますと親父さんに

一言言ってから外に出た。


時間を確認すると

すでに午後3時を回っている。


友人はたぶん仕事で、

また夜に合流することに

なっていたと思うから、

それまでどう時間を潰そうかと

迷いながら

知らない街を歩いてゆく。


沖縄に飛び立つ前に考案していた計画は

二日目にしてすでに崩れていたが、

それもいつものことと開き直る。





空は澄み渡るような晴天で

路上の猫は気持ち良さそうに

寝転んでいる。












つづく



小さな旅(1.5)

2016-12-15 23:24:27 | Travel (Okinawa)



首里城までは携帯のMAPを見ずに

道路脇にある看板を目印に進むことにする。


目印にするといっても

首里城は遠いことろにあるものの

見える範囲にあるので

特に迷うこともない。


それでも幾分かの距離があり、

汗は止めどなく流れ落ちるので

その都度タオルで拭うのが面倒だった。


交通量の多い場所を少し歩いて抜けると、

落ち着いた雰囲気の場所に出ることができ、

左側には小さな池が見えてくる。


その池にはアヒルのような見た目なのだが

顔が赤く、胴体は白い鳥が数羽池の畔で

体を休めていて、

どうもその鳥が気になった僕は

逃げられないように徐々に近づいてみたが、

人間慣れしているのか全く逃げる素振りをみせない。





近くで見てみても

なんとも不思議な鳥で

少しの間見入ってしまった。


ふと、我に返り鳥に別れを告げて

再び首里城を目指すことする。


池から首里城まで差ほどの距離はなく、

狭い坂道を登ると有名な守礼門が見えてくる。


真下まで来ると、

その異文化的要素を含んだ建造物が

とても威厳に満ちた表情を見せてくれる。





守礼門を過ぎてからは

歓会門などをゆっくりと見て廻り

正殿へと向かう。


約9年振りに見る正殿は

あの頃より壮大で尚且つ温かみを感じる

姿でそこに建っていた。





現在の首里城は1980年代から

再建されたもので、

オリジナルは現在の首里城より

遥かに巨大だったというから

その当時の琉球王国の

繁栄を想像することができる。


正殿の内部に入ると、

本土の城との違いが多く、

見ていて飽きることがない。


時間をかけながら、

9年前に知ることのできなかったことを

頭の中に浸透させていく。


その後、

十分に内部を回覧してから正殿を後にし、

外の那覇が一望できる場所でしばしの

休息をとる。


どこまでも透き通った空に

微かな風が何とも心地よい。





この爽快感は南国でしか感じることが

出来ないものだあろう。


休憩後、

また城内を見て歩き首里城を後にし、

再度来た道を歩いて駅まで向かう。


その途中で喫茶店に寄り、

冷たいアイスコーヒーで喉を潤しながら

50代くらいで人の良さそうな女性店員に

池の鳥について質問してみると、

鳥は「バリケン」と言い、外来種で

迷惑しているとのことだった。


やはり現地人と観光客とでは

動物の見方も違ってくるもので、

沖縄では迷惑者でも僕からしたら

何とも愛嬌のある鳥に見えていたから。



アイスコーヒーを飲み終え

喫茶店を出ると、空がオレンジ色に

なり始めている。


その風景もまた

普段と違う光景であり、

僕の心を躍らせる。
















つづく