Church of the Dunes

映画を見て調べたことの備忘録。更新は、のんびりペースの予定です。

ダンケルク

2018-05-28 08:32:57 | Christopher Nolan:Dunkirk

(こちらは、2017年12月31日に 本館ブログ へupした記事の再掲です)

2017年の大晦日も、残り僅かとなりました。
この1年間、たくさんの方にお世話になりまして、
どうもありがとうございました。

年内最後の更新は、2017年下半期の私を翻弄した映画、
クリストファー・ノーラン監督「ダンケルク」の鑑賞覚書きです。

*~*~*~*~*~*~*~*~*

第二次世界大戦勃発から間もない、まだ、ドイツが優勢だった1940年。
ドイツ軍の西方電撃戦により侵攻されたフランスでは、
フランス軍、およびイギリス軍などの連合軍兵士40万人が、
フランス北端のダンケルクの海岸に追い詰められ、包囲されていました。

ノーラン作品初の、史実から題材をとった映画「ダンケルク」は、
この連合軍兵士たちを海路より救出すべく、同年5月26日から6月4日にかけて
展開された大規模な撤退戦、「ダイナモ作戦」を描いています。

ノーラン監督と言えば、徹底した "こだわり主義" が有名ですが、
本作においても、下記3点のような特色があり、
(1)CGは可能な限り、使わない。
(2)作中の時間軸の見せ方が、一筋縄ではいかない。
(3)状況説明的な台詞が、一切無い。
特に(2)(3)が原因で、鑑賞者の評価は賛否両論に分かれるようですね。

私自身は、鑑賞1回目にかなり興味を引かれてハマったくちなのですが、
これは「鑑賞回数を重ねるほどに、細部の理解が深まり俄然面白味が増していく作品」
という、私の好みに完全に合致したことが、何よりも大きかったと思います。
ここまで台詞が少ない一方で、役者の "表情" や、画面に "映り込むもの" 、
そして、聞こえてくる "音" に込められた、作品理解につながる情報量の凄まじいこと!
この手のタイプが好きな人間なら、のめり込まない訳がない作りとなっています。

さらに幸運だったのは、イアン・マキューアンの小説「贖罪」を映画化した
Atonement(邦題:つぐない) 」を見た際に、ダンケルク撤退戦について調べていたため、
映画「ダンケルク」が描く背景について、ある程度の知識をすでに持っていたことです。
本編冒頭、ドイツ軍の撒いた伝単が舞い落ちてくるシーンはもちろん、
廃墟となった町で虚しく、飲み水や食料、タバコを求めてうろつく若い陸軍兵士たちを、
この後、何が待ち受けているのか ・・ 、この時点から、がっつり入り込んで見ましたから。

とは言え、この記事を書いている2017年大晦日時点の、映画館での鑑賞回数は、
残念ながら「3回」( 品川のIMAX2D で2回、丸ピカでの爆音映画祭 で1回)のみ。
鑑賞回数が伸びなかった理由は、日本公開日が9月9日だったにも関わらず、
初鑑賞が10月に入ってからという、初動の遅れがすべてです。
この原因は2つあって、1つは、戦場がメインの前線ものの戦争映画が苦手なこと。
もう1つは、スクリーンのアスペクト比と音響を気にしすぎたこと。

前者は、私はもともと、歴史的な出来事を題材とした映画作品がとても好きで、
WWIIを扱った作品も、戦時下の人間ドラマに焦点を当てたものは、よく見るのですが、
戦場がメインの前線ものは戦闘シーンがかなり苦手で、敬遠しがちなのです。
「ダンケルク」については初回鑑賞を経て、この点の誤解は解けたものの、
だったら、もっと早く見に行けば良かったのに、と大きく後悔しました。

後者については、ノーラン監督こだわりのIMAX70mmフィルム上映館が日本には無い以上、
仕方のない面もあるのですが、それならば、せめて IMAX次世代レーザー上映を! と、
大阪へ向かう新幹線のチケットまで押さえたのに、仕事関連で行けず終いとなってしまい、
しばらくの間、心が荒んだ状況に陥っていた有様で(苦笑)。
日頃は自制しているTwitter(情報を得るのに便利すぎる故、気づくと時間を大幅に失うので)
にどっぷり浸かり、1.43:1の画角で見える「ダンケルク」情報を収集したりして、
私の見た「ダンケルク」との違いに、ため息をつきながら過ごしていたという。。

周囲の人たちには、同じ映画を3回 "も" 見る時点で信じられないと、呆れられましたが、
この悔しさは、2019年に東日本初のIMAX次世代レーザー上映館が開館 する際の
オープニング記念として、絶対に「ダンケルク」がかかるハズだから! と、
疑うことなく期待して信じ、リベンジしたいと思います(笑)

しかし、画角問題さえ気にしなければ、この年末年始の休みから2か月近くにわたり、
都内では「ダンケルク」を映画館で鑑賞することが可能です♪
12月20日の円盤発売(4KUHD、BD、DVD) を機に、名画座での上映が決定していますので。

目黒シネマ【DCP上映】
 12/23(土・祝)~12/29(金)… ①13:05 / ②17:40
 12/30(土)~1/5(金)… ①10:30 / ②15:05 / ③19:40~21:30
  ※大晦日の③と、元旦の①は休映。

下高井戸シネマ【DCP上映】
 1/9(火)~15(月)… ①15:05~16:55 / ②19:30~21:20
 1/16(火)~22(月)… ①12:30~14:20 / ②19:30~21:20

新文芸坐【35mmフィルム上映】
 1/23(火)~25(木)… ①9:55 / ②14:10 / ③18:25
 1/26(金)… ①12:05 / ②16:25 / ③20:45~22:30
 1/27(土)… ①11:50 / ②15:55 / ③20:00~21:45

早稲田松竹【35mmフィルム上映】⇒【DCP上映】に変更
 2/17(土)~23(金)… ①10:40 / ②15:30 / ③20:20~22:10
  ※併映作品は「インセプション ①12:45 / ②17:35 【35mmフィルム上映】」!

ふぅ~、スゴイ!! このチャンスは大事にしないと!!!

ちなみに、もちろん購入した円盤(プレミアム・エディション ※BD&DVD&ブックレット付)
ですが、収録された本編は1.78:1のアスペクト比 ということで、
私が鑑賞したIMAX(品川はデジタルなので、1.90:1)よりも、ちょっと画角が広くなっておりますv
映画館という一つの閉じられた空間で、大きなスクリーンと音響で鑑賞するのは特別ですが、
細かな部分まで、くり返し確認しながら見られるのは、円盤ならではの技ですから、
script本解説本 と照らし合わせつつ、こちらも目一杯堪能したいと思います~。

ということで、新たに迎えるはずの2018年もしばらくは、
去り行く2017年同様、クリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」に翻弄されることが、
確定となりました(ブログのカテゴリーにも、何気に追加しております...笑)。
いったい何時、私はダンケルクの地より帰って来られるのでしょうか。
世の中の動きからはズレまくりですが、自分的に楽しく、マイペースでのぞんでいきます♪


   ++ '18年2月7日追記 ++

    再上映情報の続報です。
     109シネマズ大阪エキスポシティ【IMAX上映】
      2/9(金)~15(木)… ①10:00~12:00 / ②15:45~17:45 / ③21:30~23:30
       ※109シネマズでは 木場二子玉川川崎湘南菖蒲名古屋 でも、同期間に再上映されます。

     キネカ大森【35mmフィルム上映】⇒【DCP上映】に変更
      3/3(土)~16(金)

     飯田橋ギンレイホール【DCP上映】
      3/24(土)~4/6(金)… ①9:20 / ②13:50 / ③18:15。


   ++ '18年2月19日追記 ++

    再上映情報の続々報です。
     ユナイテッド・シネマ【IMAX上映】or【DCP上映】
      2/23(金)~28(水)
       ※IMAX総選挙「第7位」と第90回アカデミー賞ノミネート記念で、下記の劇場で再上映されます。
        ユナイテッド・シネマ 札幌浦和としまえん金沢豊橋18稲沢阿久比岡崎
        岸和田枚方橿原フジグラン今治キャナルシティ13なかま16トリアス久山

    そして、早稲田松竹キネカ大森 の上映素材変更事情は、こちらこちら を参照。



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   映画 『ダンケルク』

  ◇原題:Dunkirk
  ◇関連サイト:公式サイト ( 日本版 )、IMDb ( 関連ページ )、Scripts.com ( 関連ページ
  ◇鑑賞日:2017.10.11. 他 映画館にて






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