露擁護の北朝鮮、ウクライナ侵攻に乗じて核・ミサイル開発加速
3/5(土) 17:24配信
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【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮が5日、ロシアのウクライナ侵攻に乗じてまたも弾道ミサイルを発射した。北朝鮮は国連でも、後ろ盾の一つであるロシアを擁護する姿勢を鮮明にしている。ロシアと米欧の対立で国連安全保障理事会が機能不全に陥る中、核・ミサイル開発を加速させる好機と判断したとみられる。 北朝鮮外務省は、キム・ジョンギュ同省欧州1局長が3日、マツェゴラ駐朝ロシア大使と会談し、「両国間の戦略的協力を一層強化するための問題」を討議したと明らかにした。
「差し迫った相互の関心事となる地域と国際情勢」でも意見を交わした。ウクライナ問題を指すのは明らかだ。 北朝鮮外務省報道官は、前回のミサイル発射直後の2月28日、ウクライナ侵攻の根源は「全面的に米国と西側の覇権主義政策にある」と批判。
「米国と西側がロシアの正当な要求を無視し、NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大を進め、欧州の安全保障環境を破壊した」と主張した。 北朝鮮は3月2日の国連総会の特別会合でも、圧倒的多数の賛成で採択されたロシア非難決議に反対。金星(キム・ソン)国連大使は2月下旬の国連の別の会議で「われわれの自衛的国防力強化措置は中長期的な国防科学発展計画を遂行するための正常な活動の一環だ」と強弁した。バイデン米政権などがウクライナ侵攻の対応に追われる中、ミサイル実験の常態化を狙っているようだ。
一方で、5日は北朝鮮の最大の後ろ盾である中国の全国人民代表大会(全人代=国会)の開幕日に当たる。北京冬季パラリンピックも4日に開幕した。金正恩(ジョンウン)朝鮮労働党総書記は北京五輪開催に合わせ、習近平国家主席への親書などで中朝協力の強化を確認しており、ミサイル発射だけでは中国への刺激は限定的だと踏んだ可能性がある。 9日には韓国大統領選も控えており、相次ぐミサイル発射が親北傾向の韓国与党に不利に働く可能性もある。ただ、北朝鮮は対外宣伝サイトで与党候補の不正疑惑も指摘しており、与党候補が当選することへの期待の薄さも垣間見える。
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