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法的安定性の議論(安倍総理と磯崎補佐官は、どちらが正直か?)
小笠原誠治2015年07月31日 11:20
磯崎補佐官という人が悪役を演じています。
ご存知ですよね?
「法的安定性は関係ない。我が国を守るために必要かどうかが基準だ」と言ったので、野党が磯崎補佐官の辞任を要求しているのです。
その発言のどこが問題なのかってですか?
そこで、もう少し補足すると次のようにも言っているのです。
「法的安定性で国を守れますか? そんなもので守れるわけないんですよ」
要するに、磯崎氏は、法的安定性なんてものは国防の観点からすればそれほど重要ではなく、時には無視しても構わないと言っているに等しいのです。
では、法的安定性とは何を意味するのでしょうか?
そうです。法律の内容や法律の解釈がコロコロ変わるようなことがない状態を指します。
つまり、磯崎氏は、集団的自衛権の発動に関する憲法解釈が安倍内閣になって変更されたが、国を守るためなのだからそのようなことを気にする必要はないのだと言いたかったのでしょう。
ここまで説明すると、磯崎補佐官が何故そのような発言をしたか、その理由が分かった人も多いと思います。
では、その磯崎補佐官の発言に関して、安倍総理が何と言っているのでしょうか?
安倍総理も、磯崎補佐官の言うとおりだと言っているのでしょうか?
答えはその反対!
「大切なことは、内閣としてどう考えているかということで、法的安定性の重要性について、我々は極めて重視していることを閣議決定において明記している。これは、まさに、内閣としての姿勢、考え方を明確に示したものだ」
要するに、安倍さんとしては、法的安定性の重要性を極めて重視している、と。
おもしろいでしょう?
磯崎氏は安倍総理の考えを代弁しているとも思えるのに、肝心の安倍総理は、それを否定するようなことを言うのですから。
磯崎補佐官に対しては、官房長官だけでなく、総理としても注意をしている、とも言っています。
どうして、安倍総理はそんな態度を取るのでしょうね?
それは簡単なこと。つまり、それは、安倍総理の答弁にもあるとおり、自分たちが法的安定性を守ることが極めて重要なことであると言明しているからなのです。
つまり、幾ら心情的には磯崎氏を庇ってやりたくても、その磯崎氏は、内閣の方針に真っ向から反対することを口にしてしまったので、どうにもできない、と。
しかし、冷静に考えてみたら、安倍内閣が集団的自衛権の発動に関する憲法解釈を180度変えたのは事実です。要するに、法的安定性をないがしろにするようなことをしたのは今の安倍内閣である、と。
で、そのような行動にでながら、口では法的安定性を守るのが重要である、と。呆れてしまいますよね。
もちろん、だからと言って安倍総理が、法的安定性なんて関係がないなんて言った日には、それを言っちゃおしまいよ、となってしまう訳ですが…それから分かるとおり、安倍総理と磯崎補佐官では、どちらが正直かと言えば、磯崎氏の方ではないかと思うのです。
いずれにしても、改めて安倍総理の側近と言われる人たちの言動を振り返ると、なんと率直な物言いの方が多いことか、と。皆、はっきりと言うのですよね。しかも、如何にも総理の思いを代弁するかの如くに。
最後に大切なことを言っておきたいと思います。
磯崎氏は、法的安定性で国が守れるかと言っていますが、では、何があったら国が守れるのかということです。 強大な軍隊? 或いは強固な軍事同盟?
でも、それでは我々は過去から何も学んでいないとしか言えません。
というのも、かつての日本は、欧米に負けないように巨大な軍艦を保有し、それにドイツやイタリアと同盟を結びましたが、結局、戦争に突入して、多くの犠牲者を出してしまったからです。
そうではありませんか?
そうした経験があってこそ、今の憲法があるのではないでしょうか?
でも、いつの時代にもそのような発想をする人がいるのですよね。
http://blogos.com/article/125656/
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