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ロシア軍、民間無差別攻撃で投降迫る 難民150万人
シリア内戦に手法類似、住宅やインフラ標的2022 03 06
【ワシントン=中村亮】ロシア軍がウクライナで民間インフラや住宅街へ攻撃対象を広げる戦略が鮮明になってきた。無差別攻撃で恐怖を植えつけ、ウクライナ側の戦意を喪失させて降伏を迫るねらいだ。シリア内戦で駆使した手法と類似する。各地で攻撃が続き、ウクライナ国外に逃れた難民は6日までに150万人を超えた。
ロシア軍の包囲を受けるウクライナ南東部の都市マリウポリのボイチェンコ市長は5日、被害状況を説明した。「死傷者は数千人規模だ」「変電所が攻撃され暖房が使えない。現在は完全に水がない」などと訴えた。米CNNなどが報じた。
マリウポリ市当局は6日正午(日本時間同午後7時)から、延期になっていた退避を始めると発表したが、退避を仲介する国際赤十字は6日も退避が「失敗した」と発表した。ウクライナ側によると、ロシアの砲撃が続いているという。
中西部ビンヌィツャでは、ロシア軍の砲撃で空港が全壊した。ゼレンスキー大統領が6日、明かにした。
米欧はロシア軍が民間施設や住宅街に攻撃対象を広げているとみる。
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は4日の記者会見で「学校や病院、住宅が砲撃にさらされ、ここ数十年で欧州における最悪の軍事攻撃だ」と糾弾した。ロシア軍が無差別攻撃に使われやすく、殺傷性の高いクラスター爆弾をウクライナで使用したとも主張した。
ブリンケン米国務長官も6日、ロシア軍の民間人攻撃について調査していると述べた。「戦争犯罪になりうるような意図的な民間人への攻撃について、非常に信頼できる報告を受けている」と語った。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は6日、自身のツイッターに「ウクライナでいくつかの医療施設が攻撃を受け、複数の死傷者が出た」と投稿した。攻撃は「国際人道法に違反する」と強調した。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグランディ高等弁務官は6日、「ウクライナからの難民は10日間で150万人を超えた」とツイートした。「第2次世界大戦以降、欧州で最も急速に拡大している難民危機だ」と訴えた。
ロシア軍は4日までにウクライナ南部にあるザポロジエ原子力発電所や首都キエフのテレビ塔などの民間インフラにも相次いで砲撃した。バイデン米政権はロシア軍が別の原発にも接近していると懸念する。ロシア軍は侵攻開始直後、主に滑走路や防空システムなどの軍事関連施設に攻撃を限定していた。
ワシントン近東政策研究所のアンナ・ボルシュシェヴスカヤ上級研究員は、ロシア軍がシリア内戦で使った戦術をウクライナで採用し始めていると指摘する。無差別攻撃で人道危機を起こしたり敵の戦意をそいだりして、降伏させる手法だ。
英国防省も6日「ロシア軍は1999年の第2次チェチェン紛争、2016年のシリア内戦と同様の方法で人口密集地をターゲットにしている」との分析を発表した。
ロシアは15年、シリア内戦に介入を開始し、アサド政権を支援した。北部アレッポの東部では短期間でミサイルを集中的に撃ち込んで病院や民間インフラを破壊、反体制派を追い詰めたとされる。
ロシア軍のウクライナでの戦術変更は最大目標のキエフへの進軍が停滞したためとみられるが、無差別攻撃はウクライナ国民の反ロシア感情を膨らませる。侵攻直後からウクライナ国民の間では戦闘に参加する動きがある。
仮にロシアが親ロシア派の政権をウクライナで樹立しても、国民の反発が広がっていれば、長期の安定統治の実現に向けて大幅な増派を迫られるとの見方がある。
米戦略国際問題研究所(CSIS)のセス・ジョーンズ上級副所長は、第2次世界大戦などを踏まえ、外国部隊が他国を統治する際に人口1000人あたり兵士20人が必要だと指摘する。ロシア軍はウクライナ周辺に最大19万人を集めたとみられるが、ウクライナの人口1000人あたりのロシア兵は4人にとどまるという。
ボルシュシェヴスカヤ氏は「ロシアのプーチン大統領がウクライナに迅速かつ簡単に勝利できると予想していた」とみる。米欧から大規模な経済制裁を科されて戦費調達のハードルが上がり、戦闘の長期化を避けたいのが本音とみられる。それでも引き下がれないロシアがウクライナで泥沼にはまっていく可能性がある。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN04F950U2A300C2000000/
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■ 2009年7月9日
「我が郷は足日木の垂水のほとり」 はじめました。
本稿はその保管用記事です。
■ 2010年3月2日
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