生まれたその日の輝きが,
影をつくった。
月日を重ねて生きる,生きるごとに,
影は幾重ものグラーデションを作り出していった。
それが,こころの広がりと,深さだ。
ただの暗闇ではない,
いろのないいろと
いろのない輝きからなる,寂莫とした世界。
白くひかり,黒に沈んでゆく,
黒い水面には,白い月が浮かんでいる。
生まれたその日の輝きは,
消え行く日まで,こころに広く,深い影をつくる。
影が呼ぶ声
白く冴え。
輝きに浮かぶ笑顔は,
時として,黒に沈む。
喜びは,いつのまにか絶望を生み出し,
苦しみが,希望と変わる。
影が伝える,
生きることの苦悩を,
そして,生きるということの輝きを。