あそこに誰かが生きている。 How goes it with you?

日々の感想。

旅の記憶。

自由時間。

そして、
今後の話。

旅(あとがき)

2015-10-05 17:41:57 | Travel memories



「人間は人生において度々立ち止り、
人生で選択してきたものが間違っていないかを
確かめる必要がある」


題名は忘れたけれど、
ずっと昔に読んだ小説か何かに
載っていた言葉だ。



今回の旅は、
その「立ち止った」ところからの
スタートだった。




目標もなく、
仕事場と家を往復をするだけの日々に、
何処か疑問を感じていたのだけれど、
それが普通の人間だと思い続けてきた。


「疑問」を覆い隠していたのは、
たぶん社会のレールから外れるのを
恐れていたからだと、
今は理解が出来る。




しかし、
その時は「疑問」が日々の仕事や私生活を
続けるうちに膨れ上がってきていたことには
気がついていなかった。



ギリギリまで膨張した「疑問」と言う風船は、
何気ない軽い衝撃で爆発(退社)してしまった。




上記の経緯があり、
旅のスタートは重苦しい気持ちでの
スタートだった。



旅の途中、山道などが辛くて
何度も引き返しそうと思ったけれど、
人生で何度も逃げ出している僕には、
これが最後のチャンスだという思いがあり、
その度に引き返すことを思いとどまらせた。



日々の体力的な疲れで、
重苦しい感情を考える暇がなく、
いつ頃からか、感情のコントロールが
とれるようになってきていた。




この旅での一番の収穫は、
趣味の歴史地が見れたことでも、
美味しいものが食べれたことでもなく、
自分自身と話す時間が膨大にあったことだと思う。



始めはそれが分からなかったのだけれど、
進んでいくうちに徐々に分かってきた。



このイメージと感じたことは、
今後も忘れないようにしたいと、
切に願う。







辛いことが8割以上な旅だったけれど、
その辛かったことのおかげで、
楽しかった2割が異常に印象深いものに
なったことも確かだ。





「旅」を掲載するときには、
日記を読み返しながら文章にしていくのだけれど、
キーボード叩いている合間合間に
あの日の光景が瞼の裏に蘇る。



どれも忘れ難い思い出たちだ。








「旅をしたら人生が変わる」


よくそういったことを聞くけれど、
僕自身は何も変わっていないと思う。


でも、
何処か分からない部分で
変わっているんだと思うようにはしている。










最後に、
今回の旅でお世話になった方々、
そして、僕の文章能力に乏しい「旅」を、
最後まで読んでいただいた方々に感謝を
申し上げたい。


これから何処に進むかをまだ、
決めあぐねているけれど、
今後ともBLOGを通して
見守っていただければ幸いです。


























旅(Last day 2/2)

2015-10-04 18:15:33 | Travel memories


眠気を打ち払い、
美術館を後にした。



帰りは高速バスで帰るつもりだけれど、
乗車時間までは、
まだかなりの時間があった。



とりあえず街を
ぶらぶら歩いて散策することに。



歩いていると、
いつも間にか周りには武家屋敷が
立ち並んでいた。



情緒ある塀が何処までも続き、
江戸時代にいるような気分になる。


江戸時代では、
塀の下に埋め込まれている石の段数で
身分が分かったのだとか。




狭い抜け道のようなところを
進んでいくと、
前方に小学生の団体が道を塞いでいた。



校外学習なのか、
先生らしき人が大きな声で説明をしている。


僕が近づくと、
先生が気づいて小学生たちを
道の横に移動させれくれた。


小学生たちが立ち並ぶ前を通る時に
光る瞳が怖いと感じた。



小学生の光る瞳が怖いと感じるのは、
汚れちゃった証拠なのかもね。




その後は、
一時間ほど城下町を散策してから、
途中で見つけたカレー屋で昼食を取ることにした。



旅、最後の食事は牡蠣カレー。



濃厚な牡蠣のうまみを堪能して
店を後にした。



少し歩いて金沢駅に辿り着き、
お土産屋を一通り見てからバス停へ。




すぐに指定のバスが来て、
3列独立シートの前方左側の席に着いた。


出発すると徐々に景色が変わっていき、
いつの間にか高速道路に入っていた。





長い時間、窓越しに見える山並みを眺めながら、
今回の旅を思い出していた。




旅の途中から、
この日々が永遠に続くような錯覚に
陥ることが多々あった。


その錯覚から覚めようとしている
今、この時間が異様に淋しく感じる。



感傷に浸る気持ちはないのだけれど、
心の整理がうまくできない。



そんな僕の気持ちを
無視するようにバスは進む。



煌々と照らし出す太陽光が、
木々の葉に反射して眩しく感じながらも、
目を細めることを忘れて、
呆然と外を眺めていた。






















終わり













旅(Last day 1/2)

2015-10-02 18:09:18 | Travel memories


目を擦りながら時計を確認すると、
指針は午前7時を指していた。



チャックアウトまでは時間があったのだけれど、
外の晴れ模様を見たら、
異様に外を歩きたくなり、
急いで支度を済ませホテルを出た。



涼しい風が吹く朝の金沢の街を
目標もなくただ歩く。



ホテルがあった場所は金沢駅から
離れていて、歩いている道は城下町ではなく
ビルが立ち並ぶ繁華街。



店はまだ空いておらず、
出勤のサラリーマン達が僕とは
逆方向に歩いて行く。



少し歩いていると、
ビルの一階部分にカフェを発見したので、
そこで朝食を食べることにした。



朝からホットドックとボリューミーな朝食。


食べ終わると、
少しの間コーヒーと煙草を味わいながら、
街行くサラリーマン達を眺めていた。


サラリーマン達を眺めていたら、
働かないで旅をしている自分に
若干の焦りと険悪感を感じてしまったので、
その感情を祓う様に会計を済ませて再び歩くことにした。




知らない道を歩いていると、
石段の上に神社らしき建物を発見したので
登ってみることにする。



石段を登ると、
ヨーロッパ風の時計台があり、
その時計台の下を潜ると目の前に仏閣が建っていた。





横には前田利家の銅像。






調べてみると「尾山神社」といい、
前田利家を祭る神社ということだったので、
お賽銭を入れて手を合わせた。


仏閣の左側には池があり、
池の前に合ったベンチに座りながら
鯉を眺めた。





こういう時間が一番幸せだな~。

そう思いながら長い時間、
無邪気に泳ぐ鯉を眺めていた。




気づいた時には時間はかなり進んでいて、
急いで本日の目的地である「21世紀美術館」へ向かう。


今度はしっかりとMAPを
確認しながら向かうことにする。


美術館は尾山神社から30分程度の場所にあり、
チケットを購入して館内へ。


館内には金沢を拠点に制作活動をしているアーティストたちの
作品が展示されていて、
それをじっくりと見ながら進んで行くと、
お目当ての「スイミング・プール」に辿り着いた。







プールの底から見える外の光が美しい。

それに変な感覚に陥る。



もう少しその場に留まりたかったのだけれど、
他のお客さんの迷惑になると思い、
外に出ることにした。



外には鉄製の歪な形をしたベンチがあり、
そこに腰掛けてタバコに火をつけた。



温かい陽気が眠気を誘う。



のんびりしながら、
こんな時間がずっと続けばいいのにと
本気で思ってしまう。















つづく































旅(31日目2/2)

2015-09-30 16:09:27 | Travel memories


金沢駅に到着したのは午後3時頃。



人混みが凄まじい構内を、
人をかき分けるようにして東口に向かう。



東口をやっとの思いで出ると、
目の前にスタイリッシュなデザインの「鼓門」が
立ちはだかっていた。



見たことのないデザインの鳥居に
圧倒されて、
少しの時間見入ってしまった。


鼓門の前では、
観光客たちが記念写真を撮っている。




先輩と合うのは、
先輩の仕事が終わってからなので
まだ時間は充分にある。




どこに行こうか少し迷ったけれど、
とりあえず金沢城に行くことにした。


徒歩で金沢駅から徐々に離れると、
段々と城下町の風情が感じられるようになってきた。

石畳の歩道を歩きながら、
古民家が立ち並ぶ道を30分程度歩くと、
金沢城に着く。



金沢城は加賀百万石「前田利家」の城で、
天守閣は火災と外様大名として
家康から睨まれない様にする為に再建されていない。



中に入ると、
広大な芝生の公園が広がっていて、
歩道もあるのだけれど、
なんとなく芝生の上を歩くことにした。



風で揺れる芝生の上を歩いていると、
なんとも清々しい気持ちになった。


そのまま芝生の上を進むと、
今年、復元されたばかりの橋爪門が
見えてきた。


なんとも重厚感があるその門は、
入るものを威嚇するように建っていた。





城内に入ると、
広々とした敷地内に
数々の建物が立ち並ぶ。





その城内を妄想に浸りながら、
次々と見て歩き、
さぁ兼六園を見ようと思った時に、
まさかの閉城のアナウンス。


時間を確かめると
あと10分で閉城時間の5時だった。


残念な気持ちを押し殺しながら、
急いで金沢城を後にする。



その後は、金沢駅周辺に戻り、
工芸品などを見て回った。




午後7時を少し回った辺りで、
先輩から連絡が入り、
指定の場所で合うことができた。


近くの居酒屋に入り、
久々の再会を喜び合いながら
昔話に花が咲いた。


3年ぶりなのに、
全然変わらない先輩の対応に
感動を覚える。


そのまま4時間ぐらい
昔話を肴に飲み続けて店を後にした。



先輩は明日も仕事なので、
駅まで送り、改札前で別れた。


別れ際に「次は早めに連絡しろよ。」と
言いながら先輩は行ってしまった。


今回は弾丸で3日前に連絡したので
先輩は休みが取れなかったのだ。




先輩を見送ると、
緊張が解れたのか酔いが回ってきた。


駅前でタクシーを拾い、
先輩が予約を取ってくれた
ビジネスホテルに向かう。



やっぱり最後は人と人なのかもね。


ふとタクシー内で考えてしまう。



ホテルに着いてチェックインを済ませると、
部屋着に着替えて、
そのままベッドに倒れこんでしまった。



本当にいい身分だ。




















つづく













旅(31日目1/2)

2015-09-28 16:25:23 | Travel memories



目を覚まし、
いつものようにベランダでコーヒーを
飲みながらタバコを燻らせる。



本日も快晴。

梅雨はどこへやら。



吸い終わってから室内に入ると、
スーツ姿の友達が合鍵を渡してくれた。

友達は今日から仕事。



僕は午後の電車で金沢に向かうので、
出て行く際にポストに入れていくのだ。


時間がぎりぎりなのか、
友達は「また来なよ」と一言言い残し、
忙しく仕事に出て行った。




他人の家に一人残った僕は、
マンション裏の駐輪場に停めている
自転車の掃除をすることにした。


ここまで走り抜けた自転車は
泥だらけになっている。



濡らしたタオルで全体を吹いてから、
乾拭きをして終了。

錆びたチェーンは帰ったら買い換えよう。


その後、タイヤを外したりの解体をして、
友達に指定された室内の場所に移動する。



後で送ってもらうのだ。




終わってからは室内でのんびりして、
時間より早めにマンションを出ることにした。


自転車の他に、
要らない荷物は後で送って
もらうことにしたので、
荷物は軽いバックパック一つ。


自転車がないことに
若干の違和感を覚えながら、
阪急電車に揺られて大阪駅に到着。



混雑している駅構内で
金沢の先輩に持っていくお土産を選び、
金沢行きの特急列車サンダーバードに乗り込んだ。


出発してから1時間程過ぎると、
市街地を抜けて琵琶湖が見えてくる。








何処までも続く琵琶湖を眺めていると、
なんだか泣きそうになった。


そんな僕の気持ちを無視するように
電車は幾つもの景色を通り過ぎて行く。


福井県に入り、
ふと停車駅の外を見てみると
顔が恐竜の銅像に少年が乗っているのを見つけた。





その少年の姿に、
少年時代の自分を照らし合わせると、
当時やっていたこととかを思い出し、
恥ずかしい気持ちが込み上げてきた。


あの時は何にも考えていなかったな。





電車は黙々と目的地へ進んでいく。





















つづく