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悠の食虫植物 ネペンテス普及委員会 (和名 ウツボカヅラを世に広める会)

食虫植物のネペンテスを広めていくためのブログ。

虹色ほたる 永遠の夏休み

2010年01月13日 02時32分47秒 | Bランク
虹色ほたる―永遠の夏休み
川口 雅幸
アルファポリス

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 この作品は、行きつけの書店に山積みされていたものを衝動買いしたものです。

 帯に書かれた「ラスト、涙が止まらない! 感動ファンタジー」のうたい文句が

気になり、気がついたらレジへ。

 作者の川口 雅幸氏は岩手県出身の方だそうで、岩手生まれの岩手育ちの私にと

ってはぜひ応援しなければならない作品。

 加えて作品の概要は、過去にタイムスリップした少年の夏の思い出という代物。

感動とハッピーエンドが約束されたようなこの設定、さらに私の好きなファンタ

ジーという要素が詰め込まれているとあらば、外すわけにはいきません。

 さっそく「虹色ほたる」の読書マニュアルをご説明しましょう。


 まず作品の位置づけですが、おそらく児童文学に類するものと思われます。とい

うのも主人公が小学生であり、文体が一人称であるからです。

 かと言って完全に子供向けかというとそうでもありません。随所に古き良き田舎

の風景を描写する箇所があり、ほたる、カブトムシ、神社に花火にがんこオヤジ

と、大人の忘れかけた郷愁の要素が満載に詰め込まれています。昔の思い出をお持

ちの方はもろにストライクなのではないでしょうか。

 小学生の一人称と聞くと、幼稚な感想文を連想するかもしれませんが、まったく

そんな表現はありません。むしろ主人公の見たり聞いたりした感想がうまく描かれ

ており、一気に読みすすめることができます。

 
 気になる感動度はいかほどのレベルなのか、やはり気になるところですね。そこ

が作品の肝でもあるようですから、読んでる私もハラハラしてしまいました。

 ちゃんと感動できるのか、大丈夫なのか。

 結論から言いますと、まったく心配ありません。安心してラストまで読みすすめ

ることができます。無論、お約束が前提なので、先が読める展開ではあるのですが

気負わないで読みすすめることが可能な作品なので、素直に心に染みてきます。

 私は問題なく感動することができました。ただ、ラストに辿り着くまでに、作品

の中を流れるゆるやかな田舎時間にどれだけ浸れるか、登場人物にどれだけ感情を

寄せることができるかが重要になりますので、何もない息抜き時間に読むというの

がベターな選択となるでしょう。

 私はお約束の展開は大歓迎のタイプなので、この方が書かれた本は今後も要チェ

キですね。


 ※ 以下、ネタバレの可能性があります。

 では読む前に、だいたいの粗筋をご説明いたしましょう。

 主人公はユウタ。小学6年生です。父親を交通事故でなくしておりまして、よく

一緒にカブトムシを取りに行った思い出があるという設定です。

 今回は夏休みを利用して、一人で思い出の地を訪れたところから冒険が始まりま

す。舞台は田舎なのですが、タイムスリップして過去に行きますので、本物の田舎

です。

 現代はダムになってますが、過去にはその場所に村があったという構成内容で

す。

 お約束型タイムスリップ系なので、もちろん最期は現代に帰ってきますし、その

後の主人公ユウタの話も展開されます。タイムスリップにつき物の「そうだったの

か!」も用意されてますので、押さえるべきツボはきちんと押さえてます。


 一番の見所は、やはりラストでしょう。感動系はどうしてもラスト以外はすべて

伏線、前フリという感じになってしまうので、すべて読まないとせっかくの読書が

無駄になってしまいます。そう聞くと読むのが億劫だとなってしまいますが、文章

はサラサラと頭に流れ込んできますので,いつの間にかラストになっていること請

け合いです。

 余計なことでしょうが、ラストはお約束のハッピーエンドです。ハッピーエンド

しか読まない私が保証いたしますので、安心してお読みください。

 今後のご活躍が非常に楽しみな作品ですね。



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