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タイ王女、首相候補断念か 国王の反対受け
2019/2/9 12:02
【バンコク=小谷洋司】タイのワチラロンコン国王の姉、ウボンラット王女(67)は9日、次期首相候補になることを断念する趣旨とみられる声明を出した。国王が前夜の声明で、王女の候補擁立を「不適切」だとして反対する意向を示したのを受けて判断したもよう。タイ国民に衝撃を与えた発表からわずか1日で事態は急展開した。
王女は9日朝に写真共有サイトを更新し、擁立発表後に寄せられた国民の支持に感謝するコメントを投稿した。「断念する」との文言は使っていないが、「国が前進することを望んでいる」などとして擁立劇を過去のものとする意図を示したとみられる。
軍事政権と対立してきた有力政治勢力、タクシン元首相派の国家維持党が8日、次期首相候補に王女を擁立すると発表。王女自身も写真共有サイトで「憲法に基づき、国民としての権利と自由を行使する」と擁立受け入れを表明していた。
国民に大きな影響力を持つ王室から首相候補が出れば、王室を重視する保守層の投票行動に影響し、結果としてタクシン派を利するとの見方があった。弟の国王は異例の声明で、こうした動きに直接待ったをかけた。
総選挙に関する規則は選挙運動に王室を利用することを禁じている。かつて外国人と結婚し、王室を離れた王女は「私は一般人として生活している」と主張。自らが政党の誘いに応じても、政党による王室の政治利用にはあたらないとの認識を示唆していた。
国王は声明で「王女は前国王と王妃の長女であり、現国王の姉だ。たとえ彼女が王族としての地位を法律上退いていたとしても、彼女は王室の一員としての地位を保っている」と指摘。「どんな形であれ政治に関わることは慣習、伝統、文化に反する。非常に不適切な行為だ」と結論付けた。
ウボンラット王女は軍事政権と対立関係にあるタクシン元首相とかねて近いとみられていた。王女がタクシン派に担がれる形で首相候補に名乗りを上げると、国王自身もそれを容認しているとの見方が国民の間に広がりかねない状況だった。
タイ政治に詳しいタマサート大学の水上祐二客員研究員は「首相候補になることを受諾したのは王女の独断だったのだろう」としたうえで、国王が声明を出したのは「王室の中立性を示すのが狙い」との見方を示す。
タイ憲法は国会議員でない人物の首相就任を容認。各政党は総選挙後に推す最大3人の首相候補を公表したうえで選挙戦に臨んでいる。ウボンラット王女は、軍政の事実上の延命をめざす政党が推すプラユット暫定首相(64)の有力な対抗馬になるとみられていた。
タイは1932年の立憲革命で絶対王制から立憲君主制に移行した。だがプミポン前国王が国民の絶大な敬愛を集め、王室の権威を確立。王室は今なお多くのタイ国民が半ば聖域視する特別な存在であり続けている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4111297009022019MM0000/
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■ 2009年7月9日
「我が郷は足日木の垂水のほとり」 はじめました。
本稿はその保管用記事です。
■ 2010年3月2日
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