記事の紹介です。
かつての兄弟国がなぜ戦闘状態に?
ウクライナ紛争の背景を読む
2021.12.4 4:35
ウクライナ東部はロシア語を話すロシア系住民が多く、もともとロシアとの親和性が高い。クリミア半島も東部にある。一方、首都キエフのある西部はウクライナ語を話すウクライナ系住民が多い地域で、ロシアより親欧米の傾向が強い。
政治的にはどうかというと、1991年の独立以降、基本的には親ロシア政権が続いてきた。しかし、2005年に「オレンジ革命」と呼ばれる民主化運動が起こり、親欧米派のヴィクトル・ユシチェンコ大統領が誕生するなど、それまでの流れが変わってきていた。
そうしたなか、2010年の大統領選挙で親ロシア派のヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領が当選し、親ロシア政権が復活すると、ウクライナに不穏な空気が立ち込めはじめたのである。
ロシア系住民の支持を得たとして
瞬く間にクリミア半島を併合2013年、ヤヌコーヴィチ大統領はウクライナのEU(欧州連合)加盟を検討していたが、最終的には見送った。これに対し、親欧米派は大ブーイング。抗議運動を行い、2014年2月に親ロシア政権を崩壊させた。
しかし、この動きにはロシアが黙っていなかった。ロシアは国際法を無視してクリミア半島を占領し、現地での住民投票でロシア編入を望む声が圧倒的多数(9割以上)であることを確認すると、瞬く間に半島を併合してしまったのである。
クリミア半島にはロシア系住民が多く、ロシア艦隊が停泊する港もある。この港はロシア領内では貴重な不凍港で、ロシア海軍・黒海艦隊の基地が置かれている。そうした地政学的理由で、ロシアは半島を自国に編入したのである。
国際社会はロシアのやり方を非難し、経済制裁を行ったが、ロシアも独自の経済制裁で対抗。プーチン大統領は「ほとんどのクリミア住民とロシア国民が半島のロシア編入を支持している」と述べた。このときロシア国内でのプーチン支持率は80%に達したという。併合後も戦闘が続き、
ついにアメリカ介入の動きも
クリミア併合をきっかけに、ロシア系住民の多いウクライナ東部でも武力衝突が起こった。ロシアの支援を受けた親ロシア武装組織がウクライナ政府軍と戦闘を繰り広げ、泥沼の紛争へと突き進んだのである。2014年7月にはウクライナ東部を飛行していたマレーシア航空機が、親ロシア武装組織に撃墜され、300人近くが死亡するという衝撃的・悲劇的な事件も発生した。
2015年2月にロシアとウクライナの間で停戦合意が成立したが、その後も戦いは続き、約1万4000人が犠牲になったとされる。そして2019年5月、コメディアン出身のヴロディミル・ゼレンスキーがウクライナの大統領に就任すると、東部に特別な地位を保障する和平案の履行を提案。翌年にはロシアなどとの間で完全停戦を発効させた。しかし、和平案はいまだ履行されておらず、2021年に入ってからまたしても戦闘が行われるようになってしまった。
現在もロシアはウクライナ東部への部隊増強を進めている。アメリカはロシアを非難し、ウクライナへの支援を約束したが、アメリカの介入によって大規模な戦争に発展することも懸念される。
いずれにせよ、ウクライナの西側への接近を、ロシアは今後も決して許さないだろう。ウクライナは難しい状況に立たされている。
https://diamond.jp/articles/-/288892?page=2
記事の紹介終わりです。
■ Site Information ■
■ 2009年7月9日
「我が郷は足日木の垂水のほとり」 はじめました。
本稿はその保管用記事です。
■ 2010年3月2日
人気blogランキング(政治)にエントリーしました。