A Clockwork Gallus

A Clockwork Gallus

キターーヽ(`Д´)ノ!のログ’09 美濃FA篇-2

2009年11月27日 | キターーヽ(`Д´)ノ!のログ(完結)
写真はありません。

初めてブラウンとか言う魚を釣ってしまいました。
40センチくらいでした。
渓流エリアの上流部で、キンタマ付きの黒いビーズヘッドニンフにボールマーカーをつけて白泡の中に放り込んだらマーカーがグイっと泡の中に消えました。合わせると奇麗なブラウンが釣れました。

「これが噂に聞くブラウンかぁ」と眺めてしまいました。

しばらくポンドで釣った後、折角なのでと渓流エリアに入ったのですが、見えているアマゴ(渓流エリアにはアマゴしか放流していないようなのですが)は全く相手にしてくれなかったので投げやりになっていた頃に、このブラウンが釣れました。

気を良くしてもうひとつ上の落ち込みの中にまたニンフを放り込んだら、岩の影から水面に浮かぶボールマーカーに突進してくる魚がいました。

ぬぬぬ、とおもいながらもう一度同じところに放り込むとまたまたボールマーカーがゴボっと泡の中に消えました。

今度は、レインボーと呼んであげて良い奇麗な虹鱒でした。

※    ※

前回の雪辱戦で改めて美濃FAにやってきたのです。

私は午後から行ったのですが、その日はすでに車が6台程止まっていました。
平日だったので貸し切りかなあと思っていたのに、思った以上に車が止まっていたのでちょっと驚きました。

私が駐車場でタックルの準備をしているとクラウンがやってきました。
中には怖そうなおっちゃんと姉さんが乗っていました。

準備をすませてとりあえずとポンドに向かうと、ルアーの人が4人とフライの人が2人いました。きっとこの人たちで今日のすべてなのでしょう、渓流エリアには誰も入っていなさそうでした。

前回はほとんど釣れなかったのでとりあえず今日はエッグフライでお茶を濁して、とオレンジのエッグを放り込んだらいきなり3匹釣れました。1キャスト1ヒットでした。

気を良くして釣っていたら、私の隣にさっきのクラウンの怖い人がやってきました。
怖いので横目でちらりちらりと見ただけなのですが、松山千春さんが来ていそうな派手な柄のスエット上下と、金のアクセがキラキラしています。サングラスは真っ黒です。
タックルを見ると何とフライロッドでした。しかも4本ももって来ています。
キャンプ用の椅子と柄の長いネットを二本携えています。

私はエッグフライをぽちゃんぽちゃん投げ込みながら様子をうかがっていると、どうやら、その怖い人は、姉さんにフライで魚を釣らせてあげようとしているようでした。

怖い人は以外にもキャスティングが上手でした。

怖い人は、ティペットの先に何を結んでいるのか分かりませんが、大きなヤーンのマーカーをつけて対岸に届きそうなくらい遠くまでキャストしては、ゆっくりリとリーブしていました。

でも、なかなか釣れないようでした。

そんな頃私は、相変わらず目の前にいる虹鱒めがけてぽちゃんぽちゃんとエッグフライを放り投げていました。
怖い人の足元にもかなり虹鱒が溜まっていたので、怖々、ときどきそちらにも投げてみたりしました。

10匹くらい釣りました。

その頃、ポンドで鱒を釣り上げていたのは何を隠そう、私一人だけでした。
フライの二人も私が釣る度にちらりと見ていました。

フライの人は律儀にもウエイダーとフライベストを着込んでいました。

私といえば、先日まで現場で使っていた緑色の長靴とカーキのチノパンツと、作業用の緑のMA-1ジャケットにオンボロウエストバッグたすきがけ、そしてベージュの野球帽なのです。
いかにもどこかのおっちゃんです。
カラーコーディネイトから表現するならば「畑の人」なのです。

※    ※

エッグフライは止めてマラブーをひっぱってみる事にしました。
不覚にもまた怖い人の足元で一匹釣ってしまいました。

怖い人は、くわえ煙草でロングキャストを繰り返していました。
そうこうしていると姉さんのロッドがしなりました。

姉さんが「ぱぱぁ、釣れたよー」と呼んでいました。
怖い人が柄の長い立派なネットですくった後、姉さんが「これどうするの」と怖い人に聞いたら、怖い人は「逃がせ」と渋く言ってました。

姉さんがパパに向かって「なかなか釣れないね」などと言っていたので、私はポンドを離れて渓流エリアに向かう事にしました。

※    ※

おわり。

キターーヽ(`Д´)ノ!のログ’09 美濃FA篇

2009年10月13日 | キターーヽ(`Д´)ノ!のログ(完結)
今度の土曜日に釣り大会を予定している美濃FAに友人と現地調査に行ってみた。

私は責任感が強いので、幹事である以上みんなが滞り無く楽しめる為にどうしても事前調査をしておかなければ気が済まないのだ。

友人とは前日の都合も有ったりで、午後からの半日券で楽し・・いや、調査しましょう、と言う事でお昼前に合流し、おいしいラーメンで腹ごしらえをして現地に向かった。

この管理釣り場は片知渓谷と言う溪に設けられており、私は以前この片知渓谷に家族でよく遊びに来たことがあって、この管理釣り場の存在自体は知っていたのだが、いつも入り口の前を通り過ぎるばかりで中をのぞいた事が無かったのだ。

先日ネットで検索してみると、渓流でも釣りができるしポンドもあるし、もちろんバーベキューもできるので、ルアーとフライと家族やちびっ子も合わせてみんな楽しめそうだ。

※    ※

お昼をすぎて13時に近づいた頃に現地に付いた。¥2.500円の半日券を買った。

一日券が¥3.000円で半日券が¥2.500円と言うのはちと不公平だなと思う。
雑誌とかによく登場するメジャーな管理釣り場の豪華なクラブハウスと比較するととても残念な程のここの受付も、それはそれでなかなか味わい深いものがあるが、それでもロケーションが一応渓谷なので私はそれだけで許せてしまう。

駐車場でニーブーツに履き替える。様は長靴。
いつものグラスのパックロッドとグラファイトの4番ロッドを持ってきたのだが、折角なのであまり登場しない4番ロッッドで出撃する事にした。

思っていたよりもちょっと小さめのポンドには12~3人くらいの人がいた。
私たちがついた時にちょうど一人が場所を空けたので、そこに二人して並んで釣る事にした。

友人は本当に久しぶりらしく「ティペットの結び方も忘れた」などと言っていたので「自分のがセット出来たらやってあげるよ」なんて最初のうちは言っていたのだが、いざ魚を目の前にするとそんな事すっかり忘れてしまった。
まあそれなりに結んで投げていたので何とかなったのだろう。どう結ぼうが切れなきゃ良いのだ。

「毛鉤は有る?」と聞くとずいぶん昔に巻いたマラブーリーチや鯉釣りの時に使っていたエッグパターンが幾つかある様なので「とりあえずは良いかなあ」と自分は黒のビーズヘッドニンフを結ぶ。
教えられた通りボールマーカー(手製の)を取付けたのだがどうもキャストを繰り返す度に動いてしまって調子が悪い。
上手く行かないのでそれを引きちぎって念のため持って来ていた鮎釣りとかで使う目印用の発砲パイプと言う物をティペットに結びつけた。眼を凝らせばこの目印とビーズヘッドの金球が何となく判るので魚が食えば合わせられるのだが、興味を示すのだがどうも食わない。
赤いのと黒いのと何度か付け替えて投げてみたがどうも食わないのだ。

そうこうしていると小学生くらいのちびっ子が近寄ってきた。
そう言えば足元に「スカリ」が沈めてある。きっとその子の物だ。

「釣れた?」と聞くと「朝から来ていて3匹釣った」と教えてくれた。
「おっちゃんはまだ一匹も釣っていないんだわ」と言うと「ルアーよりもフライの方がよく釣れているみたい」と悪気も無く親切に教えてくれた。「あ~本当~おっちゃんも頑張るわぁ」と返事しておいた。
三重県からやってきたようだった。

ビーズヘッドのニンフでどうも釣れないので、黒いマラブーに変えてみた。ぴゅっぴゅっとひっぱるとそれなりに反応する。面白くなって何度か繰り返しているうちに一匹がぱくりとくわえたのでおおおっとリキんで合わせると、合わせ切れしてしまった。口からはずれたマラブーが湖底にゆらゆら落ちて行くのが見えた。

それからいろんな色のマラブーリーチをとっかえひっかえ付け手は試してみたが、二度程ばらしたきりで依然として一匹もつれない。

気分転換にと、渓流釣り場の方に行ってみた。景色も良い。思った程ではなかったが魚の姿は見える。しかもアマゴだ。しかもそこそこ大きい。

しかも近寄っても全く逃げない。



しかもドライフライなんか全く見向きもしない。


またポンドに戻ってきた。

三時を回った頃、マラブーでようやく一匹釣った。
そしてしばらくしてもう一匹釣った。

マラブーをひっぱると何度か当たりはある。

4時頃、もう一度ビーズヘッドニンフに変えてみた。
何投かしていると一匹がぱくりとくわえた。
しめしめとネットに寄せようとしていると、魚のばしゃばしゃ跳ねる音に反応したのかそこら中の虹鱒が集まってきた。ああ気持ち悪い。きっとご飯の時間と勘違いしているのだろう。

それからしばらくしてまた別のが毛鉤をくわえた。またうじゃうじゃ寄ってきた。
私が友人に「今がチャンスだぁ。入れ食いだあぁ。毛鉤を投げろぉ。」とちらりと横を見たらもつれたリーダーを一生懸命ほどいていた。

その魚はネットの手前で逃げて行った。

隣でコンスタントに釣っているフライの人が一人いた。

※    ※

帰りに受け付けでバーベキューの事などを少し尋ねておいた。
なにせ、事前調査なので。
予約は要らないが、前もって電話いただければ良い場所を確保出来ますから、と言っていた。
「今度の土曜日に伺う予定なんです。」と言うと「その日はまだ何も予約が入ってい無いので是非どうぞ。」と言ってくれた。

※    ※

今日電話で、今度の土曜は天気が悪そうなので延期にしよう、と言うことになった。

今年もお世話になったお礼に-2

2009年10月06日 | キターーヽ(`Д´)ノ!のログ(完結)
フライロッドを洗ってあげた。



6Pのパックロッドなのだけれども、一年中ほとんどつなぎっぱなしなのだ。

久しぶりに全部はずしてフェルールのところも綿棒で掃除した。

コルクのグリップも、洗剤を付けてステンレスたわしで軽くこすると、手あかが落ちて奇麗になった。

私はやはりこのコルクのグリップが好きで、しかもコルクの本来の穴ぼことかにうまく粉を詰めて奇麗にお化粧された物よりも、その詰め物が風化とともに落ちて風情を感じるようになった頃のが好きなのだ。
しかも形は「ちくわ型」がいい。

私は今まで新しく買ったロッドのグリップは、その日のうちに庭の砂にこすりつけて、いつも少しボロッちくして使い始めていたのだ。

※    ※

私はそんなグリップを密かに「利休好み」と呼んでいる。

今年もお世話になったお礼に-1

2009年10月05日 | キターーヽ(`Д´)ノ!のログ(完結)
フライリールを洗ってあげた。



ラチェットのところのグリスをすべて落として、タオルで拭きあげた。
一日そのまま乾かして、あした新しいグリスを塗ってあげよう。

それから、ついに長年愛用したラインを処分する事にした。
きっと10年は使ったと思う。WFだったので涙をのんで処分する事にしたのだ。

やっぱ次はDTにしよう。そうすればきっともう死ぬまでフライラインを買い替えなくてもいいのだ。私の場合。

しかしこのリールも何だかぼろぼろだなあ。
このリールは、フライショップイナガキでハーディー会員の割引を使って確か20.000円位で買ったのだけれども、今ちょっと調べたら¥34.000円もするので、きっともう買えない。

まあ、当時も清水の舞台にはしごを立てて、その上から飛び降りるくらいの覚悟で買ったのだけれども、今考えたらあの頃はまだ安かったのだなあ。



でもこのリールがやはり一番好きなのだ。

キターーヽ(`Д´)ノ!のログ’09 越百川編-4

2009年09月18日 | キターーヽ(`Д´)ノ!のログ(完結)
コンビニでお茶を買った。
お金を支払っておつりを貰った。レシートは貰えなかった。

自営業になるまではレシートなんて気にも留めなかったのだが、自分で経理をし、帳簿を付けるようになってレシートが必要である事がよくわかった。

パソコンの中で会社の入出金と会社の通帳と個人の通帳、あと手元に残っている小口の現金を監理していて、私もやり出すと案外几帳面で、財布の中身の一円まで帳簿と合っていないと気持ち悪いので、会社の帳簿とあまり関係ない雑支出まで記帳するようにしている。
まあ、個人経営で、財布までも細かく個人と会社と分けて持ち歩いている訳ではないので、ある程度は個人の支出も付けておく必要があるのだ。

それでも毎日帳簿を締める訳でもなく一週間に一度とかなのでレシートが無いとどうしても金額が合わなくなってしまう。
でもまあそれは個人の支出の部分ばかりなので、最終的には使途不明金で帳尻を合わせるのだが、やはりレシートに基づいてちゃんと記入したいのだ。

※    ※

コンビニの店員さんはレシートをくれない事が多い。

そんなこんなで、商品とおつりと合わせてレシートも客の物なのにと最近と強く感じる私は、機嫌のいいときは「レシートくださいね」と優しく注意を促す。
ちょっと何かに不満を感じているときだと、おつりをいただいたあとに無言で手の平を差し出し、「まだ渡す物があるやろ」と念波をぎらつかせるのだ。それでも気がつかない馬鹿店員にはちょっと怒り口調で「レシート!!」と催促する。

しかしちょっと気力が萎えているときは「まあいいか」とレシートの為のやり取りが面倒になり、レシート奪還攻防戦に参戦しないのだ。

※    ※

家を出る時に冷蔵庫の中を調べたら水筒に入れる麦茶が出来ていなかったので、コンビニで500mlのお茶を買った。

ちょっと気力が萎えていたので、比較的キャストしやすい越百川に来た。
釣り始めて、いそうなポイント2つ3つに毛鉤を流したカタの辺りで岩魚が飛び出てきた。
アントの毛鉤を結わえていたのだが、それをカディスに付け替えて少し釣り上がっていると流芯から岩魚が出てきた。
「何だかアマゴが出てきそうなところから岩魚が出てくるな」と思いながら、カディスの毛鉤をはずし胸のフライパッチで乾かしてあった最初のアントをまた結わえ直した。

そうやって二個の毛鉤で魚が釣れる度に取り替えながらそれぞれ三匹ずつ釣った。20センチを越えたくらいの岩魚ばかりだった。
二時間程釣った。

釣り損ねたけど、毛鉤にお相手してくれた魚も幾らかいたので食い気が出ていたのかもしれない。

カディスで三匹目の魚を釣ったあと岩に腰掛けベストの背中のポケットに入れてあったペットボトルのお茶を飲んだ。

今週のサービス品らしく、20円程お値打ちになっていた。

「ひゃくにじゅう・・何円だったっけかなあ」と思い出しながらお茶を飲んだ。





キターーヽ(`Д´)ノ!のログ’09 蘭川編-4

2009年09月11日 | キターーヽ(`Д´)ノ!のログ(完結)
竿を手に林道を歩いているとイガ栗が落ちていた。
秋なんだなあ、と少し寂しくなった。
もうすぐ禁漁だ。

※    ※

今年は蘭川によく通った。
この前来た時に、次ぎは少し上流を釣り上がりたいと思っていたのだ。

※    ※

アスファルトの道路から林道に分け入って少しのところで車を止めた。
その先すぐにゲートがあり、それを越えて15分くらい歩くと新しい堰堤に出る。
前回はここまで釣り上がったのだった。

堰堤の上でガイドにラインを通しティペットに毛鉤を結んだ。

最初のうちは提灯釣りじゃないと竿を出せない程の川幅だったが、しばらく進むと空が開けてきた。
秋の風が溪を抜けて心地よい。



小さな流れの中から小さな岩魚が毛鉤に飛び出てきた。
思わず竿を立てたら魚が掛かった。

12番くらいの毛鉤を結わえてあったのによく銜えたものだとたぐり寄せたら、えらの辺りにスレで掛かっていた。



溪は落差が大きくなり、落ち込みと小さなプールの連続になった。
流した毛鉤に川底から真っすぐ浮かび上がってきたアマゴが毛鉤をくわえた。



※ 

毛鉤をキャストしようと身を乗り出したら、目の前の岩陰から真っ黒な岩魚が向かいの落込みに向かって逃げた。

その真っ黒は流れが滑り落ちる岩にたどり着くと、その岩にしがみついた。

「しがみついた」

その真っ黒には手があったのだ。
それは岩魚ではなく黒いねずみだった。

※ 

岩に腰掛けてお昼ご飯を食べた。



相変わらずのおにぎり二個と今日はチーカマとお茶。
お茶はほうじ茶。

※ 

落ち込みに投げた毛鉤が目の前の岩の影に流れてきたので、かがめていた腰を伸ばし覗き込もうとしたら、その岩陰から型のいい岩魚が現れた。
毛鉤をくわえるとくるりと身を翻したので竿を立てるとぐぐっと魚の動きがが手に伝わってきた、かと思った瞬間ラインが跳ね上がり宙を舞った。
鉤がはずれたか、とラインをたぐり寄せたらティペットが切れて毛鉤が無くなっていた。

何度か木の枝に引っ掛けたティペットのままで釣り上がっていたので傷んでいたのだろう。鉤がはずれて逃がしたのならあきらめもつくが、ティペットが傷ついていたのを取り替えずにいて釣り逃がした事に後悔した。

※    ※

私は自分で編んだファールドリーダーを使っている。
無精者なので季節の初めに結わえたきり、ひとシーズンをそれで通す。

秋の頃になればそのリーダーは全体に細かいケバが目立つようになり、水を含むとロッドやラインに絡み付く。

少しミスキャストするとティペットも訳が判らない程に絡み付く。

オフのシーズンになれば次の季節の為のリーダーを編むのだ。
ラインもコーティングのひび割れがひどくなり張りが無くなった。
かれこれ10年くらい使っているのかなあ。
来シーズンは新しいラインを巻き込みたいなと思う。

今は白い色のラインを使っている。
4番のロッドも白いラインだ。
2番のロッドは薄い茶色。
モンブランのケーキの上に絞り出された栗のクリームのような薄い茶色のラインだ。
次はその色でもいいなと思っている。

※    ※

今日の笑っていいともに小栗 旬さんが出ていた。

「小栗 旬」って美味しそうな名前だなあと思った。

※    ※

木曽川に向かう途中、中津川を過ぎたところに栗きんとんのおいしい店があって、いつも食べたいなと思うのだが通り過ぎてしまう。

高級すぎて手が出ないのだ。

※    ※

溪はすでに栗きんとんの季節に移ろうとしている。


キターーヽ(`Д´)ノ!のログ’09 庄内川編

2009年09月04日 | キターーヽ(`Д´)ノ!のログ(完結)

名古屋市を流れる庄内川。

一説によるとこの川にもサツキマスが遡上してくると言う。
ほんまかいな。

※    ※

午前中少し時間が開いたので、かねてから気になっていた庄内川に行ってみる事にした。
我が家から車で10分だ。

数年程前にJR中央線の河川橋が架かる辺りで鯉釣りを良くしたものだが、その後その場所も少し釣りにくくなったので最近は足が遠のいている。
今回は、ほんの少し上流の東名阪自動車道の高架橋が川を渡るあたりに行ってみた。

十数年前はこの河原まで四駆の車であれば乗り入れて来る事ができ、その頃我が家はスズキのエスクードと言う車に乗っていて、夏休みの頃には子どもとよく河原遊びに来たのだったのだが、ある時車が川の中で横転事故を起こし死者が出た為に、車止めを設置し河原への乗り入れが出来なくなってしまったのだった。

当時は砂利まじりの広い河原だったのだが、人が立ち入らなくなて今では腰の丈程の雑草が生い茂っている。
それでもわずかの践み跡があるのでそれを辿って河原に出てみた。

臭い、何だか臭い。

それでも以前遊んでいた頃と川の流れはあまり変わっていないので、そんな中でも魚がいそうな場所を探して川の中を歩いてもた。
チャラ瀬が続く場所もあるので、長靴姿でも対岸に渡る事も出来る。

ベストのポケットからフライボックスとティペットを取り出してウエストバッグに突っ込んでやってきたのだ。
フライボックスから残り物のアントの毛鉤を結んで投げてみると、着水と同時にモロコかなにかの小さな魚が突っつきにくるのだがさすがに小さな口ではハリにもかからない。

あれこれ場所を変えて、岸際の草の下やちょっとした沈み石の周りなどに投げてみるのだが、やはり何も相手にして来ない。

対岸に渡って少し下がろうとしたらゴミ黙りの中に出てしまった。
流されたサッカーボールや誰かの靴の片方に混じって、半分に折れた卒塔婆が落ちていた。

気持ちが悪かったので、最初に居た左岸側に戻ろうとまたチャラ瀬の中を横断しながら岸よりの木の茂った辺りなどに毛鉤を流していたら、誰かが近くでくしゃみをした。
誰もいないのに。

お昼近くになったので、もう戻ろうと川通しで歩いていると鯉が泳いでいた。
眼が慣れてくると鯉もすぐ見つかるものだ。
カディスを投げてみたが、川底をもぞもぞしている鯉は見向きもしない。

戻り道に、草の茂った河原の中の60センチ程の幅のしっかりした道を見つけた。
どこまで続いているのだろうか、かなりずっと長く続いているようなので少し歩いてみる事にした。
オフロードバイクが何度か走ったような跡で砂地がしっかり見えている。
どこかで土手に上がることができるのかなと思いながらずいぶん進んだ。
だが、川の流れから少し離れた場所を川に沿い、草むらの中をただただ進むだけなのだ。

それでも足元をよく見てみるとついさっき歩いたような人の足跡と動物らしき足跡が残っている。
誰かの犬の散歩コースなのかなあ、と考えながら歩く。
砂地の道が土に変わり細い践み跡に変わってきた頃、目の前の草むらの向こうの、上半身裸の男の人がたたずんでいるのに気づいた。

すぐさまUターンして今来た道を戻った。

恐らく社会生活を捨てた人だろう、さっきのくしゃみも今の人に違いない。

草むらの帰り道、長靴の中に溜まった水が妙に生温く感じた。

キターーヽ(`Д´)ノ!のログ’09 蘭川編-3

2009年08月19日 | キターーヽ(`Д´)ノ!のログ(完結)
二ヶ月ぶりの釣りなのだ。
我が社も売り上げが少ないので少し自粛していたのだが、我慢出来なくなって二ヶ月ぶりにロッドを持ち出すのだ。

前日、彼女に「貴重な釣行なので朝早ーくに出発して夜遅ーく帰ってくる」と告げてめざましを四時半にセットしたのだった。

で、溪についたのが七時。

今期の初めに、このシーズンは毎回違う溪に行く事にしよう、と思っていたのだが不況のおりにガソリン代も馬鹿にならないので新規開拓の遠出が出来ない。
なので、今年の初めに初めて竿を出した蘭川と「もう少し親しくなってみよう作戦」に路線変更なのだ。

で、この前同様長者畑川との出会いの堰堤横に車を止めたのだった。

先行者の車がいた。尾張小牧のナンバープレートだ。

こんな早くに名古屋からよく来るなあ、と自分の事を棚に上げて呆れながら準備をする。
どうか長者畑川に行っていて下さいますように、と願いながらロッドをつなぐ。

ここまでの道は蘭川の右岸川に沿った道で、この長者畑川との出会いから蘭川は右に別れる。
道路は左側の長者畑川の右岸に沿って上がって行く。
蘭川はその先で別の林道に左岸で接近するのだが、そこに出ちゃうと一度国道付近まで下がってそれからここまで戻らなければならないのでかなりの遠回りなのだ。

釣り始めたが何だか魚の気配がない。足元を逃げる影も見かけない。
さっきの車の人かなあ、と頭をよぎったが、新しい足跡もなさそうだし蜘蛛の巣もあちこちにまだ張り巡らされている。

時折可愛いのが毛鉤を突きに来るのだが、針掛かりしそうな サイズに出逢うこと無く小さな堰堤まで来てしまった。ここを乗り越えると、その先すぐに大きな堰堤があってそこで折り返しになる。

その小さな堰堤の上で少しお茶を飲んだ。心はうらぶれている。

ウエイダーと短パンとパンツを一気に下げて我慢していたおしっこをした。

改めて毛鉤を流すとすぐに小振りながらもアマゴが釣れた。20センチ足らずくらい。朱点が無い。
ヤマメってことは無いよなあ、朱点の無いアマゴかなあ。


さっき、ちんこ丸出しにしたので山の神様が喜んでくれたのかなあ、と気を良くして釣り上がるとまたすぐに毛鉤が飲み込まれた。

右側の岩沿いを流れた毛鉤に左から大きな影が飛び出してきた。竿を立てたらゴンゴンと強い手応えがした。岩の影に潜り込もうとしているらしい。
山の神様ありがとう。

しかし、3秒程その強い手応えを感じたあと毛鉤がはずれた。残念だ。あの手応えなら尺は間違いない、いや、尺五寸かも。もしやヌシかも。
釣り上げられなかったヌシの思い出を私はたくさん持っているのだ。

しかしまあ、私のちんこの威力は可愛いアマゴと3秒間のゴンゴンゴンしか無いってことなのだ。

※    ※

釣り上がった溪をそのまま引き返して車でおにぎりを食べてたら携帯電話が鳴った。
ベストのポケットから携帯電話を取り出して出ると見積り依頼の電話だった。
仕事が欲しけりゃ釣りに行け、のジンクス健在なのだ。
「今ちょっと外出中ですのでファックスは夜見ておきまーーす」と電話を切った。
釣りの最中とはさすがに言えない。

※    ※

車で一度国道付近まで戻り、それから蘭川の左岸側の道に入り滝見温泉の横を抜けしばらく進むと、林道への分かれ道がある。
その林道を少し進んだところで車を止めた。
その先にゲートがありそれを越えてしばらく歩くとさっき折り返した堰堤を越えた辺りに出ることができる。
そこまでは、グーグルマップで調べておいたのだ。

何せここから先は初めてなのだ。

グーグルマップで見る限りでは堰堤の上にすぐ降りられそうだったのだが実際は高低差がきつくとても無理だ。
あきらめてしばらく進むと溪への践み跡があったのでそこから降りる。
ジュースの空き缶が2つ落ちている。

釣り上がったあとまたここまで戻って脱渓しなければいけないかも、と目印にハンカチを木の枝に結ぶ。
お祈りかねてもう一度おしっこをする。

釣り初めてすぐにイワナが釣れた。朱点のあるイワナ。
これもそんなに大きくはなかったが、それでも嬉しい。

写真を撮ろうとして、ベストのポケットの携帯電話を探したが入っていない。
「あれっ」と思いあちこちのポケットを探ったが無い。
さっき車で電話に出た時にそのまま座席の上に置き忘れたのだ。

まあいいか、とそのまま釣り上がったら今度は奇麗なアマゴが釣れた。
これはそこそこのサイズで、しかも何よりも絵に描いたように奇麗なアマゴだった。
これは写真に残せないのは残念だなと、しばらくネットの中で遊ばせたのち流れの中に帰って行ってもらった。

その後、針掛かりしなかったり見切られたリが続きしばらくして小さなアマゴが釣れた。

どこで引き返そうかと迷いながら進んでいると堰堤が見えてきた。
グーグルマップでは気がつかなかったので意外だった。
ここでUターンだなと堰堤まで詰め上がるとすぐ横に林道が見えた。
その堰堤の付近だけ草も木も生い茂っていないので簡単に林道に出ることができる。
この堰堤は数年前に作られたのかもしれない。
グーグルマップに写り込んでいなかったのも恐らくその所為だろう。

折角だからと思い、林道を少し上がってみる事にした。
しかしすぐ先の沢筋が流れ込む辺りで少し開けた空き地となり、林道は行き止まりになっていた。
そこから先は沢筋沿いに分け入る道が続いていたが一人では心細いので引き返す事にした。

溪に降りたところまで戻り、ハンカチを回収して車に戻ると四時になっていた。

※    ※

本当はこれから蘭川の開けた下流域でゆったりロッドを降ろうかなと考えていたのだが、ほとんど休憩も無くひたすら歩いていたのでさすがに疲れ果てた。
足も痛いし肩も痛い。
最後には足を引きずって林道を降りてきた有様なので、毛鉤をほどく事にした。

※    ※

車の中の携帯を見たら着信が4件入っていた。

※    ※

ソーセージと温くなったお茶を飲み、電話をかけ直した。


キターーヽ(`Д´)ノ!のログ’09 蘭川編-2

2009年06月27日 | キターーヽ(`Д´)ノ!のログ(完結)
出かけに水筒にお茶を入れたあと、朝ご飯になるものを探したがめぼしいものが無かったので、コンビニでサンドイッチを買うことにした。
冷蔵庫に牛乳があったのでそれをもうひとつの水筒に入れた。

車の中で音楽を聴ながらサンドイッチと牛乳での朝食だ。
ベーコンとトマトとレタスのサンドイッチにした。
ブラックペパーの効いたマヨネーズドレッシングが美味しい。レタスもシャキシャキしている。
久しぶりにコンビニのサンドイッチを食べた。

我が家からいつも向かう南木曽界隈の川までだと、2時間ほどかかる。
その間の高速道路だと春日井インターから中津川インターまでが1時間弱なのだが、朝早くの時間だと、平行して走る国道19号線でも多治見市内を過ぎてその先は信号も少なく、所要時間はそれほど変わらないので、最近は節約もかねて国道を走る。
通いなれて道中の景色も見覚えが出来ると案外近く感じるものだ。

自宅を6時少し前に出発して8時過ぎに河原に着いた。

歩き方にくせがあるのか、それとも姿勢が良くないのか、右側のおしりの奥、関節のあたりにほんの少し鈍い痛みがいつもあって、それが気になって、夕べベッドの上で長々とストレッチをしたら、余計にそこが痛くなった。
ウエイダーを履きながら余計な事するんじゃなかったと思った。

三本入りの魚肉ソーセージを一本だけ食べて、もう一本をベストのポケットにお茶と一緒に入れた。
もう一本はおにぎりと一緒に車に残しておく事にした。
昼過ぎにはここに戻って来るつもりなのだ。

前回、久々に持ち出した竹竿の穂先が折れて釣り上がることができなかった蘭川に、来てみた。この川はまだ一度も歩いた事が事がない。
竿が折れるまでのほんの少し竿を出した場所で釣り損ねた魚がいたので、それも気になっていたのだ。
岩の下から魚は毛鉤をくわえようとした瞬間に強いドラグがかかり、くわえそびれてまた岩の下に潜り込んでしまったのだった。

その同じ場所に、ドラグを気にしながら毛鉤を投げた。同じようにあの魚が岩のくぼみから姿を見せた。
ゆっくりと流れる毛鉤をしばらく追いかけたが、鼻先が触れるかどうかのところでくるりと向きを変え、また岩の下に潜り込んでしまった。

蘭川は釣り上がった先で林道に脱渓すると、入渓点までかなり遠回りをしなければならないので、どこかで折り返さなければいけない。
その事を気にしながらも、目の前の先には良いポイントがありそうな気がしてついつい先に進んでしまう。
次ぎの岩陰の当たりが・・といつも思ってしまう。
ときどき、岩に腰をかけ背中のポケットに放り込んだお茶を飲みながら、どうしようかなあと考えつつも、あともう少し、と釣り上がったら堰堤が現れた。
最初に、何とかよじ登れそうな低い堰堤があり、そこを上がるとその先に大きな堰堤があった。

釣り始めてから3時間程だった。
区切りがついたのでここで引き返す事にした。

最近どうも釣りが雑になって来たのか、毛鉤を木の枝に引っ掛けて無くす事が多かったので、今日の目標は「毛鉤を無くさない」だったのだ。
ちなみに「3個までは許す」だったのだが、なんと今日はひとつも無くさなかった。
もちろん木の枝には結構引っ掛けたけど。

長者畑川の合流点まで戻り、最初の釣り損ねた魚のいる岩の脇にもう一度毛鉤を流してみたが姿は見せてくれなかった。

※    ※

携帯の電話が鳴った。

※    ※

自宅に戻りグーグルの衛星写真で見てみると、この堰堤のすぐ左岸側に林道が接近していた。
次ぎはここから釣り上がっても良いかなと思っている。

キターーヽ(`Д´)ノ!のログ’09 岩倉川編

2009年06月10日 | キターーヽ(`Д´)ノ!のログ(完結)
折れた、と言ってもまだかろうじてくっついている。
こんな事でくじけていてはいけないと車に戻り、運良く転がっていた仕事の養生用テープを巻き付けた。
復活!

そして念のためコンビニに立ち寄ってセロハンテープを買ってさらに巻き付ける。

で、早速岩倉川へ。

テープで補修しただけだけど傷の具合が浅かったのか何とかなりそうだ。
まあまあ使える。
まあまあと言うか、かなり調子がいい。
午前中よりもうまくコントロール出来るような気がする。
ギブスロッドの方がいいかも。
(まあこれは午前中使ってこの竿になれて来たからだろうけど)

てなわけで早速釣り上がると、


やって来ました岩魚ちゃん。

そしてアマゴちゃんも。


一日が終わってみると、まあそれなりに楽しむ事が出来ました。
思い出に残る日でした。
さすがにくたびれましたけど。

※    ※

折れたロッドは次の日、木工ボンドでくっつけました。

キターーヽ(`Д´)ノ!のログ’09 蘭川編

2009年06月10日 | キターーヽ(`Д´)ノ!のログ(完結)
ほんのちょっとだけ気合いを入れたのだった。

仕事があまり無い中の釣りなので少し気が引けたのだが、どうせそんな時に行くならと、いつもより早起きして朝と呼べるうちに溪に立って、1日を目一杯楽しもうと気合いを入れたのだ。

夕べのうちに有る程度準備しておこうと竿をいじっているうちに「たまには竹の竿も使ってやるか」と一度セットしたいつものグラスロッドを片付けて、竹竿用のリールに巻き込んだラインにミュシリンを塗り込んだ。

その時にはこの竿がポッキリいっちゃうとは夢にも思っていなかったのだ。



朝のうちに長者畑川に着いた。
先日初めて釣り上がった川なので、もう少ししっかり記憶しておこうとこの川に決めたのだった。

久しぶりの竹竿はどうもしっくりいかなかった。ここ数年6PCのグラスロッドしか振った事が無かく、しかもそれがもう自分の手のようになっていたので、有る程度ラインを伸ばしてのキャストならフォルスのうちに毛鉤をコントロール出来るのだろうけど、ショートレンジのキャストではどうもうまく狙ったところに毛鉤が落ちてくれない。
やはりいつもの竿にすれば良かったかなあ、とちょっと後悔しながらそれでも頑張って釣り上がったのだが、結局毛鉤をくわえたのは10センチくらいのアマゴ1匹だけだった。



2つ並んで現れる堰堤の上の段の溜まりで、そこそこの大きさの影を見つけたので岩陰から毛鉤を投げ込んだら、その横をそれの倍は有る影が走った。

ああ、この魚を釣って竿がポッキンならまだあきらめもつくのだがなあ。でもポッキンはまだ先なのだ。しかもこの魚は、影を見せてくれただけだった。

長者畑川をこの前の脱渓場所まで釣り上がり、車まで戻った。10時を回ったところだった。いつもならようやく川に到着する頃だ。

車の中でおにぎりを一個食べお茶を飲んだ。
このあと行く予定の岩倉川の事を考えると、まだ少し時間に余裕がある。

この車を止めた場所は蘭川と長者畑川の合流点なので、少しだけ蘭川も覗いて見る事にした。

出会いのすぐ先のプールでそこそこの魚がいた。
毛鉤をちらりと見に来たのだが、ドラグがかかっていたのか、岩陰に潜り込みもう出て来なかった。

その先でも、ちらりと姿だけ見せてそのまま隠れて行った。

長者畑川ではほとんど魚の気配がなかったのに、蘭川ではそれらしきところにはちゃんと魚がいてくれた。
ただ、相変わらすキャストがままならず、魚が毛鉤をくわえる事は無かった。

ふと、毛鉤が吸い込まれたような気がしたので竿を立てたら、頭上の枝に糸が絡まった。
相変わらずこんな事ばかりだ。

いらつきながら、ラインをすべてリールに巻き込んで竿先をゆらせながら引っ掛かった毛鉤を無理にはずそうとしていて、違和感に気づいた。

なんか角度が変・・・竿が折れている。

その場に座り込んで5分間その折れた竿先をただじっと眺めていた。


まだお昼前だと言うのに。


岩倉川編につづく。


キターーヽ(`Д´)ノ!のログ’09 阿寺川編

2009年05月28日 | キターーヽ(`Д´)ノ!のログ(完結)
ここんところの釣りはほとんどが小さな沢筋ばかりなので、フライラインをキャストするにはかなりストレスが溜まる。
そのかわりそんなところなので入渓する人もそう多くなく、一日竿を出せば退屈しない程度に釣れるのだけれども、さすがにそんなとこばかり通っていると、たまにはもう少しラインを伸ばして心地よく毛鉤釣りをしたくなるのだ。

だから、阿寺川に行って来た。
ここは今までに楽しく釣れた記憶がまったく無い。

ずいぶん昔に砂小屋キャンプ場の少し上で別れる北沢で、まあまあの岩魚が釣れた覚えがあるけれど、それきりなのだ。

時間帯にもよるのだろうけれども、確かに渓相は良いし入渓もしやすいのだけれども、流れる水もとても美しいのだけども、それほど魚影がない。
いつも不用意にばしゃばしゃ水に入る私の足元から逃げる魚の影を、あまり見た事がないのだ。

でも、そんな阿寺川でも釣果をのぞまなければ毛鉤の釣りをとても楽しめるので、ときどきこの砂小屋キャンプ場まで足を運ぶ。
ただ、キャンプシーズンに入ると、砂小屋キャンプ場の駐車場に違法駐車しづらくなるので(お金はちゃんと払いましょう¥1.000円です)五月のうちに、と思い行って来た。

お昼を挟んで前後1時間づづくらい釣り上がってみた。
開けた川なのでフォルスキャストしながら移動できるのでらくちんだ。

それにしても、何だか魚の気配がない。珍しく誰も他に入っていないようなのだが何の反応もない。
いつもはここまでたどり着くまでに数台の車を見かけるのだが今日は1台もなかった。
このキャンプ場にも車がない。
そして魚までも見かけないのだ。
それでも頑張って毛鉤を流していると、ようやくアマゴらしき魚が毛鉤をくわえた。と思ったらすっぽ抜けた。

肩のところにいたアマゴが毛鉤を追ったがくわえられずに落ちて行った。

頑張って頑張って、どうにか一匹釣れた。足元が悪かったのでひとつ下で取り込もうと無理矢理引っこ抜いたら、落ちたところで鉤からはずれた。

木陰の中を狙ったらなんとか毛鉤をくわえてくれたのだが、すぐに上から垂れ下がった木の枝にティペットが絡まった。
焦って木の枝から糸をはずす前に魚がはずれた。

幾匹かがすっぽ抜けた。その度に毛鉤を交換した。

目の前に下がった枝の下で黒い影が浮いているのが見えた。今度こそはと慎重に毛鉤を投げた。
少し前方の左寄りに落ちたのでダメかなと思ったのだが、ピックアップは出来ないのでそのまま流し続けた。
たるみなのでゆっくり流れる。しばらくするとその黒い影がふらりと毛鉤に向かって泳ぎ出し、すっと飲み込んだ。
竿を立てると魚の感触が伝わって来た。



※    ※

ようやく一匹のイワナを釣る事が出来た。黒いイワナだった。それほど大きくなかったけれどもようやくの魚だったのでちゃんと写真を撮ってあげようと、足元の石を並べ直して舞台を整えネットから出して横たえてカメラを構えようとしたら、ひと跳ねして川の中に消えて行った。

※    ※

何だか疲れ果てて、もう引き上げようかなと思っていた頃、石の脇で流れた毛鉤を突いた魚がいた。うまくくわえられなかった。もう一度流したらまた出て来た。またくわえられなかった。もう一度流した。まただめだった。もうあと3度くらい流したが毎回出て来てはうまくくわえられずに沈んで行った。

何度流しても必ず出て来るのでしつこく流していると、ようやく毛鉤をくわえる事が出来た。

今日唯一の写真を撮った。

ちっちゃい。


今日は本当に何をやってもダメな日だった。
そんな日の帰り道を撮影しておいた。