「「「あ、メールだ」」」
13:10から始まる昼間部1時限目は14:00に終了する。その終了チャイムと共に昼間部2時限目の必修英語Aが臨時休講となった事を伝えるメールがその講義を取っている生徒全員に配信される。
一年前期の必修講義なので今この教室に居るほぼ全員が該当する。
「やったぁ! あのセンセ厳しいんだもん」
「(正)担任だからって威張ってんじゃねーよな」
あゆ達の正担任の男性教師はあまり生徒から人気がなく教室のあちこちから休講を喜び人格を非難する声が上がる。
「あゆ、何、変な顔しているの?」
恵子があゆの顔を覗きこむ。
「崇谷家との最終和解会議がもつれているのかも?」
「祟るわねー」
洸が会話に加わる。
「うちもアニメショップでイタタタなお客さん居るじゃない? 女性店員へのストーカーとか」
「何それ、体験談?」
恵子が笑いながら応える。
「ううん、先輩でね、小銭のお釣りを相手の手を握るように渡す人がいてさ」
「ああ、それはだめよね、三次元の女の子に縁のない人相手には」
あゆは自分の家の店と客層が被るので思わず頭を抱える。
「あれ、うちはそうしているけど? そうするようお祖父ちゃんが言うよ」
「恵子のところはお酒を出す店への卸売りや通販中心で店頭で買うのはほとんど近所のお得意様だけでしょ? 店頭は平和よね」
あゆは恵子の店で扱う珍しい地酒等の通販システムはあゆとその父で構築したので内情をよく知っている。
「ああそうか、そうよね。昔立ち飲みコーナーがあった頃はやっちゃばの勤め帰りの人がクダ巻いてお祖母ちゃんが大変だったって言ってたな」
「やっちゃばか、懐かしいな俺ちょっと出入りしていたんだ」
昼間部夜間部ならどこのクラスにも少数居る年配同級生が不意に話しかける。
「ああ、急に話しかけてごめんな、じゃ行くわ、俺は三年目なんだが単位(取得)不足で一年目の子の教室にも出入りしてんだ」
「「「がんばってねー」」」
自分の娘世代に見送られて気分よく他の教室に向かう彼であった。
そして入れ替わりにあゆと同年代男子生徒が入る。
「酒屋が手を握ってお釣り渡すのはアル中で手が震えるお客さん、うちの養分になってくれてありがとうって意味だろうが!」
「嵩谷君!」
あゆが反射的に勢いよく立ち上がる。
13:10から始まる昼間部1時限目は14:00に終了する。その終了チャイムと共に昼間部2時限目の必修英語Aが臨時休講となった事を伝えるメールがその講義を取っている生徒全員に配信される。
一年前期の必修講義なので今この教室に居るほぼ全員が該当する。
「やったぁ! あのセンセ厳しいんだもん」
「(正)担任だからって威張ってんじゃねーよな」
あゆ達の正担任の男性教師はあまり生徒から人気がなく教室のあちこちから休講を喜び人格を非難する声が上がる。
「あゆ、何、変な顔しているの?」
恵子があゆの顔を覗きこむ。
「崇谷家との最終和解会議がもつれているのかも?」
「祟るわねー」
洸が会話に加わる。
「うちもアニメショップでイタタタなお客さん居るじゃない? 女性店員へのストーカーとか」
「何それ、体験談?」
恵子が笑いながら応える。
「ううん、先輩でね、小銭のお釣りを相手の手を握るように渡す人がいてさ」
「ああ、それはだめよね、三次元の女の子に縁のない人相手には」
あゆは自分の家の店と客層が被るので思わず頭を抱える。
「あれ、うちはそうしているけど? そうするようお祖父ちゃんが言うよ」
「恵子のところはお酒を出す店への卸売りや通販中心で店頭で買うのはほとんど近所のお得意様だけでしょ? 店頭は平和よね」
あゆは恵子の店で扱う珍しい地酒等の通販システムはあゆとその父で構築したので内情をよく知っている。
「ああそうか、そうよね。昔立ち飲みコーナーがあった頃はやっちゃばの勤め帰りの人がクダ巻いてお祖母ちゃんが大変だったって言ってたな」
「やっちゃばか、懐かしいな俺ちょっと出入りしていたんだ」
昼間部夜間部ならどこのクラスにも少数居る年配同級生が不意に話しかける。
「ああ、急に話しかけてごめんな、じゃ行くわ、俺は三年目なんだが単位(取得)不足で一年目の子の教室にも出入りしてんだ」
「「「がんばってねー」」」
自分の娘世代に見送られて気分よく他の教室に向かう彼であった。
そして入れ替わりにあゆと同年代男子生徒が入る。
「酒屋が手を握ってお釣り渡すのはアル中で手が震えるお客さん、うちの養分になってくれてありがとうって意味だろうが!」
「嵩谷君!」
あゆが反射的に勢いよく立ち上がる。