昨日の停車が朝まで響いていたらしい。
目覚めるとまだ外は真っ暗で、しかし時計を見てさらに外の轟音を聞いて、それは違うとすぐに気が付いた。
午前6時、ここは海の下。
定刻では3時に通過していたはずの青函トンネルだ。
目が覚めたら北海道の銀世界を想像していただけに、なかなか拍子外れである。
しかし仕方ない。
「ごらんあれが竜飛岬~」
なんて歌っていたら、耳がキィンと痛くなった。
不意に明るくなる。
海 . . . 本文を読む
22時を回り、列車は急停止した。
盛岡の手前、車窓にボンヤリと「鹿島台」の駅名標が浮かんでいる。
しばらく隣に停車していた普通列車が離れてから随分経つが、この寝台特急は動く気配をいっこうに見せてくれない。
まだ宮城だろうか、それとも岩手に入ったのだろうか。
街灯に照らされた雪が眩しい。
さっきまで見えていた駅のコンクリートは、気が付いたら真っ白に塗り潰されていた。
窓に額を押し付けてみると、あまり . . . 本文を読む