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どうも
腐女子の ゆゆ
です(`・∀・´)

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たまーに投稿したりします。

御坂「嘘、妊娠しちゃった・・・」上条「何だって!?」

2013-09-07 13:03:29 | とある

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 10:43:58.56 :nd7eG7Yc0

御坂「何か体の調子がいつもと違うなって思って病院に行ってきたの」

上条「そしたら妊娠してたってわけか」

御坂「うん・・・、でも、何でだろ?」

上条「御坂はまだ中学生だ。妊娠なんてするわけが・・・ はっ!」

御坂「えっ、どうしたの?」

上条「もしかしたら、これは魔術師の仕業かもしれない」

御坂「魔術・・・師?」

上条「つまり、御坂の妊娠は魔術によるものかもしれないってことだ」



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 10:46:43.10 :+VjEdd1h0
おのれ魔術師!


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 10:50:07.07 :nd7eG7Yc0

御坂「えと、超能力とは違ったあの変な力のことよね?」

上条「そうだ」

御坂「そ、そうよね。考えてみれば赤ちゃんはコウノトリが運んでくるんだから私が妊娠なんてするわけないわよね」

上条「くそっ、魔術師め。よくも御坂を妊娠させやがって」ギリッ

御坂「あ、あんた・・・」

御坂(そんなに私のことを・・・)

上条「俺の大切な仲間を傷つけやがって!絶対にゆるさねえぞ!!」グッ

御坂「あ、うん。ソウヨネー」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 10:56:18.60 :nd7eG7Yc0

上条「御坂、ちょっとお腹見せてくれないか?」

御坂「え?ここで?」

上条「そうだ、ここだ」

御坂「えと、ここはあんたの部屋で今ここには私とあんたしかいないけど・・・ さすがに恥ずかしいっていうか・・/////」

上条「馬鹿野郎!恥ずかしがってる場合じゃねえ!こうしている今この瞬間も御坂の身体の中で赤ちゃんが成長し続けてるんだぞ!?」

御坂「あ」

上条「だから魔術師のしかけた幻想の赤ちゃんなんて、この俺の右手でぶち殺してやるぜ!」

御坂(なんて真剣な顔、これはそう。あの時、一方通行を倒したあの時のように・・)

御坂「ごめん、ちゃんとやるわ。不本意だけどまたあんたの力で私を救って」ピラッ

上条「よし、いくぞ!」

ぺたっ

御坂「ひゃんっ!」ブルッ


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 11:05:14.20 :nd7eG7Yc0

なでなでっ

御坂「ん・・んん・・・」

上条「くそっ、右手が反応しねえ、どういうことなんだ・・・」

御坂「えと・・どんな感じ・・・?」ヒクヒク

上条「手ごたえがまるで感じられないんだ」

御坂「そじゃあ、私どうなっちゃうの?」

上条「このままじゃ・・ このままじゃ出産まで行くことになる・・・」

御坂「そんな!私まだお母さんになりたくないのに」

上条「仕方ねえ、御坂、ちょっと痛いかもしれないけど歯を食いしばるんだぞ?」

御坂「え?」

上条「思いっきりいくからな?」ブンッブンッ

御坂(この目、この素振り・・・ アレをやろうというのね・・・)


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 11:08:19.77 :nd7eG7Yc0

上条「いくぞっ!!」

御坂「んっ!」キュッ

上条「どこの誰が何のためにやったのかわからねえが、日々を平和に過ごしている一人の中学生を苦しめようってんなら!!」

上条「まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!!!!!!!」ビュッ


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 11:11:43.56 :nd7eG7Yc0

トイレ

御坂「うぇぇ・・・・えほっ」ビチャビチャッ

上条「大丈夫か御坂?」サスサス

御坂「うん・・・ 何とか・・・」

上条「・・・」

御坂「う・・ぐすっ お腹痛いよぉ・・・」

上条「・・・」

御坂「ね、ねぇ・・・」

上条「・・・」

御坂「私・・どうなったの・・?」

上条「・・・・すまねぇ」

御坂「・・・え?」


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 11:14:28.32 :nd7eG7Yc0

上条「手ごたえが無かったんだ・・・」

御坂「そ・・んな・・・」

上条「もしかしたら・・・もしかしたらだぞ?」

御坂「・・・うん」

上条「身体の外側からやっても意味が無いのかもしれない」

御坂「じゃ・・じゃぁ・・・」

上条「だがどう考えても無理だろ!俺の手をどうやって御坂の身体の中にねじ込むってんだ!!」ドンッ

御坂「う・・ぐすっ・・・」

上条「あ、すまねえ、とにかく今は御坂を救う方法を考えねえとな!!」

御坂「おなか・・いたい・・・」ポロポロ

上条「そうだな、うん、それじゃあまずは病院に行こうな!」


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 11:19:27.82 :nd7eG7Yc0

病院前

御坂「いたいよぉ・・・」

上条「もう少しだ。がんばれ御坂」

御坂「うん・・・」 「あら、お姉さま」

上条「ん?」

黒子「と、むきいいいいい!!!! 類人猿!!!!!」

上条「白井か、悪いな。今ちょっと取り込んでるんだ」

黒子「何をおっしゃいますの!!お姉さまと寄り添いあうように歩くなんてこの私にしか許されていませんのよ!!!???」

黒子「さあさああ!!!命が惜しければ今すぐお姉さまから離れてそして黒子がお姉さまの胸の中に顔をフヒヒフヒフヒヒヒヒ!!!!」

上条「あーー、とりあえず要点だけ説明するぞ?御坂が妊娠して大変なんだ」

黒子「 」ピシッ


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 11:26:37.10 :nd7eG7Yc0

黒子「ほほほほほほほほほほほほねえさばがにんしぃぃぃっぃぃんんんんん!??!?!?!?!??!」

御坂「うん・・・そうなのぉ・・・」

黒子「そんな!!お姉さまはまだ中学生ですのよ!?なんでお姉さまが妊娠しなくてはなりませんの!?」

上条「わからねえ、俺は最初御坂の妊娠が魔術・・いや、超能力かそれに近いものによるものだと思ったんだ」

黒子「なるほど、そう考えるのが自然ですわね」

御坂「それで・・・こいつの右手で・・・」

黒子「右手?」

上条「俺の右手は超能力とか不思議な力を打ち消す効果があるんだ」

黒子「それで以前テレポートできなかったのですわね」

上条「そんなわけで御坂のお腹を思いっきりぶん殴ってみたんだが・・・」

御坂「何も変わらなかったの・・・」

黒子「なんと・・・」


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 11:32:06.87 :nd7eG7Yc0

御坂「・・・いたぃぃ・・・」

上条「あ、悪い悪い。そんなわけだ白井。御坂と一緒に医者のとこに行かなきゃならねえんだ」

黒子「でしたら私がテレポートで運びますの。わずかですがそのほうが早いですわ」

上条「お、それもそうだな。じゃあ頼んだぜ。白井」

黒子「はいですの。さ、お姉さま」

御坂「うん・・・」

ヒュンッ!!!


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 11:36:15.75 :nd7eG7Yc0

病室

上条「御坂、具合はどうだ?」

御坂「ん・・ まだお腹痛いけど大丈夫よ・・・」

上条「なあ、それで・・・」

御坂「ちゃんと妊娠しててお腹の中で順調に成長してますって・・・」

上条「くそっ!俺は!俺は目の前の女の子一人救うことができねえのかよっ!!!」ドンッ

黒子「ここは病室ですの。お静かに」

上条「ぐっ・・・く・・・」ギリッ

御坂「あ、あははは、何だろ、何やってるんだろ私・・・ 中学生なのに・・・ちゅう・・がく・・」ポロッ

御坂「あ・・ぁ・ぁ・・・・ あぁぁ~~~ん・・・」ポロポロ

黒子「お姉さま・・・」

上条(おのれ魔術師・・・)


32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 11:46:43.40 :nd7eG7Yc0

路上

上条「・・・・」

黒子「・・・・」

上条「・・・・」

黒子「・・・あの」

上条「・・・?」

黒子「私、どうしてもわかりませんの。不思議な力で妊娠させられたとはいえお姉さまは常盤台が誇るレベル5。そうやすやすと妊娠させられるとは思えませんの」

上条「つまり、どういうことなんだ?」

黒子「はっきりとはいえませんが。何かこう、お姉さまの近頃の行動に原因があるのかも・・・、大きな隙ができたりとか、えと、その・・・」

上条「なんとなくだが白井が言いたいことはわかる。御坂が妊娠した原因がはっきりわかればこれ以上御坂のような被害者は増えないってことだろ?」

黒子「そうですの」


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 11:50:48.32 :nd7eG7Yc0

上条「最近は・・・ 学校と寮以外じゃずっと俺と一緒だったな」

黒子「あなたと?それで、お姉さまと一緒にいる時は何を?」

上条「そうだな・・・ うん、口で説明するよりも実際にやってみたほうがいいな。こっちにきてくれ」グイッ

黒子「え?」


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 11:57:33.65 :nd7eG7Yc0

上条宅

ぎゅぅっ

黒子「ま、まぁ・・・」

上条「俺は御坂とずっとこうやってたんだ」

黒子「これは・・・ あなたの温もりが私に伝わって・・・」ドキドキ

上条「ドキドキするだろ?」

黒子「はい、それに何だか・・こう・・・ きゅんとしちゃいますの・・・」ウットリ

上条「俺もだ、ドキドキして、胸が苦しくなって、そして・・・ ここが・・・」ムクムクッ

黒子「まぁ、ズボンが張ってますわ・・・」

上条「白井も、身体に変化があるだろ?」

黒子「は、はい、恥ずかしいのですがその・・・ 下着が・・」ゴニョゴニョ

上条「そうだ、御坂もそうなってそれで・・・」

黒子「ごくり・・・」

上条「じゃ、いつも通りに・・・」

黒子「お願いしますわ・・・」


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 12:01:04.33 :ST5mczSd0
すばらしい


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 12:01:45.96 :nd7eG7Yc0

数日後

黒子「妊娠してしまいましたの・・・」

御坂「そんな・・・ 黒子まで・・・」

上条「くそっ!!何でこんなことになっちまうんだ!!」ドンッ

御坂「一体、一体何がどうなってこんなことになっちゃうのよ!!」

黒子「・・・」

上条「すまねえ白井、俺が、俺がしっかりしてなかったばっかりにお前まで巻き込んじまって・・・」

黒子「いえ、これは立派な事件ですし、事件を調査するのは風紀委員の務め、それに私・・・」チラッ

御坂「・・・?」

黒子「お姉さまと同じ苦しみをわかちあえることができましたもの、後悔なんてしてませんわ・・・」

御坂「くろこぉぉ~~~・・・・」ウルウル

上条(おのれ魔術師め・・・)


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 12:12:43.28 :nd7eG7Yc0

上条「不幸だ・・・・」

上条「いや、不幸なのは俺じゃない、御坂と白井だ。きっと俺を狙った魔術師が俺の周りの人間に魔術をしかけているにちがいない・・・」

上条「だがいつ、どうやって二人を妊娠させたんだ。それが・・・それがわかれば・・・」 「とうま!」

上条「ん?」

禁書「とうま!何ぼーっとしてるの?」

上条「あ、インデックス・・・ ちょっと魔術師のこと・・・」

禁書「魔術師!?ってことはとうまはまたこの私を差し置いて」上条「そうだ!魔術だ!!魔術だよ!!何で気づかなかったんだ!!」ガシッ

禁書「え?え?」

上条「インデックス、お前の力を貸してくれ!!お前の10万3千冊の魔道書で御坂と白井を救うんだ!!」

禁書「な、なに言ってるのかよくわからないんだよ。ちゃんと説明してほしいんだよ」

上条「そうと決まれば早速帰って対策を練らなきゃな!行こうぜ、インデックス!!」

禁書「とうまぁ~~~~、話を聞いて~~~~」


55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 12:16:55.44 :nd7eG7Yc0

禁書「とうまぁ・・・恥ずかしいよぉ・・・」

上条「恥ずかしいことなんてくあるもんか、すごく綺麗だぞ?」

禁書「うぅ、そんなこといわれてもぉぉ」

上条「それにすごくかわいい、インデックスがかわいすぎて俺はもう・・・」

禁書「ぁんっ!!」

上条「はぁ・・はぁ・・・最高だぜ・・・インデックス」


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 12:20:47.58 :nd7eG7Yc0

数日後

禁書「妊娠しちゃったんだよ」

御坂「そんな・・・」

黒子「また犠牲者が・・・」

上条「・・・」

禁書「でも不思議なんだよ。ずっととうまと一緒にいたけど魔術の気配を感じなかったんだよ」

黒子「魔術?」

御坂「あー、えっと、まあいいじゃない、そこは」

禁書「もしかしたら私でも知らない未知の魔術の可能性もあるかもだけど・・・」

上条「インデックスが知らない未知の魔術・・・」

上条(やっぱり魔術師にちがいねえってわけか・・・・)


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 12:28:46.71 :vCrg+REgP
どれだけ強大な敵なのだろう……


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 12:33:12.58 :nd7eG7Yc0

上条「インデックスが知らない未知の魔術・・・そんなものあるのか?」

上条「いやまて、10万3千冊って言ったって世界中のすべての魔道書を記憶させたわけじゃないんだ。世界の広さを考えればむしろたった10万3千冊ともいえる」

上条「インデックスが所属しているのはイギリス、ってことはイギリスから遠く離れたところの魔術ならインデックスにもわからない可能性だって・・・ ん?」

五和「はぁ~~、久しぶりに着ましたけど相変わらずすごいとこですね、学園都市は」

上条「五和・・・ 天草式・・・ そうだ!」

上条「もしかしたらインデックスの知らないことを五和が知ってるかもしれないぞ! お~~い!五和~~!!」

五和「あ、上条さんじゃないですか、お久しぶりです!」ペコッ

上条「久々で色々話したいこともあるけど今一大事なんだ。ちょっと俺の部屋まで一緒に来てくれないか?」

五和「え?何だかよくわかりませんがお供させていただきます!」


63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 12:34:13.75 :cExTwhF80
(アカン)


65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 12:43:23.28 :nd7eG7Yc0

五和「そうですか、既に三名の女性が妊娠・・・」

上条「そうなんだ。俺の右手でもインデックスの魔道書でもどうにもできねえ、もう可能性のあるものなら何でも試してみなくちゃならねえんだ」

五和「私にどこまでできるかわかりませんが、ぜひとも協力させてください!」

上条「すまねえ五和。助かるぜ!!」




五和「んっ・・ かたぃ・・・です・・・」

上条「五和が、五和が俺をこんなにしたのがいけねえんだぞ?」

五和「そんな、だって上条さんが・・・ ひゃんっ!」

上条「ここをこんなにして、そんなにイイのか?」

五和「・・・いい・・です・・」

上条「まさか五和がこんなに積極的だとはなぁ、意外だったぜ」

五和「上条さんの・・ですから・・・ /////」

上条「言ったな? じゃあこうしてやる!」

五和「あぁぁんっ!! 激しいですぅぅっ!!」


69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 12:50:58.74 :nd7eG7Yc0

数日後

五和「妊娠しちゃいました」

禁書「いつわもなの?」

御坂「もう誰にも止められないの・・・?」

黒子「このままでは、このままでは学園都市中の女性が全員妊娠してしまうのも時間の問題ですわ・・・」

上条「・・・レベル5の御坂、風紀委員の白井、10万3千冊の魔道書を持つインデックス、天草式の五和」

上条「これだけの人間が成す術なく妊娠させられているなんて、これはもうどうすれば・・・」

上条(どうすれば卑劣な魔術師の罠を回避することができるっていうんだよ・・・)

五和「もしも・・・」

上条「ん?」

五和「もしも、あらゆる力を観測して、それを解析できる人がいたら、今回の悲劇の原因がわかるのかもしれませんね・・・」

上条「!!!!」


75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 13:00:55.52 :nd7eG7Yc0

上条「一方通行!!」

一方通行「あン?どォした。そンなに慌てて。まァた魔術だの闇だのかったりィことかァ?」

上条「実は・・・」



一方通行「・・・オリジナルを含め四人の女が妊娠、なるほど、そいつァ一大事だな」

上条「俺の右手でも、インデックスの魔道書でも何もできねえんだ。だから・・・ だから!!」

一方通行「情けねェ顔すンじゃねェ、ヒーローはどンな時でもしっかりと前を見るもンだぜ」キリッ

上条「一方通行・・・・」キュン


76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 13:01:25.39 :papJf+6l0
これは


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 13:09:08.04 :nd7eG7Yc0

ぬぽっ くぽっ

上条「ぐ・・・ んん・・・」

一方通行「どォしたァ?今まで他の女たちと散々ヤってきたことだろォが、もう少しリラックスしろや」

上条「おっふぅぅ・・・ んっ んなこと言っても・・・ お前の指が・・・」

一方通行「いいンだろ? な?」

上条「おほぉっ!!」ビクッ

一方通行「よしよしそォだ、いい子だ。ちゃンと力抜けるじゃねェか、ツンデレってやつかァおい?」ナデナデ

上条「そ、んなんじゃ・・ねぇ・・よ・・・ ///////」


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 13:09:53.49 :cZhiQQwC0
上条さんが!


83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 13:10:19.34 :YNtKCwkW0
大変だ!


90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 13:15:35.90 :nd7eG7Yc0

一方通行「素直になれねェ口はこォだ ンっ」

上条「んんんっ!!」

ちゅっ ちゅちゅちゅっ ちゅぱちゅぅっ

一方通行「ぷはっ どォだ、素直になれるかァ?」レロレロ

上条「あはぁ・・・」トロン

一方通行「放心してる暇はねェぞ?」ムギュッ

上条「っ!!」ビクッ

一方通行「ま、月並みだが身体に聞かせてもらうとするかなァ」シコシコシコ

上条「ぬはぁぁぁぁんっ!!!」ビクビク

一方通行「おっと、こっちも忘れるンじゃねェぞォ?」ヌポヌポッ

上条「おおおぉぉっ!!! おおおおおおおおおっ!!!」ビクッビクッ


101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 13:25:34.57 :nd7eG7Yc0

一方通行「さァて、こっからが本番だ。たっぷりとかわいがってやっからなァ?」ギンギン

上条「あ・・はぁ・・・ 一方通行ぁ・・・」

一方通行「安心しろ、すぐに何も考えられなくしてやる」

ぬぷっ

上条「あっ!」

一方通行「おらァッ!!」

ズップゥッ!!

上条「ア゛ーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!」ビクンビクン

一方通行「ッハァッハァーッ!!最高にぬめってるじゃねェかカァミジョォクンよォォォォッ!!!!」パンパンパンパンパン

上条「ア゛ッア゛ッア゛ッア゛ッア゛ッア゛ッア゛ッ!!!」

一方通行「そォだそォだ!何も考えるンじゃねェ!!人間の言葉を忘れるくらい感じちまえやゲヒャヒャヒャヒャハハッ!!!!!」パンパンパンパン

上条「おあおおあおおあおおおおおおおおおのごおおおおおおっ!!!!!!!!」


103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 13:26:20.93 :lo/KratT0
なぜホモだけこんなに長いんだ


109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 13:35:39.11 :nd7eG7Yc0

数日後

上条「んっ、ふっ ちゅぷっ ちゅぷぷっ」

一方通行「おォ、いいぞォ しっかりと吸い付けェ?」ナデナデ

上条「ぢゅぷぷっ ぢゅぷぢゅぽっ ぢゅっぷぢゅっぷ」

一方通行「ふゥ、俺にもよくわからねェが、とりあえず俺は妊娠しねェみてェだなァ」ナデナデ

上条「ぷはっ れろれろ ずじゅるっ ぷはっ れろれろ それじゃああの四人が妊娠したのは一体・・・」

一方通行「わかンねェ、そもそも本当にアレが魔術師ってヤツらの仕業だったのかも今じゃ確認の仕様が無いわけだろ?」

上条「・・そうだな ちゅぱっ ぐぷぷっ ぢゅぷぢゅぷっ」シコシコ

一方通行「フーッ ンンッ ま、原因なンて物は最初っから無かったのかもしンねェな・・・ うっ!!」ビクビクッ

上条「んぐっ!!!」

一方通行「・・・フーーッ 良かったぜェ、ヒーロー」ナデナデ

上条「・・・・ごくっ ふぅ、原因が無かったのなら・・・あの四人はどうすりゃ・・・」

 「とうまーーー!!」


116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 13:43:29.51 :nd7eG7Yc0

上条「お、インデックス」

禁書「とうま、大変なことがわかったんだよ」

上条「大変なこと?」

御坂「何でかわかんないけど、私たち四人のお腹の中の赤ちゃんは、みーんなあんたの子だってさ」

上条「え?」

黒子「学園都市最新の技術で人体に影響を与えることなく胎児のDNAを鑑定することができますのよ」

上条「ってことは俺のDNAを採取したってことだよな?いつの間にそんな・・・」

五和「か、上条さんんとその・・ き、キスしたときにですね・・・//////」

上条「こら五和!女の子がキスだなんて軽々しく口にするんじゃねえ、恥ずかしいだろうが!!」

五和「きゃっ/////」カァァ


119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 13:48:52.45 :nd7eG7Yc0

黒子「とにもかくにも、あなたの子なのですから、きちんと責任を取っていただきませんと」

上条「え?マジで?」

御坂「何よ。嫌だっていうの?」

上条「嫌とかじゃなくてだな、そりゃもちろん責任は取らせてもらうけどなんつーか」

禁書「とうま!はっきりとするんだよ!」

上条「ええいわかったよ!俺が責任取ってみんなを守ってやるよ!」

五和「それでこそ上条さんです!」

上条「でも結局、何で妊娠したのか最後までわからなかったな」

一方通行「そォだな、俺が妊娠しなかった理由もわからずじまいだ」


124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 14:06:39.35 :nd7eG7Yc0

御坂「私たちと同じことしてたのよね?」

一方通行「あァ」

黒子「本当、不思議ですわね」

上条「魔術でも超能力でもない、でもきちんと妊娠してる人間と妊娠していない人間・・・」

五和「・・・神様のいたずらだったんでしょうか?」

禁書「ううん、、きっといたずらとかじゃなくて、神様が私たちに与えてくれた奇跡だったんだよ」

上条「奇跡・・・」

黒子「奇跡なら仕方ありませんわね」

御坂「そうね、奇跡じゃあね」

五和「ですから、これからよろしくお願いしますね。当麻さん!」

上条「おう!まかせとけ!」

一方通行「何で俺は妊娠しねェンだよクソッタレ」ボソッ

上条「ん?何か言ったか?」

一方通行「何も」

おわり


125: 忍法帖【Lv=11,xxxPT】(1+0:15) :2013/09/01(日) 14:09:13.18 :lNUIle1K0
こわい


126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 14:09:54.80 :Z1cG9SfD0
ひどい


127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/01(日) 14:14:29.61 :cGI9uTgc0
くやしい

一方通行「過去に戻れる、だとォ…?」

2013-09-07 13:01:03 | とある

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)21:29:43.63ID:Dac0ytk80

打ち止め「あれ!? ミサカのプリンがないってミサカはミサカは愕然としてみたり! ねえ! あなたミサカのプリン食べたでしょ!!」

一方通行「知らねェ」

芳川「ねえねえ一方通行。一緒に晩酌しない?」

一方通行「しねェ」

番外個体「ちょっとアナタ、ミサカ片腕使えないんだから一緒にお風呂入って背中流しなよ」

一方通行「死ね」

黄泉川「あー! ちょっと一方通行! そっちのジャーの蓋開けるじゃん!! そのままだと蒸し過ぎに…」

一方通行「ああァァァァアアああああ鬱陶ォしィィィィイイいいいいいいい!!!!」

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)21:39:06.23ID:Dac0ytk80

黄泉川「蓋開けてくれって頼んだだけじゃん!? 何をそんなにキレてんのさ!」

一方通行「あァハイハイハイこれでいンですかァ!?」カパッ

一方通行「なァンで炊飯ジャーからかに玉が出てくンだコラァァアアア!!!!」

黄泉川「ってゆーか桔梗! 未成年に酒進めちゃだめじゃん!!」

芳川「はいはい、愛穂は相変わらず固いわねえ…」

黄泉川「こちとら一応教師じゃん」

番外個体「なになに? ミサカのこの魅力的なボディを前に理性を保つ自信が無いのかにゃー?」

一方通行「そォいうセリフはせめて二桁の年になってから言え」

番外個体「ぶー。ミサカもうとっくに大人の体だっての。生理来てるし」

一方通行「黙れ」

打ち止め「ミサカのプリンーーー!!!!」ポカポカポカポカ!

一方通行「知らねェっつってンだろまとわりつくなクソガキッ!!」

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)21:45:20.50ID:Dac0ytk80

黄泉川「なんか本当にカリカリしてるじゃん。どうした?」

一方通行「……寝不足なンだよ」

芳川「あら、珍しい。どうして?」

番外個体「そりゃーミサカ達みたいな魅力的な女に囲まれてちゃ、ねえ?」

一方通行「そンな事情は欠片もねェから安心しろクソガキ」

番外個体「ミサカとしては多少の情事はどんとこいなんだけどね」

黄泉川「イチ教育者としてそれは許すわけにはいかないじゃん。で、ホントのとこはどうなんだ?」

黄泉川「環境に問題があるなら改善するから言ってみるじゃん?」

打ち止め「プリン……」ションボリ…

一方通行「……別にそんな大層な理由なンぞねェよ」


一方通行「……ただ、最近ちょっと嫌な夢を見るだけだ」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)21:51:27.92ID:Dac0ytk80

番外個体「ぎゃははー!! 天下の第一位様が怖い夢見て眠れないんだって!! 笑っちゃうね~!!」

一方通行「お前はマジで一回喋れなくすンぞ物理的に」

芳川「学園都市第一位の頭脳が見る夢、ねえ……」

黄泉川「どんな夢なんじゃん?」

一方通行「言うかボケ」

番外個体「あ、やっぱやらしい夢だ。それで第一位様は夜な夜な汚れたパンツを洗っていたために睡眠不足と」

打ち止め「そういえば夜中に洗面所でバシャバシャやってたあなたを見たことあるよ、ってミサカはミサカは報告してみる!!」

番外個体「えっ」

芳川「……」

黄泉川「……」

一方通行「いらンこと言うなクソガキそりゃ本当に手を洗ってただけだテメエらその生温い目をやめろコラァァアアアアアア!!!!」

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)21:56:56.39ID:Dac0ytk80

一方通行「ケッ…!」

黄泉川「あ、一方通行どこ行くじゃん!? もうご飯出来るじゃんよ!」

一方通行「……すぐそこのコンビニ。5分で戻る」

番外個体「夢の追求を恐れて逃げたねあれは」

芳川「隠せば隠すほどこういうのは誤解されちゃうのにねぇ……」

芳川(……或いは、誤解されてでも話すわけにはいかない内容なのか)

打ち止め「あー!!」

芳川「ど、どうしたの?」

打ち止め「プリンお願いしとけばよかったー!! ってミサカはミサカは自身の不手際にうぎぎぎぎぎーーー!!」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 21:58:01.22 ID:w70YD2uAi
かっこいい芳川だと嬉しいな

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 22:14:14.59 ID:AUtmB+Td0
>>16
ねーよ

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)22:03:12.74ID:Dac0ytk80

一方通行「………」ウィーン   アリャッシター>

 一方通行の手に提げられたビニールがガラガラと音を鳴らす。
 その中身は、大量の缶コーヒーと、三個入りのプリンが二パック。

一方通行「……ったく、気ィ抜きすぎだっつの。何で本音語っちまうかねェ……」

 夢。悪夢。
 打ち止めの言葉に、一方通行は手を洗っていただけだと反論した。
 事実、その通りだったから。
 彼はただただ手を洗っていたのだ。


 夢の中でこびりついた血を洗い流すように。

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)22:10:01.84ID:Dac0ytk80

 一万人の人間を殺した。

 たったひとつの理由のために。

 ただ自分のためだけに。


 夢。悪夢。

 少女の腕をもぎ取って、少女の腹を貫いて、少女の頭を踏み砕く。

 凄惨な、直視できない、血にまみれた真っ赤な悪夢。


 ――違う。それは過去。紛れも無くかつて存在した現実。

 一方通行の脳裏に刻まれた、記憶に過ぎない。


一方通行(……俺ァ、どうして)

 夢を見て、思い出して、当然また眠りに落ちることなど出来なくて。
 つらつらと考えた末に出てくるのは、いつも自分への疑問。

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)22:18:19.27ID:Dac0ytk80

 自分はどうしてあんなことをしてしまったのか。
 あんなことをして―――どうして自分は今こうして『彼女たち』と過ごすことが出来るのか。

 どのツラをさげて―――

一方通行「―――ッ!!!!」

 ダン、と思い切り地面を踏みつけていた。
 思考の末にたどり着くのはいつもこの結論で、そのたびに一方通行は耐え難い衝動に襲われる。
 「ここは恩人の家だから」、彼がそんな良識を獲得していなかったなら、黄泉川の洗面所のガラスはもう何枚目になっていただろう。
 第一位の能力を発揮できない今の一方通行は、当然地面を砕くこともできず、ただ足の裏にジンとした痛みを感じていた。
 足元に色濃く落ちた影に気づき、空を見上げた。
 満月。
 一方通行は。

一方通行(そういや、あの馬鹿が俺を止めてくれたのも……)

 こんな夜だったな。と、そんなことを思い出していた。

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 22:18:26.27 ID:l6Xpkfzv0
でも新刊だと美琴のせいにもしてるよね

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)22:34:34.97ID:Dac0ytk80

一方通行(認めンなァシャクだが、あの馬鹿が実験を止めたおかげで俺は闇に落ちきらなかった。あの馬鹿のおかげで…)

??『くだらねぇ実験なんざやめろ。どうせてめえは無敵なんかにゃ届かねぇ』

一方通行「…?」

 思い出したのは、夢の中でいつも聞こえてくる言葉。


??『なんでもすぐに投げ出しちまうてめえは実験だって途中で投げ出すさ。それで、その後に残るのは――』


一方通行(……これは、アイツの言葉じゃねェ。これは、一体何だ?)

一方通行(俺が物事を忘れるなンて有り得ねェ。だからこれは俺の脳みそが勝手に作り出した幻想に過ぎねェ)

一方通行(だが、もし、あの馬鹿より前に俺をこうやって止めてくれた奴がいたとしら―――)


 ――俺はどうしてそこで止まれなかった?


「こんばんは。学園都市第一位、一方通行<アクセラレータ>。お目にかかれて光栄の至りだ」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)22:38:19.25ID:Dac0ytk80

一方通行「…ッ!?」

 満月を背にして、電柱の上に誰かが立っていた。
 長いブロンドの髪が月明かりを反射する。
 ひらひらしたワンピースが夜風に揺れている。

一方通行「……女? しかも、ガキか……」

少女「ガキとは心外だな。これでも私は同年代の子達に比べれば成熟しているつもりだが」

一方通行「ンなこたァ心底どォでもいいンだよ。質問はひとつだ」

一方通行「テメエは、何モンだ?」

少女「ふむ、故あって名前を教えるわけにはいかないんだが、これだけは誓おう。私はあなたの敵ではない」

少女「いや、むしろ、私は私こそがあなたを真に救うことができる救世主だと信じている」

一方通行「……あァ? 何言ってやがンだクソガキ」

少女「私が救おう。一方通行、あなたを、『絶対能力進化計画』の亡霊から」

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)22:46:11.17ID:Dac0ytk80

一方通行「……テメエ、『闇』か。全部解体したと思ってたンだがなァ。ったく、トコトンゴキブリだなテメエら」

 バチン、と一方通行はチョーカーのスイッチを入れる。
 学園都市第一位の能力を開放した、完全戦闘モード。
 対する少女は飄々としたまま続ける。

少女「勘違いはしないで欲しいな。それに、その力を私に向けるのをやめて欲しい」

少女「私はしがないただの少女だよ。そんな殺意をぶつけられては怯えて足が震えてしまう」

一方通行「『絶対能力進化計画』なンてモンにたどり着けりゃ立派なレディだ。認めてやるよ。テメエは極刑に値すンぜ」

少女「おしっこ漏らしちゃう」

一方通行「………」

少女「やあ、ありがとう。そうやって殺意を解いたまま私の言葉に耳を傾けてくれ」

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)22:50:57.53ID:Dac0ytk80

少女「先程も言ったが、私は故あって私の名を今あなたに告げることができない」

少女「でも、私の能力をあなたに教えることは出来る。そうしなければ、あなたの信頼を勝ち取ることは出来ないだろうから」

少女「それでは開陳しよう。私の能力名、それは『時間跳躍(タイムジャンパー)』」

少女「『現在』と『過去』を自由に行き来できる能力だ」

一方通行「なっ……!?」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)22:58:09.20ID:Dac0ytk80

少女「驚いてもらえたようで何より」

一方通行「……ありえねェ」

少女「しかし事実だ」

一方通行「もしそンな能力の持ち主がいたら学園都市が―――いや、世界がそいつを自由にするわけがねェ」

少女「そうだよ。だから私も完全に自由という訳ではない。学園都市の秘蔵も秘蔵っ子、それが私というわけだ」

少女「まああなた達にならって『時間跳躍』なんて名乗ってみたけど、実のところ私のこれは君たちの言う『超能力』とはまた別種の力さ」

少女「だから、レベルなんて括りで私を表すことはできない」

少女「……信じられないって顔だね」

一方通行「信じる方が馬鹿だろォが……」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)23:06:26.85ID:Dac0ytk80

少女「じゃあ一度だけ能力を披露しよう。多用は禁じられているからね。本当にこの一度だけだ」

少女「一方通行。君の家に誰もいなかった時間はなかったかい?」

一方通行「……5時」

少女「了解」シュンッ

少女「ただいま」パッ

少女「これなーんだ?」

 少女の右手には「打ち止めの」とマジックで書かれたプリンが握られている。

一方通行「それは…ガキが無くなったって騒いでやがった……!!」

少女「これで信じてもらえたかな?」

一方通行「……」

少女「もちろん、これは私が前もってあなたの家に入って盗んだもので、私は今テレポートで隠していたこれを取りに行っただけかもしれない」

少女「信じるか信じないかは結局のところあなた次第。でも、信じてもらえたなら、私は、この力をあなたのために使うことを約束する」

少女「ねえ、一方通行」


少女「『絶対能力進化計画』を無かったことにしたくない?」

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)23:13:30.17ID:Dac0ytk80

一方通行「……ッ!?」

少女「あなたは苦しんでいる。一万人を殺した罪悪感で。あなたは許せずにいる。それでものうのうと幸せを享受している自分を」

少女「私があなたについて、『絶対能力進化計画』について知っているのはこの能力の力」

少女「過去と現在を自由に行き来できるということは全ての歴史を検閲出来ることに等しい」

少女「私はたくさんの人間の物語を追ってきた。その中でも、あなたは格別」

少女「初めて私が、自分の能力を誰かのために使いたいと思った」

少女「私なら、あなたを幸せにしてあげられると思った」

少女「幸せにしてあげたいと思った」

少女「もし、あなたが絶対能力進化計画を無かったことにするというのなら。かつて殺した一万人が笑顔で生きている未来を望むなら」

少女「今、この場で私の手を取ってほしい」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 23:16:28.25 ID:ZW81f7wa0
流石に結果が残ってるモノを変更するのは無理ゲー

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)23:20:45.17ID:Dac0ytk80

一方通行「ぐ…く……」

少女「先にあなたの懸念をいくつか消しておいてあげる」

少女「もし仮に、計画が初期の段階で止まったとしても、『妹達』はちゃんと二万体まで生産される」

一方通行「何ィ…?」

少女「『妹達』があなたの『絶対能力進化計画』に流用されたのはあくまでおまけ。アレイスターにはどうしても規定数の『妹達』を生産しなきゃならない理由があるのよ」

一方通行「……テメエは本当に一体何モンだ」

少女「名乗るべき時が来れば名乗るわ。今はただの少女よ」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)23:26:29.20ID:Dac0ytk80

少女「そしてもうひとつ。わかっているとは思うけど、確認」

少女「私の『時間跳躍』は完全な過去改変を可能にする。過去の改変による、現在の変革を可能にする」

少女「つまり、もしあなたが『絶対能力進化計画』を無かったことにすることに成功したなら」

少女「あなたが『現在』に戻ってきたとき―――『絶対能力進化計画』が存在した先である『今』は消えて、変わってしまっている」

少女「あなたのそばに『打ち止め』はいない」

少女「その代わりに、死んだはずの一万人が生きて―――笑っている」


 少女が手を差し出す。
 一方通行は―――

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 23:26:50.30 ID:pLVpCiNc0
エイワスは残り9979体で動かしてるんだから、2万体いらんだろ

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)23:29:07.31ID:Dac0ytk80

打ち止め「……あの人、遅いね、ってミサカはミサカはちょっぴり心配してみたり」

番外個体「……からかいすぎたかな?」

芳川「……」

黄泉川「……ったく、もうすっかり冷めちゃったじゃんよ」

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)23:34:20.06ID:Dac0ytk80

 ――数年前、とある学区。

一方通行「がァふ…!」ドシャァ!

少女「あ」

一方通行「……」ピクピク…

少女「しまった忘れてた。そりゃこの時はまだミサカネットワークなんて確立されてないんだから一方通行は活動出来なくなっちゃうよね」

一方通行「……」ピクピク…

少女「あ、やばい。早くしないと『この時代』のあの人が来ちゃう」

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)23:42:58.38ID:Dac0ytk80

一方通行「……ハッ!!」

少女「ふぅ、これでよし。勝手にだけど、あなたのチョーカーをこの時代使用に変えさせてもらったよ」

一方通行「どうやって…!」

少女「未来では一万人の脳の補助によってあなたの脳の機能を賄っていた。その補助の役割を、この時代のコンピューターに切り替えただけ」

一方通行「オマエは本当に何モンなんだよ…」

少女「『時間跳躍<タイムジャンパー>』に不可能は無いのだ」

少女「あ、でも能力使用時の膨大な演算処理までは賄えないよ。そんなことしたら一瞬でコンピューター焼き切れちゃうから」

一方通行「うォォ!? そこ一番可能にしとかなきゃならンとこだろ!! ンなモンどうやって実験止めンだァ!?」

少女「成せば成る! 行きましょー!!」

一方通行「あと何かオマエキャラ変わってねェ!?」

少女「少しずつ慣れてきたんですよ!!」

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)23:49:03.76ID:Dac0ytk80

少女「一方通行」

一方通行「シレッと呼び捨てにしてンじゃねェよ」

少女「見てください、あそこ」

一方通行「……ッ!!」


スキルアウトA「ひ、ひぃぃぃ!!」

スキルアウトB「ぎゃばぁ!!!!」

一方通行(過去)「あぎゃァっはっはっはァァーーーーッ!!!!」


少女「この時代のあなたです」

一方通行「……調子乗ってやがンな、あのクソガキ」

少女「クソガキって、あれはあなた自身ですよ」

一方通行「まさしく自己嫌悪って奴だ、反吐が出る。蟻ンコいたぶって喜ンでンじゃねェよ……」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火) 23:51:29.24 ID:4Mc72hyt0
勝ち目ないだろ

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)23:53:15.59ID:Dac0ytk80

少女「どうします?」

一方通行「今すぐ出ていってシバキ回してやりたいトコだがなァ……」

少女「逆にあなたがシバキ回されるでしょうね」

一方通行「今は何月何日だ」

少女「○月×日ですね」

一方通行「ちっ、時間はねェな。確か実験の声がかかンのがその辺だったはずだ」

少女「改めて聞きますが、どうします?」

一方通行「取り敢えず止めるしかねェだろ」

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/31(火)23:59:42.05ID:Dac0ytk80

少女「どうやって?」

一方通行「直接。オイ! そこの最強気取りのクソ坊っちゃンよォッ!!」

一方通行(過去)「あァ?」

少女「ほわぁーーーー!!!!」ガバァッ!

一方通行「うごッ!!」ドタン!

過去通行「ン~? この俺に向かって随分愉快なクチ聞きやがるヤロォが居たと思ったが、気のせいか……」

一方通行「何しやがる!!」

少女「シー!! 何考えてるんですか!! 過去の自分との直接接触なんて禁止に決まってるでしょ!!!!」

一方通行「は、はァァ!!?」

少女「この時代のあなたが今ここにいるあなたを認識してしまった場合、二人とも爆裂して死にます」

一方通行「はァァァァァァアアアあああああああああああああああああああ!!!!!!!!??????」

少女「それが世界の理です」

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)00:04:49.73ID:XYnbdtpC0

一方通行「オマエふざっけンなよ!! 後から後からとンでもねェ縛り設けて来やがってよォ!!」

一方通行「俺がどンな決意でこの時代に戻ってきたと思ってンの!?」

少女「それでも私は、あなたはやり遂げることができると、そう信じています」

一方通行「何その綺麗な瞳ッ!! そォいうのマジいらねェンだよォォおおおおおお!!!!!」

少女「とにかく、何か方法を考えましょうよ」

一方通行「つっても、時間はねェ。まず、今ここで、奴に接触するしか第一次実験を止める手立てはねェ」

少女「では、あれを使ってはいかかでしょう?」

一方通行「……マジかよ」

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)00:10:04.42ID:XYnbdtpC0

一方通行「止まれ、そこの最強気取りの真っ白ボッチャンよォ」

過去通行「……」ピタッ

過去通行「……カカッ、いいねェ。やっぱ聞き違いじゃ無かったンかよ。最強気取りってこたァ、俺のことを知ってるってことだよなァ」

過去通行「それでも俺にそンなクチ聞きやがる愉快野郎は今までちょっと会ったことねェぞォ!!」クルッ

一方通行「……」

過去通行「……」

一方通行「……」←ゲコ太の被り物してる

過去通行「イヤ、マジでこンな愉快な奴会ったことねェわァ……」

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)00:11:14.94ID:16fYRGXm0
想像したらちょっとワロタ

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)00:17:06.09ID:XYnbdtpC0

一方通行(過去の自分に見下されるってなァ精神的に来ンなァ……)

過去通行「ンで? テメエは何なのよ? 俺を笑い死にさせようって魂胆かァ?」

一方通行(ゲコ太)「いいか、一つだけ教えてやるよ。利口な利口な第一位ちゃン」

過去通行「あァ?」

一方通行(ゲコ太)「今日、あと数時間もしねェ内にオマエに声をかけてくる奴らが現れる」

一方通行(ゲコ太)「そいつらの口車に乗るな。乗せられて、安い幻想を抱くな。誓え」

一方通行(ゲコ太)「オマエは、誰も殺すンじゃねェ」

過去通行「………」


過去通行「ウゼェよ。何様だテメエは」

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)00:22:52.93ID:XYnbdtpC0

一方通行「……グ…」

少女「目が覚めました?」

一方通行「……ッ!? 夜!?」

少女「はい。あなたは過去のあなたに吹き飛ばされ、今まで気を失っていました」

一方通行「じ、実験は……!」

少女「その結果が、今出るようです」

一方通行「………」

一方通行「……ッ!!」


過去通行「………」フラ…


一方通行「何て顔……してやがる……」

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)00:26:20.81ID:OT1IeCstO
ゲコ太被ったまま気絶か…

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)00:28:51.04ID:XYnbdtpC0

過去通行「アー……だりィ」

過去通行「コーヒー買って……サッサと寝るとすっかァ……」

過去通行「……」

過去通行「……またテメエかよ」

一方通行「……この、馬鹿野郎が」

過去通行「はァ?」

一方通行「殺すなって、言っただろォがァ!!」

過去通行「……何か色々知ってるみてェだけどよォ。人聞きの悪ィこと言ってンじゃねェよ」

過去通行「俺は人殺しなンてしてねェ……俺がしたのは、ただの『処理』だ」

一方通行「そォやって割り切ることが出来ねェのは、テメエが一番わかってるだろォが」

過去通行「……あァ?」ピクッ

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)00:35:42.81ID:XYnbdtpC0

一方通行「オマエがこれから家に帰って何をするか教えてやろォか?」

一方通行「オマエはまず大量に買ってきたコーヒーをかっくらう。ケッ、酒飲ンで酔って誤魔化すことも出来ねェのさ。ホントにただのクソガキだ」

一方通行「好物飲ンで、多少落ち着きを取り戻して、オマエはそのままウトウト眠るのさ」

一方通行「そして、起きる。夢を見て、起きる」

一方通行「そしてオマエは手を洗うのさ。落ちないことなんて分かってンのに、いつまでもいつまでも洗ってンだ」

一方通行「そして、最悪なことにオマエは泣く。ポロポロ泣いて、もう嫌だと―――」

一方通行「――――??」

一方通行(もう、嫌だと―――?)

過去通行「ウルッセェエエえええええええええええええ!!!!!!」

一方通行「!!」ハッ

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)00:39:35.27ID:XYnbdtpC0

過去通行「何なんだテメエは!! 見透かしたよォにベラベラベラベラよォ!!!!」

一方通行「オマエ……!」

過去通行「もォいい喋ンな口を開くな、テメエの声はどこまでも癇に触るンだよォォオオオおおおおおお!!!!」

一方通行「く……!!」


 ズズ……ン……!!

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)00:48:37.19ID:XYnbdtpC0

少女「…気がつきました?」

一方通行「チ…またかよ……」ムクリ…

一方通行(能力が無きゃァ、ホントにただのクソガキだな俺ァ…『アイツ等』みてェに、体一つで何かを為すことなンて出来やしねェ)

少女「…彼は、あなたは、止まるでしょうか?」

一方通行「さァな」

少女「あなた自身のことなのに?」

一方通行「この時の俺がどンな精神状態だったかなンて覚えてねェよ」

一方通行「覚えてりゃもう少し……」

一方通行(待て…何で俺はこの時期の俺の気持ちを思い出せねェンだ?)

一方通行(俺は一方通行だぞ? 『俺が物事を忘れるなンて有り得ねェ』…!)

少女「思索に耽っているところ申し訳ないですが」

一方通行「!!」

少女「彼が、いえ、あなたがやって来ましたよ。二度目の実験を行うために」

一方通行「……オイ、俺は何時間寝てた……?」

少女「丸一日ほど。起こそうとはしましたが、起きませんでしたので」

79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)00:53:19.21ID:XYnbdtpC0

過去通行「……」ザッ、ザッ、

一方通行「く……!」

 少女への怒りも、先ほど頭を渦巻いた疑問も、今は置いておく。
 目の前を歩む過去の自分は、これから二度目の実験へ向かう。
 それだけは止めなければ。
 ここで止めなければ、彼はもう戻れなくなる。
 それだけは、覚えているから。

 初めて自分の意思で『彼女』を殺した瞬間のことだけは、絶対に忘れないから。


一方通行「止まれ」

過去通行「よォ…生きてたンかよ。そりゃ何よりだったなァ」

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)01:07:42.39ID:XYnbdtpC0

一方通行「研究所には、絶対に行かせねェ」

過去通行「イヤァ…悪ィが通してもらうぜゲコ太君。俺にはやらなきゃなンねェコトがあるンでな」

一方通行「テメエ……!」

過去通行「問答もしてやンねェよ。教えてやるケド、俺ァ忙しいの。被りモンして遊ンでるテメエとは違ェンだよ」

一方通行「何故…何故わからねェ…」

過去通行「あ?」

一方通行「くだらねェ実験なンざやめろ。どォせテメエは無敵なンかにゃ届かねェ」

一方通行「なンでもすぐに投げ出しちまうテメエは実験だって途中で投げ出すさ。それで、その後に残るのは――」

一方通行「――――ッ!!!!????」

一方通行(今の――言葉は―――!!!!)

少女「………」

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)01:09:57.78ID:XYnbdtpC0

過去通行「ご高説どォもォ。だけどよォ…俺は学園都市最強の第一位、『一方通行』だ」

過去通行「俺は誰の指図も受けねェ。俺の行動を決定出来るのは、俺だけだ」

 過去の一方通行が、今の一方通行の傍を通り抜ける――その刹那。
 過去の一方通行の手が、今の一方通行の体にふれ――その自由を、一瞬で奪った。

一方通行「か…は…!」

過去通行「だがまァ……多少参考にはなった。礼だきゃ言っといてやるぜ」

少女「……!」タタタッ!

過去通行「……連れがいたンかよ。だったらさっさとそのゲコ太を病院に連れて行ってやれ」

一方通行「か…ふ…」

少女「……立って」


少女「立って!!!!」

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)01:16:50.84ID:XYnbdtpC0

少女「いいんですか!? 今ここで彼を行かせたら何も変わらない!!」

少女「変えてください…過去を…未来を!!」

一方通行「お…まえ……」

少女「変えられなかったんです! 今まで、私の『時間跳躍』で過去を変えることなんて出来なかった……」

少女「あなたが今まで失敗し続けたように、過去を変えようとしても必ず世界からの修正を受ける」

少女「でも、あなたならって思った! あなたなら、出来るって……」

少女「人生は、やり直すことが出来ると証明してくれるって!!」

一方通行「が…ぐ…!」

少女「立って…『一方通行<アクセラレータ>』!! 立って、あなたの過去を塗り替えて!!」

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)01:24:08.26ID:XYnbdtpC0

一方通行「がァァアァアアあああああああああ!!!!!!」

過去通行「何ッ!?」

 能力使用モード、ON。
 コンピューターが焼き切れるのは一瞬。
 能力が使えるのは、一瞬。
 だが、それで十分。

一方通行「闇なンぞに行かせやしねェぞ、三下がァァァアアああああああああああ!!!!」

過去通行「……馬鹿が! デフォじゃ」

一方通行「『反射』だよなァ!! 知ってるよ、誰よりもよォ!!!!」

 『今』の一方通行の手が、過去を掴む。

過去通行「……テメエ!! 俺の能力に干渉を…」

一方通行「演算の上書き対決だ。ケド、悪ィなァ……」


一方通行「これでもこちとら、成長してんだよォ!!」ゴォッ!

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)01:33:01.01ID:XYnbdtpC0

 倒れふす二人の一方通行。
 一人は渾身の一撃をその身に受けて。
 一人は、その身を支える術を失って。

過去通行「が…か…!」

一方通行「く…か…!」

 すたすたと、二人の一方通行に少女が歩み寄る。

少女「おめでとうございます、一方通行。といっても、もう人語を理解することは出来ないでしょうが」

少女「さて、忘れないうちにこの時代の一方通行の記憶をいじっておきましょうか」

少女「記憶は消えても、無意識に深く刻まれた敗北感は消え去らない」

少女「その敗北感は、『無敵』への更なる渇望を生み――その渇望がどういった結果を招くのか、それはあなたがよく知っている通り」

少女「これにてあなたの『今』は確定しました。プラン5032完了です」

93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)01:40:30.10ID:XYnbdtpC0

 ――現在、黄泉川のマンション近くの道

一方通行「……オイ」

少女「状況を説明しましょうか? あなたは見事過去の自分を討ち果たし、『現在』へと帰還したところです」

一方通行「……オイ…!!」

 一方通行の手が己の首元に伸びる。
 その指が、演算補助のチョーカーに触れる。

一方通行「何でコレがまだ俺についてる…! 過去は変わったはずだ。なら今も変わったンじゃねェのか!?」

少女「つまり変わってないってことですね。簡単なことです」

一方通行「な…! ふざけ…!! ……!! なら、もォ一度だ!! もォ一度…」

少女「いい加減気づいても良さそうなものだけど」


少女「過去を変えることなんて出来るわけないじゃない。馬鹿じゃないの?」

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水) 01:43:13.21 ID:AWC/7O8E0
並行世界うんぬんで過去行っても変えられない説と
タイムパラドックス説があるが
この場合は前者か?

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)01:45:06.22ID:XYnbdtpC0

一方通行「な…!!」

少女「過去というのはあなたが過去を変えようと過去に戻ることまで含めて過去なんですよ」

少女「つまり、今この時のあなたが過去に戻って行動を起こす……それを今のあなたは過去で経験しているんです」

少女「あなたは、今ここにいるあなたは、過去にゲコ太の被り物をしたおかしな奴に出会っていた」

少女「おわかりですか?」

一方通行「だが……俺にその記憶はねェ……」

少女「あ、それは私が細工しました。ごめんなさい」

98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)01:50:48.46ID:XYnbdtpC0

少女「ま、何でこんな面倒な真似をしたかというとですね。簡単にいえば『絶対能力進化計画』を絶対に遂行したかったからです」

少女「もちろん、あなたを無敵にしたかったわけじゃないですよー。そんなん無理だとわかっていますし」

少女「肝要なのは『妹達』を大量生産するための口実をでっち上げることです」

少女「彼女たちが――ミサカネットワークがどれほど重要なものかは、『ドラゴン』にたどり着いたあなたなら薄々勘づいているとは思いますが」

少女「やっぱ『妹達』だけ一万規模で生産したら勘のいい奴は感づきますからねー」

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)01:55:07.35ID:XYnbdtpC0

少女「ところが『絶対能力進化計画』を遂行するにあたって最大の問題が発生しました」

少女「言うまでもなくあなたです。一方通行」

少女「あなたは笑えることに、本当に笑えることに、とてもとても優しかった」

少女「一体目の『妹達』を過失で殺してしまってあなた、本当は泣いてたんでしょう?」

少女「そして、本当は二体目の実験にかかる前に研究所を潰すつもりだった。本当なら『最強』である自分で満足しようと、妥協することが出来ていた」

少女「本当なら―――ね」

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)02:03:43.58ID:XYnbdtpC0

一方通行「テ…メ…エ……!」

少女「あとはもう説明しなくてもわかるでしょうし、実のところ思い出してきてもいるのでしょう? あなたの記憶にロックをかける意味はもうありませんしね」

一方通行「肉片になれコラァ!!」ドゥッ!

少女「ふふっ」スカッ

一方通行「な…触れねェ…だと……?」

少女「お別れだよ、一方通行。だけど、その前に――最後に私の名前を教えようか」

 そう言って、少女は―――いや、もう一方通行には『ソイツ』が少女だとは思えない。
 かといって、男なのか、女なのか、はたまた少女か、老人か―――一方通行にはもうまるきりわからない。
 そして少女は、いや、男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『ソイツ』は笑ってその名を告げた。


「面と向かって名乗るのは初めてだな。私は、アレイスター。アレイスター=クロウリー」

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)02:10:43.45ID:XYnbdtpC0

アレイスター「別れ際になんだが、大人として君に忠告しておこう」

アレイスター「君は自覚しなくてはならない」

アレイスター「打ち止めと、それを取り巻く今の環境を、君は一度捨てたのだ。それも、自分のために」

一方通行「黙れ!! 黙れェェェえええええええ!!!!」

アレイスター「彼女たちのため? 違う。殺された一万人のため? 断じて違う」

アレイスター「君は君のために、ただ罪悪感に耐えられず、悪夢から逃げ出すために、そんな綺麗事を言って彼女たちを捨てたのだ」

一方通行「違う! 俺は…! 俺は……!!」

アレイスター「私はいつでも君を見ている。本当に見ものだよ。これから君が彼女たちとどう接していくのか」

一方通行「おァァァァアアアアあああああああ!!!!」

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)02:16:18.90ID:XYnbdtpC0

 ――窓のないビル

エイワス『彼には少々かわいそうなことになったな』

アレイスター『現在は全ての過去の積み重ねだ。過去を否定するということは、今の自分を否定することにほかならない』

アレイスター『私がこの術式を身に付けたのは既に200年ほど前になるが、これまで一度として自身の過去を変えようとしたことはない』

アレイスター『彼はそれがわかっていなかった。当然の報いと言えるだろう』

エイワス『そう仕向けたのは君ではないか。人でなしめ』

アレイスター『心外だなエイワス。私は誰よりも”人間”のつもりだよ』

105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)02:21:58.98ID:XYnbdtpC0

エイワス『とはいえ、本当に回りくどい方法をとったものだ。当時の彼を君が叩き伏せれば簡単だったんじゃないのか?』

アレイスター『そうしなかった理由は三つある。ひとつは当時の彼に”もうひとつの法則”に触れさせる訳にはいかなかったこと』

アレイスター『もうひとつは今現在の彼に、私に対して苛烈な敵愾心を抱かせる必要があったこと。彼はまだ規定のレベルに達していない。今のようなぬるま湯に浸っていたままでは困る』

アレイスター『最後の理由だが―――これがもっとも大きな理由なのだが』


アレイスター『それでは、私がつまらないだろう?』

エイワス『やれやれ、やはり君は”人でなし”だよ。アレイスター』


 終わり

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)02:23:29.29ID:XYnbdtpC0
うん やっぱ平日にSSなんて書くもんじゃねえや
はっきりいって大失敗
寝ます

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水) 02:24:28.50 ID:E81doSff0
途中までは凄くよかった

108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)02:26:09.26ID:i/BK0Vti0
乙じゃん

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水)02:35:52.81ID:sntbLgz1O
悪くはなかった
でも一方さんなら過去に戻れるって言われても
罪から逃げるつもりはねェとかなんとか言って断りそう

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水) 02:43:43.94 ID:qj0yeb8a0
死んだ奴が生き返るのに、罪がどうとかで断るのはただの自己満


佐天「吸血鬼を召喚し使役する能力かぁ」

2013-09-07 12:59:13 | とある


1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 00:46:22 ID:OlVElI3f0
初春「……ずいぶん変わった能力ですね」

佐天「吸血鬼って、なんかすごくない!?」

黒子「この学園都市で、非常識な能力ですわね」

初春「うーん、何かの比喩でしょうか?」

佐天「吸血鬼かぁ、なんだかわくわくするわね!」キラキラ

黒子「ばっかばかしい。そんなの都市伝説に決まってますわ」

佐天「そんなー」ガッカリ

黒子「だったら、実際に使ってみたらどうでしょうか?」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 00:47:34 ID:OlVElI3f0
佐天「そうですね。やってみましょう」

初春「あ、でも昼間に召喚したら、吸血鬼はダメなんじゃないでしょうか?」

佐天「それもそうね」

黒子「そんなマジメに考えなくてもよろしいのに」

佐天「帰ったら試してみるよ」

初春「えー、危ないですよー」

佐天「そうかな?」

初春「絶対にひとりで召喚しちゃダメですからね!」メッ

佐天「う~……」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 00:48:15 ID:OlVElI3f0
黒子「お二人とも、早く行かないとタイムセールが終わってしまいますわよ」

初春「あっ、もうこんな時間!」

佐天「御坂さんも来ればよかったのに、新作ケーキのタイムセール」

黒子「仕方ありませんわ……」

黒子「お姉さま、最近なんだかとてもお悩みになっていらしたようですし」

初春「きっと、何か理由があるんだと思います」

佐天「分かった!きっとかれ(ry」

黒子「のおおおおおおおおおおおおおお!!!」ゴロゴロ

初春「白井さん!」

佐天「なーんてね」

佐天(とは言ったものの、やっぱり気になるなぁ)

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 00:49:08 ID:OlVElI3f0
1時間後

佐天「あー、美味しかった」

黒子「なかなかの味でしたわね」

初春「そろそろ帰りましょうか」

佐天「そうだね。じゃ、また明日」

初春「佐天さん」

佐天「ん?」

初春「吸血鬼、勝手に召喚しちゃダメですからね!」ギロッ

佐天「あははー、分かってるってー」

黒子「初春は心配症ですわね」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 00:50:14 ID:OlVElI3f0
その夜、佐天の部屋

佐天「しっしっし、ごめんね初春」

佐天「せっかくの能力だもの。使わない手はないわ」

佐天「それに吸血鬼なんて、都市伝説ハンターの血が騒ぐじゃない!」

佐天「もしものときのために、ニンニクも食べたしね」

佐天「ちょっと口臭が気になるけど……」

佐天「それにしても、吸血鬼って、どんなのが出てくるんだろう」

佐天「ええい、考えてもしょうがない。そりゃ!」

煙がもくもくと立ち昇る。
その煙の向こうに、人影がゆらりと現れた。

アーカード「……ここはどこだ」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 00:50:34 ID:kB8L3Dv00
それかよ

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 00:51:13 ID:GEp2ynA+0
アーカードきた!

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 00:51:45 ID:xBFb2iZB0
自分殺してる最中の旦那か

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 00:52:18 ID:AsMenrWy0
とんでもない吸血鬼来た!

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 00:52:55 ID:OlVElI3f0
そこには、赤いコートを着た長身の男が立っていた。

佐天「本当に出たあああ!?」

驚く佐天。男が尋ねる。

アーカード「おい娘」

佐天「は、はい!?」

アーカード「ここはどこだ?」

佐天「が、学園都市です!」

アーカード「学園都市?知らん名だな」

アーカード「チェシャ猫を追っているうちに妙なところに出たようだ」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 00:55:06 ID:OlVElI3f0
佐天「あ、あの~」

アーカード「私を呼んだのはお前か?」

佐天「そうですけど……」

アーカード「ふん、こんな小娘に呼び出されるとはな」

佐天(なんかスゴイ人が来ちゃったなぁ……)

佐天(この人、やっぱり吸血鬼なのかな……)

アーカード「おい娘」

佐天「な、なんでしょう……?」

アーカード「腹が減った。血をよこせ」

佐天(やっぱり吸血鬼だ!)

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 00:56:28 ID:OlVElI3f0
佐天「って、私を吸血鬼にするつもり!?」

アーカード「安心しろ。そのつもりはない」

アーカード「これ以上従僕が増えるのは面倒だからな」

佐天「で、でも、噛みついたりはしないですよね?」

アーカード「指先をほんの少し切ればいい」

佐天「でも……」

アーカード「早くしろ!」

佐天「はひっ!」

机からカッターを出し、佐天は指先を切った。
うっすらと血が滲む。
佐天は心臓が高鳴るのを感じた。

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 00:59:52 ID:OlVElI3f0
アーカード「それでいい」

アーカードが跪く。
舌先が佐天の指を這う。

佐天(なんか……変な気分……)

アーカード「……ふむ、正真正銘100%処女の血だな」

佐天「い、言わなくていいです!」

アーカード「さて、それでお前は私を呼び出してどうするつもりなんだ?」

佐天「え?えっとー、それはですね~」

佐天(しまった、何も考えてなかった……)

アーカード「どうした、早く答えろ」

佐天(うわー、なんかイライラしてるよ……)

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:02:12 ID:OlVElI3f0
佐天「そ、そう言えば、あなたの名前はなんて言うんですか?」

アーカード「アーカードと呼ばれている」

佐天「私は佐天涙子って言います。よろしくお願いしますね」

アーカード「おい娘、早くしろ」

佐天「せっかく名前教えたのに……」

佐天「そうですね、まずは親睦を深めるためにゲームを」

アーカード「断る」

佐天「ですよねー」ウルウル

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:02:38 ID:g4hxiUxSi
姫なんとかさん「私、今日のハイライト…フフッ」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:03:33 ID:OlVElI3f0
アーカード「と言いたいところだが、どうやら今はお前が私の主らしい」

佐天「え、そうなんですか?」

アーカード「主の命令ならば逆らえん。付き合おうか、その遊戯に」

佐天「やったー!じゃあ準備しますね!」

ウキウキとした気分で、佐天はゲーム機を取り出しテレビにつないだ。

佐天「マリカーしましょ、マリカー!」

アーカードの方を振り返ると、そこには少女がいた。

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:05:10 ID:OlVElI3f0
佐天「……え?」

アーカード「どうした、娘」ニヤニヤ

佐天「なぜ黒髪ぱっつん!?なぜ声だけダンディー!?」

アーカード「ふん、姿形など、私にとっては何の意味もない」

佐天「だったら声も可愛くしてくださいよ!」

アーカード「五月蠅い。さあ、早く始めようか」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:06:47 ID:OlVElI3f0
2時間後

佐天「なんでこの人こんなに上手いの……」

アーカード「どうした?まだ50連敗しただけだぞ。かかってこい」

佐天「まさかこの私が負けるなんて……」

佐天(しかし、吸血鬼とゲームをするなんて、思ってもみなかったなぁ)

隣の少女を見る。
可憐な少女が楽しそうにゲームに興じていた。

佐天(こう見ると、可愛いかも)

アーカード「早くコンティニューしろ。ハリー!ハリー!」

佐天(でも声が……)

こうして夜が更けた。

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:08:22 ID:OlVElI3f0
翌朝

佐天「……あれ?いつの間にか寝ちゃった?」

ベッドの中で身を起こす。
カーテンの外はすでにかなり明るい。
時計を見ると、正午を回ったところだった。

佐天「アーカードさん?」

部屋を見渡す。
彼の姿はない。
少女の姿の彼もない。
代わりに部屋の真ん中に、巨大な黒い棺桶があった。

佐天「なにこれ……」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:09:29 ID:OlVElI3f0
佐天「もしかしてアーカードさんのベッド?」

佐天「吸血鬼って、カンオケで寝るんだ。へー」

表面に何か文字が書いてある。
佐天が手を伸ばす。

佐天「ざ・ばーど・おぶ・はーめす?」

アーカード「触れるな」

佐天「うわっ!?」

少しだけ開いた棺桶の中から、鋭い眼が見えた。

アーカード「私の棺に触れるな」

佐天「ご、ごめんなさい……」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:10:53 ID:OlVElI3f0
佐天(大切なものなのかな。アーカードさん怒ってる……)

シュンとする佐天。
しばらくすると、棺桶がごそごそと動き出した。

佐天「え?」

見ると、脚が生えている。それもたくさん。

佐天「きゃあああ!!!」

Gの如く動き回る棺桶。
棺桶はそのまま脚でドアを開けて、部屋の外へと消えていった。

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:13:41 ID:OlVElI3f0
佐天「吸血鬼ってなんなの……」

アーカード「おい」

佐天「うわっ!いきなり後ろから声をかけないでください!」

佐天「ていうかあなた棺桶の中にいませんでしたっけ!?」

佐天「ていうかていうか!あの棺桶!どこ行ったんです!?」

アーカード「いちいち喧しい娘だ。そんなことはどうでもいい」

佐天「ツッコミが追い付かないよぉ……」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:15:40 ID:OlVElI3f0
アーカード「さあ我が主よ。次のオーダーをよこせ」

佐天「命令って言われてもなぁ」

佐天(また女の子の姿に戻るのもいいなぁ)

佐天(でも今の状態もちょっと格好良いかも)

佐天「どんなことができるんです?」

アーカード「いろいろできる。ナチスをくびり殺したり神父の心臓を」

佐天「けっこうです」キッパリ

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:16:53 ID:OlVElI3f0
佐天(この人、実はかなり危ない人かも……)

佐天(でも、とても強いのかな……だったら……)

佐天「だったら、私の友達を助けてください!」

アーカード「ほう」

佐天「私の友達にとっても困っている人がいて、でもその人はとっても強くて」

佐天「私に助けを求めたりしなくても自分で何でも解決できちゃうすごい人なんですけど」

佐天「でもそれでも、その人が今困ってて、私はその人の力になりたいんです!」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:17:46 ID:OlVElI3f0
アーカード「……」

佐天「あの……ダメですか?」

アーカード「くっくっくっく……」

佐天(こわっ!!)

アーカード「いいだろう、我が主よ。そのオーダー、確かに承った」

佐天「ありがとうございます!」

佐天(御坂さん、私、あなたのお手伝いがしたいんです)

佐天(迷惑かもしれない。必要ないかもしれない)

佐天(でも私、あなたのために何かしたい)

佐天(じっとしているのは、嫌だもんね!)

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:20:31 ID:OlVElI3f0
学園都市、とある路地裏

佐天「……とは言ったものの、どこにいるのかしら……」

佐天は当てもなく路地裏を歩く。
陽はすでに傾きかけていた。

佐天(アーカードさん、ちゃんとついてきてくれてるかな)

アーカード(お前の影の中にいる。問題ない)

佐天(うわ~、私テレパシーで会話しちゃってるよ……)

佐天「こんなんで、見つかるのかなぁ」

アーカード(私の”体”が街中を走っている。すぐに”掛かる”)

佐天(意味分かんないけど凄そう……。吸血鬼ってこんなんだっけ?)

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:22:05 ID:OlVElI3f0
佐天「そう言えば、さっきはごめんなさい」

アーカード「何の話だ」

佐天「ごき……棺桶に勝手に触ってしまって、ごめんなさい」

佐天「あれ、あなたの大切な物なんですよね」

アーカード「……私の最後の領地だ」

アーカード「あそこで生まれ、あそこで死ぬ」

佐天(アーカードさん、ちょっと寂しそう)

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:23:35 ID:OlVElI3f0
角を曲がる佐天。

アーカード「おい」

佐天「え?」

どすん

誰かにぶつかった。

佐天「きゃ!?」

不良A「おいおいおいおい、いってぇじゃねーかよぉ?」ニヤニヤ

不良B「骨が折れちまったぞ、どうしてくれる?」ニヤニヤ

佐天「ご、ごめんなさい……」

不良C「あれあれぇ?この子可愛くない?超可愛くない?」ニヤニヤ

不良A「うっへっへ、こりゃあいいや」ニヤニヤ

佐天(アアアアアーカードさーん!)

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:25:02 ID:OlVElI3f0
3人の不良が佐天を取り囲む。

不良B「ねえカノジョー、俺たちと楽しいことしない?」ニヤニヤ

不良A「それでチャラにしてやるからさぁ」ニヤニヤ

アーカード(まったく、どこにでもこの手の輩はいるものだな)

佐天(そんなこと言ってないで、助けて下さいよ!)

不良C「オラ何とか言えよ!」ドン!!

佐天「痛っ!」

アーカード「しょうがない小娘だ」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:26:29 ID:OlVElI3f0
不良たちは見た。
ビルの壁面に映った少女の影から、人の上半身が浮かび上がってくるのを。
影の手が伸びる。

アーカード「ゴミどもめ」

不良達「……!!」

アーカードの眼が妖しく光る。

アーカード「失せろ」

不良達「はい」

佐天は目を丸くしたまま、3人の不良の背中を見送った。

佐天「え?え?今何したんです?」

アーカード「何もしていない」

佐天「はぁ……」

佐天(エ口光線か何かかな……)

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:28:46 ID:OlVElI3f0
アーカード「それはそうと、お前は本当に危機感が足りんな」

アーカード「それではいくつ命があっても足りん」

佐天「反省します……」

アーカード「……それはまあいい」

アーカード「ところで、お前の輩(ともがら)が見つかったぞ」

佐天「本当ですか!?」

アーカード「……」

佐天「どうし……!?」

佐天は見た。
アーカードの顔には、怖気のするような笑みがあったのだ。

アーカード「どうやら、”楽しいこと”になっているようだぞ」

佐天「御坂さん……!」



人いない……寂しい……

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:30:04 ID:OlVElI3f0
とある倉庫街に爆音が響く。

一方通行「ヒャーッハッハハハハハッハハハッ!!!」

一方「いつまで逃げてるつもりですかァ?三下ァ!」

上条「ちくしょう!」

一方「クケケケケケケ!」

再び爆音。
髪をツンツン立てた少年が宙を舞う。

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:31:43 ID:OlVElI3f0
御坂「うう、強い……」

御坂美琴は傍らに倒れている々姿の妹を見つめる。
生きてはいるが、すでに意識が無かった。

御坂「やっぱり無理なのよ……あいつに勝つなんて」

御坂「あいつまで巻き込んで……私、バカみたい……」

御坂は気を失った。
3人の敵を倒し、一方通行は再び笑う。

一方「ケケ、雑魚どもがよォ。もちっと楽しませろよなァ」

アーカード「おい」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:33:01 ID:OlVElI3f0
声が掛かった。

一方「あァン?」

そこには赤いコートの男が立っていた。

一方「誰だァ、てめェ?」

アーカード「俺の名前はアーカード。HELLSINGのゴミ処理係だ」

一方「ヘルシングだァ?聞いたことねェなァ?」

一方「でもちょうどいいや。ゴミならあるぜェ?生ゴミが3つもなァ!」

アーカード「……まったく、気配を感じて来てみたら、こんな餓鬼だとはな」

一方「……あァン?」

一方通行の表情が歪む。

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:34:10 ID:OlVElI3f0
アーカード「餓鬼が餓鬼をいたぶって好き勝手絶頂やってもらわれると、この上なく不快だ」

アーカード「そうだろう、娘?」

佐天「うえっ!?」

物影に隠れていた佐天に向かって、アーカードは言う。

アーカード「さあ我が主よ。オーダーを。オーダーをよこせ」

佐天「……そいつを倒して、御坂さんたちを助けて!」

アーカード「認識した。マイマスター」ニィ

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:35:17 ID:OlVElI3f0
一方「何だァ?何ですかァ?」

一方「主だの何だの、SMプレイですかってンだ」

一方「おいおっさン。俺が誰だか分かってンのかァ?」

アーカード「知らんな」

一方「ケッ、じゃあ教えてやるよ。俺は一方通行だ」

一方「学園都市の最強の超能力者(レベル5)様だよォ!」

佐天(マジで!?実在するんだ!?)

佐天「アーカードさん!さっきの取り消し!やばいって!」

佐天「早く御坂さん達を助けて逃げようよ!」

一方「もうおっせェよ!」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:36:49 ID:OlVElI3f0
一方通行が地面を蹴る。

無数の砂利が、まるで散弾銃のようにアーカードを襲う。

佐天「アーカードさん!!」

肉と内臓が引き裂かれ、血が噴き出す。
佐天が悲鳴を上げる。

一方「ウヒャヒャヒャヒャ!どうしたよォ、糞奴隷野郎!」

アーカードが倒れる……と思われた。

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:38:17 ID:OlVElI3f0
アーカード「餓鬼が」

佐天「え?」

一方「なッ!?」

バラバラになったはずのアーカードの身体が再生する。

アーカード「なるほどなるほど、そういう能力か」

佐天「すごい……」

一方「へへ、どういう細工か知らねェが、随分と楽しませてくれるじゃねぇか!」

轟ッ!

一方通行の身体が加速し、弾けたようにアーカードに突進した。
アーカードは銃を抜き、それに応じる。

ヒュパ!

連発する破裂音。
しかし一方通行は止まらない。

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:39:54 ID:OlVElI3f0
一方「ミンチにしてやンよォ!!」

アーカードの首が飛ぶ。
佐天がまた悲鳴を上げる。

一方「まだまだァ!」

無数の鉄骨が飛来し、アーカードを押し潰していく。

佐天「アーカードさーん!」

砂煙と血の臭いが空間を満たす。

一方「どうだァ、ゴミ処理係ィ?自分がゴミカスになる気分はよォ!」

一方通行の邪悪な笑いがこだまする。

しかし――

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:41:34 ID:OlVElI3f0
アーカード「拘束制御術式第3号、第2号、第1号、開放」

アーカード「状況A 『クロムウェル』発動による承認認識」

アーカード「目前敵の完全沈黙までの間、能力使用限定解除開始」

チキチキチキチキ

一方「な、なンだァ!?」

アーカード「教育してやろう。吸血鬼の闘争というものを」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:44:56 ID:OlVElI3f0
アーカードの身体が拡散していく。

黒い闇の中に、不定形の”何か”が浮かび上がる。

それは黒い獣となって、一方通行に襲いかかる――!

一方「なンだよこれはァ!?」

咄嗟に身をかわす。
最強の自分が、身をかわすことになるとは。

ゾルッ!

一方「うぎゃああああああああ!!俺の腕がああああああ!!!」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:46:38 ID:OlVElI3f0
右腕が、黒い獣に食いちぎられていた。
真っ赤な鮮血が生々しく光っている。

一方(畜生ちくしょう、どうなってやがンだチクショウ!)

反射膜は確かに張っていた。
しかし防げなかった。

アーカードの声がする。

アーカード「おいどうした最強?」

アーカード「まだ腕が一本千切れただけだぞ。かかってこい」

闇の中からアーカードが言う。

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:48:26 ID:OlVElI3f0
一方「うぎぎぎぎぎ……」

アーカード「その程度の傷で戦闘不能とは情けない」

再び獣が一方通行を襲う。

一方「うげェ!」

左脚が闇に消える。
迸る血が夜を染める。

アーカード「もはや演算もできんか」

アーカード「能力に比べて、肉体と精神が脆弱すぎるな」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:50:03 ID:OlVElI3f0
静かに歩み寄り、アーカードが一方通行に囁く。

アーカード「ときに最強。貴様はどのくらいの間、不眠不休で闘える?」

アーカード「何も食べず、眠らず、休まず、何年くらい闘っていられるかね?」

アーカード「私を打ち倒したいのならば、早く立つことだ」

アーカード「なあに、あとたったの3,000,000回くらいだ」

虫のように這いつくばる一方通行をアーカードは見下ろす。

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:52:19 ID:OlVElI3f0
一方通行は恐怖していた。
はじめて感じた、真の恐怖であった。
長い間ずっと忘れていた、本物の恐怖。

死だ。
死がそこにあった。

アーカード「1度目の攻撃を阻止できなかったのは、まあいい」

アーカード「しかし2度目ンオ攻撃を反射できなかったのはどうしてだと思う?」

アーカード「恐怖だ。お前は恐怖を知らなかった。否、見ようとしていなかった」

アーカード「自らの内の恐怖を克服しない限り、貴様は私を倒せない」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:54:30 ID:OlVElI3f0
一方通行の目の前に絶望が広がる。
こいつは本物の化物だ。
もう演算も糞もない。
ただただ、一方通行は怯えていた。
今まで忘れていた恐怖を、思い出していた。

アーカード「ほう、貴様……」

アーカードが何かに気付いた。

アーカード「天使の、いや、天使の偽姿をその身に宿すか」

アーカード「なるほど。貴様のその能力もそれならば頷ける」

アーカード「だがこれではっきりした。貴様では私を倒せない」

アーカード「私を倒すのは、倒していいのは……」

佐天「待って!」

アーカードと一方通行の間に、割って入る者がいた。
佐天だ。

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:56:54 ID:OlVElI3f0
アーカード「……」

佐天「もういいです!もういいんです!」

佐天「どうかこの人を、見逃してあげてください!」

眼前の少女は怯えていた。
しかし、その双眸はしっかりと見開かれ、アーカードを捉えていた。

アーカード「どけ」

佐天「どきません!」

アーカード「これが闘争の契約だ」

アーカード「何者かを打ち倒しに来た者は、何者かに打ち倒されなければならん」

佐天「そんなの知りません!」

佐天「どうしても闘うというのなら、私が相手になります!」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 01:58:23 ID:OlVElI3f0
アーカード「……ふん」

アーカードが踵を返す。

佐天「アーカードさん……」

アーカード「走狗は飼い主を噛まん。好きにしろ」

アーカード「……いいのかもしれない。お前のようなものがいても」

佐天「アーカードさん……」

佐天の顔に安堵がにじむ。

上条「おい、あんた……」

見ると、両脇を2人の少女に支えられて、少年が立っていた。

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 02:00:13 ID:OlVElI3f0
上条「助けてもらったみたいだな。礼を言うぜ」

アーカード「……!」

吸血鬼の眼が見開かれる。

アーカード「幻想殺しか。まさかここで、こんなものに出会えるとはな」

上条「あんた、これを知ってるのか?」

アーカード「小僧、名を何と言う」

上条「上条当麻だ。あんた、吸血鬼か?」

アーカード「ふふ、だったらどうする」

上条「どうもしない。俺には興味もない。ただ」

少年の表情が険しくなる。

上条「あんたが俺や俺の仲間の敵になるってんなら、容赦はしない」

アーカード「くくく、楽しみにしておこう、”機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキーナ)”よ」

上条「え?」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 02:03:19 ID:OlVElI3f0
アーカード「だがお前では私を倒せない」

アーカード「お前のような、”人々の願った英雄”ではな」

上条「……どういうことだ?」

アーカード「化け物を倒すのはいつだって人間だ」

アーカード「英雄や機械仕掛けの神の如き、自動存在ではない」

アーカード「人間でなくちゃあならないのだ」

上条「?」

アーカード「お前は不幸になる」

上条「もう十分すぎるほど不幸ですよ……」

114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 02:04:56 ID:OlVElI3f0
アーカード「これから先、お前を待っているのは血塗られた運命だけだ」

アーカード「その中でお前は闘い続ける」

アーカード「それがお前の宿命だ」

上条「よく分かんねーけど、ひとつだけはっきりさせておくぜ」

上条「宿命だか運命だか知らねぇが、そんなもの、俺が全部ぶち殺してやるぜ」

少年は拳を突き出す。
吸血鬼は笑う。

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 02:06:33 ID:OlVElI3f0
アーカード「帰るぞ、涙子」

佐天「あ、ちょっと、待って下さいよ!」

佐天「みんな怪我してるんですよ!」

アーカード「知らん」スタスタ

佐天「この、一方通行さんはどうするんです?」

アーカード「奴の能力なら、千切れた手足を繋ぎとめることもできよう」スタスタ

佐天「そんな無責任な……」

御坂「佐天さん!」

御坂が呼び止める。

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 02:08:22 ID:OlVElI3f0
佐天「御坂さん、大丈夫ですか!?」

御坂「私たちは平気。佐天さん」

佐天「な、なんですか?」

御坂「ありがとう」

佐天「そんな、私何も……」

御坂「そんなことないよ。本当に、ありがとう……」

佐天「そんなお礼なんてー。あははははー」

佐天「わ、私、もう行きますね!邪魔みたいですし!」

御坂「ちょ!ちょっとこれはそんなんじゃ!///」ビリビリ

上条「うわ痛ぇ!何しやがるビリビリ!」

御坂「うっさいわねー!支えてあげてるんだからありがたく思いなさいよね!」

ミサカ妹「お姉さま、照れ隠しは良くないですとミサカは」

御坂「あんたは黙ってなさいよ!」ビリビリ

上条「不幸だー!」

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 02:10:03 ID:OlVElI3f0
帰り道

佐天「って、あれ?」

佐天「アーカードさん、そう言えばさっき、私を名前で呼びませんでした?」

アーカード「ふん、小娘が」

佐天「ひっどーい!私にはちゃんと佐天涙子って立派な名前が」

アーカード「五月蠅い。お前なんかただの娘で十分だ」

アーカード(そう、ただの娘で十分だ)

死人が舞い地獄が歌う、死の世界
自分はそこで生きてきた。
そんなものとは無縁の、無垢な少女
ただの娘

アーカード(永い間、忘れていた)

アーカード(これもまた人間の姿なのだ)

アーカード(闘争も戦争も知らない、何も知らない、なんと甘美で暖かな……)

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 02:11:30 ID:OlVElI3f0
深夜、佐天の部屋

佐天「今日はなんだか疲れてしまいました~」

ベッドに入り、少女が笑う。
吸血鬼は、それを見つめる。

佐天「アーカードさん」

アーカード「どうした」

佐天「眠るまで、手を握っててください」

佐天「命令ですっ」

にっこりと佐天が微笑む。

アーカード「ヤー、マイマスター」

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 02:13:34 ID:OlVElI3f0
眠る佐天を見つめる。
その首筋を見つめる。

アーカード「……」

佐天「って、何やってるんですかああああああ!!!」

バキーン

佐天「もう!乙女の血を吸おうとするなんて、信じらんない!」

アーカード「く、ははは」

アーカード「お前は本当にいい女だ。血を吸いたくなる」

佐天「もう///」

アーカードが佐天の手を包む。

アーカード「おやすみ、お嬢さん(フロイライン)」

佐天「おやすみなさい、アーカードさん」

アーカード「ああ、おやすみ。涙子」

少女が眠る。
夢を見る。

そう、すべては夢。

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 02:15:26 ID:OlVElI3f0
朝、佐天の部屋

佐天「ん~、よく寝た!」

佐天「今朝はなんだか調子がいいぞ~」

佐天「あれ?こんなとこ怪我してる」

指先の怪我をじっと見つめる佐天。

佐天「なんだっけ、何か大事な……」

佐天「うーん、忘れた!」

少女の1日が始まる。

いつもどおりの、平和な日常が。

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 02:16:38 ID:OlVElI3f0
2030年、ロンドン

アーカード「……」

セラス「あ、やっと起きましたね、マスター」

アーカード「セラスか……」

セラス「椅子の上で眠れるなんて、本当に器用ですね」

セラス「これも吸血鬼の力?」

アーカード「……」

セラス「もー、寝ぼけてないで手伝ってください」

セラス「さっきインテグラ様から命令で、中東のテロリストぶっ殺して来いーだとか、」

セラス「異教徒殲滅して来いーだとか言われたんですから」

セラス「本当に、人使いが荒いですよ。だから小ジワが……」

インテグラ「聞こえてるぞ、セラス」

セラス「ギャー!銃を向けないで!銀の弾丸装填しないで!ギャー!」

アーカード「相変わらず、騒々しい連中だ」

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 02:17:55 ID:OlVElI3f0
インテグラ「ん?どうしたアーカード」

アーカード「何がだ?」

インテグラ「ずいぶん上機嫌だな。良い夢でも見たのか」

セラス「へー、どんな夢見たんですか、マスター。ちなみに私はですねー」

インテグラ「お前の話は聞いとらん」

セラス「うう、ひどい……」

アーカード「……」

インテグラ「何をニヤけている、気持ち悪い」

アーカード「ふん、なんでもないさ、お嬢さん」

立ち上がり、インテグラの前に跪く。

アーカード「オーダーを。我が主」


END

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 02:18:59 ID:J6ybBJuK0
>>1乙 吸血鬼のキャラクターからランダムで使役出来るってことなんだな


また佐天さん旦那に会えるといいね

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 02:19:40 ID:QviFStCR0
乙乙!

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/05 02:21:52 ID:EMrivbPQ0
一方さん手足もげたうえにこのあと脳もやられるなんて

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