![]() | 虹色ほたる―永遠の夏休み川口 雅幸アルファポリスこのアイテムの詳細を見る |
この作品は、行きつけの書店に山積みされていたものを衝動買いしたものです。
帯に書かれた「ラスト、涙が止まらない! 感動ファンタジー」のうたい文句が
気になり、気がついたらレジへ。
作者の川口 雅幸氏は岩手県出身の方だそうで、岩手生まれの岩手育ちの私にと
ってはぜひ応援しなければならない作品。
加えて作品の概要は、過去にタイムスリップした少年の夏の思い出という代物。
感動とハッピーエンドが約束されたようなこの設定、さらに私の好きなファンタ
ジーという要素が詰め込まれているとあらば、外すわけにはいきません。
さっそく「虹色ほたる」の読書マニュアルをご説明しましょう。
まず作品の位置づけですが、おそらく児童文学に類するものと思われます。とい
うのも主人公が小学生であり、文体が一人称であるからです。
かと言って完全に子供向けかというとそうでもありません。随所に古き良き田舎
の風景を描写する箇所があり、ほたる、カブトムシ、神社に花火にがんこオヤジ
と、大人の忘れかけた郷愁の要素が満載に詰め込まれています。昔の思い出をお持
ちの方はもろにストライクなのではないでしょうか。
小学生の一人称と聞くと、幼稚な感想文を連想するかもしれませんが、まったく
そんな表現はありません。むしろ主人公の見たり聞いたりした感想がうまく描かれ
ており、一気に読みすすめることができます。
気になる感動度はいかほどのレベルなのか、やはり気になるところですね。そこ
が作品の肝でもあるようですから、読んでる私もハラハラしてしまいました。
ちゃんと感動できるのか、大丈夫なのか。
結論から言いますと、まったく心配ありません。安心してラストまで読みすすめ
ることができます。無論、お約束が前提なので、先が読める展開ではあるのですが
気負わないで読みすすめることが可能な作品なので、素直に心に染みてきます。
私は問題なく感動することができました。ただ、ラストに辿り着くまでに、作品
の中を流れるゆるやかな田舎時間にどれだけ浸れるか、登場人物にどれだけ感情を
寄せることができるかが重要になりますので、何もない息抜き時間に読むというの
がベターな選択となるでしょう。
私はお約束の展開は大歓迎のタイプなので、この方が書かれた本は今後も要チェ
キですね。
※ 以下、ネタバレの可能性があります。
では読む前に、だいたいの粗筋をご説明いたしましょう。
主人公はユウタ。小学6年生です。父親を交通事故でなくしておりまして、よく
一緒にカブトムシを取りに行った思い出があるという設定です。
今回は夏休みを利用して、一人で思い出の地を訪れたところから冒険が始まりま
す。舞台は田舎なのですが、タイムスリップして過去に行きますので、本物の田舎
です。
現代はダムになってますが、過去にはその場所に村があったという構成内容で
す。
お約束型タイムスリップ系なので、もちろん最期は現代に帰ってきますし、その
後の主人公ユウタの話も展開されます。タイムスリップにつき物の「そうだったの
か!」も用意されてますので、押さえるべきツボはきちんと押さえてます。
一番の見所は、やはりラストでしょう。感動系はどうしてもラスト以外はすべて
伏線、前フリという感じになってしまうので、すべて読まないとせっかくの読書が
無駄になってしまいます。そう聞くと読むのが億劫だとなってしまいますが、文章
はサラサラと頭に流れ込んできますので,いつの間にかラストになっていること請
け合いです。
余計なことでしょうが、ラストはお約束のハッピーエンドです。ハッピーエンド
しか読まない私が保証いたしますので、安心してお読みください。
今後のご活躍が非常に楽しみな作品ですね。
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