二・二六事件と日本

二・二六事件を書きます

高橋、コレ、着よ

2021-01-19 16:35:00 | 二・二六事件



高橋是清蔵相



高橋是清は東北の生まれなので、裸で寝る習慣があった。反乱軍が暴れこんだ朝も、指揮の将校が夜具をはぐと是清爺の裸の姿が現れた。はっと思った将校は、そばにあった爺の着物を抜身の軍刀の先へぶら下げると、大喝一声していわく、

『高橋!コレ、着よ!』




相次ぐ重臣の悲報を天皇陛下に奏上すると、陛下は思わずよろめかれた。そして仰ることには

『朕は重臣(重心)を失った!』



二・二六事件の頃は、重苦しい時代に反発するかのように、ナンセンスを喜ぶ空気が強かった。そこで二・二六事件が起きると、すぐにこれをタネにしたナンセンス問答が流布された。


特集 文藝春秋
昭和の35大事件より



重苦しい時代だけに遠慮しがちなのだと思っていたが、意外にも事件当時からふざけた風潮は許されていたらしい。