A Clockwork Gallus

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おわりのはじまり-2

2010年02月16日 | 今日の〈ねじ式〉(完結)
サンキューCUTに行ってきた。
1000円の床屋さんだ。

一部では1000円の床屋は安かろう悪かろうでよく無いと言う声も聞くのだが、私の行くサンキューCUTは悪くない。

今日の担当の方は30歳代位で結婚もしていて、見た目も厭味のないおしゃれな感じで真面目そうな男性だった。

私の注文する髪型は「サイドも後ろも短くしてもらって、TOPは少し長めで」と、いたって単純な整髪なのだが、その兄さんは何となくカットスタイルが美容室のそれっぽくて、どこがどうとかはうまく言えないのだが、ちょとしたところの鋏さばきが床屋のおっちゃんのそれとは違いちょっと嬉しかったりしたのだ。

ああ、きっとこの兄ちゃんは、理容専門学校を卒業してどこかの美容院でしばらく研修して,独立の夢を持っていたのだがなかなか思うように行かず、不況のあおりでサンキューCUT雇われ美容師になってしまったのだけれども、そんな中でも黙々と技術を習得する為に日々頑張っているのだろうなあ、と勝手に想像してしまったのだ。

そんな兄ちゃんが、散髪の終わりがけに「もみあげはどうしますか」と尋ねてきたので、私は「どうがいいですかねえ、おまかせします」と返事した。

お兄さんの腕とセンスを信じたからまかせるよ、と私は伝えたかったのだ。

散髪がおわり,席を立ったときに「スタンプカードをお持ちですか」と聞いてきたので、財布から取り出して渡した。
「今日は平日ですからスタンプは2個です」と渡してくれた。

私は、ありがとうと言って店を出た。


もう、おわりに向かっているのだ、二度目に合う事はないかもしれない。
でも、お兄さん頑張れよ、今まで短くしてもらった髪型の中で今回のが最高に気に入っているよ。

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