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日日火水木土土

「月月火水木金金」ではない
怠け者の絵日記、photo日記。

磁場 銀座一丁目

2009-01-24 | ひとりごと
今なぜか銀座に引きつけられている。
情緒的に魅かれているというのではなく、何か見えざる力がわたしを銀座一丁目辺りに引っ張っていくのだ。
きっかけは、この前の日記に書いた森山大道の写真展だ。
その帰り、ケチなわたしは電車賃を一駅分倹約のため、東京駅まで歩くことにした。
ただでは起きないわたしはもちろん路上観察をやりながら、裏道へ裏道へと入り込んでいく。
するとやはりステキな建物があった。
   
周りは小綺麗なビルが建ち並んでいるのにこの古い建物。
でも、さすが銀座なのだろうか、この看板が実にステキだ。
漢字とアルファベットの書体の大きさバランスが、じつに絶妙だ。
なぜかそこだけが新しく塗り替えられたような枠の飾りもチャーミングだ。
その日は、銀座の裏道をまた歩きたいなという思いで終わった。

年が明け、職場で新年宴会をやろうという話が持ち上がった。
泊まりの勤務なので、昼間から飲もうということになった。
さっそく、ネットで「銀座 昼間から飲む」で検索すると、三州屋という店がヒットした。
所在地の地図を見ると、どうも年末に歩いた辺りのようだ。
幹事を買って出たわたしは、泊まり明けの日に下見に出かけることにした。
   
これまた、オシャレな建物の隙間にひっそりと、路地の奥、その店はあった。
店は実に魅力的だった。詳細は今回の趣旨とは異なるので省略。下記URL参照ということで。
http://r.tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13002473/

店の所在地を確かめてから、また路上観察を始めた。
先日、見つけた「河西歯科医院」はひとつ通りを違えたところにあった。
そのすぐ隣には、なんだか見覚えのあるような看板が目に飛び込んできた。

わたしは、散歩マニアであるのだが、方向音痴だし、土地勘がひどく悪い。
それに記憶力もすこぶる虚弱である。
ゆえに、人に連れられて行ったところなど、ほとんど覚えていない。
そんなわたしが、その看板がどうも昨年娘夫婦に連れられて行ったカレー屋のようだと感じとった。
そのときは、確証はなかったのだが、店名を娘に確かめ確認した。
春先に行ったと思っていたら、昨年行ったのが1/12で、下見で発見したのが1/7だ。

さらに、偶然は続く。
いつもは、職場で行われる健康診断が、人事課の手違いでわれわれの職場は忘れられていたようで、各自診療所に行くようにとの連絡が入った。
そうなのだ、その所在地が、住所は銀座二丁目ではあるが、やはり有楽橋の近くなのだ。

いやはや、何ともだ。
とはいえ、「だからどうした」といった類の話なのではある。

そこにもう一つ追い打ちをかけるように、福田和也の「東京の流儀」がわたしの銀座への興味をさらにかき立てることになる。
少し気にはなっていたのだが、福田和也は読んだことがなかった。
江藤淳の弟子を自認し、西部邁とも近しいということで、毛嫌いしていたということもある。
それが、三州屋下見の後立ち寄った八重洲ブックセンターで、タイトルに惹かれその本を手に取った。
目次を開くと、一章が「散歩酒、大好き」これは読むしかないだろう。
でも、買うほどの本ではないと思い、帰ってすぐに市図書館のHPで検索したら所蔵しおり、予約可能だった。
すぐにネットで予約を入れたら、次の日には手元に届いた。
いやはや、便利な世の中になったものだ。本屋はほとんどわたしのためのカタログ置き場だ。
さっそく読んでいくと、福田の銀座への熱い思いが伝わってくる。
蘊蓄たれに対する違和感の蘊蓄が、多少うざくはあるのだが、大枠同意できる。
彼によると、「都市」といのは「昼から酒が飲める」ということらしい。
いやはや、卓見である。

さてさて、長くなってしまった。
銀座は気取っているようでなかなか近づきがたかったが、遅ればせながらその魅力にどっぷりと浸ってみたいものだ。

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